:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年07月31日(木)  巻き戻し

巻き戻し、巻き戻しここまで歩いてきたけれど
繰り返し、繰り返し根羽っていたのは遠い昔
 
早熟な少女たちが夜を徘徊する。
困惑は新たな困惑を産み落とす。
あからさまに間違っている答えを
まるで正論のように主張していく。
 
「求める…?」
 
当たり前の感情は僕の肌から殺げ落ちた
嘘を吐いて離れていったあの日のように
きっとまた僕らはつながっていくから
 
難しいことばは もういらない
簡単なことばで 伝えたい
その腕に抱かれて眠りたいと
感情をさらけだせば 哀れに弱い僕
 
「揺れる…?」
 
困惑に誘われた音沙汰を此処に見つける。
因習にとらわれた教師の闇を正確に書き出す。
嘘を吐くことが当たり前のように
君はそこでわらっている。
 
僕が此処に立っているから
繰り返し繰り返し途切れることのないあの唄を届けて。
僕はいつか君を探して消えるから
巻き戻し巻き戻し続けたあの日のようにもう一度…。
 
「届く…?」


2003年07月30日(水)  嘔吐

吐いた
 
駆け抜ける夜
耳障りな虫の声
どぉして泣いているのかな?
吐瀉物が見せる夢
排他的情動
どこから眺めているのかな?
 
冒涜…倦怠…敗退…散会…
難しいコトバを並ばせて
語呂合わせするのも案外退屈だねぇ
あの日の脳裏に帰りたいかい?
 
吐いた
 
下劣な語学を学ばせて
今更上品に振る舞う方が辛いだろう?
目論見を腐敗させて
今後の対策 みるちゃに染めて
 
愛せない愛さない愛してる
繰り返し繰り返し繰り返し
どこかに何か違いはあったかい?
 
吐いてしまいたいのなら
何も残らなくなるまで
暗闇に吐き出せよ
ずっとずっと
もうどぉしようもないんなら
諦めることすら忘れちまえよ
 
吐いた
 
敗退してゆく夜空を蹴破って
破壊するようにすべてを繋ぎ合わせよう
練習問題ならまだ答えがわかるから
壊れてく夜空
どぉして泣いているのかな?


2003年07月29日(火)  電極

いい加減な言葉を並べて
倦怠から作られた僕の形が笑い声ケラケラ
小さく縮んだ 見捨てられたら
わき道をただひたすら通り抜け
首都高速の渋滞の光 ただ僕を満たしていく
潰れかけた理性の概念を
覆せるほどの理屈は僕にはないのに
ひたすら偉そうな振りをして
僕はそっと右手をかざしている
 
忘れようとするのは単純だった
誕生と消滅を繰り返すことは
案外ありがちなことだけど
消え去ろうと決めたのはあの後だった
女として僕に向き合ってきた君が離れてしまうと
マイナスとプラスの思考
順列に並列に繋ぎ合わせてみよう
 
退屈な夜よそ見をしたまま
雨に知らない振りを決め込んだら駆け抜けて


2003年07月28日(月)  懺悔 -zange-

わたしがおかしいのかな
心音が部屋の中で跳ね返り続けてる
泣き出しそうな空は
わたしを認めて笑ってくれない
 
狂気を含んだ風の矛先が
わたしに突き刺さったまま抜けない
刺は遠くに捨てたのに
望むことはもうやめたのに
希望が絶望へと代わりゆく瞬間…
 
いつも空想ばかりを探してる
硬直している時間の彼方で
埋葬したのは遠い記憶
わたしの腕には傷しか残らない
 
明日 は 近すぎる未来
昨日 は 遠すぎる過去
背負えない 重すぎる荷を
この肩からおろせる日がこない
いつか は はるか遠い未来
どこか は 遠すぎる空想
まだみつからない 捜し物を
わたしはいつか忘れてしまう
答えなどない あれから傷しか
わたしの腕には増えていない
 
しがみついたら 振り解かれたら
絡みついたら さようならを
君の首筋に絡みつく
わたしの傷を塞いで下さい。


2003年07月27日(日)  星ノ屑

星屑たちが暴れ出してわたしを食べている
指の先から欠けていく
願い事をした流れ星
わたしの願い事を無視して溶けた
 
あの日あの時あの場所で
掴んだ希望は嘘だったかな?
あの日あの時あの場所で
守った思いは嘘だったかな?
 
