よるの読書日記
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2001年12月27日(木) たくさん愛して、ながーく愛して

『炎の蜃気楼 邂逅編3 外道丸様 下』
もどかしい!
自覚ないのはわかりますがそれにしたって景虎さんたら男転ばし。
いや、むしろ自覚ないところが天性の素質(?)なのかなぁ。
彼の場合その魅力が母性本能をくすぐるのか、
逆に女性からは(と言っても出てきたの死んだ奥さんと
藤さんだけだけど)あんまりやらしい目で見られてないような。ナゼ?
やんもう当時衆道なんざ珍しくもないんだから
一辺試してみりゃ良かったのに。
子供ができるわけじゃあるまいし欲求不満も解消できるし。
とっととそうなっちゃえばこーんな長編には、ってやはり言わないお約束?
まーでも400年後での具体的な行為の描写より、妙に官能的だったけれど。
お互い両思いなのに気付かない生徒達を見る中学教師の気分。
ただし、男子校のな。
安田長秀も最後に遅ればせながら登場。
まだほとんど出番がないけど、なんか今より冷徹な感じ。
で、いつ終わるんですかね、これ。この調子で四百年続くのか?


2001年12月25日(火)

『炎の蜃気楼 邂逅編3 外道丸様 上』
<桑原水菜/集英社コバルト文庫>
聖なる日に何読んでんだか。ま、一応仏教徒だからいいか。
しかしこの二人はずっと深い絆で結ばれてきたのねーという
感慨よりは400年も何をもたもたしてたんだおまえ達!
との感想が先に立つ人のほうが多いと思う・・・気、長すぎ。
立場上認めたくないのはわかりますが
あんたのそれはとっくに恋愛感情だよ直江さん。
ところでこの人達死んだばっかでしかも新潟のばりばりお膝元で、
「景虎様」「直江」と呼び合って変に思われたりしないのかしら?


2001年12月20日(木) よる→40(ちょっと苦しい)

『魔法を信じるかい?』<谷川史子/集英社>
谷川史子初の長期連載物完結。喫茶モモンガのマスターは
密かに最多作品登場者なのではなかろうか。
あちこちの作品とリンクしてるあたりが谷川ワールドの
面白いところだと私は思っております。

しかしりぼんからクッキーに移ったせいかストーリー展開や
ヒロインの年齢がちょっと大人になって来た感がありますな。
高年齢ファンとしてはありがたい。
今回のヒロインひなたちゃんは女子大生。お相手のサブロー君は
年齢不詳。ま、見た目よりいってることは確かだが……。
死に神コードナンバー326ときてミツルじゃなく
サブローなあたりいかにも谷川センセらしくて素敵。

告白物語を見ると相変わらずお酒好きみたいっすね。
編集者と打ち合わせも飲み屋さんかい。
連載終わってまた酒量増えちゃいそうで心配。
「自分の描くキャラは薄い」とおっしゃってますが、
私は貴女の描く女の子が大好きですぞ。
特に失恋物だと芯のしっかりした印象が際立ってイイ。
ので、健康に気をつけて人間ドックにも行って(笑)
楽しい作品を量産してくださいまし。
……こんなのファンレターに書けよ?ごもっとも。


2001年12月13日(木) 過ぎ去りし青い春の思ひ出ぽろぽろ

さて長編の行き止まりと言えば
「銀の海 金の大地」<集英社コバルト文庫>の続きは
どうなってるんでしょう。
と言うか氷室冴子自身仕事量減ってないか?

そんなことをふと考えて
『海がきこえる』<氷室冴子/徳間書店> を手にしました。
そういえば読んだことなかったなーと思って。
恥ずかしながらジブリのアニメも未見。
高知の街にやってきた美人の転校生。青春だやねー。
作者も語ってましたが地方が舞台の恋愛小説ってもっと
あっていいと思う。
普通の会話も変に気取った小説の中だけの台詞じゃなくて、
生きている言葉に聞こえます。

