だだ争論

だだの日記

2007年12月28日(金) 今年読んだ本 2007年版

今年読んだ本

毎年記すようにしている、今年読んだ本。
年々、数が少なくなってるなー。。。
しかも、再読のものが多い!

来年はもうちょいがんばるつもり。


1/4 綾辻行人『時計館の殺人』(講談社文庫)
1/14 池上永一『バガージマヌパナ わが島のはなし』(文春文庫)
2/11 東野圭吾『手紙』(文春文庫)
3/00 松井秀喜『不動心』(新潮新書)
5/2 池澤夏樹『きみのためのバラ』(新潮社)
5/28 京極夏彦『魍魎の匣』(講談社文庫)
6/1 池上永一『あたしのマブイ見ませんでしたか』(角川文庫)
6/20 池澤夏樹『池澤夏樹の旅地図』(世界文化社)
6/24 久間十義『オニビシ』(講談社)再読
7/8 池上永一『夏化粧』(文春文庫)
7/15 池澤夏樹『アマバルの自然誌』(光文社文庫)再読
7/23 池澤夏樹『静かな大地』(朝日文庫)再読
8/19 宮本輝『青が散る』(文春文庫)再読
9/2 司馬遼太郎『竜馬がゆく』(文春文庫)
9/12 池上永一『ヤドカリとペットボトル』(角川文庫)
9/16 姉崎等『クマにあったらどうするか』(木楽舎)再読
9/17 池澤夏樹『虹の彼方に』(講談社)
11/11 佐々木譲『エトロフ発緊急電』(新潮文庫)
11/24 池澤夏樹『やがてヒトに与えられた時が満ちて…』(角川文庫)再読
12/20 ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』(世界文学全集)



2007年12月16日(日) 登り納めで金勝アルプスへ

今年ももう終わり。
大学の先輩後輩と山に登る機会を得たので、
登り納めと称して金勝(こんぜ)アルプスに行ってきた。

以前の日記に書いた通り、ここは今年の1月に登ったばかり。
あまりの素晴らしさにすっかり気に入ってしまい、
いつかまた登る機会を狙っていたのだ。
僕がぜひともみんなと行きたいと強引に推薦して行き先決定!

当日、京都・滋賀方面は小雨がパラつくあいにくの天気。
まぁ、そのうち止むだろうと勝手に決めつけて出発した。
まずは、シダ植物の群生地を歩いたり、滝を見たり。
ジャングルチックな雰囲気が楽しい。

そして、鶏冠山というピークに達したあと、
巨岩・奇岩が連なるエリアへ。
岩を登るのはアスレチック感覚で◎。
この頃になると雨は上がり、
琵琶湖をはじめとした眼下は一望。
虹も見ることができた!

天狗岩での昼食では、今度の旅の予行演習を兼ねて。
久しぶりにMSR(ガソリンストーブ)を使う。
独特のにおいがたまらない。懐かしいにおい。
今でこそ当たり前のようにプリムスを使ってるけど、
僕としてはMSRが出発点なだけに、
プリムスはあくまで代替品に過ぎない(という認識)。
お湯を沸かすだけなのに、
久しぶりにポンピングやプレヒートをしてテンションが上がる。


後半戦では、国内でも初期に造られた磨崖仏や、
お雇い外国人、デ・レーケ氏が指導したオランダ堰堤を見ることができる
(元ボート部なので、デ・レーケという言葉に反応してしまう僕)。


ま、要するに、ここはとても変化に富んだ、楽しいコースだということだ。
山の魅力は標高ではないということを実感させてくれる。
ぜひおすすめしたい。



2007年12月02日(日) ブッキッシュ宣言!

