My Precious Memories

2006年06月30日(金) KEY

夢に鍵をかけた

鍵は海に捨てた
海底何マイルまで届いたか
調べる術も無いけれど

鍵をかけた夢は
心の中で浮いたり沈んだり
繰り返して戻って来る

開けられないのだから
心の底に縛り付けてしまおう
もう鍵は無いのだから
心の底で沈黙させてしまおう
さよならとだけ呟いて



2006年06月29日(木) 女優

痛いパンプス無理矢理履いて
街を闊歩するあたしは主人公
誰も振り向かなくても良いの
ただ此処に存在するだけで
それだけであたしは
あたしの物語の主人公だから

あなたの物語で脇役しか演じられなくても
最期のエンドロールを見て
あったかくなれたら良い
あたしの名前をあなたの物語に
刻んでくれるなら



2006年06月27日(火) 新月の叫び

妖艶な魂が宿っているわ
今すぐに吸収されてしまう
過去のあなたは居ないのに
もうあたしは死んだのに
まだ此処に何があるんだろう?
どうして此処から動けないんだろう?

何度も繰り返す回廊の灯火が
ゆらりと揺れて同じ場所へ
何度も戻って諦めそうだ

帰りたいだけなのに
あなたの腕の中へ
あなたとの想い出じゃなくて
あなたの温もりの中へ



2006年06月26日(月) ステージセット

受容されゆく崩壊の壁
すべる流星が沈む青空
効果的な演出だなんて
計算し尽くされて平凡

壊れちゃいたい甘く激しく
潰されるのよ何億の視線に
今日からはあたしが主人公
過去は振り切れ未来を掴め
何時までも消えない存在感
圧倒的な生き方に問答無用

全てを決めるのは
スポットライトの仕事と
スモークの揺れ方
そしてあたしの強い瞳



2006年06月25日(日) シルクのスカーフ

柔らかな肌に触れる
両の腕が静かに包む

眠っているだけなのに
何処か遠くへ行ってしまったようで
あたしはまた一人になる
あなたが居るから判ったの
初めて本当の孤独を理解した夜

シルクのスカーフよりも
滑らかにたゆたう夢は
きっと月が見せてくれる
至上の物語なのだろう



2006年06月24日(土) 終焉という消滅

この世界が腐っているなら
あなたの存在も終わりだね
あたしの吐息で消したげる
最期を選ぶ権利なんて無い
あなたが裏切ったんだから
あなたが世界を腐らせたの
さあ早くイってしまおう?



2006年06月23日(金) 終幕

荊道を裸足で歩き続けて
その血に染まった足で
何処までも奥深くまで
辿り着いた小さな湖に
抱擁してキスをする

守る為に歩いて来たはずなのに
気付けば湖は一面赤い色

月だけがそっと微笑んでた



2006年06月22日(木) 想い

ちらちら街灯の下
ぽつぽつ肌を刺す
ちらちら後ろ見て
ぽつぽつ繰り返す

はらはら墜ちても構わない



2006年06月20日(火) 素直な感情

また太陽を月が追って
奇蹟は一瞬で終わるの

重なりあった時
何を想うのかな
そう運命を

何も無いあたしでも
消え掛かる明日を助け出して
見つめてる
いつだってあなたを
あなたの生きる世界を



2006年06月19日(月) 正解

ひとつずつ亡くして来たモノ
もう二度と戻らないモノ
ひとつずつ落として来たモノ
もう一度取り戻せるモノ

全部に一度は無理だから
少しずつ
それでいいんだ
「君は間違っていない」
その一言が背中を押すんだ

哀しむコトは無い
苦しむコトも無い
手に入るのは一瞬で
あとは零れ落ちるのが
現実という虚構の世界

だから全世界に向けて叫ぶ
「君は間違ってなんかいないんだ」



2006年06月17日(土) ありがとうな気持ち

淋しい時
ひとりじゃないって
俺を忘れんなって
そう言ってくれて
ありがとう



2006年06月15日(木) RPG的物語

最後のボスを倒す為
祈り続ける少女が居た

少女は最後のボスを愛していた

けれど捻れた愛情が今
再びこの世界を破滅へと導き
少女は自分のせいだと嘆き
最後のボスは自分のせいだと消えた

最後のボスは少女を愛していた
誰よりも深く
世界を破滅に導いても良い程に
己の存在を皆無にしても良い程に



2006年06月14日(水) 月光製造

眠れない夜緩やかに唄う
囁くだけのエチュードで舞う
ソナタが起こす月の光
目覚めと共に闇の舞台
虹が掛かった月を超え
眠らない夜艶やかに募る
一筋の想いが光となり降り注ぐ



