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| 2002年11月30日(土) | 『蜘蛛の糸』 |
深夜｡
ヘンな時間に目が覚めてしまった僕は、恐るおそるその戸を開けた…｡
誰も居ない浴場｡
でも気配を感じるのは、立ち上る湯気のせいだろうか｡
左肘に何か触れた｡
けど見ても何もない｡
…?
シャワーへ伸ばした手に何か触った｡
??
見ると『それ』は すぅっと天井まで続いてる｡
そしてその先には必死に糸を紡ぐ蜘蛛の姿が…!
うぅあ!
その隣にも影を確認｡
目を凝らす｡
…デカイ｡
虫?…いやコウモリ…?(汗)
…まさか…キノコｯ!?
なんでこんなトコに?!
出ようとして肩を見ると、そこにはまた蜘蛛の糸が…!
| 2002年11月29日(金) | 予想通り、予定外。 |
ロケットの極低温試験は、4時間遅れで終了｡
試験中のトラブルにより燃料排液バルブをひとつ、交換することになりました｡
またそれとは別件で、機体のデータを地上に送る為の送信機が4点、交換になります｡
打ち上げには影響ないんだけど…｡
試験が終了後、一旦名古屋に帰れる予定だった｡
天候不良で一日延び｡
交換作業の為、種子島に戻るのが4日早まり…｡
結局名古屋には2日間しか居られない｡
うち一日は警察に出頭で…｡
明日、送信機を取外せば12月1日 名古屋に帰れるのですが｡
…とにかく今は、ゆっくりした休息が欲しいのです｡
| 2002年11月28日(木) | 昨日にそっくりな一日 |
試験は丸一日、シフト｡
27日、22:30｡
機体を外に出す為、出勤｡
作業は順調に進み、28日 2:00、帰宿する｡
次の出勤は16:00｡
試験の終わった機体を組立棟に戻す｡
それまで、旅館で待機｡
…なーんにも、しない日(苦笑)｡
と、そこへ一本の電話｡
試験中のトラブルで4時間遅れ、とのこと｡
待機、継続です｡
………
ああ｡
ただでさえ一日遅れてるのになー｡
トラブル、ってことはまたなにか交換になるなー｡
12月2日には警察行かなきゃならないのに(事故の手続き)｡
名古屋帰るの、また遅れるな…｡
…待機、継続中…｡
| 2002年11月27日(水) | 白い、空。 |
ども｡
帰ってきました｡
………
26日、22:30｡
出勤するも、『雷警報』が発令され 30分で帰宿｡
機体にはすでに火薬類が艤装されているので、落雷＝爆発の危険があるのです｡
………
結局、試験は明日仕切直しとなり、今日は降って湧いた休日になった｡
…なーんにも、しない日｡
ま、たまにはいっか｡
…たまに…?
そういや最近の休みはなにもしないのが当たり前になっている｡
んんー｡
これじゃ引きこもりじゃねーか｡
なんとかしなきゃなー｡
…と、寝て考える(苦笑)｡
変則勤務は、今がいつかも わからなくなる…｡
| 2002年11月26日(火) | カケラの夢 |
仕事のほうは明日、ヤマ場を迎える｡
極低温試験といって、実際 機体に燃料(約-200ﾟC)を充填してカウントダウン･シーケンスを行う｡
事実上、打ち上げのリハーサルも兼ねてるわけで｡
試験に際して、僕らも変則勤務に入った｡
今日は5:30出勤で、昼過ぎに一旦帰宿｡
で、これから(22:30)また出勤｡
機体を組立棟から外に出し、燃料充填の準備をします｡
………
不規則な睡眠のせいか、最近ヘンな夢をみる｡
懐かしくて、居心地が良くて
また戻りたくなる｡
悪い夢だとわかってるけど｡
…『彼女』を呼び止める声で、目が覚めて｡
| 2002年11月25日(月) | 深夜の食糧事情。 |
…疲れ切っていた｡
深夜に目が覚めて、風呂にも入らず寝てしまったのを思い出した｡
ここの旅館の風呂へは食堂を横切って行く｡
テーブルの上にはまだ帰って来てないのか、数人分の食事がラップされて置いてあった｡
ふと見ると、その中のひとつが食い荒らされていた｡
でもラップはされたまま｡
つまみ喰い?
よく見れば『ラップの上から』それごと食べられている｡
…?…(汗)
………
夏には『黒いモノ』によくお目に掛かった｡
ノラ猫が入り込んでたこともあった｡
けど、まだここには僕の知らないお客さんがいるようだ…｡
| 2002年11月24日(日) | 『雨ニモ負ケズ』 |
何でも、やり直す ってのは難しい｡
過去に縛られず、まっすぐ先をみて歩く人に憧れるけど、
それはとてもパワーがいる｡
とても、疲れる｡
僕は、水彩より油絵が好きで｡
つまりは僕の歩き方も そんなんなんだろう｡
失敗したなら塗り替えればいい｡
修正は出来るさ｡
他人の目には汚く見えても｡
不器用だけど、それも『味』と言い切って｡
開き直って拓ける道もあっていいでしょ?
