:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2007年08月31日(金)  夢痕

何やかにやと疲れてしまって
眠気のやまない夕暮れ時
「こんな思いはもう沢山だ」
誰にとも無い訴えを抱えて居る
 
一つ一つなぞり返しても
戻るものなんて一つも無い
空気の冷たさとか
息の白さとか
煙草の匂いとか
今となっては風化して
いつしか風葬されそうで
 
階段を昇った先
静電気と規則的な呼吸音
むせ返る乾いた空気
 
夢のあとの様に
後味の悪さだけが残り続ける
「さあ、今日は何をしようか」
 
守れなかった約束に滲む青に
開いてしまった扉をくぐる
 
疲れた身体と
コーヒーと
煙草と
汗の匂い
夕暮れ時の
布団の上で
今日も一日を
終えてしまうよ


2007年08月30日(木)  融合〜you go

西へ東へ北へ南へ
連なる列の最後尾
歩幅を合わせ歩き出せ
告げられなかったあの言葉
右へ左へ前へ後へ
巻き付く煙の低迷を
ないがしろにした記憶を恨む
 
満ち足りた身体が消える
孤独と紙一重の今を
この心から憎しみを滲ませて
回想し続けて 泣く
 
探していたのはわたしの居場所
見当たらなくて倒れて居た場所
拾いあげて抱いてくれた人
一人きりの夜の闇がわたしを飲む
もう消えたいとさえ望み
振り返っては思い変えて居た
 
北へ南へ前へ後へ
曇り空には泣き顔で応えて
月夜に結んだ契りを千切る
右へ左へ東へ西へ
身体の傷が消えてもまだ
痛み続けるアレは消えずに
 
帰依した記憶して
中へ行きませう
中へと


2007年08月29日(水)  夢墜ちる

現実でもそうでなくともまあいいや
気にかけたって仕方無いもの
あの願いは叶わなかったし
同じ時は二度と巡らない
過去に通じる道程をあたしは知らずに生きている
 
二階の空気は曇り気味
殴り描きの空に欠けた月
雷鳴の激しさと不眠の夜に
あたしが見たのは過去?
冷房の風で冷えた身体に
被さって分け合う温もりが易々
タクシーを停めても生き場は無くて
彷徨うあたしの探すは未来?
 
なんだかどうでもよくなってしまう
その前に気付けばよかったけれど
同じ事はもう懲り懲りだから
目を閉じれば夢に墜ちるよ


2007年08月28日(火)  3.2.1.0

渋滞の列
わたしのからだ
連なりの夢
分離する思考
 
必要なのはタバコとビタミンだと嘯く
 
声帯の変体
来月の空は
丸く明るい月
 
出会えるだろうか、君に
届くだろうか、飛行機は
 
重い瞼
どこかへ行きたい
彷徨いながら
行くことは不可能
わたしは
迷ってしまって居る
 
バス停前のハンバーガーショップで持帰り
神妙な面持ちで、3.2.1.0!


2007年08月26日(日)  敗北

すらりと伸びた手足に
白いドレスがよく似合う
鋭い声が耳鳴りを誘発し
しゃんとしない背筋が
閉ざされて行く
することを思い付けないから
とりあえず手紙を書いたあの日は
夕立ちが降っていた
 
見開いた眼が
若さを繋いで居る
誰かの理由が
生きる糧になるわけもなく
思い出すあなたのことが
生きるためになるでもない
 
綺麗なあなたの指が
あたしをなぞる妄想に揺れる
望んだり望まれたり
それは
忙しなく続いて行った


2007年08月25日(土)  月への券

もう、良いでしょう
もう、責めないで
もう、泣きたくない
 
路なりに進んで来たつもりだった
間違っては居なかった筈だったのに
螺子はいつしか狂い始めて居た
身体が弛緩し舌は痺れ苦しくなり出して
指先は悴み視界がぼやけ始める
 
