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しもさんの「新聞・書籍掲載文」
しもさん
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1995年05月26日(金)
平凡な生活を大切に(36歳)

読売新聞 朝刊(気流)

夕飯はカレーだった。
特別のメニューというわけではないが、小学校五年の娘が、
最初から最後まで作った初めての料理。
学校の「高原教室」の食事係班長となり、本番に向けて
家内に大特訓を受けているのだ。
こんな平凡な家庭の光景がいい。
「じゃがいもが大きい」と言っては笑い、
「サラダのたまごが半熟」と言ってはすねている。
作り方を暗記しようとする娘の姿が、まぶしく見えた。
いつからか平凡の言葉が死語のようになりつつあり、
一世を風靡した雑誌「平凡」も廃刊になった。
しかし、この言葉が再び、時代のキーワードになる予感がする。
「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」も、
忘れかけていた平凡のよさを思い出させてくれる。
「一生平凡に過ごせたら、それこそ非凡だよ」と誰かが言った。
いま一度、平凡な日々の生活を大切にしていこうと思う。



1995年05月18日(木)
なぜか思い出す学生時代の暗記物(36歳)

毎日新聞 朝刊(みんなの広場)

今から三十年ほど前に「受験生ブルース」という歌がはやった。
「おいで皆さん聞いとくれ」で始まる高石友也さんの名曲であるが、
現在を予言していると話題になっている。
歌詞だけで十番もあるこの歌の七番は
「ひと夜ひと夜にひとみごろ、富士山ろくにおうむ鳴く 
サインコサイン何になる おいらにゃおいらの夢がある」である。
これが替え歌になると
「ひと夜ひと夜に興味ごと、富士山ろくにオウム鳴く 
サリンコカイン金になる おいらにゃおいらの夢がある」
というわけである。
数字で習ったルート計算なんて、
生活に関係ないから絶対忘れていると思ったのに、
なぜか覚えている不思議な学生時代の暗記。
「水平リーベ僕の船、なぁ曲があるシップ、クラール閣下」と覚えたのは
元素記号の配列順序。
私の苦手な暗記がこのごろ妙に頭から離れない。



1995年05月13日(土)
連休が終わり戻った車の列(36歳)

静岡新聞 朝刊(読者のページ)

今年の連休は、テレビにかじりついていた。
気のせいか、渋滞のニュースはあまり聞かなかった。
自宅のそばを通る国道1号も、例年は恒例のように大渋滞を起こすのに、
今年は他県ナンバーの車がスムーズに流れていたと思う。
それがどうだろう。
大型連休が明け、今日から再び仕事に・・と向かった国道1号は
渋滞で動かなかった。
大渋滞を予想した連休は見事に外れ、毎日の渋滞は確実にやって来た。
なぜだろう、という私の疑問は歩いて通勤してみてすぐに解決した。
歩いている私が追い越していく車には、
ほとんど一人しか乗っていないからである。
もちろん、反対車線の車も同様で、
みんなイライラしている心情が伝わってくる。
これでは、どんなに道路整備をしても渋滞解決にはならない。
ドライバーが本気になって渋滞解消を望むのならば、
相乗り通勤、ノーカーデーにも積極的に取り組むべきであろう。
季節は春。
「連休ボケ」と「渋滞」の解消を考えて今はやりのリュックでも肩に掛け、
ラップの音楽でも聴きながら、徒歩で通勤してみてはいかがか。
いつも見慣れた風景も、きっと違った発見が出来るはず。
そして、風の暖かさを感じられるはずである。