快賊日記「funnyface」

2003年06月28日(土) 沈殿。

不純物が多ければ多いほど、それは下に沈み
透明な液体は少なくなる。ろ過され出来上がった純物は
果てしなくかけがえのないものなのに。
あまりの少なさに自分の事ながら驚かされる。
いつから方法になってしまったのだろう。
純粋に思い続けてるつもりなのに。
術や方法ではない。目指すものが大きければ大きいほど
焦りや不安や不満で近道を探し出す。
そしてどうすればそこにたどり着けるのかと
ありきたりな失敗に足を進めてしまう。そうすることが遠回りなのに。
初めての気持ちは忘れてはいない。あの日の気持ちを持ち続けた者だけが
たどり着ける楽園が必ずある。
方法では、ない。純粋に思い続ける事。
どうすればではなく、どうしてなりたかったか。
それだけでいいはず。沈む重さはろ過に耐えられない程に
不透明であり。沈んだそれを欠いた液体の何と潔癖で美しい事。
自分は常にそれでありたいと。常にそれであれと。
自分に今日も言い聞かす。



2003年06月22日(日) 手紙-伊留島の空を想って-

親愛なる伊留島の皆様。
お元気ですか?私達は毎日あなた達の事ばかり
考えて生きてます。考えれば考える程、愛おしく思います。
後少しであなた達に本当に会える。
それはとても嬉しい事だけど、同時に寂しくも悲しくもあります。
あなた達に私達が会うという事は、別れを意味するものだから。
出会いと同時に別れがある。それは口でいうと何だか
ロマンティックな気もするけれど、やっぱり切ない。
でも私達は出会う。そして精一杯あなた達の姿を
この身体でこの声でこの全てを使って皆に伝える。
それが私達の為すべき事。それが精一杯生きたあなた達への
たった一つの証になる。
あなた達は生きた。伊留の島で。精一杯。たくさん笑って
たくさんはしゃいで。数え切れない程の太陽を浴び走った。
幾夜も波に抱かれ眠った。踏みしめる大地はいつでもあなたを
大人にさせたはず。そんなあなた達にいくつもの勇気を貰って
私達は今心からその世界へと向かう。
そこには悲しい現実もある。でも目を逸らさず挑みたい。
あなた達もそうやって生きたから。だからどうか見守って。
これは真実の物語。彼らの生きる道こそが君へと繋がるたった
一つの真実。そう、これは紛れもなく君への物語。
「YOUR LIVE〜YOU ALIVE〜」あなたが生きてる事が最大の喜び。

寄せては返す波の音。静かな昼下がりに身を委ねて。
白い砂に体を預けて目を閉じれば、遠くで僕を呼ぶ声がする。
それは懐かしい誰かの怒った声。笑った顔。照れた瞳。困った仕草。
いくつもの影が通り過ぎる。それは夏の幻…誰が為に鐘は鳴る…。
                       −伊留島小学校教員・堺俵太−

そんなわけで快賊船CinemaLiveVol.13「YOUR LIVE〜YOU ALIVE〜」
もう少しで本番です。今回は稽古日記を別に設置してるので、
この日記は暫くお休み。稽古日記等を楽しんで下さい。
また気が向いたりしたら書きます。でもきっと伊留島の奴らの話ばかりに
なると思います。本番が終わったらまた会いましょう。
それまでは伊留島の住民として生きてます。
戦争というどうしようもない時の中で本当に精一杯生きた魂が
ここにあります。どうか彼らに会いに来て下さい。



2003年06月13日(金) 序章。

梅雨が始まりとても蒸し暑い今日の空。
ベンチを探して辿り着いた公園にも木陰は少なく、
やっとそよぐ風が汗ばんだ肌に気持ちいい。
高く高く空を見上げて今日雨が降らなくてよかったと。
心からそう思った。二日前は雨だった。
先週から崩れるといった天気は以外に持って、
週が明けると同時に梅雨という形で雨は降った。
それはまるで涙雨。少し遅れてこの身に降った。
それも長くは続かない。天も人も晴れを知っている。
晴れ渡った空を見て心に始まりが生まれる。
次回公演の「YOUR LIVE」は人の命を大事に大事に思う話。
ならば人の為に演じよう。振りかえれば心許ないこの人生。
それでも自分の為に必死で生きて来た。
失って始めて気付く事ばかりで。知らない事が罪だと改めて
思い、やはり知らなかったんだと思い知る。
芝居が好きで演ずる事が楽しくて。例え名が知られてなくても
人前で演ずる以上見てくれるお客さんの為につまらない物は
見せられないと。そう思ってた。そしてそれさえも自分の為でしかなく。
人の為に演じれない人間の言葉なんて決して他人の心になんか
届かない。自分はここで誰かを想い演じてみよう。
この声があなたへ届くように。この身があなたへ写るように。
この心があなたへたどり着けるように。
あなたへ贈る物語。あなたへ。あなたへ。あなたへ。



