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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
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2003年10月31日(金)
国体応援通し町民が元気に(45歳)

静岡新聞 朝刊(ひろば)

ベンチに座り、フィルムを入れ替えていたら、
スポーツには縁がなさそうな高齢者が、
興奮しながら私の前を通ったので、思わず声を掛けた。
「ホッケー、面白いですか?」と尋ねたら
「ルールもなんにも分からないけれど、
やっぱりうちに泊まっている選手だからね。応援しなくちゃ」
と、もう自分の孫を応援するかのような大きな声で
「よかったよ、応援のしがいがあるもの」と話してくれた。
「おかげでのどがかれちゃった」と言いながらも、
本当に嬉しそうに私に話してくれたせりふは
「大きい声で応援したのは、オリンピック以来だよ」だった。
わが町は、国体選手を地域の人が自分の家に泊まらせる方式、
いわゆる「民泊」という形で対応している。
対戦が静岡でも、他県の選手を精いっぱい応援する光景は、
ほほえましかった。
「ふじっぴー」を描いた手作り帽子をかぶる保育園児の声援から
自分がどっちのチームを応援しているのか
分からなくなってしまうほどの高齢者まで、
「ホッケー」というスポーツを通じて、町民が元気になっている。
「明日は、どこ対どこ?」なんて会話が
町のあちこちで聞こえてくる雰囲気こそ、
私たちの望んでいた国体の姿であるような気がしてならない。