日記でもなく、手紙でもなく
DiaryINDEXpastwill


2002年09月25日(水) PRET A MANGER (プレタ・マンジェ)

 イギリスのサンドイッチの店、<PRET>の日本第1号店がオープンという記事が、日経朝刊に出る。
 日本では、マクドナルドの資本が入り、今回オープンすることになった。

 マクドナルド、あれだけのところが狂牛病騒ぎで大打撃を受け、低価格路線を変えたと思ったら、結局59円バーガーを目玉にするところへ戻ってしまった。

 ただ、低価格路線の場合、客単価が下がる分、それだけ集客数を多くしないといけなくなる。しかし、それが今や一番難しいところにさしかかっている。
 マクドナルドというブランドで、それがどこまでできるのだろうか、と思っていた矢先、この記事が出てきた。

 この一号店だが、日比谷シティの中の、日比谷国際ビルにできていて、ちょうど今日の午後その近くまで行ったら、その店を取り囲むように多くの人がたむろしていた。
 店の前には、オープン記念としてか、パラソルつきテーブル席がいくつか用意されていて、ほとんど人が腰掛けていたのだが、店のほうはブラインドが下ろされていて、次のオープンは午後4時からと、ちらしを配っていたお姉さんが言う。
 昼間結構入ったようだが、これからそれがどこまで持続するか、そこがポイントになりそうだ。

 しかし、イギリスのサンドイッチ屋の店名が、なぜフランス語なのだろうか、と思ったりもする。


2002年09月24日(火) 金木犀の季節、また


 今朝、駅前でバスを降りたら、金木犀の香り。
 去年の9月の日記には、30日に金木犀の花のことを書いている。
 やはり、一週間前後の違いしかない。巡り来る自然の不思議。

 昼間、室内だとなんとなく暑い感じもしたのだけれど。


2002年09月21日(土) 風邪とものもらい


 金曜日から、少し咳が出て、これは風邪を引いたと思っていた。
 今朝起きてみると、右目上瞼が腫れていて、これはものもらい。こんなものはもらいたくないのだが。

 風邪もものもらいも、体力が低下しているときにどこかから感染するところがあるらしい。今回はもう、ストレスと睡眠不足が原因だということは、わかりきっているのだが。

 しかし、考えてみると、ものもらいというのは20年ぶりか、おそらくもっと。これになると、本当に顔が情けなくなってしまう。
 一日少し大人しく家にいることにする。

 録画したままになって、たまっていたビデオを見る。
 FOXチャンネルでは今でも放映されているXファイルだが、これも毎回手を変え品を変え、アイデアが良く盛り込まれていると感心してしまう。
 少し前に、ヴァーチャル空間に迷い込むという、まさにSFまがいのストーリーもあったし、今日見たのは東洋思想をこなしたストーリーだった。


2002年09月19日(木) New Shiodome:汐留エリア一挙改装

 大江戸線の中で、まだ(唯一?)オープンしていなかった汐留駅。この生まれかわろうとしているこのエリアの中で、新しい電通ビルが他に先駆けて落成するが、恐らくそれに合わせる形で、11月初めに汐留駅もオープンする。
 別に汐留駅を使わなくても、地下鉄銀座線の新橋駅で降りて、銀座寄り改札から出ればさほど遠くはないだろうし、JR新橋駅からでも、さほど距離があるわけでもない。

 ただ、このエリアに高層ビルが一挙に建ち並ぶため、その一番端まで行くというと、旧来の駅では少し遠い感じがするに違いない。
 これは、新宿西口と西新宿の関係にもよく似ていると思う。

 この新しいエリアに約6万人がほぼ毎日通勤してくると言われている。
 それでなくても、新橋駅というのは、銀座線や都営地下鉄、あるいはゆりかもめとの乗り換えで結構乗降客が多いのに、このエリアがフル・オープンすると、今では考えにくいほどの混雑になりそうだ。
 銀座線・新橋駅の渋谷方面行きホームというのは、これまた狭いので、そんなところも結構気になってしまう。

 既にJR山手線内のディスプレイ付車両では、<電通四季劇場:海。この秋オープン>の広告が流れている。更に人寄せする気らしい。

 やや古臭かった新橋界隈も、ひょっとすると一新されてしまうのかもしれない。いったいどんな風に変わっていくのだろうか。
 戦後の雰囲気を僅かに残していたような烏森神社界隈も、いよいよ変わっていくことになるのだろうか、とか、やはり次の時代に入っていく、というような感覚ももう一方ではある。

 


