のづ随想録 〜風をあつめて〜
 【お知らせ】いよいよ『のづ随想録』がブログ化! 

【のづ写日記 ADVANCE】

2002年03月25日(月) スペシャルウィークに突入

 大仰に言うことではないが、3月27日が俺とツマの入籍記念日、ということになっている。この日は、実は、悪友のWの誕生日でもあり、俺は一生彼の誕生日を忘れることが出来ない体になってしまった。
 そんなことはどうでもいい。
 明後日に記念日を迎える、ってなことで、この一週間はわが家にとっては『スペシャルウィーク』なのである。この安っぽい響きがいいよなあ、『スペシャルウィーク』……。
 まずはその第一段として、今日は早々に仕事を切り上げ7時半過ぎには帰宅、ツマをマンションの下に待たせ、そのまま会社の営業車で寿司を喰いに行った。勿論オットのおごり、である。この太っ腹。まあ、正直に申し上げると、俺達が行った寿司屋は若干、回転気味の寿司屋ではあったが。
 最近の回転寿司は侮れない。回転寿司でコレなら合格でしょう、と言えるような旨い店が多くなってきた。我々が向かったその回転寿司も、巷ではなかなか評判の店である。
 この店でちょっと面白いことがあった。
 ツマの隣に座っていた3人組の男女、かなり機嫌よく飲み食いしている模様。その中の女性がカウンターの中のオニイサンに生ビールの中ジョッキを注文をした。
「生中、ください!」
 オニイサンは「はいよっ!」と威勢よく応える。手際よく準備し、彼は注文した女性に一枚の皿を差し出した。
「はいお待たせ、ハマチ!」
 そのやりとりをずっと見ていた俺はココロの中で激しくツッコんでいた。
 このオニイサンはどうも耳が遠いらしい。いや、本人の名誉のために言うとそんなことはないのだろうが、かなり聞き間違えが多いようだった。
 フロア係の女性が店内に向かって「一名様、お願いします!」と声を通すと、そのオニイサンは明らかにこう呟いていた。
「え、しめサバ?」――俺は聞き逃さなかった。

 寿司屋で満腹となり、ちょっと遠回りをして家路につくことにした。近くにちょっとした桜並木のような場所があるので、そこを経由して車内から夜桜見物。毎年この時期になると、俺とツマはこうしてここの桜を見に来るのだ。
 そのままTSUTAYAに向かい、CDを4枚借りて帰宅した。

 27日当日には例年のようにちょっとした花束でも買って帰ろう。そして31日の日曜日には苦労して手に入れたチケットを握り締め、東京ドームへ行く。巨人―阪神の開幕第2戦、夫婦揃って気合を入れて観に行く。
 今年のスペシャルウィークは充実してるなあ。



