:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年11月30日(日)  欲望が故対象

苛立ちが沸点を越えさうです
以前から君の其の我が儘は知つて居ました
しかし 御気づきでしたか?
あたしに君が云つた様な過ちを君も知らず知らずの内に侵して居るのです
 
右手に包み込んだ光を僅かな希望を有した左手と入れ換えませう
どんなに険しひ邪念にも欠点が在る事 其れは御忘れに成らなひで居て
 
わづかな望みや明日への企てを些細な言動から覆すと云ふ事
其れは望みを持つて待つて居たあたしには
残酷な鞭の響きを呼び戻すのです
 
だうか是以上 あたしを掻き乱さなゐで居て下さい
どんなに足掻いても登れぬ山へと辿り着ひて仕舞う前に
 
あたしは温度が欲しひのです


2003年11月28日(金)  イヴ*仔羊

時を止めた
自由になった
羽ばたいた
だめだと思って断念している
独りぼっち
暗い病みの中
病院みたい
つれない素振りで逃げていく
待合室
独特の匂い
イライラしたり
妙に落ちついたりする
懐かしい匂い
あちらこちらに散らばっている
記憶の欠片といえるのか
創り出した世界といえるのか
どちらでも大差はない
ぐだぐだと脳が煮立って
苦しくなって「あーあーあーあー!」
薬を飲んで
手の平にグサリとつき刺して
 
病気を治してくれますか
羽ばたけるように
風を起こしてくれますか
 
 
考えなくてもいいですか
 
 
***
眠りを妨げる 煩わしい仔羊さん
遠くへとご案内致しましょう
あなたたちのために特別に用意したスペシャルツアァ
人ごみなどに埋もれさせることなどありません
ましてや不当な待遇などするようなはずも ありません
どうぞご安心してください
眠りを妨げる 仔羊さん
遠く遠く遠くご案内致します
この乗り物は 何処へでもいけるのです
わたしですら 未だ見たことのない世界へ
あなたたちを 導きましょう
さあ 手をつないで
煩わしい仔羊さん
さあ 行きましょう


2003年11月27日(木)  鬱と電波

受話器を耳に貼り付けて 流れてくる音楽には聞こえない振りを
止めど無い雑音と電波の所為で頭が痛む 時折訪れる小さな苦痛
 
優しい夢をみても 荒んでゆくままの感情は流されつづけ
遠く何かを探しても 見当たらないままに過ぎて行った時間はもう戻らない
惜しんでいたのは失った時間などではなく
見つめる先に見えるものは暗い闇へと続くことだった
 
開け放した窓から流れこむ冷気に凍えて それも何かの試練だろうかと
嘆きに似た色で悲しむ 遠すぎる言葉に遠すぎる糸を添えて
何かと何かを結び付けていれば はなれずに済んだのだろうか
 
下腹部の鈍い痛みに似た寂しさに 恐怖を感じて目を逸らしても
変わらずに佇む何かの影に怯えながら いつまで何を望むのだろう
 
錯乱した状態
困惑した倦怠
創造した実態
実在した懇切
魅惑され融解
硬直した現世


2003年11月26日(水)  霜柱

寒いよ
温もりが欲しくて日溜りに伸ばした筈の手は見えず
何時の間にか暮れ掛けた日が遠くへと去っていく
悴み始めた指先や 背筋を突き刺す凍える冬が
もう 近くへときているのだろう
 
あたしが温めていたものは 自分の感情なんかじゃなくて
実体を持った 本当の生身の人間だった
あたしを温めていたひとは 常に傍に居るわけではなくて
それでも何処かで存在していたと 感じていた
 
寒い 寒い
近付いている冬の気配に聞き耳を立てている
去りゆく季節と 拒んだ手の平
 
すべてが虚構といえるのならばそれはどんなに楽だっただろう


2003年11月25日(火)  海辺の祈り

遠くから何かの声が聞こえてる
あたしは少し戸惑いながら 導かれるままに声へと向かう
偶然とも必然ともつかないような記憶の中での往来が
いつしか透明水彩と同じ色で溶け出した
口笛を吹いて何かを騙そう  それで扉を開けるのなら…
 
海と空を線で繋いで 往来できる空想に沈む
あたしの声が届けば良いと何度も何度も望んだつもりが
一つの願いも届かぬままに すべては溶けてしまうから
 
彩られた感覚と拭われた境界線
「未来永劫」の夢は果敢無く吸い込まれてはまた消えていく
あたしの傷がずきずき痛んで 現にあたしを取り戻せるなら
いくらでも あたしは構わず傷ついてみたい
傷付き果てて もう歩けなくなってしまっても…
 