そう思って軽くなる｡
綺麗に色を重ねる生き方より、多少ゴリ押しなこっちのほうが
僕には合ってるようだ｡
曲がりくねった直線の上で、走る｡
| 2002年11月23日(土) | 今、ここにある危機 |
種子島に発つ、前日の夜｡
事故を起こしました(汗)｡
いわゆる『オカマを掘った』ってやつ｡
僕が加害者｡
でも停車寸前だったので損害は軽微なもの｡
保険使うまでもないし、と警察にだけ連絡して(もちろん相手に怪我がないのを確認して)物損事故で処理してもらう｡
で、先日｡
相手の方から電話｡
首が痛いとのこと｡
事故から一週間後の話である｡
…マジすかッ!?
その後、警察から電話｡
相手から人身事故に変更する申し出があったから来て欲しい、と｡
…僕は加害者だ｡
何か言えた立場じゃない｡
けど…｡
僕は、実は被害者かも｡
| 2002年11月22日(金) | 今、そこにある危機�� |
<あらすじ>
ロケットの打ち上げを阻む敵の妨害波｡
それを阻止すべく導入された新システムの全貌が今…!
(⇒)
「妨害波のモニタは機体が地上を離れるまで行われます」
…打ち上げた後は?
「…妨害波自体は、どうしようもないですから」
本気で妨害するなら、打上前からアピールするより打ち上げた後で妨害波出しますよねー｡
「そうですよねー(笑)」
…ええッ!?
………
ようやく最近、危機管理の重要性が声高に叫ばれるようになってきた日本｡
けどまずは、危機に瀕しているんだという現実を知るべきだと、僕は思うわけで｡
| 2002年11月21日(木) | 今、そこにある危機�� |
(⇒)
講習会はシステムのメーカーの人が来て行われた｡
以下、その内容｡
「…ここをこうして…こうなるわけです」
メーカーさんの操るノートPCの画面上、レーダーのような表示に十数個の緑の点が映し出される｡
「この点がGPS衛星です」
へー。こんなにあるんだ｡
「妨害波が出されていればこれが全て赤い点で表示されます」
…で?
「そのときは打上責任者に知らせてください」
…それだけ、っスか?
「はい。妨害波自体はどうすることもできません。あくまで『モニタ』システムですから」
…(汗)｡
説明はさらに続く⇒
| 2002年11月20日(水) | 今、そこにある危機�� |
(⇒)
ロケットが自分の位置を知るのに必要なのが、GPS衛星(カーナビの、アレ)からの情報だ｡
それによって現在位置を割り出し、予定のコースとのズレを計算し修正する｡
つまり、GPS情報が無いとロケットは迷子になってしまう｡
敵(?)はそこを突いてくる｡
電波を遮ってやれば、ロケットはあさっての方向に飛んで行き、打ち上げは失敗となる｡
そんな事態を避けるべく今回から導入されたのが
『GPSR妨害波監視システム』
という、威圧感たっぷりの装置である｡
そして先日、その威力の程と使用法を知る講習会が開かれたんだけど…
(⇒)
| 2002年11月13日(水) | 今、そこにある危機�� |
とかく、物騒な世の中になってきました｡
けどそう思うこと自体、危機感の欠如なんだそうだ｡
………
来年打ち上げになる『多目的情報衛星』というヤツ｡
実はこれ、我が国初の『スパイ衛星』である｡
その性質上、射場の警備も強化が進んでいる｡
入場時のチェックはもちろん、カメラによる監視、PCデータの防御強化etc...
けど敵(?)は、直接手を下せないとなるとさらに上の手を使ってくる(らしい)｡
電波だ｡
H-��Aロケットは無人だ｡
地上で操作してるわけでもなく、自ら位置を計算して修正して飛んでく おりこうさんなのだ!
(⇒)
| 2002年11月12日(火) | 夢のケジメ、流浪のハジメ。 |
また、種子島です｡
今回の出張は、11月9日から12月16日までの約一ヶ月間｡
考えてみると、今年は半分近くを種子島で過ごしたことになる｡
北海道出身の僕が、名古屋に就職して、種子島で仕事している｡
それは幸せなのかどうかはわからないけど、恵まれた環境にいるのは確かだろう｡
感謝、です｡
…と言ったそばからなんだけど、そろそろケリを着けようと思う｡
『本当に大切なこと』の見極め｡
周りの価値観からの脱却｡
その先に何があるかは、行ってみなけりゃみえないし｡
そんなこんなの、『FINAL』ってことで｡
| 2002年11月11日(月) | 種子島漂流記：FINAL |
前回の書き込みから二ヶ月｡
やあ｡
ずいぶんと間が空いてしまいました｡
「お前、名古屋 戻ると日記書かなくなるのな」
とは友人のお言葉｡
まったくです。はい｡
…なんでかなー?
忙しいから、なんて言葉で片付けたくない｡
サボり性だから、とは言い訳にもならないし｡
…ここに、こうして書く意味｡
きっと考えてたってわからない｡
なら、行動して見つかる答えもあるはず｡
それでいいんじゃないでしょうか(←言い訳)｡
また、始めます｡
んで、僕はまた、種子島｡
…はっ。
ヒマつぶし…!?(苦笑)