星屑が溢れだしてわたしを食べている
わたしの指の先から欠けている
暗い闇 寒い夜に


2003年07月26日(土)  h a p p y b i r t h d a y

おめでとう
カレンダーを見て呟いた
離れてしまった 空へ響くように―
 
おめでとう
たまには思い出も必要だけど
思い出の中でわたしは生きていけない
その中の安全性はいまのわたしを守りはしない
 
おめでとう
あの日の声が消えるのは
時計の針が休まず進んでいるからで
だからあの日の声はもうここでは響かせられない
 
ありがとう
不器用に大切に抱いてくれて
不器用に大切に守ってくれて
 
おめでとう
もうあなたの顔も覚えてないけど
カレンダーを見て呟いてるよ
さようなら
あの日の声 思い出の安全性
 
…ハッピーバースディ


2003年07月25日(金)  割れた空

証明すべきは絶望の空
遠くにはじけていく君の影
粉のような雨が降ってた
僕は無心に何かを探り始めてた
空が割れても動じないから
きっと君は揺れないんだ
 
一年前の今ごろに君と出会った
あの頃の僕は無心に何かを探してた
あの頃の君はこわばる指先で
僕のためのオモチャなんだと思っていたんだ
 
気持ちはクルクル掻き回されて
僕は絶望の空を見上げていたんだ
はき違えていた気持ちの渦は
ずっとずっと渦巻いていたけど
僕はたぶんオモチャの君に
命を吹き込んでみたんだ
 
証明すべき絶望の空の下で
掻き乱されて消えたのは…
証明すべき絶望の空の上で
影を残して笑っていたのは…
間違えだらけの出会いが
間違えだらけの関係を産み落とした
独りになった僕は
もはや…
 
空が割れても動じないから
きっときっと君は揺れないんだろう
絶望の空が割れて光が差し込んでいても
きっと君は揺れたりしない


2003年07月24日(木)   …戦ゐ

戦っていた
大切なもの なくしたくなくて
必死で 戦っていた
 
僕 ト 君 ガ 出 会 ッ タ 世 界 ガ
終 ワ ッ テ シ マ ウ 。
必 死 デ 僕 ガ 守 ッ タ モ ノ ガ
消 エ テ シ マ イ ソ ウ 。
 
病院の待合室で
声にならない声に気づいた
となりでうさぎを抱きしめて
俯いたまま あなたは無言で…
病院の待合室に
似合わぬあたしは笑っていたよ
 
ねぇ 声にしてみて
あなたのことは何も知らないけれど
俯いたままのあなたのことは
何も何も知らないけれど
声にならない小さな声に
あたしは気づいてあげるから
ねぇ 声にしてみて
うさぎを抱いたあなたの声を
少しあたしに聞かせてみせて
 
大切なもの
失いたくなくて
大事に抱いて
戦っていた
あなたの
透ける髪の毛に
触れてみたいと
思っていたんだ


2003年07月23日(水)  クライシス・コール

何だって壊れてく。
機械だって、お人形だって
壊れてく。
人間も壊れてく。
おかしくなるスピードがだんだんとはやくなって
そして壊れてく。
僕もいつか壊れてくんだろう。
 
修理不可能な状態までヒトは壊れてしまうから
悲しむ暇を与えないスピードで
ヒトは壊れてしまうから
僕は泣いたりしなかった
 
張りつめた赤い意図
プツンと切れて黒く変わる
無様な景色は僕に残った
 
時間をかけてヒトはアイデンティティを見つけるけれど
壊れていく糸口はどうしてこんなに近くにあるの?
真っ直ぐに進め いつか道は終わるなら
殺してしまえ 本当じゃあないのなら
 