作中で高等部の成績が他高に負けそうだからって
中等部の修学旅行を廃止する中高一貫教育校。
それで高校でハワイに行ってりゃ意味ない気がするのは私だけ?
ところでコレをお読みの方、人生で何回修学旅行に行かれましたか。
地方によっては小中高と旅行経験がある方もいらっしゃるようですね。
ちなみに全国一の大学進学率を誇る(でも県外の人は知らない)
わが県では普通科高校に修学旅行制度はありませんでした。
小学校でもお泊り行事は「宿泊学習」。
登山オリエンテーリング肝試しキャンプファイヤー飯ごう炊飯を
二、三泊でこなす強行軍がフツウ。
今振り返って主人公同様、理不尽な思いに駆られる私はコドモでしょうか。


2001年12月12日(水) 暗中模索

『陋巷に在り』12<酒見賢一/新潮社>
12巻です、でででん。クライマックスが終わって
ちょっと次の段階が読めない。ついでに続きがいつ出るのかも。
ああーまた長編の行き止まりにたどりついてしまったぁぁ。


2001年12月11日(火) 寂しがり屋で生意気で♪(←それは年下の男の子)

連城三紀彦『年上の女』
短編集ですが結婚不倫嫁姑、こってり特濃人生の味わい。
表題作は奇妙な電話相談の形をとった女の闘い。
タイトルがなんとなく色っぽいなーと手にしたのですが
よくよく考えりゃその分類でいきゃ女は
「年上・同い年・年下」の三種類しかいないわなぁ。
しかし「彼には肉体関係はないけど素晴らしい年上の女がいて
とってもかわいがられているらしいんです」と言われてすぐ
(私のことかしら)と思う母親ってどうよ?
デキる女の自信てタチ悪い。


2001年12月10日(月) 亀の甲より鬼の業

『忌みしものの挽歌』
『炎華の断章』<霜島ケイ/小学館パレット文庫>
迫り来る危機、追い詰められた二人の鬼、
そして自分の定められた立場に苦悶する三吾。
どシリアスな展開になるかと思いきや。
あーあ、千年馬鹿には敵いません(笑)。
ここまで大変な事態をコメディにする酒呑童子って何者?(答:鬼)
荒れて暴れて決断した苦渋の選択を易々と弾き飛ばされてしまった
三吾、哀れ……そう言う星の下に生まれてしまったってことか。

作者の気が向いたのかようやく予定の出番が来たのか、
成樹がちょこちょこ顔を出してきてますね。
そういえばごく最初って彼がメインキャラって感じだったような。
でも鬼を飼ってて血のつながらない妹と恋愛してる美少年と、
平安生まれの元人間じゃキャラ立ち勝負にはならんだろう。

しかし鬼って大変そう。
千年分の記憶なんて想像だに頭重いぞ。
おまけに不老不死ってのも長らくやってると飽きそうだよねぇ。
どうでもいいですが遅老遺伝子を持つ私も最近飽きてきたもん。
印象や雰囲気が変わったね、と知人に言われることが続き一人
悦に入っていたのですが、先日前髪を切ったら
これが笑っちゃうほど幼い容姿に戻ってしまいました(--;)。
何だ髪型マジックだったのか。
ついでにこの間知り合った補導委員さんにほがらかに18歳未満と
勘違いされてしまいました。最初冗談かと思ったが……。


2001年12月09日(日) ビューティフル ネーム

『世界人名物語』<梅田修/講談社現代新書>
英国皇太子はチャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージが本名ですって。
伝記作家にけんか売ってるとしか思えないピカソほどじゃないけど、長い。
蛇足ですが彼のママも家庭より君主であるタイプとか言う噂。
だからカミラさんだったのだろうか。
ぴちぴちの妻より甘えられる年上愛人?(邪推)
ともかくエリザベス、エリザベートはハンガリーの聖女エルージェベトから
広まった名前だそうです。例の美貌の皇后がハンガリーびいきだったのも
案外こんな所から親近感持ったのカモ。
彼女の末娘もですがカトリックの信仰厚いハプスブルクはマリアだらけです。

マリア・テレジアの娘達はマリアンネも含めれば全員マリア。
マリー・アントワネットはオーストリアではマリア・アントニアなのだね。
お父さんが気まぐれ起こしてマリア、と呼ぼうものなら
お母さんも含め女全員が振り返るという愉快な家庭です(笑)。素敵な一家団欒。
ちなみに夭折した皇女の名前を後に生まれた子に付けているのは、
亡き姉の分まで健やかに、という祈りを込めた親心なのか、
単に新しい名前を考えるのが面倒だったのか。後者じゃないといいなぁ。


2001年12月08日(土) 名君主≠賢母?

