:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2004年04月30日(金)  うすべに

朝の絶望 夕べの懺悔
 
鍵盤の上で踊る指 十指の永久の舞踏会
あたしの背を這う小さな魚が どこまでも泳いでる
誰も知らない場所 時間 理由で消えてしまえる
 
鳴り響くピアノ 遠い遠い世界に運ばれていく様で
だけど泣く事は出来ずにあたしは此処に座ったまま
 
痛む目の奥が 遠くが どこからか近付いてくる
誰かが止めてくれるのをずっと待っているのに
それはずっとやってこないまま 朽ち果てていく
 
どうしようもない希望 救い様のない感謝
 
逃げ道への道標を探している
路上に咲いたうすべに色の花が 空に馴染めず泣いている
 
あたしが望んだのは 間違いだらけの現実に
正しい色を 示す事だけ
正しい色彩を示して 世界をどこか 替えて下さい


2004年04月21日(水)  仰空

知らないと呟きながら 本当は知っていた
何処にでも在るような青空があたしだけの物なら
誰にも欠片さえも見せる事無く 独り占めして居ようと思う
 
異常なまでの独占欲の強さ 弱い感情を曝け出す強さ
握り締めた服の裾は手の平の汗で湿っていたよ
乱れたベットのまんなかに座って十秒経ったら顔を上げる
誰にも理解を求めなくても 案外平気
あたしはちゃんと生きていけそう
 
逃げることを止めてしまったら生きるのが少し楽になったよ
向き合うことが怖かったあの日々は 今ではもう遠い様に
さらさらした空気が好きで夜明けを見つめていた日が懐かしい
三日月の夜 少しだけ俯いて
今日の月に似た彼女の横顔を あたしはまた思い出してる
尽きないのは死ぬまでの全ての時間 生きている現実の時間
あたしはまだ 大丈夫
 
時間を無視して歩いていたようにも思えるけれど
無視した時がなぜか懐かしくなるのは なぜ?
いつか そういつか 拾い上げるものが
途切れる時のあたしの時間の宝物になっているなら
あたしは平気だと 空を仰いで笑って見せるから


2004年04月20日(火)  双六

使い古した身体で上手に媚びて 上手く誤魔化しながら居たのに
気付いたらまた あたし「捨てられてるんだ」
 
泣くほど大したことじゃない
一人にはなれていたから今更どうってこともないと思って居た
なのに 一人の部屋の空気もこの空間も重すぎて
普段感じることのない 重力をじかに感じているように思う
怒り出すほど短気に出来てもいない
あなたに出遭うまでは一人の部屋も時間もずっと普通だった
どうして 出遭った?
あたしは繰り返した疑問をまだずっと胸の中に抱いている
 
疲れ果てた思考で計算高く演じながら 逃げ続けていたのに
「過去は過去でしかなくて振りかえってももう次がきているんだよ」と
伝えられた言葉の意味が まだよくわからないまま
あたしは あたしは… 逃げたいのではない
 
鉛の様に重いあたしの身体を 誰かゆっくり溶かして下さい
この空気が変わるなら 動き出すまできっとそう遠くない
死にながら生きて 生きながら死んで
毎日答えは出ないまま ずっとずっと繰り返してる遊び


2004年04月18日(日)  迷いと報復

読めない英語の歌詞は適当な鼻歌で誤魔化しながら
今日もまた 歌を歌っている
いつからか 音楽ジャンキーになった
何か流れていないと、何か音がないと耳鳴りがして 恐い
原因については 考えた事もなく暮してた
 
雨の夜
雨音が耳について眠れない
吹きつけてくる強い風に身を任せたまま はるか遠くに消えてみたい
空想の世界を描いても その雨音に風の音にガラスの揺れる音に
気付かないままに 現実に引き戻されていってしまう
ぐらぐらするけれど 横たわっているから倒れる事もなく
暴れ出したいけれど 傍に何も無い部屋だから何かを壊す事もなく
咽喉の奥に引っ掛かった叫びを 呑込んではまた吐きそうになる
 