2006年06月13日(火) ワーストワン

ナンバーワンになれなくてもいい
オンリーワンじゃなくたっていい
ワーストワンでも構わないんだよ
あなたの心に一生あたしを残せるのならば
最悪な想い出としてあたしを決して忘れなければ
あなたの中であたしがどんな形でも存在出来れば
ワーストワンでも嬉しいよ



2006年06月12日(月) 夜明け前

ヴァイオリンの音色が響く
午前四時
コントラストに染められる
今日は恥
隠し持っているナイフなど
お見通し
それであたしを殺るつもり
朝陽の前
次の太陽など要らないから
早くして
タンバリンの振動が告げる
朝が来る



2006年06月11日(日) 木漏れ日に囁く

闇が終わって光が差し
輝いてく街並を
眺めては一人で涙した
此処には何も無かった

差し伸べられた手を拒んで来た
あの人じゃなければ意味なんかが
あるはず無いと叫んだ

あまりにも酷い物語
あなたが居ないそれだけで
いつかまた出逢えるそう信じていれば
これから生きていける?

あまりにも辛い物語
あなたが死んだそれだけで
世界までもが死んでしまったようで
これから生きていくの?



2006年06月10日(土) シャドウの夕べ

いつかさよならと告げた
夢の中で探してたのさ

誰にも知られたくなかったの
夕焼けに沈むあなたの笑顔
何にも此処には残ってないの
何処にも何も残ってないの
あなたに傷すら付けられない



2006年06月09日(金) 毒薬の実

人は皆あたしを馬鹿者だと笑う
間違ってなんか居ないあたしは馬鹿だ
人は皆あたしを可哀相だと嗤う
間違ってなんか居ないあたしは夢だ

揺れる訳にはいかないの
涙も流せずに死んでしまう
倒れる訳にはいかないの
風も凪がせず逝ってしまう

最初で最後の
あなたという果実を抱く
死という証拠に確信を持って
最初で最後の
あなたという真実を抱く



2006年06月08日(木) 甘えと狡さ

あなたを形容するならば
そんな単語がお似合いね
あたしが望んだコトだけど
あなたが選んだコトだけど
いっぱい甘えていいよ
沢山狡くなっていいよ
そうやって生きるのも
またいいんじゃないかな
と想う。



2006年06月07日(水) 通り雨

あなたのコト何一つ知らない
いつでも通り雨のように
さっと過ぎ去ってしまう
そんなあなたの足跡を眺めて
あたしは想いを馳せる
くだらないかもしれないけど
笑わないでね
あなたのコト何一つ知らないけど
あなたのコト誰よりも想ってるの
今度はもう少し
あたしに判る痕跡を残して行ってね



2006年06月06日(火) 頭痛の続き

この先には何があるんだろう
痛みを越えたその場所に
青も白も消えて
黒だけの世界になっても
僕は此処に居るさ
他に想い付きもしないのさ
何処に行けば良いのかなんて
哀しみに気付かれないように
そっと忍び足で歩くと
誰かの唇が触れた
そっと
夢を見ていた
そして
また頭痛は続く



2006年06月05日(月) 猫背

あなたに甘えてその腕の中で
まあるく眠ってつんつん起きて
ふわあと大きくあくびして
何度も何度も身体をすり寄せる
あたしはあなたの猫
だから猫背でもいいよね



2006年06月04日(日) ほどけていく

何も見えなくて
手探り掴まえた
その手を君だと
信じていた暗闇

運命の人なんてさ
笑っちゃうけど
本当にそう想ったんだ
あの時は確かに
そうだったんだ

それでも
時が経てば
自然と
ほどけていく
しっかり繋いだはずの手も

ほどけていくよ



2006年06月03日(土) 墓前

ごめんなさいごめんなさい
いくら言っても届かない
許して許して
いくら想っても届かない
だからこっそり
自分の胸にしまっておく
痛みと共に忘却の彼方へ
でもこれだけは
「ありがとう」
これだけはどうしても
最後まで持ち続けたい
そんな気持ちで
墓前に立つ



2006年06月02日(金) 月へおいで

哀しい夜には月へおいで
僕が待ってる最後の世界
柔らかく包み込んでいく
光の抱擁に懐かしさ覚え

淋しい夜には月へおいで
君が持ってる最初の欠片
果てなく産み落とされる
光の絶頂に儚さと揺れて

いつでも夜には
月へおいで



2006年06月01日(木) 綴られない物語

誰にも言ってはいけない
この胸に秘めておかなければ
いつか誰かが掘り起こして
開胸されるその日が来ても
誰にも伝えてはいけない
そんな物語が存在する

あなたが居たコト
あたしと居たコト
全部消してあげましょう
吸収して急襲して
全部あたしが飲み込むわ

そんな物語も存在するの


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