2002年03月23日(土)  成長

 この土日もフツーに出勤。滋賀での過酷な労働は続く。

 滋賀への出張もいよいよ1ヶ月を迎えた。この土地に来た頃はまだまだ本格的な寒さが続いていて、ほぼ毎日のように雪がちらつき、駐車場に停めた営業車のフロントガラスは毎朝しっかり凍り付いている、という極寒の日々だったのだが、俺自身がこの寒さに慣れてしまった、ということを差し引いても、確実に春は近づいていることを実感する。思えばつい先日の「本日の最高気温 −1℃」などは、冬将軍のラストスパートだったのかもしれない。凍える部屋にいるときも、ちょっと前までパジャマの下にトレーナーを着込み、厚手の靴下をがっちり履いていたが、今はトレーナーも靴下もさほど必要ない。日中も多少寒さが和らぐ日が続いている。
 確実に春は近づいている。
 そんな折、埼玉に残したツマから写真付きメールが俺のケータイに届いた。
『うちの一郎たちもこんなに大きくなりましたよ』――というような内容のメールに添えられた、大きくそしてたくましく育った我が家の一郎たちの画像。思わず頬をゆるめる俺。
 誤解のないように、さっさとオチを言ってしまうけれど、“一郎”とは今妻がベランダで育てているチューリップの芽の名前である。都合11個の球根が淡い緑色の芽を出した時点で俺は彼らを“一郎”“二郎”……と順番に名づけていた。「そんな名前はやめて」とツマは当初嫌がっていたくせに、最近ではツマの方から『一郎が……』というメールを送ってくる。
ツマの“弱い”ところのひとつがコレだ。俺のテキトーなネーミングを拒否しつつも結果的にすぐに受け入れてしまうところ。我が家ではさまざまな事柄やモノに名前をつけることがよくあって、例えばツマが実家から頭髪がツンツンしたぬいぐるみをもらってきたとき、風貌がどうみても「兵頭ゆき」にしか見えなかったそのぬいぐるみを、俺は『兵頭』と名づけた。真っ向からそのネーミングを否定していたツマだったが、いつのまにかそのぬいぐるみは『兵頭』で定着してしまった。
俺の健康を気遣って、ツマは俺の好物のひとつである“豚汁(とんじる)”を作るとき、時折豚肉を控えめにするときがある。
「今日は豚(とん)ぬき豚汁だよ」 とツマが言うのに対し、俺はすぐさま、
「それは“汁(じる)”だよ」と言った。ナンカ汚そうな感じでいやだ、とツマはその名前を否定したが、次にその“豚汁”が食卓に並ぶときはツマのほうから、
「今日は“汁(じる)”だよー」 と言ってしまうのだ。
―閑話休題―
もしかしたら俺の滋賀出張の間にチューリップの花が咲き終わってしまうかもしれない、という想いで俺は一郎たちと別れた。今日届いたケータイの荒い画像からも、緑色に力強さが増し、少しずつも大きくなっていることが伺えた。その画像を見た後、俺は訪問先へ向かう車の中で家へ電話をかけた。
「メールありがとう」
『うん、一郎たちも大きくなったでしょう?』
「奴らはどれくらい増えたの」
『今、八郎くらいかな』
 聞けば、4月から5月には一郎たちが赤や黄色に咲き誇ることだろう、とツマが自慢げに言った。
 なんとかこちらでの仕事をきっちりやっつけて、一郎たちが美しく花咲くのを我が家で見届けたいものだ。

 確実に春は近づいている。



2002年03月20日(水) 最近、気に入っているモノ

■『三谷幸喜のありふれた生活』朝日新聞社刊・1200円税別
 二月に出版されていたらしいのだが気がつかなかった。先日、ふらり立ち寄った本屋で見つけて、予定していたプロ野球選手名鑑の購入を延期し、即購入。
 朝日新聞(の、たしか夕刊)に今も連載されている、劇作家・三谷幸喜の日常を綴ったエッセイである。特別ドラマチックなわけでもないし、深く人生について掘り下げているわけでもないが、三谷幸喜の雰囲気がそのまま現れていてとても面白い。三谷ファンなら是非、とオススメしたい(M.Sさんはもう読んだだろうか)。彼が書くような軽妙洒脱な(――本人はそんなつもりはないと思うが)エッセイを書きたい、と彼の本を読むたびに思う。

■『Bloomin'!』 Tommy february 6
■『二人のアカボシ』キンモクセイ
■『キラキラ』小田和正
 中途半端に古くなってしまった感のある楽曲も含まれるが、この3曲はたいへん気に入っている。
 Tommy February 6はビジュアルもなかなかよいのだが、なにより楽曲が聴いていて気持ちが良い。CMにも使われていたが、メロディがキャッチィで、かつ考えて作ったな――という風情が見え隠れしているところも玄人好みされるところではないか。はやいとこTSUTAYAでアルバムをレンタルしてこなきゃ。
 『二人のアカボシ』ははっきり言って名曲である。初めてラジオから流れるこの曲を聴いたとき、ずがんと心に響いた。メロディが整っている。変に小細工していない。キンモクセイというバンドのメンバーが全員垢抜けていないのがまた恰好良い(この路線ではコブクロの『エール』もお気に入りだ)。これは俺の“ココロのベストテン”にランクインされそうな一曲だ。はやいとこTSUTAYAでCDシングルをレンタルしてこなきゃ。
 小田和正の『キラキラ』は、かつての人気ドラマと共にヒットした『ラブ・ストーリーは突然に』ラインの一曲、という感じ。実はこの『キラキラ』が主題歌となっているドラマ『恋ノチカラ』に俺がハマっている、というのも要因の一つだったりする。ああ、深津絵里はいい女優だなあ。