自分のためだと思って居たけど
結局それはあなたのためで
訪れる気配すらない秋に
敗北しては遁走を企てた
 
最初から月並みに
月並みに最初から
並べた声で解決を望んだ
手のひらに握った光は
なにかの望みになっただろうか


2007年08月24日(金)  飛行場

苺色が滲んだ空に投げよう
くすんだ黒子みたいに描いて
薄笑いを繰り返してみるよ
 
朝の飛行場に君を見送りに行くよ
自転車に乗って朝の町を走り抜けて
人を小馬鹿にした音楽が耳に落ちると
胸に穴が空いてしまったみたいに
 
君は見えなくなる
小さく手を振って
それから二度と振り返らず
遠く離れて行ってしまった
 
海沿いの道を一人戻るよ
君と歩いた道にしるしを残して
砂浜ですこし座るよ
何かを思い出すみたいに
待っているよ もう会えないとしても
待っているよ 君が僕を忘れてしまっても
 
蜜柑色の雲が流れて消える
切れてしまった糸は また結べば良い


2007年08月23日(木)  遭遇

何だって構わないから貴方に遭いたい
貴方に遭って 貴方を殺めて仕舞居たい
貴方が憎くて大嫌い
けれど貴方を愛して居るの
貴方へ嫌悪が止まらない
けれど貴方を求めてしまう
 
生き急ぐ矛盾の中で
9号線に続く渋滞の無言に耐える必死
捕まえて街が暮れる迄に
あの本屋の前で待って居ると勝手
 
時間など喪失しては貴方を消したい
崩れた化粧の隙間から覗く眼で
貴方を見つめ 窒息させて仕舞居たい
貴方を非道く憎んで居るの
けれど貴方に抱かれて居たいの
貴方を強く恨んで居るの
だけど貴方を探してしまう
 
跡切れては求める手管
快速列車の鈍い光に
歪む御顔を晒して御覧
 
午前1時の困惑に 今夜の夢を託してみてよ


2007年08月22日(水)  回想電車

電車の窓の外には
唯唯 闇がはびこつてゐるのです
闇の中
甦る想い出のかけらを掻き集めて
再編したいと望みます
 
 
泣かないで下さい
私は此処に居ます
あなたを抱き締められる距離に
直ぐ側に居ます
 
トンネルの外 切れ掛けた街灯が点滅して居ます
もう直ぐ きつともう直ぐ判りさうです
 
此の身は貪欲に何かを探し続けるでせう
独りで生きた等遠い言い訳
人は何時も孤独の中に在る者なのです
 
触らないで下さい
此の身体は 非道く汚れて居るのです
此の汚れた身体では あなたを抱く
其の資格さえ喪失してしまうでせう
 
あなたの泣き声は私を呼ぶのですか?
其れでもあなたは私を愛してくれるのですか?
 