何も欲しくないから
「ゴメンナサイ」はもういらない
そんな言葉であなたが思い詰めているのかな
何もできない僕に
あなたの声は聞こえない
 
ヒトが壊れるスピードで
自我が形成されるなら
「自分探し」はどんなに楽になるんだろう
作ることは難しいのに
どうして容易に壊れてくんだろう
あなたの声は聞こえない
僕に届かない
あなたのこころの切っ先が
僕には見えないよ


2003年07月22日(火)  メタモルフォーゼ

退屈にまかせてまた間違えてる
答えを合わせるのは納得したいからだろう
いつからそんなに答えに拘っているのか
いつまでこうして答えに拘っていくのか
 
真っ赤な髪の毛を振りながら
遠くに行ってしまうならその前に
気が違って判らなくなってしまうのなら
その前に
 
両目を隠して見えないものだけ
あたかも知っているようなふりをする
言葉を解体して消えてく言葉だけ
大切に恨んでいるようにみせている
 
もしかしてそれすら嘘なんですか?
 
大切にし過ぎたのは失態だったとしても
大切にできないことが失敗だったとしても
解体されゆくわたしが
何かの結論だったとしても
いつもと同じ火曜日に躓いている
 
巧く行かずに沈んで行く影が笑っているよ
そっとそっと笑っているよ
火曜日に躓きながら
今日もまた 微笑んでる


2003年07月21日(月)  一 心 不 乱

結果がそこでにがわらい浮かべてるから
このまま二人壊し合おう
笑いながら貶された遠い遠い過去の記憶を背負って
泣きながらあなたは生きていた
 
わたしの小さな慰めに身を委ねるなど
とんでもなくつまらないことだとでもいうように笑って
 
摘まれた花を一心不乱に毟り取っていたあなたは
あなたを救いたいと言ったわたしを軽蔑していた
 
それだけは
記憶に残る現実なのに
どうしてあなたの手足はここにないんだろう
どうしてわたしの胃はひっくり返りそうなんだろう
どうしてここにないんだろう


2003年07月20日(日)  キズモノ

わたしは間違ってなんかない
わたしはまっすぐ歩いてく
言葉より見せかけで笑ってみせて
典型的裏切りがわたしに刺さる
 
痛い
 
ナンセンスだと思ってるのは
いつものように言い訳をしていないから
あなたを縛っていたのは
常識なんかじゃない
それは間違いなくわたしだった
 
わたしは間違ってなんかいない
これが正しくて
言葉にならない笑い声が
空に響かない
 
あなたがわたしを逃がさずにいたのは
わたしだからじゃない
キズモノにした珍しいオモチャを
なくしたくなかった
それだけ
 
間違ってなんかない


2003年07月19日(土)  眠らない夜

夏の風が騒ぎ始めてる
心地よさ、気怠さ
たくさん溢れ返ってる
 
現在36時間
不眠不休で活動中
 
眠らない僕の壊れた鼓膜
何かの音を集めているから
飛び交う虫や飛び交う視線に
知らん振りを決め込んでいよう
いつまでもずっとずっとずっと
 
夏の風が吹いてる
心地よい夜
眠らない夜
いくつかの夜だけ溢れている


2003年07月18日(金)  遠い夢

言葉がただ腐乱していく
壊れかけの僕の言葉が 舞い上がって溶け出し始めた
慰めが痛くて 消されていく僕の言葉が憎くて
憎悪だけは こんこんと沈んでいた
 
掴めなかった あの糸が巻き戻り始めながらそっと僕の手を握る
傷付けていたんだね
知らないうちに
 
いつかの言葉が海にかえるなら
僕は 僕は…
あのひとの温もりが空にかえるなら
僕は 僕は泣いてる
 
いくつもの 遠い夢に委ねた 最後の決断を下すから
こんな戯れ言を聞いてくれるなら 間に合うかな
 
僕が いつか探していたのは
遠くにある 遠くの 遠い夢だったとして
君が いつか見つけていたのは
遠くにある 遠くの 遠い夢だったの?
 