海原に投げ出された 小さな祈りは
吹きすさぶ風に揉まれ ずっと遠くまで消えていくよ
あたしの感覚をつれて もっと遠くまで消えてしまうよ
空と海を線で繋いで あたしの右手を大きく翳して…


2003年11月24日(月)  爪の痕

過去に咲かせた綺麗だった小さな花を摘み取って
けもの道へと進み始めた 宴のあとの残夜の内
 
即席で歌を創って誰かの為に歌いたかった
あの日口から生まれた小さな旋律にあなたの声を響かせて
声があるから届けられていた
名前をなくしても忘れ去られても 遠い叫びに聞こえない振りを
 
炒れたての紅茶はただ 湯気を立てて冷めていくばかり
気だるい目覚めの暮れ掛けた空が 遠くの駅へとあたしを急かす
 
言葉をなくして何かに気付いた いつもの孤独の嘘の理由
あたしが求めて止まずにいたのは約束された未来じゃなかった
涙を流して忘れたかった
記憶の片隅に残ったまま決して消える事の無いその所以を
 
あの日口から紡いでいた小さな旋律をあなたの声で聴きたかった
空が変わらず存在し 太陽は変わる事無くあたしを照らす
あたしが求めていた夢は「誰かの為に」なんかじゃなかった


2003年11月23日(日)  黒猫

朝、急にみんなが歪んで見えて思わずそっと眼を伏せた
 
何処かで何かに賭けた期待を 此処でもう捨ててもいいかな
「君の背中は重すぎるから 一つくらいは捨てても良い」と
誰か答えてくれるのだろうか
 
あたしの傍の映像が何故かぼやけて浮かんでしまって
泣きたくなるほど 笑い続ける
望んだものと無くしたものはどちらがどれだけ重かったかな
指先が小さく凍えて泣いている 遠く聞こえた優しいアコギ
無難な答えで満足していたあたしは既に死んでいるから
誤魔化さないで答えて下さい
 
堪えていた何かへの言い訳と 堪えた事の無かった我が儘が
何時の日かふわふわと此処に交わって同じ色に染まるから


2003年11月21日(金)  狂愛

羨望すべき未来があるなら 轟いている時間が揺れる
まどろみの中で揺らいだ言葉を解き放て
感傷の中で跪いた間違いだらけの答えを探す
 
あたしの感覚は何処へも向かう事は無く只暗闇に溶けている
遠く過ぎ去りし時間があるなら 見上げた夜空は灰色に映るから
朽ち果てるまで笑っていなさい 助けを求めてはだめよ
あなたの言葉を信じて待った あたしの苦痛を知りなさい
飛び散った無数の破片のように別の何かと混ざり合い
消え去ったガラス窓みたいに あたしはいつか消えて往くから
 
戸惑いの欠片に手を伸ばしてた 別の何かを探し当てて
安らぎの中でときめいた 瞬く原理に閃いて
 
あたしの感情は何処に吐き出す事も出来ずに只暗闇に混ざり合う
近寄りすぎて離れられなくなる前に逃げ出す筈を しくじって
朽ち果てていても泣いてはだめよ 期待を捨てて狂いなさい
あなたの言葉に縋り付いて 動けなかったあたしに気付きなさい
撥ね返る幾つもの声のように離れては磁石のように求め合った
崩れ去ったあの日の面影に埋もれ あたしはいつか溶けて往くから


2003年11月20日(木)  火葬場の空

際限なく続くものなど存在すると信じていたわけではなかった
あたしの目が光りを受け容れている
遠くの街灯がゆらゆら揺れている
 
いつからか分別を忘れ いつからか遠くへと逃げ込んでいた
流れた涙も憎しみの色も こうして灰と化していくなら
忘れかけた嘘も正気も 取り戻せる時がいつか来るから
 
際限なく続けばと望んだ事もあったけれど
それが事実になる事など 望んだ事は一度も無かった
夜の闇に映し出されて揺らぐ いくつもの灯火は
いつか 消えゆくときがきっと来るから
いつか 忘れ去る時がきっと来るから
 
覚えていて あたしの腕を指を足先を


2003年11月17日(月)  狂ワセタイノ

悴んだ指先 冴えない頭脳
何かにつけて悲しみを見出そうと望む
小さな死 大きすぎる代償
強張る身体を誰かに預けてみたいと思う
 
一瞬の過ちは 一過性のものと云うことすら出来ずに
凡ての大きな過ちに 過酷な言葉を叩きつけるよ
瀕死のままのあたしの気持ちは夜に溶け出す事も無い
いつものような冷たい夜空が いつものように白んでいった
 