 
再編された想いを逆再生するのです
始発までにはきつと
思い出せる気が致します


2007年08月21日(火)  冬の夜

暴力的なまでの眠気
跡切れて行く意識の中 呼んだ名前は誰?
近付く季節に背を向けて
繋がった指先を感じて居た
 
誰かのせいにしたい
自分の声を閉じ込めて泣く
もう 誰も信じない
それは悲しい決意だろうか
 
ねえ一掃しても良いかしら
意気地など捨ててしまった
あの 物憂いメロディに併せて泣いた
冬の夜の吐き気は今も続いて居る
 
ねえ勘違いが甚だしいのね
あの部屋ごと消滅させてしまった
身を喪うような寒さの中に泣いて
冬の日の残酷に今でも未だ振り返る


2007年08月20日(月)  仰き

それ しってるよ
ほら 例のアレでしょ?
ちょっとヤバいんじゃない?
ほら 見つからない様に隠さなきゃ
 

 
長い夜を超えて近付いた寝息を飲む
味気無さに呆れ顔
ひねった足首 痺れてる
朝になっても痛むならまた考えてみよう
 

 
魚の眼 腐乱の始まり
頭が痛い 眩暈がしてる
これは 明日も続くのかしら 

 
誰かの為という建て前の元
歩け 歩け 強く
 
何かを待つ背中が好きだといって
行ってしまえ 永久に


2007年08月19日(日)  ねむり

総ての思考を放棄して
その目を閉じて眠ると良い
思い出さずにおやすみなさい
 
ちいさな花が咲いていた
白い服で歩いた草むらに
流れる小川に映る空を見た
君の呼ぶ声がするのは気のせいかな?
辺りを見回して諦めたんだ
 
凍傷の心癒してくれるか?
誰かのせいにするたやすさを知り
戻れなくなった無力を忌む
痛いのは傷だけじゃないと
毎度の様に泣いてしまう
 
会いたい人に会えない無力
会いたい人に会わない勇気
次の月が欠けてしまう
彼女を残して行ってしまう
雨は降らないのかな?
縺れたアレとコレを解かなくては
 
君のために僕は眠るよ
昨日に誇れる様にうたうよ
嘘だけを固めて飾ろう
腫れた足首 冷たい朝に
横たわり眠った日々へ


2007年08月17日(金)  君が

君が好きだよ
あたしを後ろから優しく抱いてささやく声
それさえあればもう何も要らない
首筋に唇をつけてそっと眼を閉じる
君の匂い―このまま眠りにつけたらいいのに
 
白黒反転させた世界に降り立つ
罪のない言葉が胸を抉る
爪先に宿る生命は君の温度を伝えていく
君が好きだとささやく僕の口が
君の唇 塞いでみようか
 
寂しさが本物か 愛しさが本望か
悲しみが突き上げて 優しげに滲み出す
 
あたしだけだと言う君が嫌いだよ
君だけだと言うあたしが笑ったよ
その胸に顔を埋め 余計な事を振り払い
ただ 君の事だけ考えていたいよ
 
切なさの真相は 不可視の現実は
この涙込み上げて 目頭が熱くなる


2007年08月16日(木)  風の音

風の音が止み、ぼくらは静かな眠りについた。
 
冷蔵庫の唸り声よりも君の寝息はずっと静か
ぼくは夜にずぶずぶと沈んでいく
何かにとり憑かれた様に探し求めた君の破片
見つからなくても何も変わらないと思えたよ
 
朝の回廊を歩きながら
三角の上に丸を乗せて
ぼくは崩してまた積み上げた
髪をかき上げるしぐさが好きなの、と言った
彼女のことをまだ忘れていない夜
 
風の音を探す
蒸し暑い夏の夜のベランダ
佇む彼になりたいと思う
 
今夜
風の音が止み、ぼくらは静かな眠りについた。
 
気持ちの中の黒い染み
母親が言っていたあの日の言葉
 
身体に巻き付いた不安は
いつかきっと暴発するだろう
煮え滾る脳にノイズが入る
 
静かな眠りについた、風の音が止んだ夜は
やけに蒸し暑く凡てを腐敗させてしまう


2007年08月15日(水)  平衡崩壊

あなたに添いたい
この身が朽ちるまで
添って 居たい
 
度重なる出来事に季節は過ぎて
連なる人の列も小さくなって消える
滴る汗のにおい
暑い夏に繋がっては切れた
 
電話のベルがBGM
喧しくて頭痛がするの
伸ばした髪を切り落として
あたし自信を改変してく
 
あなたに添って
この身体をあげる
このこころも
あなたにあげる
 
最初から最後までかわらない思いが在るとしたら
在るとしたら… あたしは泣いてる
焼けたアスファルトのにおい
夏休みの小学生がはしゃいでいる
 
あなたのそばに
あたしは居ない
居ないこの身を横たえる
横たえられる場所もない
 
あなたに添えない
崩れた平衡


2007年08月14日(火)  助け鬼

―毎日は泡の様 あたしの退屈は続く
 
釣られてもいいと思って居ない?
誰かのせいにしたら良いと思って居ない?
ねえ けれどそれのなにが悪いのかしら
君のためになんて嘘 都合の良い嘘八百
曇り空突き破る雨粒に撃たれて死んでしまえ
 
