2004年09月28日(火) |
キッチンとはなんぞや? |
kitchen、台所、くりや、厨房、調理場……
呼び方は色々あるが、キッチンである。 新居のキッチンを、来月末くらいまでには決めねばならないのである。
どんなに目移りしても、ひとつしか買えないというのに、いや、だからこそ、かもしれない。
安くなきゃやだ、使いやすくなきゃやだ、そして出来たら、ついでに、ちょっと変わったのがいい。
いや、キッチンでウケたってしょうがないわけだけど、なんとなく。
で、タイトルの疑問に行き着いたのである。 調理をする場所であり、後片づけをする場所である。 シンクと、熱源と、水道があれば事足りる。 それだけのものであるはずなのだが、やっぱりいろいろ悩んでしまうのだ。
この前は、工務店の営業さんたちと、ランドマークタワーの中の国産メーカーのショウルームに行った。
……どれも皆、それぞれ綺麗で、機能的で、そして、よく似ている。 似たようなものなら、値段の安いのを……と、思っても、そのあたりも、団栗の背比べ。
決め手に欠けるので、「テレンスコンランのキッチン」(株式会社エクスナレッジ\5000)を買おうとしたが、高かったので図書館で借りてきた。 いろんなキッチンが、沢山の写真とともに収録されている。 綺麗に綺麗に展示されたショウルームと違って、小物類や機器類も一緒に写っていて、実際に使っている状態をイメージ出来るというのもあるのだろうが、とても多彩である。 広くて、手入れが大変そうで、高そうなものが多かったが(多分、日本のキッチンの殆どがこの本でいう「狭いキッチン」に含まれるだろう)、「そうか。こんなのも、そんなのも、あんなのもアリか。そうか」と、見ているだけで楽しかった。
そこで開き直った。 迷うなら、徹底的に愉しんで迷うことにした。
ネットでも散々調べてカタログを請求し、見積を依頼した。 少々趣味に合わなくても、激安なら買ってしまうのがわたしの性格なので、アウトレットや、ネットショップの激安品もチェック。
それでも足りずに、こないだは、有楽町の無印良品に、キッチンを見に行った。 広い。広いぞ。 前に行った京都の無印の方がもっと広かったが、有楽町は23日にリニュアルオープンしたばかりで、ピカピカで、カフェなんかもあった。 図面広げて、見積を依頼した。
現在進行形含めて、いろんなメーカーに、依頼した見積は五つ。 新居が完成したときには、タイトルの疑問の答えを、自分なりに出せるだろうか。
本日は吉日ということで、上棟式だった。
もち米2キロと小豆1カップで赤飯十五人分、食パン2斤分のサンドウィッチ、ミートボール、枝豆、塩味のだし巻き卵、鶏の唐揚、手羽先のオーブン焼、鯛の香草焼、焼豚。
昼過ぎから必死で大量の料理を作った上に、せんべいや柿の種のような乾きもの、果物まで持ってったのに、現場に急拵えで作られたテーブルに載せると、ほんのちょっとに見えた。 職人さんたちは、車を運転するので、唇を湿らせる程度にしか飲まず、ささやかな儀式と宴会の後は、パックに詰めた赤飯と、本当に、気持ちだけの祝儀を持って引き上げて行った。
その後、工事用のライトの下で、営業さんたちと、仕様の確認と、今後の打ち合わせをした。 外壁とサッシとドア決定。 設計士さんが指定した色だと汚れが目立つと言われ、そうそう洗うわけにもいかないので、外壁はグレーに変更。 キッチンは保留。
まだ階段も、床もない状態なので、三階建ての建物の屋根まで下から見上げられる。 柱には、ランディの名前が書いてある。 多分、壊すそのときまで、この風景は見られないのでデジカメで撮っておいた。
9月3日、4日と、ランディの実家に泊まりに行った。 歯と頭が痛くて眠れなかった。 普段は滅多に薬は飲まないのだが、余りの痛さに、ランディのお母さんに、鎮痛剤を所望したが、置いていないと言う。 ランディのアトピーの薬は痛みにもよく効くのだが、死ぬほど眠くなるので、躊躇していると、ランディのお母さんが、梅酢を近所で貰ってきてくれた。 歯痛に効くのだという。 脱脂綿で奥歯に塗ると、確かに少しだけ楽になった。
「週明けたら、歯医者に行きなさいよ」
と言われたので、
「いや、行ってる。それも、詰め物が割れてすぐ、痛くなる前に行って、炎症を抑える薬を入れて貰って、ちゃんと塞いであるのに、なんか痛くて」
「なにそれ?その医者、藪なんじゃないの?」
「うーん、いつも混んでて、予約もなかなか取れない歯医者なんだけど……」
そして、5日、銭湯に行き、ロビーでテレビを見ると、実家方面で地震があった模様。 電話が通じない。 少し時間を置いて、無事が確認出来た。安堵。
深夜、震源地から相当離れている関東でも地震。 無論、うちも揺れた。 アリアにメールして無事を確認した。 思わず非常持ち出し袋を準備してしまう。 ランディとわたしは、阪神の震災を経験している。 物的、身体的な被害はなかったが、あのときの記憶は鮮明である。 米、缶詰、カップ麺、簡易浄水器、レトルト食品、塩をバッグに入れ、着替えを準備。 結局、使うことはなかったが、まだ袋に入れてままである。 勿論、面倒くさいわけではなく、不測の事態に備えてである。
もう、歯は痛くない。 ランディに、
「関係ないかもしれないけど、ダイヴィングやる人とか、宇宙飛行士は虫歯を完璧に治療しなきゃいけないんだって。気圧や水圧で影響受けるなら、地震前に観測されるという電磁波とか、プラズマ現象とかに反応してしまうのかも」
と、言ってみた。
「そういや、あの地震の次の日、二人、歯痛で会社休んだ」
無根拠に、適当なことを言っただけなのだが、当たってるのかもしれない。
だとすると、歯医者が藪なわけではないのだろう。
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