■フライドチキン(ファミリーマート・120円税別)
 ファミリーマートのレジの横にコロッケやらフライドポテトやらファーストフードが陳列されているケースがあるのを御存知の方も多いだろう。この商品の中のひとつに“フライドチキン”があるのだが、これが実に美味い。ケンタッキーフライドチキンに目がない俺にとって120円で食えるファミリーマートのフライドチキンはもはや毎日の夕方の誘惑の悪魔だ。表面はサクサク感があり、中はジューシー――となんか聞いたような文句だけれど、マジで美味いから試しに買ってみたまえ。出来れば揚げたてを狙って買うのがベスト。



2002年03月17日(日) ばかなことをやったもんだ <其の四>

 後になって分かる、ということはずいぶん沢山あるものだけれど、やはり学生時代というものは、そうとは知らずに“時間”が有り余る程にあった。いや、そう言えるのは俺だけで、他の正しい学生時代を過ごした人は、勉強にアルバイトにデートにと『時間がいくらあっても足りない!』と悲鳴をあげている人もいたのかも知れない。
 まあ、俺もそれなりに学生時代はアレコレと手を出して忙しい日々を過ごしていたようにも思えるが、実際振り返ってみると、『あんなこと、よっぽど暇じゃなきゃやらねーよなあ……』ということを幾つもやってきた(その“暇じゃなきゃやらない(莫迦な)”ことを振り返っているのがこの『ばかなことをやったもんだ』シリーズなのだが)。

 例えばサークルやゼミで、春・夏・冬の長期休暇になると、なにかにかこつけてメンバー揃って遊びに出かけることがあるじゃないですか。それも宿泊がらみで。まあ、全てが遊びではないにしてもどこかしら“遊び”の要素も否定できなかったりする。
 大抵、『合宿』という名目ですね。
 普段は学校もバラバラだが、なにかにつけて集まる地元の仲間達で、俺達も『合宿』をやろうじゃないか、と言う話が持ち上がった。もう、この時点でばか。どうせ普段から集まったとしても、飲み食いして冗談ばかり言っているだけなのになにが『合宿』か。
 俺達のお決まりで、その企画にも大仰なタイトルが冠せられた。

『春の強化合宿』

 俺達の何を強化しなければならないのか、などということは誰も考えなかった。“強化”という響きが嬉しいだけだった。内容はと言えば、メンバーのひとりの親御さんが持っている建てたばかりの新築アパートで一泊して飲み食いする、というだけ。こんな莫迦な企画に女性も含めて10人近くが参加しているのだからどうかしている。ばか。みんな、ばか。
 食料を買い込み、冗談を言い、みんなで飲み食いし、冗談を言い、一晩中トランプに興じ、冗談を言い、朝から『黒ヒゲ危機一発ゲーム』をやり、冗談を言い……。普段集まってやっていることと何ひとつ代わりはなかった。兎に角、誰に遠慮をするわけでもないので、確かにそれぞれのテンションは高かった。こんな風にちょっとだけ環境が変わることで普段見ることのない仲間の表情を見ることが出来る、明日の時間を気にせずにばか騒ぎが出来るということは実にエキサイティングな時間だった。
 今から思えば、夢のような時間だった。