2003年06月08日(日) デッドライン

なぜもっと気が利いた事が出来なかったのだろう。
後悔はいつだって後から後からこぼれて。
いつから知らない人間になってしまったのだろう。
小さい頃は兄弟のように手をつないで。
好きだよって言ってくれた。
あの子はもういない。
いつから独りぽっちで生きてたんだろう。
一人は嫌だと泣いてたのに。最後は一人を選んで
しまった。なぜ乗り越えられなかったのだろう。
手を伸ばす人はいたはずなのに。
なぜ届かなかったのだろう。
そして自分は、遠かったはずでもない。
頭のどこかで知っていた。それでも日々の忙しさに
余裕もなくて。失った結果がこんなに打ちのめされて。
自分には何も出来ない。誰も守れない。誰も助けれない。
こんなにもちっぽけで役立たずな人間。
何の為に芝居を選んだんだろう?誰かを助けられる
はずじゃないのか。誰かに何かを伝えられるはずじゃ。
こんなに何も持ってない自分は、それでもこの痛みを
乗り越えなくちゃいけないんだ。
今度こそ間違わないように。次こそ誰かを救えるように。
それまでは必死で自分を救うんだ。守るんだ。
何も出来ない自分がせめて愛する人に無様な姿を
見せないように。せめて自分で自分を守れるように。
前へ前へ足を無理矢理にでも前へと進めて。
乗り越えて行く。昨日を。この日を。
少し高い所が苦手になった臆病な心を乗り越えて行くんだ。



2003年06月05日(木)

今この瞬間。世界のどこかで誰かが
愛を語ったり囁いたり誓ったり思ったり
紡いだり伝えたり受け継いだり叫んだり、
してる事でしょう。
世界中に愛があり、世界中に愛の言葉がある。
どんな形でもいい。どんな言葉でもいい。
たくさんの好きな物を抱える自分は、
演じる事が最愛の仕事。
これからも、そんな自分をそんな心をそんな芸術を
そんな芸術を創り出した偉大な先人を、愛して生きたい。
そうしてもっともっと近づきたい。
いつか深い轍を越えて。もっと遠くへもっと高く。
そんな訳で、今回で好きな物特集「マイフェバリット」
終了です。たいしたものじゃなかったですが、
読んでくれた人、ありがとう。
まだまだ好きなものいっぱいありますが、
言ってもしょうがないもの、オタクすぎるものも
ありますので、とりあえず今回はこの辺で。
また次新しい特集で会いましょう。
とりあえずはCinemaLiveVol.13「YOUR LIVE」が
控えてますので、そいつらにまた乗っ取られる事でしょう。
では、「YOUR LIVE」伊留島の青い海で会いましょう!



2003年06月02日(月) ごりん。

驚くほどの精神力。
追いつめられる程なお益す集中力。
そして奇跡を起こす圧倒的なテクニック。
プロのアスリート達を見てため息をつく事は
毎度の事。もしこの身体にあれだけの才が
備わっていたならば…子供の頃から焦がれて
やまないその身体は、残念ながら自分のそれでは
手を伸ばす事さえ無駄だという。
やっぱり見てため息をつくだけ。
まぁ、それも結構楽しい物。
奇跡の彼らを見れるのは幸せというもの。
野球・サッカー・バスケット・アメフト・水泳・体操
それから格闘技だって。考えればまた一つため息が。
人間にして人間を越えた彼らにいつだって最高の
賛美と拍手を贈りたい。勇気さえくれる彼らは
まさしく地上の神のように怏々しく。
大歓声を受ける姿は頼もしい事この上ない。
スポーツとは、世界をつなぐ仕事です。



2003年06月01日(日) オードリー

始めて銀幕のスターというのを知ったのは
小学生の頃。母とテレビで映画を見てた時、
母が「昔一番好きだった女優さんよ」と
教えてくれたのはオードリー。
ブラウン管の中の彼女は本当に美しく輝き、
可愛くて優雅で、何より天使の笑顔を持っていた。
その日から彼女は世界のスターであると共に
私の天使になった。
あの日から私の映画熱は今だ冷めやらぬ。
映画と時を過ごせば過ごす程、この熱は高まるばかり。
色とりどりの夢を見せ、果てしない喜びと
普通の生活では得られない感慨を与えてくれる。
演じる事を人生に選んだのも9つの時映画館へ行った日から。
この瞳には、あの時のままに夢はある。
何一つ淀む事なく。きっとこれからもそう。
あの日オードリーに会ってから。
ニューシネマパラダイスのエンディング。
胸がジンジンするあの曲を思い出せば、いつでも
あの日のオードリーに会えるから。
だから何度も私は白いスクリーンに恋をする。


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