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俗物・厭世日記
MACK
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1986年06月14日(土)
お祭り

吉原のお祭り。

1kmにも満たないアーケードのある商店街は車両通行止めになり、
山車がでている。歩道には露店がずらりと並ぶ。もう街の人は
全員参加という雰囲気で一杯である。

夕方、M君と喫茶店に入り、メシでも食おうということになった。
焼肉セットを注文したら、店のマスターが、「いやあ、今日はね
セットは出来ないんだよ。祭りでさあ、それどころじゃないから」
というような内容のことを吉原弁で言った。これで全員参加を
ますます確信したのだった。

仕方ないので他の店を探し、ラーメン屋に入った。席は7,8しか
ない狭い店だった。たまたま昼もラーメンだったので、ギョウザ・
ライスを頼んだ。店主は斎藤晴彦のような顔をして、フツーの
服装だった。ギョウザには肉が入っていなかった。店主はゆでタマゴ
のカラをむくとカラをスープの入ったずん胴に入れ、黄身を捨て、
白身だけを食べていた。M君とは一言も話さず、店を出たらみそ
ラーメンの味はどうだったか訊ねようと考えていた。
不思議な感じにつつまれた店だった。