明朗な思想 時に残酷な矛先
誰に向いているとも判らない残酷な呟き
時計の針 流れ続ける血液
残酷な気分で残酷な音楽を塗り替えよう
 
一時の温もりは 永遠性を伴なう事などなく
何もあたしに残さぬままに 瞬時にして消えてしまうよ
硬直したままのあたしの感情は中枢を刺激する事さえ出来ない
いつものように狂わせたいの いつものように狂わせたいの


2003年11月16日(日)  赤・・・鮮血

歪曲させた真実に 整頓させた解答を
舞い上がりかけた遠い夜空 空想を否定する道化たち
 
あたしの指先から 何が零れていると云えるのかしら
あたしは何一つ産み落とす事も出来ぬままに 流してしまう
自分で流した鮮血の色・匂い 凡て懐かしさに溺れてしまう
 
弱さを曝け出した鼠 後悔していた何か大切なものに
小さな口付けすら与えられずに 落ちていった遠い世界へ
 
あたしの星空でさえ もう何一つ掴ませてはくれない
優しさも脆さも危うささえも 誰に分けられるものでもなくて
自分で掻き集めた諸々の塊が 凡て記憶に壊されてしまう


2003年11月15日(土)  星に願いを

夜が舞っている
飛び交う言葉 行き交う視線 見紛う時間
あらゆるものに埋もれながら 呼吸を必死に繋ごうとする
 
朝日が昇る迄 あと何時間?
熱い紅茶 瞬く電灯 空々しい空想
これらの物が待ち受ける朝は 何処へ埋もれているのだろう
 
決断や断絶 何処に或るのか定かではない様々なものは
まがまがしい輝きを放ち あたしに何かを迫るだろう
校庭や彼岸桜 空ばかりを眺めながら気付くと傍で
見紛うようなあたしに放っていた凡ては 何処に帰るのだろう
 
時が交わっている
交錯する表情 戸惑いの幻影 幻覚の誘惑
何れの日々が正しくとも あたしの呼吸は何かに繋がる
 
信じるものは 「     」


2003年11月14日(金)  ウンザリ・追記…リスカ少女

肌寒い金曜日 酷くのどが乾く午後
腐乱してる 独りぼっち
戦っているものは何だろう
…只何もしたくなくて 酷くイライラする
そんな僕にはもう ウンザリなのに
 
肌寒い金曜日 酷く泣き出したい気持ちのまま
この金網を飛び越えて
何処迄も行こうと望めずに
…もう何も判らなくて酷く憂鬱になる
そんな僕にはもうウンザリなのに
 
 
 
***
 
ひどく憂鬱な時 勝手に絶望して 剃刀を手に取ると
下らないけれど 馬鹿みたいに安心した
 
けれど 捨てられる事のほうが私が安定出来ないことよりも大切で
手首に当てた剃刀を 引く事は    出来なかった
 
一体 何が強くて
一体 何が弱いのか
私には判らなくなった
 
どんなに強い思いも 気持も 声に出さなければ   伝わらない?
 
抱きしめられたら楽なんだけど
此処にあなたはいないし
手首を切っても良いんだけど
そしたらあなたは私を捨ててしまうだろうし
 
どうしようも         ない
 
こうして同じ処を 只管徘徊し続けている


2003年11月12日(水)  報復

苦悩の日々は報いを与える事など無く 私を深く落として行った
閉ざした自分を開く気も無く 泣いても喚いても何も無かった
 
どうして こうなってしまったの?
希望も絶望も 見えない
いつから こうなってしまったの?
希望も絶望も もういらない
 
背中を押す風が行きつく先まで 私も歩けるかな
諦め続けていた私にも なにか先が見えるなら
 
いつまで 此処に居なければならないの?
空の色の変化すら知り得ない
どうして 此処から動けないの?
誰にも届かぬ声で叫び続けたまま


2003年11月11日(火)  フェティシズム

静かだ
耳鳴りがしている
止まる気配はない
寒いな
暖房がないからか
温もる術は判らない
 
遠くへ 遠くへと逃げられるのなら逃げてみせるが
何処へも逃げられない事等 判り切った事だろう
何時かは 何時かはと祈る事なら可能だが
何時かが来るとは限らないのが事実だろう
 
眠たい
時計が見当たらない
狂った体内時計
冷たいな
指先が悴んでいる
寝床に潜り込もうか
 
戻りたいと願う事が出来るなら 進みたいと願っても良い筈だろう
何処かへ行ける力があるなら 此処から走り出す力を持てるなら
願いは吹きすさぶ風に溶け 永久に戻らない


2003年11月10日(月)  約  束

なんで優しいの?
離れて行ってしまうなら そんな顔は見せないで
どうして癒すの?
傷口に腹を立てているのなら そういえば良いじゃない
どうして笑いかけるの?
あたしが笑わないことへのあてつけのつもり?
どうして其処に居たの?
約束をずっと守ってくれていたの…?
 