2002年09月18日(水) 秋風

 月曜日から昨日火曜日の午後まで、雨が降り続く。
 昨日の昼頃、用事があって新橋まで行ったときは、少し歩いていると汗をかくくらい、少し蒸し暑い感じがしないでもなかった。

 ところが、夜からかなり温度が下がった。今朝、バスに乗り込むと、冷房が入れてあり、かなり寒い感じがする。
 吹く風が、本当に秋の風。
 昼間かなり晴れ上がって暑くなるかと思ったものの、この涼しい風で、道を歩いていてもさほど暑さを感じない。

 そろそろ本格的な秋。
 


2002年09月16日(月) 上野西洋美術館のコレクション

 ウィンスロップ・コレクション展を見た折、久しぶりに常設展示も見ておこうという気になった。
 なぜそんな気になったか、あまり自分でもわからないのだが、ここの常設展を見たのは、恐らく15年以上も前のことだったような記憶がある。モネの睡蓮があったり、ルノワールのちょっと独特な3人の女性が描かれていた作品も覚えている。特に、後者のほうは、ルノワールが後年好んで描いたような豊満な女性とは違っていたので、結構記憶に残っていたように思う。

 常設フロアへの上り坂を上がって展示室に入ると、以前とは結構雰囲気が違っている。一番大きな理由は、19世紀より前の作品がかなり増えていることだろうか。
 確かに、以前見たような作品もところどころにあったり、記憶に残っている印象派作品についても、再確認はできたのだが、ルネサンスからバロックにかけての作品で、初めて見るようなものも結構あった。
 所蔵された年度が、確かに80年代以降のものがかなりある。

 確かに見たことがはずだ。15年以上この常設を見ていなかったのだから。美術史的な把握ができるように、所蔵作品を増やしてきたというコメントも掲示されていた。年にこの時代の作品、2−3点増やしていったとしても、10年間で20点は増えていく。
 このような追加所蔵品を浦島太郎よろしく、一挙に見たのだから、増えていると感じるのはあたりまえなのだろう。

 少しずつためていっても、10年間の蓄積は、やはり大きいということを再度実感してしまう。


2002年09月15日(日) 唐子屋

 Jさんと落ち合って、少し見たいものがあるというので三越と西武を回った後で、PARCOの8Fにある中華料理店・唐子屋に入る。
 からし屋ではなく、からこ屋と読むらしい。今まで、どういうわけか店名が<唐辛子>に似ているので、またこの手の店は若い人が来るので、唐辛子をきかせた料理が多いのではないかと、まさに勝手に思い込んでいるところがあった。

 しかし、ごくごく普通の中華料理(家庭料理)である。
 入ってみると、かなり客が多く、結構人気があるように思え、ビール1本と料理3品に叉焼炒飯1人前を加えた4品をオーダーする。

 一口食べてみて、人気があることが良くわかる。特に海鮮の炒め物の味は見事で感心してしまう。一皿あたりの量も多く、(最後の料理の前に炒飯がきたので、炒飯を少し残して)最後の一品を食べたものの、結局これも残すことになったくらい。
 後口も悪くないので、なかなか腕の良いの調理人がいるように思われる。

 一品1000円を越すものはほとんどないので、全部で5千円程度。点心も基本的な種類は置かれている。


2002年09月14日(土) 千葉みなと駅から等々力緑地まで

 ざっと今日の一日。
 10時少し前に家を出て、武蔵野線で南船橋、更に京葉線の千葉みなとまで。
 千葉みなとに着いたのがちょうど12時。やはり2時間かかってしまう。さすがにここまでは遠い。

 駅前はほとんど何もなく、人の気配も少なく、少し離れたところにビルが点在している。みなとみらい初期のような雰囲気にも近い。
 このような感じの場所で、てくてく歩くのは、あまり風景が変わらないのであまり好きではない。商店街を10分歩くのと、このようなところを5分歩くのが、ほぼ同じような時間に感じてしまう。

 千葉ポートタワーに向かって行くと、途中に結婚披露宴式場とその隣に<マリア・チャペル>が、ぴかぴかの状態で建っている。
 カテドラルと書かれていないのが、やや胡散臭くもあるのだが、ちょうど道路を挟んだその向かい側に、千葉県立美術館がある。

 ここで1時間ほど企画展を見た後(常設展は今回はパス)、歩いている途中でうまくタクシーが拾えたので、千葉駅まで出る。
 駅ビル地下で遅い昼食。

 東京行き総武快速から、東海道線で川崎まで行き、南武線に乗り換えて武蔵小杉へ。この乗り継ぎは、ほとんど5分程度。さすがに武蔵小杉くらいの駅前だと、やはりほっとするようなところがある。
 バスも少し待つだけで済み、等々力緑地内にある川崎市市民ミュージアム前まで約10分。
 ここでも、1時間強かけて企画展を見た後、それ以外の展示なども少し覗いているとちょうど閉館時間。