 翌年はさすがにメンバーの都合が合わず、日帰りのドライブとなってしまったが『春の強化訓練』と称して、前年と同じ銚子方面へ土砂降りの中のドライブを敢行した。
 何も強化することの出来ない時間だが、俺は春になると、また何かを“強化”するために仲間とふらりと出かけてみたい衝動に駆られるのだ。



2002年03月13日(水) 事務所から愛を込めて

 時々こういうことがあるが、今回は会社の事務所にあるパソコンからコレを書き込んでいる。ウィンドウズのノートパソコンにMacintoshのリンゴマークのシールを貼ってある。
 時刻にして22時45分、残業中だが、もう誰もいない事務所。経費削減の折り、自分の机の上の蛍光灯だけを点けて、エアコンの音が静かに低く唸っている。携帯ラジオの小さなスピーカーからFMのハイテンションなMCの笑い声が聞こえてくる。
 こういう時間が好きだ。
 やらなきゃならないことはまだあるンだけれど、とりあえずそんなややこしいことをアッチの方へ放り出して、こうしてコレを書いていると、普段は『足りない!』と不満を言っている“時間”というものを贅沢に独り占めしているような気分だ。傍らの缶コーヒーが程良くぬるくなって、今、イッキに飲み干す。
 俺がコレを打ち込んでいるこの時間に、俺の知り合い連中は何をしているんだろう−−とどうでもいいことを考えることがある。まだ残業している奴もいるだろうか。会社の同僚と酒でも飲んでいるヤツもいるだろう。自宅でのんびりくつろいでいるヤツもいるだろう。そうだ、新婚旅行から帰ってきたアイツらはもう二人の生活を始めているのだよな、うんうん……などと考える。
 ああ、意味のない文章。
 さてさて、アッチの方へ放り出してしまったやらなきゃならないことを、また拾いに行くか。



2002年03月10日(日) 笑い

 先日BSで放送していた『いま裸にしたい男たち〜三谷幸喜』という番組をビデオに録画してあったので、ツマと一緒に観ていた。昨秋公演された芝居が出来上がるまでを、三谷を中心に追いかけたドキュメンタリーだ。
 今や、“三谷幸喜”の名前を知らない人はいないだろう。超がつくほどの売れっ子コメディ作家、3年先のスケジュールまで詰まっているというのだからスゴい。俺はといえば、学生時代、まだ“三谷幸喜”の名が今ほど世間に知れる前に何度か彼の芝居を観ていて、今となっては結構自慢になっている。とにかく腹を抱えるほどに面白い芝居だった。
 俺は“笑い”が大好きだ。笑うことも、笑わせることも。
 んなこと言われなくてもオマエの日常の言動を見ていればわかる、というのがココの読者の皆さまの大半の意見であろう。特に俺は人が笑っているのを見るのが好きなので、“笑わせる”ことが難しいと知りつつも、くだらない冗談を連発している、というのが俺の日常かも知れない。そんなことを俺はまさに幼稚園時代からやっているのだから、我ながら……という想いだ。

 俺がまき散らした“笑い”の幾つかに、誰かが引っ掛かって笑ってくれると、俺は本当にうれしくなる。
 人を笑わせたことで、一番嬉しかった瞬間――というのが俺の記憶にある。
 大学4年の秋、俺は夢だった舞台を経験するために、旗揚げしたばかりの小さな劇団に所属して12月の公演を目指して稽古に励んでいた。
 高校時代の仲間でもなく、大学のサークルの仲間でもないメンバーと毎日のように芝居の稽古をしているのが実に新鮮で、俺はこの劇団にすぐ馴染むことが出来た。『見た目は真面目そうなのに冗談ばっかり言っている(主演女優・談)』俺というキャラクターを、メンバーは温かく受け入れてくれたようだった。
 ある日、稽古を終えたメンバーが揃って山手線に乗っていた。いつものように雑談が交わされるのだが、その時、俺は仲間達にふとこんな話を始めた。まあ、言わば“ネタ”のひとつだった。

