世を忍ぶ仮の日記
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2010年11月19日(金) 巷説出会いと雑事

地元では繁華街と言える場所にあるローカルデパートメントに、新しく二層になっている本屋が出来た。
前回行った時、品揃えが、はじめて本屋らしい本屋の品揃えになっていたのでとても楽しみに、しかし行く機会を敢えて少なくして毎回胸の昂りを最大にしてから行くようにしている。
そして二度目。


私が欲しい本がどうしても見つからず、検索して印刷して文芸コーナーを散々まわったのだがそれでも見つからず、これはいったいどうした事かと通りすがりの店員に探して頂く事にしていたら、すぐ目の前で同じく店員に訊ねて探している方がいらっしゃる。
京極夏彦の場所である。
指が、豆腐小僧のところで一度止まる。

え、何かメディアミックスの影響ですか? 
収納、困りますよ、その豆腐仕様。
さてその方の指は、豆腐小僧の隣、巷説のところで止まり、店員さんに何事か訊ねている。
居ても立ってもいられなくなった私はその後気づけばその見知らぬ方に
「巷説、お探しですかー?」と話しかけていた。
狭い田舎社会、何処の人間かバレるのが怖くて息をひそめて生きているのだが、巷説になると理性が吹っ飛ぶのは仕方ない諦めてくれ己よ。
店員さんとの話を漏れきくと、巷説の、出来れば初版(うっかり口を滑らせていらした)のものは無いですかとの事で、無いと言われてしまったらしい。
「文庫が出てますけど、ダメですか?」
読んで欲しい一心が募りすぎてごり推し。
「文庫はちょっと…」
「それでしたら、ノベルスサイズでも出てますよ」
どうしても読んで欲しいからといってごり推ししすぎと言われても仕方がないかもしれないが、



全部持っている私なのでいいじゃないか。
開き直ってみた。

けれどその方はノベルスでもダメなのだそうだ。
「ハードカバーのこれがいいんですよこの厚みがやっぱり重要じゃないですか(私の心の声:うんうん。鈍器ですけどね。ぶつけると超痛い)。あとこの装丁のものが欲しいんですけど全然見つからなくてどこ探しても見つからなくて。あとはブクオフで探すしか無いかなって」
「あーーー。でも私は売りませんけどねー」
ええええええ私酷い。でも売りませんけどねええええええ。
「ですよねこれを持ってる人ってやっぱりそうですよね。でも、後巷説(なでなでしている)が見つかったんでよかったです(なでなで)」
「えっ! これってそんなに無いんですか!」
「そうなんですよー本当にずっと探してて、これだけでも見つかってよかったです」
「よかったです…」
全部初版で持っているのでまさかノベルス落ち文庫落ちした事によりハードカバーが品薄になっているとは知りませんでした。

講談社さん、欲しい方がいるのでハードカバーも増版して下さい。


新しく出来た本屋さん、品揃えの仕方は好きなんですけれども、マンガコーナーが著しく探しにくいのが難点なのですが、マンガコーナーが隔離された場所にあり、間違って絵本コーナーと隣接などされていないのが安心な点ではあります。
まだまだ探索しきれていないのでこれからゆっくり時間をかけていろんなコーナーをつぶさに見て回りたい。
気合を入れて新規参入された本屋なのですが、



現場のスタッフがイマイチで苦虫を噛み潰す。
検索機械で置いてあると表示されたものが、倉庫の奥にあるので客を大幅に待たせるのは本来とてもよろしくありません。
巷説ファンの方とお話できたので今回は許してつかわします(上から目線)。
倉庫から本を持ってきてもらったついでに近々出版される有名なものについて、正確な入荷日を尋ねると3分以上かかったのもよろしくありません。すかさず答えるか、答えられるスタッフに瞬時に連絡しましょう。

オラに理想本屋を与えてくれえええええええ!
理想本屋あったら破産するけどでも本屋でイライラするのはもう厭なんだい。




話は変わって最近あった恐ろしい話。


妹Kと母が仲睦まじく電話で話をしていて、
「スカート履き忘れて家をでないように気をつけてね」
という言葉に、思わず動きが止まりました。
詳細をあとで尋ねると、母が以前妹宅へ行った際、妹が会社へ行こうとして寝ぼけてスカートを履き忘れたまま家を出ようとしていたらしい。


あんた、それ、痴女や!