 今朝、昨日の夜に入ったらしい、Jさんからの携帯の留守電を聞いた。今ひとつ意味不明なところがあったので、そろそろ店のほうだろうと思い、こちらのほうからかけてみる。明日食事でもいっしょにという話をしていた件。特に変更はなし。

 市民ミュージアムからは、始発の川崎駅行きバス。途中東芝の工場などのそばを通っていったのだが、工場前からかなり人が乗り込んできた。土曜日出勤だったのだろうか。

 品川経由で渋谷へ出て、タワーへ寄ると、懐かしい<The SOUL TRAIN Gang>の編集盤が置かれていた。
 ちょうど今それを聞きながら、これを書いている。

 曇り空だったが、なんとか雨が降らず持ちこたえた、といった一日。


2002年09月13日(金) 秋の入り口の雨


 昨日から、かなり涼しくなり、やっと秋の気配。ちょうど昨日は夜池袋の山野楽器を覗いた後、最近ちょくちょく行くJさんの店へ寄ったあたりから、かなり本降りになってしまう。
 9時頃に店についた時は私だけだったのだが、その後で2人ほど。1時間半ほどいて、店を出たときもあまり降りは変わらない。


2002年09月08日(日) 鶴屋吉信の限定<光悦まんじゅう>


 現在、上野の東京国立博物館の正門を入って、平成館のほうに歩いていく場所に、鶴屋吉信がテント出店をしている。
 江戸蒔絵展に合わせて、そこでお茶と菓子をいただけるしかけになっている。

 もちろん、国立博物館は敷地内に出店させているのだから、ショバ代を吸い上げているに違いない。本当に最近の国立博物館というのは、商魂逞しくなった。
 オリジナル・ミュージアム・グッズの発売といい、大観展や韓国の名宝展でのレプリカ販売といい、他ではここまでしっかりやっている美術館というのは、なかなか少ないものだ。
 それを、国立博物館が率先してやっているところに、今の時代を感じたりもするのだが、これは、決して貶しているのではない。
 来る人が喜ぶようなことをやるのなら、それでお金が稼げるのなら、どんどんやるべきだと私などは思っている。

 利益が出てこなければ、やはりへたってしまうのだ。
 へたってしまえば、どんなに良い企画も陽の目を見ない。どんなすばらしい収蔵品があったとしても、陽の目を見ない。

 それはさておき、鶴屋吉信である。
 さすがに、吉信のほうも商魂逞しい和菓子屋である。なかなか良い勝負をしている、かもしれない。

 蒔絵展を記念して、ここ(国立博物館)限定の<光悦まんじゅう>(まんじゅうの字は饅頭ではなかったのだが、その字を思い出せないので平仮名にしているが)もお土産用に販売されている。
 鶴屋吉信というのは、今やあちこちの百貨店(地下食品・和菓子売り場)に入っているが、そこの百貨店の売り場限定の生菓子「○×○×」、というような手あいは、本当に良く見かける。

 この光悦まんじゅうというのは、上用饅頭である。
 1つ500円。そこそこの大きさではあるが、直径にすると6〜7cmほど。びっくりするほどの大きさではない。
 これで、そのへんの饅頭屋の味程度なら、恐らくみんな怒り狂うだろう。結構自信を持って売っているに違いないと読んで、2個入りを買って帰った。

 外の皮の部分は、ごく普通の上用饅頭よりも、かなりもちっとした感覚があるし、中の餡は、黒の粒餡の周囲に白の練餡の二重構造になっている。これなら、1つ500円としても、十分納得できる。
 久々に美味しい饅頭を食べたという満足感があった。

 よくよくつぶし餡を良く見ると、小豆のつぶが結構大きかった。この小豆こそ、なかなか普通の饅頭だと使われない、限定小豆かもしれない、とも思ったりする。


2002年09月07日(土) 日経プラス1温泉大賞:黒川温泉

 日経土曜日の朝刊に、おまけでついてくる<プラス1>、これに温泉大賞というのが出ていて、結構面白く読む。
 読者調査による人気投票(行って良かった、行ってみたいなど)、その人気投票に基づいて選ばれた300の温泉地へのアンケート(回収163)をもとに、審査員5名で決定されたもの。
 最後の審査員による、というところが、若干透明性に欠けるものの、黒川温泉(熊本県南小国町)の評価というのが、読者調査得点ランキングで第三位、温泉地アンケートで注目する温泉地として第一位に選ばれているところが、大賞の一番基礎票になっている。

