よるの読書日記
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『天国への階段』上<白川道/幻冬舎> 佐藤浩市の連続ドラマを先に見ていて、どうもラストが 唐突な感じだったので原作を読もうと思ったのですが。 うう、あのストイックな感じの主人公はどこへ……。 水商売の愛人にかつての恋人にちなんだ源氏名つけるって、 私だったら呼ばれる方にもちなまれた方になるのも絶対否だ。 光源氏の昔から、男の人って初恋の呪縛からは 解き放たれないのかしら。原作ではほとんど 描写されていない「お飾り」の妻の苦悩を、原作には ない設定でドラマの脚本家が強く打ち出したのが わかる気がします。 初恋の思い出に対する純粋さと、結婚さえも権力や 世間体のための方便にしてしまう冷徹さを持っている人を 好きになってしまったら、きっと辛いぞ。
しかしわずかな光明としては、職務に没頭している 刑事さんがイイ感じ。きっとカツ丼を取ってくれるに違いない。
『美女が野獣』<マツモトトモ/白泉社> よく似たタイトルのドラマがあったみたいだけど、 たぶん別物です。こっちは変人ばっかりの女子寮ラブコメ。 私も一年間だけ寮で暮らしたことあります。 もー下見に行ったとき目を疑ったほどおんぼろぼろぼろで 鼠もゴキブリも盗人も自治会メンバーも居放題。 朝や週末は自炊なんですが、衛生観念のかなり低い私にも 錆だらけの包丁と黒ずんだまな板はあんまりに見え、 ボールからスポンジから一式ワゴンに乗せて炊事室まで 行くのでちょいと話題になってしまったことも。
それに狭い。確か6畳で2人部屋で、ベッドと 机二つずつあるともうそれで部屋いっぱいでした。 寮独自のイベントもわんさかあって、協調性薄い私には 面倒くさかったな。今となってはそれもいい思い出ですが。 経済的にはすっごく助かるんですよね、やっぱり。 先輩も優しい人が多かったかな。イベント好きで社交的で、 環境に適応しやすい人には最高の環境だと思います。 宴会が多くて(男子寮より消費量多いという噂も) ずっといるとお酒が強くなると言われましたが、 断り上手にはなったかも(笑)。
『キス』<全8巻/白泉社>から1作おいて読む マツモト氏ですが、やっぱりこの人の味は 見かけと中身のギャップの絶妙さだと思うんですよね。 これからもバリバリ変なヒトを描いて欲しい。 あ、それとタバコは18禁じゃなく20禁です。ダメよ。
| 2003年01月07日(火) |
見所満載虹色ラベンダー |
甘栗(7巻)・たい焼き(8巻)・チョコ尽くし(9巻) と続いて、今回のキーワードはおもち。なのが 『おまけの小林クン』10巻<森生まさみ/白泉社>。 作者がずっと暖めていた小林クンのお里帰り編と、 波乱のストーカー編を収録。
見所その1は「おかえり」。 吹雪ちゃんてこんなに可愛く笑える子だったんですねー。 小林クンでなくても見ちゃったら幸せ者になっちゃうかも。
その2は水咲瑠璃香先生でしょうか。 作中のマンガまで絵柄を変えて、しかも ちゃんと自分でお描きになってるのがすごい。 大物や売れっ子になるとモブとかエキストラ、 アシスタントにお任せしちゃうのを見かけるけど、 せめて人物くらい統一して欲しいのがファンの本音。 浮いて見えるのよどうしても……。
その3は「やってもーたーっ」のコメント付巻末のイラスト。 小林クン版ハリー・ポッター。結構、らしいんですよ。 大和=ハリー(主役だから) あげはと慎吾君のハー&ロン(3人並ぶと身長が同じくらいだから) 吹雪がマクゴナガル(怖いから)で、 健吾がハグリット(一番でかいから)、 千尋がスネイプ(いぢめっ子だから)。ね?
私、このシリーズを読み始めの頃はポケベルで 父に連絡したりしてたんだよなぁ…… とちょっと遠い目をしてみたり、炎の蜃気楼37巻、 『革命の鐘が鳴る』<桑原水菜/集英社>であります。 インターネットに携帯、こういう長いシリーズって 時代の流れが如実に出ちゃっておかしいやら悲しいやら。 直江君の携帯の待ち受け画面は隠し撮り景虎様♪だったり するのかしら、何かイヤだな。
途中から入った今の現役コバルト世代の子は、 最初の頃とか 「何でこの人達ケータイ持ってないんだろう…?」 と思っちゃったりしないんだろうか。 最近、音楽もカバーブームですが、二,三歳違いでも オリジナルを知らないと言われるとびびります。 年齢査証疑惑の摘発にぜひご利用ください。
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