あたしの夢はリアルなだけで面白味の欠片もない
極彩色の世界に居たり 白黒なのに赤い爪だけ際立つような
何処か歪んだ世界の中に あたしはいつも移動している
古い活動写真のような セピア色の画面が眼前に揺れ動く
壊したい衝動は 夢の中でもショートしたまま
壊れたみたいに泣き叫んで 夜中にまた目を覚ます
 
外ではまだザアザア雨音が続いて居て
痛む目の奥をぐりぐり押さえて 溜め息と一緒に吐き出した
 
逃げ場が欲しい
躊躇なく逃げこめる そんな場所が


2004年04月17日(土)  牛乳

挑発するような視線 魅力的な八重歯
時間の感覚を忘れ 只管君に沈んでしまう
意志の問題などではない
原因があるなら 結果は他所で嘲笑って居るのだろう
 
此処に止まり 媚びた笑を浮かべている
情けなさより先に快楽に溺れ 真実より先に虚構を夢見た
あたしの未来は見えない
過去ばかり見ていたから 未来の概念を忘れてしまったのだろう
取り戻しかたももう判らない
説明書も保証書も何もないから 証明できない
あたしはずっと廃れていくまま
 
哀願するような腰の縊れ 首筋に光る溜め息
憎悪のような視線を移して 唇が解けてしまった
答えに正解などいらない
求めた時点で 結局手に入れている場合が何度あった?
 
いつまでも泣いた 準備もしないまま
熱い感情より先にミルクが欲しくて 忘れてた
「あたしは牛乳が飲めない」
余所見ばかりしていたから 大切なものを落としたことも知らず
気がつけばまた 同じ場所に座っていた
夜明け前の 公園に似た広場の片隅に


2004年04月15日(木)  呼びかけ

「元気ですか」の呼び掛けに 答えてくれる声が聞こえない
絵を写真を景色を模写して 真っ白な画用紙に線を描く
ウソツキな娘の イジワルな表情が 両の目に痛く映っている
「消えてくれ」一方的な願いなどが かなう筈がない
キーボードを鍵盤を釦を連打して 適当に何か作れる
ナマイキな小娘の サゲスミの視線が腹の底に何か異物を残している
 
どうしようもない夜は 手首の傷痕を眺めて過ごす
気付くたびに薄くなっていく傷だけれど 忘れることのない傷を
知らない人にはどう見えるだろう?
知らない人には何に見えよう?
あたしのウソとあたしの傷は なんだかもう全然痛くない
過ぎ去った過去に 存在するすべてはもう痛くない
痛いのは 現在にあがらおうとする惨めさだけ


2004年04月14日(水)  鏡の破片

割れた鏡の破片を拾い集めていたら なぜだかとても悲しくなって
涙はでないが 泣いていた
割れてしまうものや壊れてしまうものが散らかっている
壊れてしまって 失って もう二度と戻らない
泣けど 怒れど 壊れたらただのゴミに戻ってしまう
 
だけど
あたしは壊れたものが捨てられない
捨てる時は胸が痛い どうして痛いか判らないのに
いつも とても胸が痛い
壊れた欠片を眺めていたら 両目がぎゅっと痛くなる
見えない小さな手の平で ぐにゅと掴まれたように
 
割れた鏡の破片に歪んだあたしの顔が映っていた
ピンぼけの写真のように 捉えきれない表情で
すこし右に歪んで見える
一時の衝動が 暫時の情動を促している訳じゃない
あたしはゴミを拾い集めて 泣いてやる
ゴミが大事な物質だった頃の記憶を拾い集めて ずっとずっと泣いてやる


2004年04月13日(火)  返却希望

怒りは何に換算されるだろう
無関心か感心か 爪先立って大人の振りをして 生きていられるのか
逃げ足だけを発達させて…
 
頭痛がする
三分前から少しだけ頭が痛い
怒りの周波数をあたしは何時の間にか吸い込んでいた
「煩い」も「聞きたくない」も 吸収したくない
排出したいと願ってる
やめればいいのに どうして続けていくのだろう
 
