はなこせんせいの日記
教育の現場の様子と気付いたことを折々の出来事に載せて綴ります。

2003年12月26日(金) 年の瀬・・・走る師

 年の瀬ですね。12月は師走とも言いますが、はしっております。
あれこれと走る。休みなのに、なぜか?のあわただしさ・・・。
 年が明けると、卒園式の準備です。・・・寂しい・・・
準備が一つ終わるたびに、子供達との想い出がよみがえります。
 準備はどんどん進んでいくのですが・・
あっという間の三月がきて、今度は泣き声と歓声に包まれた4月がやってきます。
 去るものあれば、来るものあり。1年一年があっという間に流れていきます。
 お子さんをお持ちの方。二度と同じ時間、同じ体験はやってきません。その只中では本当に大変な時期ですが、長い人生のほんの数年間。しかもあっという間に過ぎてしまうこの大切なときを、どうぞ逃さないように・・・。
 今年も大変お世話になりました。また来年も日記を御覧くださいね。
 はなこせんせいは里帰り。また、年明けにお会いしましょう。
 みなさま、良いお年をお迎えください。



2003年12月22日(月) 休みの間は・・・休み??

 幼稚園は、冬休み中もやっています。預かり保育もしくは特別保育といって、お仕事をしているかたや、何か用事があるかたが対象です。料金は園それぞれです。(ちなみに当園は無料です)この預かり保育、最近変わってきました。以前は少ない人数でしたが、お仕事をする人も多くなり、子どもの数も増えました。時には2クラスの人数になることもあります。
 夏季・冬季の休みは先生たちにとって、大切な時間です。新しい学期の準備を進めます。行事の計画、こまかい作り物などこまごまとあります。これを済ませておかないと、新学期が始まってから大変です。子どもと時間は待ってくれませんから。
 休みの間は、実は休みではありません。もし「長期休みもあるし、幼稚園の先生もいいかも・・・!」などと考えているかたがいたら、少なくとも当園には就職しないほうがいいかな?
 教育は時間がかかるもので、日々子供達が作っていく制作や、行事での出し物などなど、下準備は大変な時間がかかっているのです。まあ、丁寧にだしをとると、美味しい料理ができるのと同じで、ここが肝心なのです。
 経験を重ねてくると、プライベートで旅行にいっていても「ちょっとまって、あれつかえる!!写真写真!!」と何度立ち止まることでしょう。端からみたら、変な人に見えることもしばしば・・毎日勉強、何でも興味。そんな人は、是非この仕事をお勧めします。
 ちなみに、今日も子供達が幼稚園にきています。異年齢の保育は普段とは違って、年長は小さい先生になり年少の面倒をみてくれたり、お散歩したり、かくれんぼをしたり、小さいグループならではの方法で楽しんでいました。
 明日はお休み、水曜日は子供達とクリスマスパーティーでもしようかな?



2003年12月13日(土) みんなのお遊戯会

 お遊戯会が終わりました。
ふーと先生たちも安心、子どもも達成感につつまれていました。
 反省会をして、しみじみと・・・
 今日のお遊戯会はみんなの会でした。
なんだか照れくさいような表現ですが、会を行うためにたくさんの保護者の協力を得ました。それはほとんどが陰ながらのもの。
 だから、この場をかりていいですか?
「本当にありがとうございました!!!」
当園の保護者のかたは本当に協力的で、頭が下がります。
子供達のために力をあわせてくれる姿がきっと子供達にも伝わっているだろうし、それが「教育」だなあ、としみじみ思うのです。
 そういえば、昔は年中行事に村の人、町の人が総出で協力し、お祭りやらなにやらとやっていました。集団の中での身の処し方なども、自分の親の姿をみて、学んでいったのだと思います。「大草原の小さな家」でもありましたね。主人公の親は働き者、子供達もしかり。小物屋のいばりやさんのおうちでは、子供達も威張っていました。家庭の教育力!なんていう名前を掲げなくても、どの親もそれぞれ手本をしめしてきたのですね。
 子供達は、本当にすばらしかった!その子なりにとてもよく頑張っていました。園長が挨拶で「ここまでくるには、その背景がある。そこまで感じて御覧下さい」といっていました。本当にさまざまなドラマがありました。
 手前味噌になりますが、先生たちも努力していました。最後までより良い会になるように、それぞれの経験のなかで精一杯取り組んでいたようです。もちろん、不足なところだらけでしたが、心意気だけは子供達にも伝わったようです。
 お遊戯会が終わるまでの、「プロジェクトX」並みのドラマ、ここでは書ききれません。
 とにかく、経験は子供達を成長させます。ですから、たくさんの経験を用意して子どもを受け入れる。経験は本番だけではありません。過程にこそ成長のステップが隠れているのです。
 明日から、一週間で冬休み。
 イーッパイあそぶぞ!!