昨日と今日と明日の繋がりが見えませぬ
探してもいないけれど
長い着物の裾から覗くその足首を搦めとる
侵してしまいたいよ
接ぎ木して繋がって空白の毎日が暮れて行く
 
あたしが言う凡てをあなたは嫌って居る
見違える様な変化を遂げたとしても
もうあなたを赦せなくなって終った
感じても無駄だと思って居るよ
不快が怪だと知って居るのよ
ねえ その長い爪は欠けていくわよ
 
群れ合う仲間も失いの中
立ち上がり欠けては沈み込む
或る種の爽快にあなたはまだ気付けない
煙草に火を点け 煙りに噎せる夜もあったね
過ぎたあの日はやけに鮮明
 
―毎日は泡の様 あたしを捕まえて御覧


2007年08月13日(月)  空想汚染

意識の合間に 誰かの話し声
つまらないジョークにケラケラと笑っている
なにひとつ忘れはしないよ
あの日の君の爪の色が
やけに鮮明に思い出せるんだ 
吐き気を堪えて家路を急いだ
煩わしい世界中の常識を突き飛ばせば良い
僕のためだなんて建て前で自己防衛
…なんだか一気に醒めてしまう
僕の意識はまるであの高い空みたいで
 
繋がりを断ち切る鋏が錆びているから
現実逃避もいずれ机上の空論
誰にも言わないと言うなら教えてあげてもいいよ
こんな僕の内緒話 君にだけ聞かせてあげよう
 
水玉の壁紙が剥げかけて汚れた
扉の向こうの一切合切も嘘になる
誰にも言ったことがないんだ
本当のはなしはいつも隠して居るから
 
いっそ君をめちゃくちゃにしたら
汚すことができたなら 妄想の餌食にしよう


2007年08月12日(日)  春夏秋冬

眩暈が止まずに真っ直ぐ歩けないから
今日もたくさんの薬を飲んで
あたしの爪先から青紫に染まり始めた
 
「きっと出会えない」
悲観的になっているわけではないけれど
期待するこの気持ちに碇を着けて沈めたい
あたしの口は上手に嘘を吐ける様になったよ
ああ もう 自分が嫌いになりそう!
 
君に電話して 嘘を吐きます
「頭痛くて、おやすみなさい」
寝ないけど 別にどこも悪くないけど
企てた計画は自ら暴露したから
疲れてしまう 今日もひどく眩暈がしている
 