江村洋『ハプスブルク家史話』<東洋書林>と
『ハプスブルク家の女達』<講談社現代新書>。
結婚政策が御家芸というハプスブルク家のお勉強をしてみました。
客観的に見て結婚で発展したと言っても過言ではない。
しかしやはり負の一面は存在していて、
二重結婚(例:兄妹が他の王家の姉弟とそれぞれ婚姻)や
叔父姪の夫婦から生まれたため、近親婚の弊害と思われる
子供たちが少なからず存在した模様。
てことはビッテルスバッハの狂気をどうこうフランツ・ヨーゼフが言えないよなぁ。
て、言うか貴方とシシィ(エリザベートの愛称)だって従兄妹じゃん!

ついでながらちゃんと恋愛結婚のカップルもいて、
身分違いの恋を貫いた方々も。あの女傑マリア・テレジアもその部類。
しかし子だくさん=母性的っつーのは現代人の勝手な思い込みなのかも。
他の面であれほど男勝りとか女だてらにという形容が似合う彼女ですが、
母としては?です。16人も産んでりゃかわいい子もブサイクも
16人16色で面白いだろうに。何でえこひいきするかな。
いっそのこと子供を全員政略結婚の駒扱いするならまだ納得行くのに、
一番の愛娘だけ恋愛結婚許しちゃうってあたりがなー。
今度は政治家としては詰めが甘いんじゃない?
女帝の秘蔵っ子なんて最高の切り札だと考えるのが筋だよねぇ。

もしかして彼女にとって一番愛しているのは国と夫で、
子供って跡継ぎか駒か愛玩の対象か役立たずの
どれかでしかなかったんだろうか。
まあ当然育児なんかしてないだろうし(授乳している女性は
妊娠しにくい。昔高貴な女性の子供に乳母をつけたのは
このことを経験的に知っていたためなのかも。)、
そばにいなきゃ情も涌かないかも。もっとも彼女に限らず子供のえこ贔屓も
ハプスブルク家の十八番らしいのですが。おいおいおい。


2001年12月07日(金) 野望通り越して無謀。

も〜久しぶりすぎて初めて読むのに懐かしさすら覚える
『聖・はいぱあ警備隊』11巻<森生まさみ/
花とゆめコミックス>もこれでようやく完結。
あーもうどうぞ勝手にシアワセになってくれ(笑)。

黒峰とアニーの番外編は良かったです。クリスマスのお話で
季節的にもぴったり。続きを書くと10巻を越えるって。
書きゃいいのにね。どっちかと言うと歯痒くもどかしく暗い
ストーリー展開になりそうですが。
モーホーの人が女性を愛することってあるんですかね?
それを奇跡と呼ぶには同性愛者に失礼な気もするし。
プラトニックならあり?あとは家族愛とかに育つのを待つか。
しかし御幼少の砌の黒峰は可愛いな〜(毎回こんなこと言ってる)。
回想シーンだから?ここでも思い出の美化運動が。

高屋敷も可愛いけどもう少し大人になってほしいなぁ。
私はずばり悪党の黒峰の方が好みです。
千里眼のじい様も好き(^.^)。
つまり純真なコドモか歪んだオトナか
渋いオヤジか枯れたジジイが好きなのです(笑)。
この欲望を充たすためにはいたいけな青少年をたぶらかして
屈折した男に育て上げ、愛憎渦巻く関係にどっぷりはまって
酸いも甘いも噛み分けた苦みばしったロマンスグレイになってもらい
終いには精根使い果たして好々爺になってもらえばいいのか。
一生仕事(爆)。
いいよもうずっと一人でいるから……。