あの日から続いて居るなんて信じていなかった
あの約束を あなたは憶えて居たというの?
 
あたしが苦しみに悶えながら 倒れこんだ其の強い腕は
あたしを何人からも守ってくれていたね
どんなに傷付いても あたしの為だと云って笑っていた
其の笑顔がこんなにも痛いよ
あたしにかせられた罰は あたしが犯した罪に相当
あなたの後姿が遠ざかるなら其の前に
あなたの刃で あたしにあなたを刻み付けてみせてよ
 
忘れかけていた約束が 近すぎて泣いた


2003年11月09日(日)  屋上の影

暗幕に覆われたステェヂ
あたしは妖しく誰かの手を取る
交錯に見回れたトラウマ
あたしは優しく指先を紡ぐ
 
ねぇ 憶えているのですか
誰の背中で泣いていたのか
ねぇ 気付いているのでしょう
誰の言葉で不安を創作していたのかを
 
言葉にならなかった言葉は 何の意味をも持たなくて
強い力で抱きとめて居たかった腕は 何の力も持たないの
 
泣いて 泣いて 笑って 行きつく場所があるのなら
叫んで 狂って 信じて 笑える場所があるのなら
 
ねぇ あの海の傍まで連れていって
手紙に書いた 言葉は見苦しく光るかな
ねぇ あの空の上まで逝って来るね
鏡に映る二つの影が 少しずつ遠ざかってしまうより先に
 
触って 判って 叶えて 続く言葉があるのなら
壊して 抱いて 笑って はなれないで居て欲しいのに
 
幻影にすらならなかった灯火が 一つ一つ消えてしまう
独りぼっちになりそうな 泣き出しそうなあたしを ただひとり残して


2003年11月07日(金)  排泄行為

頭が痛いの
指先は痺れて
手が汗をかいて居て
何故だか すごくふらふらするの
 
地面が揺れるの
時計が普通じゃないの
吐き出す言葉が偽物なの
如何して ここに眠っていたの?
 
触れられないの
汗でずるずる滑るから
歩けないの
くすりのせいでふらふらするから
 
「此処に居ても良い」って云って
「此処から何処にも行くな」って云って
「死ぬな」って云って
 
強要されるのは嫌い
だけど 強要されたら否まないから
 
此処に居させて
離れないで
触って居て
嫌わないで
 
もう アレは厭なんです
もう アレは厭なんです


2003年11月06日(木)  弔い唄

誰の為に何の為に此処まで歩いてきたのか
無垢なままで居られずに此処まで来てしまった罪の重さ
其れまで熟れすぎた果実の様に広がる青空を憎み続け
遠く聞こえる弔いの鐘を 白い服を着て望んで居た
 
「此処に居ても良いよ」と優しい声が無くなってあたしの空は消失し
何時までも何かを祈り続けたのに 遠すぎて届かないから
何時からか何かを祈る事はもう止めてしまったのに
 
現実の重み空想の軽さ冷たい風が吹き始め
廃人の様に成ったあたしが探してしまう後姿
此れまで望み続けた「生」を青空に投げて
黒い服の行列を遠くから 白い服の侭で笑って居た
 
「逃げ出しても良いよ」と甘い声が囁いていないからあたしの意味を焼却し
どうしても捨てられなかったあの優しい手紙を
透明なガラス瓶に詰めて 嫌悪し続けた青空に投げつけて居たんだ
 
