Distortion


--望むもの--


君が望むものは何でもあげる

たとえ僕が傷ついたとしても

そっとわらって喜んでくれれば

この痛みは気にもならない


ふとよぎることは今進む道の正しさ

自分をこれほど無駄にしてまで

歩いて良いのかと


新しい命を受け入れるほど

僕に強い器は無い


2004年05月23日(日)



--醜い私--


こんなにも変わらない状況

意志の無い自分が醜い

不都合だけがいつも目に付き

ただでさえ醜い姿が歪む

生まれたら一度しかないのに

「いっそのことなくなってしまえば」

こうも簡単に逃げてしまう


綺麗な空の恐ろしいほどの紫

素晴らしさをしるのに

他に何を望むの、私は。


2004年05月22日(土)



--しあわせ--


苦しむ私は幸せ求めて

目の前以外の幸せは見えない

本当に幸せなのは

きっと私ではなくて君のほう


だって私は傷つくばかり

全ては鎖でつながれて

その先は君が握っているのだから

用意してくれる箱庭で遊ぶのが唯一の楽しみ


気付いて、私とのすれ違い

もっと普通の幸せが欲しいのに

月よりも遠くの不思議な形の

幸せなんてほしくない


2004年05月21日(金)



--誕生--


めまぐるしき日々

思いつめた春に 終りを告げれば次は二度とこない

始まりの日に喜びの歌をうたって

全てを受け入れていたのに

何故離れていくものは必ず生まれているの

全て変わり無く続けば悲しみは訪れない


2004年05月14日(金)



--終り--


時間が途切れる様子がとても奇妙で

見つめることは単純な作業

つながりの断絶はいとも容易く行われて

修復の出来ないその過程は

壊れゆくその様は

黙って見守ることしか出来ない


結局のところ

君との間に何が残るのだろう

いつ何が起こって崩れるかもしれないこの崖が

渡れなくなってしまう日は来るのだろうか


2004年05月12日(水)



--夜--


夜に耽り 時に笑う

耳に入る音は所詮偽りだと割り切って

ただひたすらに渦に飲まれる


脳裏に焼きついた画像は暫く私を悩ますだろう

それも必要なこと

ある種の苦しみ

ある種の痛み


2004年05月11日(火)



--そら--


空が飛べれば

いや せめて

落ちることさえ出来れば

見えない何かが見えて

見なくていいものが見えなくなるにちがいない


2004年05月09日(日)



--不可解な日--


優しく撫でる肌がそっと震えて

伝わらないと決め付けた感情があふれる

一致するはずのない思考に暖かさを覚えたとき

今までの間違いに気付けると思っていたのに

何故こんなにも苦しいのだろう

ただ隣に座るだけなのに

何がこれほどまでに私を悲しくさせるのだろう


2004年05月08日(土)



--冷たい夢--


ホンの小さなため息が空気を凍らせる

どれだけ鋭い刃も敵わない

時々隙間に光がさしても

すぐに先が見えない闇の中


いつでも言えるのは

足を止める意味

もがいている言い訳などは

決して見つかる事はない


苦しいぐらいの夜は

後どれだけで終わるのだろう

進みたくても無い道は歩けない

後ろから強く引かれる力を感じながら

凍りついた夢の中にまた巻き込まれる

毒を撒き散らしながら笑うそれが

最近は私の衣になった


2004年05月07日(金)



--悪いもの--


羊を数えて夢に誘われ

見たのはとても怖いもの

ゆっくり目を開け天を見ると大粒の涙

眠りにつくのを拒むのはだあれ


水をやった花が咲いて眺めていたら

誰かに摘み取られた

膨らんだ思いを無残にしないで


時は確実に壊してくれる

似つかわしくないものはすべて




2004年05月06日(木)



--考え方--


いつでも私を受け入れる

そんな笑顔はいつまで続く?

単純な回路すら受け入れきれない私が

貴方にあわせられるのは何故だろう


時には悩んでみせて

笑ってみたりもするけど

偽りはやがて咲いて

すべてを壊してしまうの

涙を隠して


好きじゃないこと嫌いじゃないこと

分類したら悩むだけ

白よりは灰色がいい

持ち主は透き通って来たから


明日が訪れなくなると

覚悟するには早すぎる

けれど回路が動かない

私を苦しませるようにしか


何故こんなにも私はおろかなのだろう

無駄なことばかりをただひたすらに続けて

灰色の意思は捨てるべきだった

私に残るのはそれだけ

荒らしまわるだけなのに


2004年05月05日(水)



--requiem--


ふと思えば居なかった

あのときの淡い温度

今も又思い返せば鮮明に

優しい匂いを空に掲げて

平穏を祈れば少しは繋がる


さよならのその声すら

聞かせずに行ったけど

いつまでも忘れられるはずの無い

二つの瞳とその記憶


これで終りと言い聞かせても

又いつかここにはやって来る

そのときだけは暖かさが伝わるから


生々しい記憶はほんのわずかしかないのに

とてもいとおしくて


正しい選択だった

私を置いていったのは

二人分は重いけれど

いつまでも背負っていくから

安らかに

言葉は紡がなくていいから

安らかに


2004年05月04日(火)



--甘い誘い--


帰り道を歩く道が茨で満たされて

踏みつけるほどに体力を奪う

荒れ果てた肌に風を当てることが

唯一自分を示す手段

手を中に入れれば

そこにはたくさんの過ち

愛嬌を振りまいて手招くその姿は

私にしてみれば遠い存在

関わらなければ何も心配ないのに

手を繋げば悪夢が始まる


2004年05月03日(月)



--制御--


時にゆっくり時に激しく

感情などそんなものだと思っていたのに

なだらかな上り坂を目の前にすると

足がすくむ自分がいる


備わっていない感情は

どうも私が操るには難しい

それをどうやって表現しろと

単純な作業こそ難しいというのに

まして、感情など

私がこの手で自分の首を締めるほうが簡単に出来る


2004年05月02日(日)



--終りの想像--


堕ちて

堕ちて

堕ちて

その引き金を引くときに

私は平気なんだって願いを込めて

宿世は普遍だからと

自分の過ちを誤魔化して


さよならをするのなら

一度だけ悲鳴をあげて

一度だけ


2004年05月01日(土)


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