先月より、世界文学全集の配本が始まった。
国内では実に18年ぶりという出来事。
http://mag.kawade.co.jp/sekaibungaku/

それに伴って開催されたシンポジウムに、先日参加してきた。


そもそも、この発売のニュースは昨年末の時点で知っていたし、
春先にはラインナップが発表されていたが、
僕としてしばらく様子見を決め込んでいた。
いくら池澤さん個人がセレクトしたと言っても、
世界文学にはあまり興味がなかったから。
外国の作品、要は翻訳ものが苦手なのだ。

しかし、発売が近づくにつれてメディアを中心に少しずつ話題になり、
静観するという気持ちが揺れ始めた。
「案外おもしろい体験になるんじゃないか」と。
24巻を一括で買うと約6万円で財布が少々痛いが、
毎月1巻3000円程度ならなんとかなりそうだし。


ひとまず、いつでも止められるようにと
単品で購入していくことにした
(一括で購入するより6000円高いのだけどしょうがない)。

そして、発売を迎えた頃、驚くべき事実を知る。
発売イベントで池澤さんが再び京都にやってくるのだ。
このニュースを知ってからという1ヵ月ほどの間、
とてもとても楽しみにしていた。



で、このシンポジウム、京大で行われたのだが、
講演者が池澤さんと京大出身の新人作家で、司会者が若島教授という構成。
司会者の名前にはまったく見覚えがなかったのだが、
ナボコフの「ロリータ」の新訳を最近出した人で
「やがてヒトに…」の文庫本の解説を書いてるということを知り
俄然興味をかき立てられる。

話のテーマは「文学が世界をつなぐ」ということで、
私の世界文学体験、旅と世界文学、
大学という場と世界文学などが挙がり、濃密過ぎる2時間半だった。


終始、池澤さんの語り口を惚れ惚れと聞いていた。
いやー、やっぱすごいわ。
知識の量がハンパじゃないし、記憶力もすごい!
今回の文学全集に関する裏話もいろいろ聞けたし。

編集方針などもいろいろ語っていただき、
どこまでついていけるかわからないけど、
継続して読んでいきたいと、気持ちを新たにした。
この読書体験によって、
新しい視野をどんどん広げていけたらいいなと思う。

サクッと読めてしまう今どきの小説も
それはそれでいい面があるのだろうけど、
歯ごたえのある名作をじっくり頑張って理解するというのも
またかけがえのない体験となるであろう。

「三か月で消えるベストセラーではなく、
 心の中に十年二十年残る読書体験」

期待せずにはいられない。


「世界はこんなに広いし、人間の思いはこんなに遠くまで飛翔する。
 それを体験してほしい」



さて、シンポジウムは終わったのだが、
その後で懇親会があるというので参加させてもらうことに。

京大文学部同窓会が主催ということで、会費はすべて同窓会が負担。
京大とは縁もゆかりもまったくないのに、
タダ飯、タダ酒、まことに申し訳ない。
でも、まったく知り合いがおらず、完全なアウェイ状態で肩身が狭い。

池澤さんもいらしてたのだが、
話しかける勇気もなく悶々とした時間を過ごす。
(勇気がないというより、話しかけるのが恐れ多いといった心境かな)

でもいい加減時間が経過していて、このまま散会になるのも嫌だと思い
一念発起して、池澤さんの近くに寄って行く。
そして、ついに話しかけてしまった!

4月のサイン会の時に話せなかったことを中心に、いろいろと。

いやはや、天にも昇る気持ちとはこのようなことを言うのだろう。

質問したいことは山ほどあるのだけど、
質問攻めにするのも池澤さんが大変だろうと思い、ほとんど聞けずじまい。
でも、確かに、言葉と言葉のキャッチボールを行えたことに感動した。

その後、池澤さんはお開きになったと同時に、颯爽と帰っていかれた。



まぁ、なにはともあれ、
4月の朗読会といい、今回のシンポジウムといい、
長年慕い、憧れ、尊敬し続けてきた池澤さんと
対面・会話することができて、
今年は本当に、盆と正月とクリスマスと誕生日が
まさに一緒に来たという感じの一年だった。


ファンになって8年くらい経つけど、
これまでメディアの中でしか接することができなかったので、
ややもすると、神を見ているかのような、偶像崇拝するかのような
超越した存在になりがちであった。

でも、この一年、生身の池澤さんと接することができて、
そんな崇めるようなものではなく、
もっと自然で身近な存在であることを認識でき、
自分自身の気張っていた部分が消えた感じがした。
いい意味での脱力感が得られたと言おうか。
天皇の人間宣言もこんな感じだったのではと思わせるような。



いずれにせよ、今後2年間、
世界文学全集を読むという新たな楽しみが増えたことは、
非常に喜ばしいことだ。
まずはケルアックの「オン・ザ・ロード」から読み始めようか。


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