 街をあげての<温泉地づくり>の取り組みが、今回の結果につながっているという。
 黒川温泉の特色として、第一位にあげられているのが、それぞれの宿に趣向をこらした露天風呂がつくられており、それが外来者にも開放されていること、観光案内所で入湯手形なるものを購入すると、3ヵ所の宿の露天風呂に入ることができ、二十数軒ある宿の露天風呂すべてに入ると、記念品までもらえる、というようなしくみになっている。

 一番注目されるところは、温泉地に行く人にとってのコア・ベネフィットは<温泉>という、一番単純明快なところを強化している、というところに尽きる。しかも、「それぞれの宿が趣向を凝らした<露天風呂>」に特化して対応しているところも見逃せない。
 つまり、金のかかる展望大浴場を作っているわけではないのだ。露天風呂なのである。
 しかし、露天風呂の開放感は、こたえられない。ここが、温泉の温泉たる一番楽しいところに違いない。

 黒川温泉はそこを外していない。
 しかも、他の宿とも連動するしくみを作っている。ここがうまいところだ。
 
 今や、温泉に行って、美味しいものをたらふく食べたいという客というのはさほどいないのではないかと思う。また、豪華な部屋に泊まりたいと思うような人も、恐らく限られるだろう。
 温泉に行くというのは、温泉を楽しむために行くという基本を、黒川温泉は的を絞り上手く実現している。

 街全体に力がなくなると、一軒の宿がいかに素晴らしい宿であったとしても、結局凋落してしまう、ということも、(この黒川温泉は)よくわかっているのではないかと思う。
 手ごろな価格でまた行きたくなるような温泉、その温泉の醍醐味を味わえる温泉こそ、今の時代多くの人が一番行きたいと思う温泉なのだろう。そんなふうに思えた温泉大賞の記事。


2002年09月03日(火) 平年より真夏日が15日も多かった東京

 
 今朝の朝刊には、今年6月〜8月の真夏日が、大阪で70日(平年は55日)、名古屋は65日(平年48日)、東京で53日(平年38日)、福岡だと51日(平年46日)というデータがでていました。
 関東以西はどこも暑かったものの、関西・中部圏というのは、今年異常に暑かったということがよくわかります。同時に、今年ばかりは、東京のほうが福岡よりも暑かった!というのも、なかなか不思議な気がします。

 夏に東京から福岡へ行く時、空港の建物の外に出ると、その空気の熱さから、九州へ来た!という感覚にたいてい襲われます。
 ただ、今年7月に福岡へ行った時、さほどそのような感覚がなかったことを、今になって気が付きました。今年ばかりは、福岡に住んでいるような人が東京に来ると、暑いという感覚に陥ったのではないかとも思います。

 暑いとはいえ、7月の夜中3時頃まで暑い、というような感覚は少なくなりました。夜11時を過ぎると、やはり少し温度が下がります。秋までもうほんの少し、というところでしょうか。


2002年09月02日(月) 聖地のある信者のしあわせ

 9月1日、ルイ・ヴィトン表参道ビルがオープンしたという記事を読む。
 地上8階、地下3階。もちろんホールなどもあり、全てが売り場ではないにしても、ヴィトンとしては、世界一の売場面積をもつ巨艦だ。

 8月30日から人が並び始め、オープン前日31日の夕方には、数十人の列ができたともいう。
 オープン初日の来店客数2800人、売上1億2500万円であったことが報じられていた。そのまま割り算した一人あたり平均購入金額は、一人4万4千円強。
 これが多いか少ないかは別としても、たかがバッグ屋に、並んでまで買いたいものがあるのだろうか、という気もしたが、そこは抜かりなく開店記念限定のハンドバッグが用意されていたとのこと。4万円台と6万円台の2種、(合計?)1000個が即日完売。
 用意周到である。

 これくらいの金額の商品が、毎日これだけの量捌ければ、まさに左団扇で過ごせる、に違いない。

 ところで、自分のことを考えると、近年並んでまで買いたいと思うようなものは、何一つなかったりする。それだけ物欲がなくなり、軽やかに過ごせている(?)といえば、そのように言えなくもない。しかし、もう一方では、なんとなく寂しいような気がしている部分もなくはない。
 かつては、コンサート・チケットを入手するため列に並び、喜んだりがっかりしたりしていたことなども思い出す。

 ヴィトンの大ファンにとって、限定品の価値はそれだけ大きいに違いない。敬虔な信者にとって、この上なくありがたい護符を、ひれ伏してもらっているような図に近い。
 信者でないものにとっては、たかだか何の役にもたたない紙切れ一枚にしかすぎない、というように見えなくもないが、果たして皮肉っぽい目線だけで、そう言い放ってよいものだろうか?