さようならと言いたくて日々はすぎて
結局言えないまま 芽生えてしまった
「暖かくなり始めた季節に交した
あの約束の8割が嘘でできています」
ねえ お互い様です
 
ああ もう!
自分を嫌いになりそう
だから没頭した
 ちらついた泣き顔を蹴散らして
 
君に背中を向けて泣いていたい
繋がれた綱を噛み切って駆け出すよ
 
もう 秋風が吹いてしまう


2007年08月11日(土)  概略

愛して居る愛してい る
いないいないいない
 
 
途切れないで
あんたの爪をつんであげるから
楽にしてていいよ
 
触らないで
 あたしの肌が
爛れてしまう
 
愛して居る?
どうせそれも嘘の癖に
 
ためらわないで
 一思いに して
 ぶたないで
みじめにしないで
 
触らないで
 この首筋に 滲んで居る
毒の色を刻んでみます
 
愛して居る?
どうせそれも嘘だという癖に


2007年08月10日(金)  最低の美

うん。たぶんあたしが悪いの
君の声に知らん振りを決め込
んだりしたあたしが悪いの。
だけどね反省なんてする気は
なくてだからただ時間が流れ
るばかり。狂いたいねって言
っていたあたしはいないの。
あれは嘘だからもういいのな
んて言ったら怒る?…怒らな
いで。抱いて抱いて壊れやす
いのは誰?夜が長すぎて眼が
眩むよ。眩暈が止まらないよ
。止められないよ。止めたく
ないのかしら。そうなのかも
しれないね。そろそろあの子
が帰って来るから迎え火を焚
いて出迎えなくちゃ。迷わぬ
ように火を焚かなくちゃ。何
年の月日が流れても付き纏っ
て居ていいよ。強い力で握っ
ていいよ。魔法だって通じる
ならばどんな言葉も伝わる筈
だと思いたい。痛い想いが重
く痛む。腐る季節に涼風流れ
巻き戻せない日々に火を着け
よう。ジッポのオイルが切れ
てるままで点火もできないま
まだけど。これで土砂降り夜
空なら世界はひどく醜悪にな
る。寝息が聞こえる静かな夜
に沈む沈む沈む。
 
 
***
 
 
最低で美しいアンバランスなあなたへ。


2007年08月09日(木)  葡萄

呼吸困難の夜 溢れる血液に飲まれ
呼吸は一路絶え絶えに
涙は二度も飲み込まれ
巨人の群れに踏み付けられる
この身は麻痺し 沈み果て…
 
この風に吹かれ 子宮が痛み
蹲るあたしがかさんでいる
チック気味の右目が笑う
訣別した勇気を取り戻せる?
…ううん、もう いいよ
必要なんてなかったから
 
誰を 何を必要としている?
治りかけた傷跡が痛むから
思い返してまた切り刻んだ
あなたのためにあたしは居るの
そんな朝に産み継がれたよ
 
煙草の火を消し 風を待つ
止まらない憂鬱に
鳴り止まない耳鳴りに
病み続ける時間に
吹き付ける夜風を探して居た
 
痛む下腹に
溶けるあたしを
どうか誰か 覚えて居て


2007年08月08日(水)  溢れ 井戸

君が安らかに緩やかに眠ってくれるのなら―
 
あたたかい を しる
じょうげ する むね
にぎる ちから ぬけ
するり ちゅう まう
 
君は何の夢をみているのかな
 
かさなる あの ごご
ゆるやかに くるった ひび
まえに ある ひかり やみ
ぬるい やくそく むすび
 
君はするりと眠りに落ちて―
 
せみ うるさい ないて
きえる なつの うそ
つなぐ きおく ぬくもり
この うで なか ある ほんとう
 
溢れた
ずっと堪えて居たアレが
溢れた


2007年08月07日(火)  真夏の午後

ねえ 僕ら間違ってはいないよね
決して正しくはないと思うけれど
近い空に狂いそうになりながら
寄り添って居たいような…
 
真夏の午後
露出した肌に少し寒気を感じ
太陽に焼かれながら
溶け出していく自分に気がついて居たんだ
 
君の友達が言っていた
「僕には言えない話」ってなんだい?
答えられないような そんなマズい話なのか?
 
ねえ 僕は間違ってはいないよね
こうして抱き寄せる人が君に見えたなんて
言い訳に誓い戯言に痛む片腹
やはり正しくはないと思うけれど
ねえ 君は間違ってしまって居るんだ
僕じゃない誰かの腕で眠るなんて
眠れることがおかしいんだ
落ち着けるはずなんてないんだ
僕ら 最初から間違っていたのか?


