Distortion
--午後の夢--
私の指に出来たささくれにほんの小さな痛みを覚えた頃には
みんなの影は遠い夕日の中に浮かんでいる
大きな木と美しい薔薇が 立ち尽くす私を取り巻いて
時をゆっくりと進めていた
陸の孤島に踏み込んで 声の主は他に居なくて
正しいのは当たり前のように自分だから
私を罵倒する声が欲しくても
私を求める声が欲しくても
他に何も
赤い海の中の記憶の断片
枯れた草が招き入れるは人の住む青い島
2004年02月11日(水)
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