「ほら、プリンセス・プリンセスのことをサ、“プリプリ”って略したりするじゃない?」
「うん」
「こないだサ、サークルの部室で後輩たちが『ぴあ』を読んでたんだよね。で、誰かがコンサート情報のところを見つけて、『あ、ドリカムだあ』って何気なく言ったんだよ」
「うんうん」
「そしたらさ、別のヤツがサ、こんなこと言ったんだよ。『ああ、ドリカムね。いいよねえ、“ドリンセス・カムンセス”』」
「(一同、山手線車内で大爆笑)」
「“ドリンセス・カムンセス”ってスゴいだろ? なんか、こう、強そうだろ?」
「(一同、山手線車内でさらに大爆笑)」
「“カムンセス”って。“ケムンパス”じゃないんだから」
「(一同、山手線車内でなおも大爆笑)」

 車内の乗客にはちょっと迷惑かも、というくらいにメンバー達は大笑いしていた。主演女優のTはしゃがみ込んで笑っている。
 よしよし、ウケたウケた――と自己満足しつつ、ふと視線を移すと、座席で座っている大学生くらいの男性がうつむき加減に肩をふるわせて笑っていた。どうやら俺達の話を聴いていたらしいのだ。俺の視線に気づき、彼は平静を取り戻そうとしたが、明らかに頬がゆがんでいた。
 まったくの第三者が笑っている――。なにかこう、俺は勝ち誇ったような気分だった。

 ……ばかだな、俺。



2002年03月09日(土) まだびっくり、アクセスカウンタ

 もはやライフワークとしての堂々たる風格すら感じる(感じない感じない)月イチ恒例、アクセスカウンタのコーナーでございます。誰も興味のない、俺だけの自己満足と知りつつ、今月も振り返ってみましょう。

<アクセス数>
 01/09/20……97 → 10/07……200 → 11/10……420 → 12/09……702  → 
 02/01/09……990 → 02/10……1488 → 03/09……1818
<更新数>
 9月……15回 / 10月……11回 / 11月……13回 / 12月……13回 /
 1月……13回 / 2月……10回

(表にしようかと思ったんだけど、iモードでココを見ている人もいるのでやめました。優しいなあ、俺)

 2月の更新回数が過去最低の10回、かろうじて二ケタ更新をキープです。何度か日記の中で触れたが、そこそこお仕事の方も忙しくてなかなかゆっくり愛機iMacくんの前でキーボードに向かう――と言う時間が作れなかったとは言え、これには俺自身も「あれまあ……」という気分である。それでもアクセス数は2月度で330(一日平均11アクセス)もあって、わざわざココをのぞきに来ていただいている方々にはホント申し訳ない。日記が更新されない日々が続いているのに、ただいたずらにアクセス数だけが増えてゆく――そう考えるだけで俺のガラスのハートはきりきりと痛むのでした。
 しかしまあ、これだけネットが日常化し、家庭でもオフィスでも気軽にネット接続できるようになった今、俺の身近な友人達の何人かは確実に、それこそ一日一回はココにアクセスしているのかと思うと、もはやココは皆様のポータルサイトと言っても過言ではない……いや、過言だったな。
 キリ番ゲットのメールも何通か頂いております。
 一番笑ったのはM.Sさんの報告。かつて『1111』をゲットした彼女は今『2222』狙いに走っている様ですが、その過程で『1399』と『1501』という微妙にはずしたキリ番をゲットしております。彼女はキリ番ゲットには向いていないのではないだろうか、という気すらします。
 ちなみに『1500』をゲットしたのは何を隠そうこの俺。会社から何気なくココにアクセスしてみたら『1500』の文字が。誰に怒られるわけでもないのに、小声で「やべ……」と呟いてしまいました。それ以来、俺は日記を更新する時以外にはここにアクセスしないようにしています(だから数日振りに日記更新の際にアクセスすると、びっくりするくらいにカウンタが増えていて、俺のガラスのハートはきりきりと痛むのです)。
 さて、今月はいよいよ『2000』が遠くの方に見えてきました。日々のアクセス、本当にありがとうございます。毒にも薬にもならないココを今後も気軽にのぞきに来て下さいましな。