そのまま家を出たら公然わいせつ罪で逮捕されるぞCVニノさん。


しかし私もあまり人を強く非難できる程にしっかりしていないので、冬は常にモジモジ君ヒートテックをしておいていざ忘れそうになった時に備えねばならないやもしれません。

と思ったらブラつけ忘れて家を出て慌てて引き返したんで す け ど ね。

最近着物で出かける事が多いので洋服の時に必要な物を失念していた、という苦しい言い訳を残して去る。


2010年11月10日(水) 日記をつけようと思う

私生活が漸く落ち着いて随分経ったのだが、日記を書くという習慣がなくなって久しく、何を書いていいのか分からない日々が続いていた。
日記が書けない、と思い込んでしまったのは確か去年の夏だったように記憶している。
今となれば単なる自意識過剰なのだが、仕事の内容が本名が出るものが多く、日陰でひっそりと暮らして行きたい身には精神的にダメージを受けてしまい、後にその他諸々更に怒涛の出来事ばかりで流石厄年は違いますねと悠長に言って居られない程になっていたのだが、けっこう前に落ち着いていた。
しかし落ち着いてしまうと逆に何も書くような出来事も無い凡庸な日常が待っており、では何を書けばいいのかと無駄に悩む日々が続いていたのだが、日記というものは他人の目を意識するのではなく、日記を書くという、行為そのものに立ち返ろう、今なら誰も見ていない(重要)ので完全なる独白に近い形で再開していけばそのうちに日記を書く事に慣れていけるのではないかと、やや甘い見込みかもしれないが、そのような気概で再度このエンピツに戻ってきたのである。


さて今日は、バレエに行ってきた。
11月のはじめに体験レッスンに行ってきて、人数がとても少なく、過剰に他人に干渉する人間の居ないクラスだったので、ここならば日陰者が落ち着いて出来るのではないかと期待して申し込みをしたら、今月末でクラスが終了という事で、これからまたクラス探しの難民生活がはじまるのだが、そこまでに体を鍛えておきたい。
バレエを再開しなければならない。
固く誓った背景には、勿論たるんできた体の事もあるのだが、以前体調不良がバレエによって改善され胃腸回復し、足腰の筋肉も随分ついたのだが、やめて久しい昨今、胃腸はひどく荒れ果て足腰の筋肉はどこへ消えたのやら、関節は直ぐに外れる、股関節は亜脱臼寸前という、柔軟すぎる体ゆえの悩みを、解決するにはバレエが自分の性格と体の特徴に一番合った筋肉補強方法だと思いつめたからであった。


今日は申し込みに時間がかかり、到着してストレッチをする間も無くレッスンが開始されてしまった。
体が柔らかすぎるのが、大きな声で言えない(羨ましく思われる事が多く非常に不便している)コンプレックスなので、以前バレエをやっていた頃は必ず30分前にスタジオに入って入念にストレッチをしていたのだが、ストレッチをせずにレッスンを開始してしまったのがいけなかった。
唐突に、太ももの裏側がつった。
臀部から繋がる足の付根から膝にかけて痙攣を起こすかのような痛みに、最初耐えようとしたのだが、立っていられずにしゃがみこんでしまった。
前回体験レッスンで行った時には背筋がつったのだが、今回よりは痛くなかったのか、立っていられる場所だったのかそのまま出来たのだが、今回はどうしても立っていられず、脂汗を出しながらそのまま続ける。
その後、ストレッチの時間に確認すると色々と伸びていない筋がたくさんあったので、以後相当気をつけていかなければならない。

逆に、体験とはいえ一度バレエをやったくらいでは筋力がつかないので、足が勝手に寝ている間に上がりすぎて最近腰痛になりやすくなる程なので、はやく筋力をつけないといけない危機感にかられているのだが、他に長い間クラスを続けている人々は筋肉痛とは無縁であるらしい。
背筋がつる程に足を上げてみれば筋肉痛にはなれるんだが、一般に人は限界に挑戦しようとはしないのであろうか。
そもそも、私は常に限界に行こうとするのが常でありすぎるのであろうか。
どちらなのか分からないのだが、折角習っているのに汗一つかかないのは私の目から見て不思議で仕方が無い。


11月でクラスが終わってしまうのを一番最初に知ったのは先生を除き私だったらしいのだが、知った人々は、11月が終わったら飲み会をしましょうと言う。
私には、この都市の、何かあれば直ぐに飲み会をして親睦を深めようとする文化に馴染めない。
仲の良い人々と楽しく美味しく食事をし、酒を呑むのは好きである。

だがしかし、何故、私はあなたと酒を酌み交わさないといけないのですかと問いたくなる人々からも、誘いが来ると戸惑ってしまう。
この土地の文化というのではなく、社会では普通なのだろうが、


私は、私自身の時間を見知らぬ人間にもぎ取られるのは非常に不愉快だ。

と、ほぼ初対面に近い人物には言えず、微笑んで受け流すしかないのであった。
せいぜい、自分の持っているとっつきにくい雰囲気と話しかけにくい顔を利用するしか無い。



とヘラヘラ笑っていて気がついたのだが私はその辺りは自分の仕事で忙しいので知らない人と飲んでいる場合では本気で無いのであった。
しかし、知らない人に自らの仕事を教えるのも厭である。
気難しいと言われるかもしれない。
けれど、名前が知れ、職が知られると身元が割れるのが怖くて仕方がない。

日々恐恐としている。
もしかしたらノイローゼなのだろうか。
先々週は自らの醜形恐怖を疑ったが(実際醜形なので問題は無かった)他人の目が気になりすぎるのは醜形恐怖より医学的に問題が深いだろう。
だが病に慣れてしまっているのでこのまま暫く生きていこう。


慣れないバレエの慣れない日記はここまでにしておく。


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