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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1997年08月13日(水)
小椋佳さんの奇麗な日本語堪能(39歳)

毎日新聞 朝刊(みんなの広場) 

妻と小椋佳さんのコンサートに出かけた。
昨年、娘と出かけたリンドバーグのコンサートとは違い、
観客には年配の方が多かった。
帰りの車で妻に感想を聞いたら、
「う〜ん、久しぶりに奇麗な日本語を味わったね」であった。
最近の流行歌には、必ず横文字が入り、テンポも速い。
歌詞の意味もよく分からない。
時代の流れが早い分、じっくり歌詞など味わっている時間は
ないかもしれないが、もう一度日本語を見直したいと思う。
美空ひばりさんの「愛燦燦」なども彼の作品であるが、
英語には直せない日本語独特の響きがある気がする。
自分の夢を追い続け、「夢合わせ、夢重ね、夢積み上げて」
と歌う彼は、大学に入り直して、
美しい日本語を研究していることも知った。
すてきな時間を過ごさせていだいた彼に、心から感謝したい。



1997年08月12日(火)
自然の涼風に猛暑吹っ飛ぶ(39歳)

静岡新聞 朝刊(読者の広場)

うだるような猛暑の中、わが町最大のイベント「湧水まつり」が
多くの方の協力を得て、無事終了した。
富士山の雪解け水がこつ然とわき出し、柿田川となって地表に現れる。
そんな天の恵み、水に感謝する祭りだが、
自然の力を再確認させられた行事でもあった。
日中、セミの鳴き声が会場内に響きわたり、体感以上の暑さを感じていたのは、
私だけではないだろう。
ジュースやビール、その他いろいろな飲料水を補給するのであるが、
汗はいっこうに収まることがなかった。
そんな時である。
なぎに近い状態から、すうっと涼風が体全体を包みこんだ瞬間、
今までの暑さが吹き飛んでしまった。
横でだれかがつぶやいた。「あぁー生き返った」と。
台風の影響で予定されていたイベントが中止になった前週も、
自然の威力を感じていたが、今回の涼風はさらに格別である。
夜になり気が付くと、昼間あれほど鳴いていたセミの声はどこかへ消え、
かすかであるが鈴虫の鳴き声が聞こえてきた。
猛暑の中に、しっかりと秋の気配を感じた一日であった。