腐乱した言葉が流れて行く
腐乱した僕を ひとりで置き去りにしていく
止まない雨が あがるのならば 置き去りにされた僕の未来は…
止まない雨が 止まずにいるなら 病まずにいられる僕がいる
 
遠い 遠い 遠くにある 遠い 遠くの 遠い夢


2003年07月17日(木)   右 往 左 往

こんなに急いでいるのに
どこかでまだ君を疑ってる
あの日君が言った言葉は
魚の骨みたいに僕の喉に
ひっかかったままで抜けないんだ
 
あんな小さな言葉に惑わされて
 右 往 左 往
きっとそれもまた日常だけど
 右 往 左 往
時々寄り道をしながら
繰り返し再生し続けたから
傷つきすぎてもう音が出そうにないんだ
僕 の 過 ち ?
 
「あぁ…」
見えていたよ ひらひら消えていく
そんな君のつま先が
「ねぇ…」
遠く消えるよ けらけら笑っている
そんな君の笑いまで
 
持っていかず こんなにそばで
そっと小さく言葉になるならば
喉に刺さった小さな刺が抜け出して
言葉は言葉の効力で
あの日の君のつま先に近づけるのかな?
 
こんなに急いで君を追うのに
僕の心はまだ君を許せないんだ
こうして走り続けているのに
君の背中はまだ見えずにいるから
どうやら僕はまた 間違えて
 右 往 左 往
 繰り返してる


2003年07月16日(水)  にがわらい

通りすがる雲を眼で追う
僕の中で変わり始めている結論は
たやすく僕を引き裂きながら
いつかの君を夢へと換算する
 
飛行機雲に絶望を見つけだしても
僕には何も変えられない
いつかの僕の結果をもう一度なぞるだけ
 
絡みついた視線 解けないから
僕がまた一人になる
 
青い口付け そっと思い出させてよ
あの日の僕らは
あの日の雲に流されたけど
流れゆく時間に
こうして散り往く僕らはいつも
にがわらいだけ浮かべてる
 
吹き抜ける風を眼で追う
君のそばで描いていたあの空想が
たやすく僕らを引き裂きながら
傷んだ声をこれからどこかに捨てにゆく
 
高すぎる空に願いをそっと投げてみても
僕には何も変えられない
いつもの僕の結果をこうしていつもなぞるだけ
 
絡みついた視線 解けないから
僕はまた一人になる
 
青い夕焼け くらくらと回し続けよう
あの日の僕らよ
あの日の雲に流されないで
流れゆく雲に
こうしていつも散りゆく僕らは
にがわらいだけ浮かべてるから


2003年07月15日(火)  閉鎖病棟

はねつけられる
君の拒絶 時の絶望 空の冒頭
わたしの夢をはじき返したりしないで
錆び付いた心の楔が解けない
見え透いた言葉の裏側が隠せない
 
時の声に耳を澄まし
冷めた眼をして遠くを見ている
また わたしは間違えている
 
切り込みを入れた関係を
保つことなどできないことはわかってる
朝が閉じてゆくなら
望みには蓋をしよう
 
暗い病室の片隅にうずくまる黒い陰
昨日からずっと動かない
わたしは誰かを待っているから
人の視線だけずっと感じすぎている
 
わたしの奥深くに沈んでゆく
わたしの病気は閉ざされない
わたしの奥深くにひそんでゆく
わたしの病気はもうずっと治らない
誰かを待ち続けているから
昨日からずっと人の視線を感じてる
 