「蔑み」がもう耐えられない
怒りの周波数を捉えて ビクビクする身体を押さえて
呼吸を紡げれば 努力の甲斐があるのではないだろうか
 
厭味な態度で臨むことが 疲れた身体に疲労をまた足す
人間の言葉が通じなかったら 人間は人間じゃない
みんな未知の人間だ あたしは無知な人間だ
 
頭痛が続く ずきずきずきずき…いつまで痛みは続くだろう
 
どちらも煩い
静寂を返してください


2004年04月12日(月)  リ・セット

あたしはただ、強い心を知って持ちたかっただけで
弱いものを壊してもいいなんて 思ったわけじゃなかった
 
爪が割れた
校庭に響いてた笑い声は もう聞こえなくなってしまった
遠いものを捨てたかったんじゃない
近いものにしか感心がなかったわけでもない
ただ 広すぎる世界に孤独を感じつづけることを恐れていただけ
 
願いはやがて風化して あたしを癒す事だろう
あたしの為だけに回る世界なら きっとあなたは居ないんだろう
切り捨てて甦らせて 何度でもリセットできるオモチャの世界があるのなら
あたしは神さまになって 元・神様を跪かせて笑ってやる
強い風が 吹きつける
移ろいゆく季節は どうしてこんな寂しさを運ぶ?
止まってしまわないのは 止まれないからだろう
時間が 経てば経つほど 忘れられなくなっている
いつもの空模様に 心が曇り
窓ガラスの向こう側はもう 今では遠い昔になった


2004年04月11日(日)  餓えた欲望

右と左が違う 上と下も違う
唾吐き捨てて道を闊歩したら 強い気持ちを持てるのか?
 
傍に居てね
何があっても あたしを放さないでくれればきっと良い事あるのかな
新しい黒いかばんを下げて 街に行こう
何かが変わるとき あたしも変われる
その仕組みを あたしは頑なに信じたいと願っていける
 
雨上がり 空が切れて地を照らす
ずっと望んできた背中に手の平が触れて居ることが不思議で仕方ない
こんな真実が 此処に証明できるまであたしたちは何度すれ違ったろう
 
一人の夜 不安が何度も襲いかかってナキムシなあたしが居る
電話が鳴って 泣き声のまま受話器を取る その瞬間に溢れてた
 
気付いてくれた
右も左も 上も下でさえ何とも違うあなたで在ってくれる事を
強い気持ちで信じていれば 信じられる
何かを望むとき 何かを捨てるなら
その仕組みを あたしは捨てられるんじゃないかと思ってる
 
貪欲に、貪婪に満たされて生きてるだけ


2004年04月10日(土)  無我無想

散らかった部屋に寝転んであたし
天井を見て 星を幾つも数えてる ひとつふたつみっつよっつ
バカみたい 天井に星なんてひとつもないよね
時計の針が ちくちくあたしを刺し殺そうとする
なんか今日も 心臓が痛いや
どこを見たって壁ばかり それもあたしのヤニで黄色く染まって汚いだけ
誰にも期待しちゃ駄目だ 裏切られるのが恐いのに
誰かに依存しないと生きていけない
 
いつか 生きる事に依存してて死ねなくなった あたしは弱い?
 
正解なんか求めたら 無駄
階段を登る度に 鼓動も高くなっていくんだ
どうして今日も上手く行かないかなぁ
期待しても 依存しても 存在しても 意義がなくて泣いてる
 
次を待って次がくるなら 秘密を持って何かわかるなら
答えを全部 教えて下さい
 
真っ黒な鴉のままで かぁかぁ泣いているあたしに 全部教えて下さい
天井に星なんかない そんなことずっと判ってた
あたしはずっと 夢を見ているんだ
現実を生きなくても良いような
都合のいい 夢の中で生きているんだ きっと


2004年04月09日(金)  瘡蓋

望んだり望まれたり ああ面倒だな
空も海も癒してくれない(癒されようとも思ってない)
誰か一人に愛されるだけで満足できない(欲求不満)
 
月並みに並んだ人の列が 蔑みの視線をあたしにくれている
冷たい夜に赤い月を大きく翳して 無視してやろう
どこまでいっても 終わりのない結末があればいい
いつか飽きたら放り出す事ができるのに 誰にも怒られないオモチャ
誰か 誰か あたしの 事を 知って 聞いて 呼んで 呼んで
 