2003年12月10日(水) てぶくろ

 「先生、おはよう!」
4歳の男の子が、朝やってきました。
 「先生、今日も雪で遊ぶでしょ!」
 「もちろん!!」
すっかり雪遊びの衣装です。
 「ちゃんとてぶくろもってきたのね」
 「そうだよ、かっこいいやつ!」

昨日の、雪遊びがよほど楽しかったとみえて、
最近ぐずって幼稚園にいきたがらないといっていたのがうそのよう。

 「ぼくのも、すてきでしょ」
違う子が、私の顔のまん前に手をつきだします。
 「この星のところが、かっこいいでしょ」

うんうん、すごーいすてき!といいながら、こどもって本当に正直で、気が利いていると感心しました。昨日、雪遊びして、幼稚園のてぶくろ借りたんだよ!とおうちで話したのかもしれません。はたまた、今日はてぶくろ持っていかなくちゃ、といったのか?

おまけに、楽しいことがあると、幼稚園に行かなくちゃ!という気になるんですから、先生たちは、毎日ワクワクする環境を設定しなければなりません。
練習が続いたり、ちょっと気が抜けると、子どもはとたんに察知します。
もちろん、幼稚園思い通りになることばかりではないのですが、こどもの目の輝きは、だれよりもするどい保育の評価なんだと思っています。

 たくさんのてぶくろにかこまれて、「昨日の保育は合格だったかな」と安心。
明日も、きらきらの眼と、元気な声がきけますように・・・



2003年12月09日(火) 言葉のちから2

 今日は雪がふったので、お遊戯のあと、さっそくお外へ!
寒い!でも楽しい!先生と雪合戦をしたり、小さな雪だるまをつくったり、とにかく楽しみました。こんなに寒いのに(しかも、雪がちらついていました)「まだ中に入りたくなーい!」という年少さん。風邪をひかないように、ちょうど良いころを見計らってお部屋に誘うことにしました。そろそろ子供達の手も、手袋すら冷たくなった頃、「一度、中にはいって手袋を乾かしてこようよ!」との誘いに初めは「もっと遊ぶ!」というので、時間延長。でもさすがにもう寒いはずのところで声をかけると、今度はすんなり入ってくれました。満足するってこういうことなんだと、改めて感じ、お部屋のなかで「先生雪楽しかったね!」の連発に「よし、明日も遊ぶぞ!」と今から楽しみな私達。
 さて、「コツ」ですが、普段から何気ないときにいうこと。かな。幼稚園でも、廊下のすれ違いざまに「お!今日は元気だね」と声をかけます。すると元気なく登園した子どもも少しずつ元気になっていきます。うそのようですが、ほんとです。つまり、「その気になる」のだと思います。ですから、ほとんど、イタリア人のように、顔を見ると「プラスの言葉をかけ」ます。これが不思議なことに、子どもも「この人は自分にいいことをいってくれる」と思うのか、用事がなくても寄ってくるようになります。そうしているうちに、子供達は本当に素晴らしい力を発揮してくれるようになるのです。
 ここで、間違っていけないのは、怒ったときにほめることです。よく「あなたはいいこなんだから・・・」「いつでもがんばりやさんなんだから、こんなことは・・・・」というふうになると、「じゃ、がんばらない!」というふうに、ほめ言葉も台無しです。普段言っておけば、何か間違いをおかす前に「いつも、○○っていわれているよな。それなのに、反対のことはできないな・・」と自分でブレーキをかけることができるのではないでしょうか。自分もそうだった気がします。
 もちろん、多少の時間はかかりますよ。今までの呪縛から子供達が解き放たれるまでは、なかなか効果がでないかも。
 ご意見おまちしております。



2003年12月08日(月) 言葉のちから

 言葉のちからを侮ってはいけません。
口から出た言葉は確実に何かの形であらわれます。
それがよく現れるのが「育児」かもしれません。
 例えば、「あんたって、本当にぐずね」といえば、
「ぐずになりますように」と願いをかけているのと同じこと。
 反対に「本当に優しい心をもっているのね」といえば
優しい心を持った子どもになるでしょう。心からの言葉であれば。
 これは、別にオカルトなことではなくて、教育の研究の中でも
「ピグマリオン効果」として、随分前から言われていることです。
 ですから、言った言葉が子どもの未来という形になって表れるのは、すごく当然のことです。
 実際、自分を振り返ってみましょう。親や先生からいわれた言葉が、随分心に残って、今の自分を形成しているということが見つかりませんか?
 昔の人も、「ことだま」といって、いいことも悪いことも口に出すと形になると思っていたようで、古典をよむと、「あれ」がくるので、子どもを隠せなどと、直接に表現しないこともしばしばです。(ちなみに、鬼とか、魔物とか)
 というわけで、幼稚園の先生は、日々子どもに言葉の栄養を送ります。
たまに「先生ほめすぎよ!」などという保護者の方もいらっしゃいますが、わけがあるのです。しかも、このほめ方には、コツがあるのです。
 そのこつは、・・・・また次回に。


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