わたしは深く求めすぎるから
わたしの病気は消えたりしない
わたしはいつも閉じてゆくから
わたしの病気はずっと治らない


2003年07月14日(月)  アンテナ

悪魔の囁きに耳を傾けて
温かな午前の空に憂鬱を投げた
消えない声が耳にまとわりついてる
昨日からずっと。
耳鳴りと重なりながら僕の耳に響く
 
雲に覆われた空が
隠れはじめても
まだわすれない
 
こんな午前の空は
僕の交錯する気持ちを汲むけど
決まってはねつけて行ってしまう
柔らかい午前の空が
僕の腐敗する記憶を呼んでも
曲がりくねった道だけ下ってしまう
 
いつだって一人でいる
遠い空は明かりを灯す
風穴の空いた僕の胸
揺れる柳が笑いをこぼし
いつからか蓋をしていた
いつからか目を閉じていた
だけど
まだ空は明かりを消さないから
いつの日かそばに誰かを置いていて
いつの日か遠い君を回想したいよ


2003年07月13日(日)  遠ざかる足音

雨が降り続く音だけ
続いている
離れていく君の足音は
もう聞こえない
 
駅のホームのごみ箱
投げ入れた空き缶が
間抜けた音をたてて落下した
無力さはあたしを
心許なくさせてる
跳ね返る雨音が心に反響した
 
一人だけでも
二人だけでも
それ以上でも
うまらないのは
どうしてでしょうね
こんな朝から
こんな夜まで
こんな嘘だけ
吐き続けていたのは
どうしてでしょうね
 
続く雨音があたしの心に跳ね返ってく
遠ざかる君の足音がもう聞こえない
間違いだらけの雨の日の
結果がなにか教えてく
分かりはしないまま
あたしがうずくまる
灰色の空に近づけた狂気を
綺麗な包装紙で包み込んだら
駅のホームのごみ箱に投げ捨てよう
 
三日月の夜はまだ
 
遠ざかる君の足音が
聞こえなくなるまで
ここにこうして立っていたい
雨音が遠ざかる始める頃
きっと歩き出せるだろう
 
きっと、きっと、きっと!


2003年07月12日(土)  すきなひと

あたしの肩に置かれた手は
あたしのものよりとても大きくて
あたしを包み続けるために存在するならと
少しだけ願っている
 
猫っ毛で少し癖のあるその髪を
伸ばしていたあなたが
髪をバッサリ切った日
晴れ渡る空の下
しらないひとと出会った気分になった
それは紛れもなくあなたで
降り注ぐ声があたしに溶けだした
 
あなたの声が背中が腕が
あたしの何かを変えるから
あたしの声も背中も腕も
そうであるように願う
優しく髪を撫でる優しい手が
あたしだけのものならいい
見えない心は雲隠れ
晴れた空に広がる青空が
変わらなければいいなと
思った


2003年07月11日(金)  あまおとしとしと

こんな場所は何をするにも最低
バカみたいで少しだけ笑える
こんな雨降りの夜は嫌い
濡れるのは体だけではないけれど
 
ところでどうしてこんな夜に
あたしは何かを認めようとしているのかな
もう何も認めることもなくなったのに
まだ何か認めなくてはならないの?
芽吹いてた花 枯れゆくさだめは
ここにあるのに
どうして?


2003年07月10日(木)  淀みの中で息継ぎを

もう一度を望まずにいる
望んではならないもう一度が
この世には確実に存在する
 
わたしたちは苦しみながら
心地良い空気に溶け込むこともしないで
淀みの中 ひっそりと泳ぎ出す
 
まるでもないしかくでもない そんな回答を
あみだせる日がいつか来るというのなら
わたしはまだだめじゃない
夢でもない幻実でもない そんな回答を
導き出す時がそこで待つというのなら
わたしはひとり 淀みの中で息継ぎを
 
もう二度とを望み続けている
望まなくてはならない もう二度とが
この世には確実に存在する
 
わたしたちは悪足掻きして
澄んだ空に願いを託すこともしないで
淀みの中 ひっそりと…
答えも問題もない そんな偶然を
いつかここに呼び戻せるというのなら
わたしはまだ息をしている
真実も偽りもない そんな回答を
いつかここに証明できるというのなら
わたしは常に 淀みの中で息継ぎを…