2001年12月06日(木) 大きいねぶた

「NATURAL」<成田美名子/花とゆめコミックス>11巻でめでたく完結。
緊迫した状況の10巻からだだだだーっとまとまりました。
雑誌連載時から30ページ程加筆修正されているとかで、ご苦労様でした。
しかし半分が本編、残りが外伝と言うのは別にいいとして、
そのメインが西門(兄)ってどうだろう。
本編でもほとんど出てない脇中の脇役なのだが。
普通ほら、主人公か人気のあった脇役が意外な素顔を見せたり
鏡の世界に行ったりするじゃない。(←ときめきトゥナイトの読みすぎ)
作者がお能を好きで次もお能のマンガを描くと言うなら
そっちに回してほしかったなぁ……。
やっぱり真面目に読んでたこっちとしてはJRとアリーシャのその後や
大沢君にハニー(埴輪のこと)より好きな彼女ができるかとか
ミゲールはリコをつれてペルーに帰れるのかとかが気になるんだけど。

西門さんは本編でも外伝でも目立ってましたな。
やっぱり3巻から御登場のこの人が影の主役?
兄の憲人ビジョンで見てしみじみ感じましたが寂しい人だったのねー。
でもまあ5歳まで実家で育てられたっていうの、
お母さんの精一杯の抵抗だったんじゃないですかね。
育てる方だって育てられる方だって赤ん坊の時から一緒にいる方が
うまく行くのは乳児取り違えの事例からも明らかだし。
彩紀ちゃんが生まれたことで、子供のいない本家に
跡取りを差し出すことを拒みにくくなっちゃったのでは。
その結果西門さんに「見捨てられた」感があったとしたら、
皮肉な運命としか言いようがないのですが。

最後の方に地元がちょこっと出てきました。
室堂でスノボする人がいるって初めて知ったよ……。
そら6月に雪残ってる所なんてそうないだろうけど。
わざわざ東京から。へー。
ちなみによるは雪国育ちですがスキーできません。
最後に滑ったのは中学のスキー教室。万年初心者コースなので
転び方だけはプロ級です。


2001年12月05日(水) 祝賀。

今のハリソン・フォードのイメージで読んでたのが
問題だったようで、ライアンって「若き大統領」だったのねー。
幼稚園の年少さんの末娘がいて、今度また赤ちゃんが生まれるってことは。
ちゃんとプライバシーあったんだ、良かったね(笑)。
この場合奥さんだけが極端に若いって訳じゃないと思います。
旦那より稼いでいる超優秀な眼科医だし。
歴代のファーストレディーの中でも夫が在職中に出産した人って
少ないんじゃないでしょうか。
英国ではブレア首相の時初めてって言ってたもんなー。
やっぱり産院に向かう車もパパラッチが追ったのだろうか。

期待の最終刊ですが案に相違して……でした。
戦闘がどうしたとか新兵器とかどうのとかついていけん。
好きな人にはたまらないんでしょうし、そう言う支持者が多いから
これをクライマックスに持ってきたのでしょうが。
人間ドラマに重きを持つ方には、不評かも。
最後に生まれたカップルには、にやりとさせられましたが。


2001年12月01日(土) 鬼は千年 神は万年

これだけ文庫が次々創刊されてりゃ
どこかが割を食うのは仕方ありませんが
自分の読んでる物がそうなるとやっぱり腹が立ちます。
小学館のキャンパス文庫は本当に最近書店では見かけない。
あっても新刊だけとか、シリーズ物のうち数冊だけとか。
一回新刊を見逃してずるずると一年も放置してたら
未読が4冊も出ておりました封殺鬼シリーズ。
最早久しぶりすぎて「封殺鬼って何だっけ」状態。
取り寄せた『陰月の冠者』の帯についてる「今月の新刊!」の
文字が痛い…。買おうにもお店になきゃ買えないわよっ。
今回は神島達彦氏受難の巻。
やーん、この人嫌な奴かと思ってたけど怖いってーか
気の毒な人なのねー。好きになってしまうかもしれないわ。(歪んでる)
もっとも今の所気になるのは御景三吾氏の方ですが。
オプションで兄がついてくれば最高だ!
『昏き神々の宴』<霜島ケイ>でも
相変わらず「実はいい奴」すぎて周りから振り回されております。
佐穂子にこれまであんなに散々な目に合わされてきて
何故そんなに優しくできる?
ワガママな妹に手を焼くお兄ちゃんみたいだ……。


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