放たれた全ての刃で 全て此の身を貫いて


2003年11月05日(水)  「虚空にて」

真っ赤なドレス纏って あたしを待って居る「誰か」を探す
誰でも良いよ 抱き止めてくれるなら
誰でも良いよ 繋がってくれるなら
 
強張った視線を剥がして あたしを掴んで居る「景色」に映る
何処でも良いの 連れて行ってくれるなら
何処でも良いの 連れ去ってくれるなら
 
曖昧に寄り掛かった視線の先が あたしを捕らえて離さない
現実逃避に近付く度に離れる予感を感じて居たのに
 
余所行きの顔を作って あたしを探してくれる「誰か」に触る
是でも良いの? 作られた笑い顔の侭で
是でも良いの? 熟れる前の身体の侭で
 
真っ黒な羽を千切って あたしは飛べない「虚空」を彷徨う
其れでも良いよ 信じさせてくれるなら
其れでも良いよ 安らがせてくれるなら
 
此の侭 突き放してしまえば二度と戻らないと知って居る指先を認めない
違う夜空を感じる度に 冬の寒さが其処に在ったと云えるのに


2003年11月04日(火)  ハリガネ

脆過ぎるの此の爪は あなたの手の平を鋭く握り締めることすら出来ずに
泣きたい様な笑いたい様な 不思議な気分で叫び出しながら―
 
雨降る午後の散歩道 遊歩道に咲いた花を毟り取る
(白くてきれいな花でした)
言葉の少ない散歩の途中 反響する自分の足音に耳を澄ます
(誰かに付けられて居るという妄想に変わります)
 
何時も上手く繋げずにすぐに離してしまっていた手の平は
あたしの両手を高く高く空に掲げて 底に堆く溜まっていた鬱憤を
青い空の 遠くへ遠くへと吹き上げてしまっていった
あたしのことばは空虚へと響く 螺旋の階段を下る意味すら判らずに
 
冬が近付く此の空気 心臓を貫く風を受けとめる
(強くて冷たい感触です)
何処にも行けぬと諦めていた午後の様子が目に浮かんでる
(気が滅入りそうな憂鬱な顔付きですね)
 
常に誰かに上手く媚びては捨てられぬ様に何処かを縫い付け
あたしの背骨は誰かの背骨と針金だけで繋がっていける
青い空は あたしの本能を遠く遠くへと押しやってしまうから
あたしの強く願った糸は 細く縮んで千切れてしまう
背骨と背骨を針金で繋ぎながら 弾け飛んだ欠片は
小さな水たまりを作っては また泣いている


2003年11月03日(月)  理想主義

懇願せよ
留まる事を知らない時の中で目覚めた悪意は良心に埋もれた
廃退せよ
言葉を発する度に募る後悔の挟間に解された倒壊の暗黙
 
現実主義者の君の背中に小さく揺れた小さな蕾
理想主義者の僕の目には非現実的にぐらぐら揺れる
現実主義者の君の言葉に小さく刺さる小さな棘は
理想主義者の僕の頭をぶっ壊して消し去っていく
 
愛玩せよ
纏まる事に戸惑いを感じる夢の中で行き着いた構想の花びら
硬直せよ
不安要素に倦怠しつつ凭れる夜に保たれし悪夢に開く幕
 
現実主義者の君の指先 溢れた血だけが痴態を晒す
理想主義者の僕の夢には理想的な肉体の君
現実主義者の君の妄想 言葉のあやすら逆手にとって
理想主義者の僕の背中を此の崖から落としてくれよ
現実主義者の君の両手で
理想主義者の僕を殺して
 
 
*
HP詩を更新。


2003年11月02日(日)  ノイロォゼ

…空は青いから だから生きていけるよ
 
声が聞こえる 喧騒に入り混じり時には途切れながら
それでも僕は 声を聞いて居たんだ
 
ねずみいろの夜が時間を進めていた
強張り始めた指先で 上手く書けない手紙が震える
 
空に強さを求め 空の強さに屈す
現実の強さを放棄 現実の硬さに恐怖
 
僕の感情は過多 だけど生きているよ


2003年11月01日(土)  浮遊意識

高速道路 渋滞を脱け出した道
蝉の抜け殻みたいになった僕が 行き場をなくして泣いている
断熱材 素材なんかに固執してはいられない夜が
帳を降ろして 「優しげな」声音で囁いている
 
  何時までそこに居るつもりかい?
  君が動かなくても きっと誰も気にしないけれど
  君が其処に居たら きっと何かの邪魔になる
  何時まで其処で泣くつもりかい?
  君は泣いていたら 誰かが慰めてくれると
  ずっと泣き続けていた今でも信じているの?
 
反射板 先端を丸くさせて雪
温すぎる紅茶だけが見かたの僕は 誰かの助けを信じて待つ
然様なら 何処からか聞こえる「やさしげな」音楽と
途切れ途切れに聞こえる 誰かの声は
僕に向けられる事無く 遠く 遠く 響いてる


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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