2003年07月09日(水)  トゲ

わたしを恐れて
そして後ずさりながら
「ボクヲタスケテ」
哀願しなさい
 
わたしを哀れまないで
いつもすこし距離をあけて
そこからわたしを
守りなさい
 
この歌を識る頭が 廻り始める
「ワタシニハナシテ」
叫ぶ声 頭のどこかで認識している
きっとそう遠くはないから
見渡す限り廃墟の町で
世間話でもしてみよう
 
屁理屈をこねたら
言葉の端のトゲ 刺さってた
見違えたように
きれいになれば 振り返ってみてもいいよ
 
わたしを忘れて
二度と思い出せないくらいに
消し去ってみてよ
 
わたしのココまだ 痛んでる
どうして嘘ばかり吐いてしまうのかな
不本意だとしても
 
心の破片が飛び散り始める
「ワタシノトナリニイテ」
言えなかったのは
弱さとは結託できたとしても
新しい強さは生み出せても
わたしは
逃げ続ける
 
認めることだけが
ただ…こわいだけ


2003年07月08日(火)  うたかた

まだ届かない
あなたは遠くに行きすぎたんだね
手を伸ばしても触れることはない
あなたの心の琴線
震えている?
 
理など誠で
あなたの名前が
あたしのなかで
何度も浮かんでは消えてゆく
こんな心の片隅にあたしは住み着けないだろうから
今はとりあえずのサヨウナラを
 
言葉は届かない
遠すぎるあなたの顔も思い出せない
叫びだしたとしても届くことはない
この声の行く先
霞みながら
 
総ては理ならば
あなたの言葉が
うたかたのように浮かんでは消える
瞼閉じたまま負けを認めることなどないから
あたしの言葉のうたかたが
遠いあなたに届くように
祈りだけを紡いだ
 
叶わぬ祈りだけを紡ぎ
これからの行く先を
認めることに戸惑いながら
子供のままでいさせて
あの暑い夜が終わるまでは


2003年07月07日(月)  見え透いた心

甘えたり愚痴を吐いたり
数えればキリがない君の言動を
僕はどうしてこんなに
大切にしたいと思ってしまったのだろう
 
そもそもの始まりは
空が晴れ間を見せない
蒸し暑いだけの午後
すこしだけ含み笑いをした君を見て
僕もすこしだけ笑って見せた
眠気の成り止まない蒸し暑い午後
生温い風だけが僕にまとわりつく
 
こんな風に生きていること
僕はすこしだけ誇りに思うよ
そばに×3 君がいるだけ
それは×3 とても幸せだと
 
笑ってしまうような
長い年月
投げ出したかったのは
総てだとしても
こわばった心
溶かし始めたのは…
 
見え透いた嘘が
見え透いた心が
乾いた指先に
触れては溶けだして


2003年07月06日(日)  ダンソンジョヒ

癖付いてる
横顔は眩しくて目を逸らす
気分はよくない
御馳走は目の前に正座しているが
ワタクシ論を上手に並べて
「四の舞踏会」を開催しよう
細かいことは気にせずに
参加資格は生を省みない君
 
背伸びすることで
疲れているなら
そう言えばいいのに
どうして僕から目を逸らすんだろう
女の癖にどうしてそんなに強いんだろう
僕はどうして男の癖にこんなに弱いんだろう
 
未知数だけに
無駄足は踏み放題だったけれど
崩壊した事情は
元には戻せず壊れたままで笑う
四を踏み違えたら
こんな風に叫んでみると
何かが飛び散り…
 
間違うことを
おそれているなら
ここにいればいいのに
どうして僕を拒むんだろう
女の癖にどうしてそんな泣き方するの
男の癖に僕はこんなに弱虫なのに


2003年07月05日(土)  こたえ

大体君がワルモノなのさ
恋しさも募らないようじゃ
感情はきっと廃れているよ
大体これはホントウなのさ
妙な安堵を知っているなら
ほら 花は枯れていくから
 
見えない月が不穏な空気を作っています
越えきれない小さな多くの山は整列しているでしょう
見かけだおしの気迫もきっと僕を守りはしないでしょう
 
愛されたかっただけなのは
愛したかったと同義としても
あたしはきっと悔やみながら
ねえ そこはどんな世界なの
敗北するのがすべての驚異の答えだったら
あたしはきっと泣きやみながら
 
間違いだらけの時間
→終止符を。
相対すべき好感
→困惑を示せ。
軌道修正した妄想
→更なる修正を。
 
鼓動 が 溢れ るから だから
気 が 違いそ う…
よくあ る間 違いとか
あ んた 知 らない の?
あ れ…
鼓 動が ああ あ ふ れ て…
どっ ちが た だし かっ た…の…?