2002年03月08日(金) 花粉症

 前回もちょいと触れたが、俺はどうやら確実に“花粉症”への道を確実に歩んでいる。もとよりツマは昔から花粉症で悩んでいて、常に自分の近くにやわらかティッシュを常備していて、俺は密かに大変だなあ……と同情する側だったのが、その年、どうもくしゃみやら鼻水やらが頻繁となる。ウチは“鼻が悪い”家系で(――と言っても兄貴だけの話だが)、俺もちょっと風邪をこじらしたりと体調を崩すとすぐに鼻がグズグズするタイプだったが、これぁ風邪とは違うぞ、ということは感覚的に分かった。
「それは間違いなく花粉症だよお」
 とツマは嬉しそうに言った。
 その時はかなり全面的に否定していたが、昨年の春先にも同様の症状に見舞われた。前の年の症状よりもすこし酷くなっているような気もした。
 今年になって、やはりくしゃみ鼻水という症状は確実に現れ、俺はオノレが“(軽度の)花粉症”であるらしいことを自覚した。
 あーあ、ついに俺も花粉症か……という気分だ。
 こればっかりは今ンところ特効薬らしいものもなく、一生付き合っていかなければならない病気なので、これ以上症状が酷くならないことを祈るばかりだ。

 最近よく見かける花粉症対策グッズのひとつで、『ワイヤ入りマスク』というのがありますね。
 マスクのガーゼ部分の上部にワイヤが入っていて、ちょうど鼻の輪郭の形にワイヤを折り曲げれば、ガーゼが完璧に顔にフィット、イヤな花粉をシャットアウト!――という代物である。もともとは医療用だったとか。まあ、それくらい神経質になる程、花粉症が深刻な人にはありがたいグッズなのでしょうかね。
 なるべくなら俺はそういったマスクを着用しなくても済む程度の症状で治まってほしい。

 あ、今ふと思ったんだけど、“花粉”って弱そうな言葉だよね。

「かふん」

 ちなみに強そうな言葉の代表は『ダム』です。(N.Sくんにだけ伝わればいいです)



2002年03月06日(水) 春来たるらし

 ふとタイトルのようなフレーズを思い出したのだが、なんか、こういうのあったよね。よくは覚えてないんだけど。
 というわけで3月になりました。
 今日は気温も15度くらいまでは上昇したらしく、営業車で走り回る俺もはじめて車のヒーターを一日付けることなく過ごしました。日中は窓を閉め切っていると暑いくらいで、うっすらと額に汗までかく始末。車内着用に買ったユニクロのフリースもそろそろお役御免となりそうです。