嘘吐きが叫んでる
誰も彼も 優しくない 誰も彼も 理由を言わない
どうして見出せないのかも 知らない
 
蝶が青い空を舞いながら ああくすんでる
地面の水溜まり 目を閉じてる 誰の事も信用できず
誰も彼にも愛されたとしても満足しない(全然足りない)
 
遠くに流れる人の波が 辱めの口元をあたしに向けていく
誰の耳にも聞こえていないメロディを あたしは飼う
誰も 誰も あたしを 知らない 笑う事 泣く事 全部未知
 
つま先から 踵から 踝から 溢れてくるのは
手首から 手の平から 指先から 流れた赤い河は
海を作らず乾いて ぱりぱりになる
涙にも似ずに 乾いた瘡蓋になる


2004年04月07日(水)  エェテル

あたしはあたしはあたしはあたしはあたしは
理由を持ちません
理由を理由を持つことは
肩が凝るからやめました
あたしはあたしはあたしはあたしはあたしは
生きてる意味がありません
腹の痛み 芥子の花びら
それ以上にねえ いったい何が?
やめてください
押しつけないでください
あなたにわかるわけないんです
こんな気持ちわかるわけないんです
 
長く生きすぎてしまいました
せめてせめてせめてせめて…最後は
自分の手でやらせてください
 
あたしにはもう何の理由を持つことも
煩わしくてしかたないのです
部屋中エェテルに満たされながら
幸せを捨てます
部屋中エェテルに満たされながら
階段を降ります
部屋中エェテルに満たされながら
もうなにもこわくない
部屋中エェテルに守られるなら
あたしはちっとも弱くないんです
 
泣き叫びたい
ひとり
泣き叫びたい
泣き叫びたい
泣き叫びたい
泣き叫びたい
 
羨ましいのです
素直な君が
妬ましくてしかたなく
あああああ
声をあげ泣きたいのです


2004年04月04日(日)  カメラ

『窓に楽しそうな日々がずっと流れ続けていく』
 
朝の電車。
眠い目を擦りながら、小さな目的を定めて終点を待つ。
人影はまばら。
決して込み合わないけれど空いているわけでもなく、
調度を持って人が座る。
 
苛つきが昨日から治まらないまま
ココはずっとそわそわしている。
 
『みんな嘘 だってあたし大嘘吐きだもん』
 
真実が見あたらない。
あたしの本質なんてあたしのシャドウしか知らないんだろう
裏側、表側、側面、天井
気づけばまた閉じこめられていて
誰のことも信じてはならないような気がしてる
 
守らなくてはならなかったものをあたしは捨てた。
一人でも生きていけた自分を残し
 
目を閉じて忘れてしまえばいい
二度と思い出すことのないように
犯した罪をあたしはひとりで隠してる
誰にも見せられない事実を
深い、深い、場所に隠し通していく
 
『伝える言葉が残される』
 
エゴが肥大して
考えなくても良いことばかりを思いつく
朝 陽光が射し込んでくる電車の中
 
にこにこ笑いの子供
しかめ面をしたおじいさん
天井を見ているおばさん
本を読むおねえさん
朝帰りみたいなおにいさん
 
誰にも守るものがあるのだろうか
だから人はここに在るんだろうか
飛べるだろうか 望みを
呟きながら


2004年04月02日(金)  グライド

精神が耐久性を欠いている
欠乏した感情は泥水のように濁り続ける
憂鬱と背中を合わせて生きるなら
内側にある小さな狂いを膨らませてやりたい
 
何もする気が起きなくて
なのに眠れもできなくて
隣の席の携帯電話 てのひらで遊ばせてやる
 
あたしはなにも心配ない
気づかないうちにずいぶん強くなってきた
笑えなかった表情や
ふてくされたまましていた返事を
演じているうちにごまかすことも覚えた
 
問題は現在だけ
つたないし辛いし身体中汚いし
なんだか何も許せなくなる
 
温かさや薬の浮遊が欠落したら
揺らいでそのまま落ちるだけ
悔しくなんかない
辛いわけもない
何もする気が起きないから
座椅子に凭れてコーヒーを飲む
 
外の雨音がずっと続いてる


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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