2003年07月04日(金)  ビタミン剤

あなたがあんな風に優しい顔で笑うから
いつの間にか泣き止んでいるんだ
大丈夫と強がるあたしの
嘘を見抜く鋭いその眼が
ここにあるのさ
 
帰る場所などそこにしかない
行く場所などわかっている
進むべき勇気と衝動が
不足しがちなだけだろう
行き先を変えることなんて安易だけど
帰る場所に帰れたらかまわないのだけど
毎日続く睡眠不足が
ビタミン不足を招くのさ
 
優しい笑いをあたしの中に閉じ込めてみよう
それだけは誰にも渡さない
 
安易な予定調和
ビタミン不足はビタミン剤で補うから
行き先を定め直してみてもいいかな


2003年07月03日(木)  癒えない傷

あの日も雨で
笑えなくて
ひとつも生み出せない
あたしの優しさを
悔やんでた
 
いつかの空に
誓ったことは
忘れてしまったけれど
どうして何一つ
まとまらないの
 
切り刻んだ
手首
溢れてく
血液
耳鳴りがただ
止まらないから
泣き叫ぶ術を忘れてた
甘えることも拒絶する
乾き始める
傷口
塩 擦り込む
傷口
どこか遠いかなたの海が
あたしを呼ぶと
感じていたのに
 
あの日も雨で
笑顔をなくして
クスリとニコチンが
あたしを満たすから
夜毎 手首切りながら
君を探していたのに
溢れてく血液は
答えをどこにも
残さずに
 
増え続ける傷
癒えることのない傷
いつかきっと化膿し始める
あたしごと腐敗させる
 
見えない
何一つ
聞こえない
何一つ
見たくない
何一つ
聞きたくない
もう なにも


2003年07月02日(水)  静止した空気

あなたが倒れてしまうなら
あたしのこの手で支えてみせる
あなたを守れるならこの命すら厭わない
 
晴れすぎた自殺日和の空模様
交差点立ち止まり誰かの声を探してる
ビルの最上階から
悲しい目をして手を振るあなた
静止した空気が舞い上がりながら
 
消せない事実にできはしない言い逃れが
あたしとあなたを断ち切り始め
越えられない空気が
重さを増しつつ
前のめりに倒れてしまうから
 
あなたが消えてしまう前に
あたしがこの手で抱くから
あなたが捕らわれる理論を
あたしがこの手で振り解くから
傍に置いていてくれますか?
この命すら厭わずに
あなたを守ってみせるから
すべてを元に戻せるように
 
晴れ渡る空の果てから聞こえるマーチ
あたしを認めて優しく微笑み
あなたがいなくなる
 
ビルの最上階から
別れを告げて
消えないように
待ちながら
いつかいつかいつかいつか…
描いたすべての未来への希望が
ゼロに返る
 
消えないで
あなたはあたしが守るから
逝かないで
あなたをあたしが受け止めるから
傍に
置いていて


2003年07月01日(火)  盲目の疎外感

妄想がわたしを盲目にさせる
イチジノ キョーフ バンジノ レットウ…
 
ことさら成功をもくろんで
とうに完成した答えを打ち破る
完全な敗北感がわたしを冒す壊す殺す
疎外感が統一感にすり変わるなら
イチジノキューセン バンジノ ユーウツ…
うち負かされて孤独にわたしは冒され汚され殺されてゆく
 
そして
やはり所詮 ただの負け犬


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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