2007年08月06日(月)  再来の季節

望まない、望めない、中途半端な模型
崩れてく、途切れてく、夜に消えて行く
何もない、開かない、四隅に蹲る残滓
 
二つ目の鼓動が刻まれて
くつくつ煮込まれて居る
好奇心は砂の様にさらさらと
猜疑心は雨の様にしとしとと
しつこく続いて居る
 
猥雑な朝に陽が昇るのは
うまく喋られないわたしの代償
あの時からちっとも変わらないわたしは
少しだけまた 臆病に落ちる
 
飾らない、譲れない、生き急いだ命
祟らない、意味がない、誰のせいでもない
わからない、繋がらない、圏外の部屋
 
一つ目の鼓動を忘れそう
ならない事だと言いながら
顕示欲は水の様に匂い立ち
神経質な空気の中で飛んで居る
五月の鳥の様に


2007年08月05日(日)  擬態

かすかに残る
記憶にかけた覆い
明日には乾いてしまうかな?
 
水面に映る影に染まって居たいなと
そう 祈って居るよ
 
次の空は明るく
走り去る電車をいつまでも見つめて居た
この両の目が認めた真実が溶け出して流れた


2007年08月04日(土)  忘却スイッチ

愛していると言ったよね?
あの日の言葉を覚えて居る?
繋がれて居たいと望んだよね?
ずっと昔の事だけれど
 
気圧の変化に遅延した耳が痛い
此の世界の重力に逆らえない逆睫毛
近頃蓄積した疲労 序でに冷たい指先ふわり
 
永遠を二人誓ったのにね
忘却スイッチをONにしなければ
その唇が言って居たのにね
遠く忘れた事だけれど
 
通り過ぎた嵐の夜 近付いて居る静寂よ
呼び起こされる記憶の異質に
目を閉じて 固く閉じて
忘却スイッチをOFFにしなければ
 
愛して居たと聞いたのよ
あの声がそう言って居たのよ
遠く忘れる事だけれど
 
忘 却 の ス イ ッ チ を
   O F F / O N


2007年08月03日(金)  懐古の夜

やはり凡てはその通り
気にはなって居たのだけれど
間違っては居なかったみたい
つまりこれは始めから決まっていた事
変わって見えたあれもこれも
勘違いだったのではないかしら
 
満たされていた私に急速な減少
この身に降り懸かる災難
解読不能の怪文書
 
いつも感じて居たのよ
あなたの嘘のような胎動
記憶の中のあの子を愛し
見捨てた現実を覚えて居る?
期待に似たあなたに抱いた感情は
人違いだったのではないかしら
 
求めて居た言葉は遊撃に覚め
風音の止まない窓の外
飛び出して候
受け止めて創造
 
常時疑って居なければ
あれに似たあの痛み
もう二度と反復したくはないのです
相違の事実に暗い闇
散り散りの二つの手
一度足りとも願った事などないのです
…あの日に戻りたいなんて


2007年08月02日(木)  妙月

不安定な電波マジック
クリーム色の星が瞬く
イケナイ夜に泣く木立
赤みを増したあの月に
揃えた両手を翳してた
 
小さな願い
星に願うよ
生きてる私
ひとり泣いても
朝が変わらず訪れて
わたしを連れて逃げて行くから
 
最重要な記録ロジック
高い空に抜けていく雲
マチガイだらけで笑うハチ
青みを増した夕方に
歪んだ視界は乱れてく
 
遠くの近い
明日に投げるよ
痛みを此所に
感じ裂けても
夜はいつか明け始め
わたしを連れて越えて行くから


2007年08月01日(水)  銀火花

私が悪いのですね?
貴方がそうおっしゃるのなら その通りだと思います
私が憎いのですね?
貴方の怒りが消えるなら 気が済むまでどうぞこのまま
私を蔑むのですね
言葉の端々に貴方の痛みが流れて居ます
私を殺すのですね
それで気が済むのならどうぞ殺めて欲しいのです
 
どうして泣いてしまうのですか?
私を愛して居るのですか?
それが嘘なら抵抗を続ける理由がありませぬ
 
私が悪いのですね?
だから泣いて居るのですね?
お望みならば自ずから
殺めてみせます此の命
貴方の指が触れた首
震えて夏の銀火花
 
もう泣かないで欲しいのです
成し遂げ消えて行くのですから


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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