もう手術はむりだと何件も断られ、真っ暗闇で手探りする気力もなくここに来た。持参した資料と長い時間にらめっこした医師。長い長い沈黙の後、笑顔でやってみましょうと言われた時には、景色を映していただけの目が、物を見ようとしだした。拾われた命、だからいい患者でいようと思った。達観した姿勢、愚痴のひとつもこぼさずそれは、心からの感謝と覚悟で培われたものだったと知った。