 護符を手にした信者のしあわせ感は、ただの紙切れ一枚と見る人には決してわからない。
 ヴィトンのバッグ、お金で得られるインスタントなしあわせかもしれない、と思うと、欲しいものがないという自分の、どこか寂しい気持ちが見えてくる。

 表参道の店は、信者にとっての聖地であり、大本山でもある。欲望の再生産装置ともいえるし、同時にしあわせを持続させる重要なしかけでもある。
 しかし、とまた思う。発売期間限定護符というのは、どこまで機能するのだろうか、とも。


2002年09月01日(日) 城崎

 先週火曜日に電話を入れたとき、土曜日のチケットがたぶん取れるという話でしたが、今日電話を入れてみたら、通じませんでしたので、既に中国へ戻られたのだろうと思っています。

 この前お話していたように、大阪からずっと北のほう、兵庫県の日本海側の一番東にある城崎へ行ってきました。ここにはかなり古くから開けた温泉があります。1400年ほど歴史のある温泉ということですが、それぞれの旅館の中にも当然浴場があって、温泉に入ることはできます。ただそれ以外にも、7つの外湯があって、ここへ旅館から浴衣姿、タオルなどをぶら下げて、旅館の下駄でからころと歩いていくわけです。

 私が泊まったところは駅のそばでしたので、駅の目の前にある、できてから一番新しい<さとの湯>と、もう少し先にある<地蔵湯>などにつかってきました。
 さとの湯などは、三階建てで、浴場は2Fと3F。ジャグジーもあれば、露天風呂もあります。なお、さとの湯にも打たせ湯がありましたが、こればかりは地蔵湯にあったほうが強力でした。肩凝りのひどい人にはなかなか良い感じがします。
 歴史がある割には、時々改装されたりして、掃除も綿密に行き届き、どこもきれいな感じがする外湯です。

 地蔵湯からさとの湯へ、温泉のはしごをして旅館に戻りますと、体がほかほかして、エアコンをがんがんかけておかないと暑くてたまらない感じになってしまいました。たぶん、冬などに来ると本当に良さそうな気配です。

 ところで、この浴衣姿で外湯を回るというスタイルですが、夕方から夜だけではなくて、朝からこの浴衣姿というのが、この城崎ですごす場合の正式な衣装ということになっているそうです。
 午前中から、この浴衣姿で歩いている人を、今回も多々見かけました。

 城崎の町のはずれに、ロープーウェイがあり、これに乗って展望台までいくと、すぐ下に小さい城崎の町並が、少し遠くに日本海が望めます。いい風に吹かれて、はるばるとここまできた、そんな旅情感にも浸れる感じがします。

 玄武洞といって、大胆な柱状節理が、一種の模様のように見えるところがあり、ここまではレンタサイクルで行ってきました。片道20分ほど、ということでしたので、さほどのことではないと思っていたのですが。
 ところが、台風の影響か、行きは向かい風が強くてなかなかスピードをだせず、しかも登り坂が途中にあって(その後下り坂になるにはなるのですが)、これがかなりこたえました。行きの道というのは、あとどの程度の距離かがわからないこともあって、やや焦ってしまいました。実際には、30分弱かかってしまい、これで帰りもと考えると、玄武洞と青龍洞の2つだけを眺めて、そそくさと帰路につきました。
 なお、他にもいくつか○○洞というのがありますし、化石が見られるミュージアムなども併設されています。

 ただ、帰り道は追い風で、来た時よりも登りが短い上、下りがその分長いという、楽なコースになり、15分で駅前まで戻りつきました。

 なんとなくではありますが、また行ってもいいか、というような印象の残った城崎です。

 ただ、文学の町などということが言われているものの、それはもう少し古すぎることのような感じがします。<城崎にて>を書いた志賀直哉を、今どれくらいの人が読んでいることやら。かくいう私も、志賀直哉というのは、まともに読んだことなどはありません。
 今風にもっと有名にしようとするのなら、ミステリー仕立てのラブ・ロマンスで登場させる小説を、TVドラマ化することでもないと、ちょっと無理な感じでしょうか。

 日本に戻られましたら、またぜひご連絡下さい、楽しみにお待ちしています。


riviera70fm |MAIL