※  ※  ※

 今日はいろんな話が出てくるので覚悟するように。なんたって久しぶりの更新なので。
 と言うのも、2月末に仕事が一気にバタバタと忙しくなったせいなんだけれど、帰宅も遅くなり、睡眠不足が2、3週間は続きました。先日はついに耐えられなくなって、某コンビニの駐車場に車を止めて1時間以上も爆睡してしまった。お店の従業員には迷惑な話だよなあ。
 そのバタバタ期間には仕事以外にも重要な任務があった。それは招待されている大学時代の後輩の結婚披露宴でのスピーチを考えなければならない、ということ。後輩から依頼されたスピーチを軽く請けたはいいものの、なかなかゆっくりと考えをまとめる時間がない。営業車で移動する道すがら、ハンドルを握りながら、
「――ええ、只今御紹介いただきました……」
 なんてぐあいにちょこっと練習する程度。まあ、なんとかなるだろう――と思いながら当日を迎えるハメになってしまったのだ。
 その披露宴は3月3日のひなまつりの日だった。ちょっと薄曇りの肌寒い日だった。
 新郎新婦が二人とも大学の後輩、ということもあって、俺と共に招待された大学時代の仲間に会うのは実に卒業以来、というような奴もいて、ちょっとした同窓会気分だった。年賀状の写真では見ていたが、もう子供もいる後輩がたくさんいる。当時カラオケで『お久しぶーりいねえ〜』などと絶叫していたオンナがいいお母さんになっている姿は実にほほ笑ましい。
 新郎新婦の普段のキャラがにじみ出ていて、とてもいい披露宴だった。考えてみれば、新郎や新婦と親しい仲間が沢山招待されていたのだから、俺がスピーチなどさせてもらってよかったのだろうか、とふと考える。たいへん厳しい方、と聞いていた新婦のお父様の、披露宴の最後に新婦が読み上げた手紙を聴いている時の眼がとても優しくて、ちょっと胸を打たれた。
 その帰り道、俺と同じ西武線で帰る後輩と電車の中で“川越トーク”で盛り上がった。
 彼女は川越在住であり、俺は仕事で川越を担当している。俺は彼女から“美味い店”をいくつも教えてもらったので、仕事の合間を見つけて足を運んでみようと思う。
 彼女が教えてくれた店で一番興味を覚えたのが、川越市役所の近くにあるという『岩田屋』と言う店。
 聞けば、そこは夜の10時くらいから店を開くパン屋らしい。いわゆる“あんバタ”を売る店で、結構な行列を作る店だという。オカマっぽいおじさんが注文を受けてはもたもたとパンにあんことバターをぬり出すのだ、という。
 なぜ夜の10時開店なのか? そんな時間に行列が出来ているのか? 本当にオカマのおじさんが店を切り盛りしているのか? 彼女の話を聞けば聞くほど俺の好奇心はかき立てられた。
 彼女に謎の店『岩田屋』を教えてもらったその二日後、俺はわざわざ遅くまで残業して(2月28日にオープンさせた川越の店に行って、アルバイトの指導をしていた)、10時近くに彼女に教えられたとおりの場所を目指した。
 あった。小さな駄菓子屋のような店構え、あたりは当然店仕舞いをしてしまっているのに、ガラス戸から柔らかな蛍光灯の白い光が道路に漏れて、そこだけぼんやりと浮かび上がっているようにも見えた。なんかココだけカッコつけた表現になってしまったけれど勢いだからしょうがない。
「あはは、本当にあるよ!」 俺は明らかにニヤけ顔になり、そう独りごちた。
 狭い店内ではすでに5人の先客がいた。恐る恐る店内に入ってみると、ショウケースの中に様々な種類のパンがずらりと並べられていて、その向こうにはおじさん――というよりは明らかにおじいさん――がたった一人で客の注文に答えていた。
 オカマのおじさん、というわけではなさそうだが、明らかにパンにあんことバターを塗る仕草は妙に女性っぽかった。俺は“あんバタ”を買って車の中で食べた。素朴な、懐かしい正統派の味だった。
 妙に暗算が早い、オカマ風おじいさんの切り盛りする謎のパン屋『岩田屋』は、確かに実在した。
 話はまったく変わるけれど、2年前にその兆候を見せていたのだが、どうやら俺は軽く“花粉症”になっているらしい。
『エイズと花粉症にだけはなりたくない』などとかつて暴言を吐いていた俺も、ついに春先にはぐずぐずと鼻をすすり上げるようになってしまったのだ。まあ、今はそれほど深刻な症状はなく、ほんの一時的にクシャミが止まらなくなったり、通常より鼻をかむ回数が増える程度だが、これが来年再来年となると症状が徐々に深刻化してゆくような気がしてならない。

 一気に書いたけれど、まとまらなかったなあ、やっぱり。


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