米国発 金融危機関連情報

2009年02月28日(土) 大手銀19行の不良資産は

 報道
1、米当局、大手銀19行の資産査定を開始 資本不足なら予防注入
                     2009年2月26日   日経
2、米金融当局:大手銀の厳格な資産査定へ 新資金注入を検討
                      2009年2月26日 毎日
3、米で金融機関にストレス・テスト、経済深刻化へ耐久力検証
                     2009年2月26日 読売新聞
4、米シティ:18年ぶり株価1ドル台 国有化を懸念
                     毎日新聞 2009年2月21日 


 米財務省、米連邦準備理事会(FRB)など金融監督当局は25日、米大手銀行19行を対象に資産査定を開始したと発表した。今後2年間の経済環境が極めて悪化した場合も想定。資産内容がどの程度劣化するかを4月末までに査定し、潜在的な損失を個別行ごとに確定するという。

 検査は、資産規模が1000億ドル超(10兆円)の大手金融機関19行を対象に実施する。国内総生産(GDP)の実質伸び率を2009年がマイナス3.3%、10年年がプラス0.5%、失業率が09年8.9%、10年が10.3%になると想定し、厳しい経済情勢でも、十分な融資が出来る水準の自己資本を求めるものだ。果たしてこの検査で、不良資産の合計を公表するのだろうか。今までの報道を踏まえれば、この19行で200兆円前後の不良資産を抱えているのではないだろうか。

 米政府は2010年度の失業率が10%を超えることを認めたようなものである。2月7日の金融危機関連情報の資料に加筆したい
2007年12月末の失業者             893万人
2008年1月〜2009年1月までの失業者     360万人
                           1253万人 ・・失業率7.6%
2010年までの失業者               445万人
                           1698万人 ・・失業率10.3%

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1、米当局、大手銀19行の資産査定を開始 資本不足なら予防注入
             2009年2月26日   日経
 【ワシントン=米山雄介】米財務省、米連邦準備理事会(FRB)など金融監督当局は25日、米大手銀行19行を対象に資産査定を開始したと発表した。今後2年間の経済環境が極めて悪化した場合も想定。資産内容がどの程度劣化するかを4月末までに査定し、潜在的な損失を個別行ごとに確定する。資本不足が判明し、自力増資が困難な場合は公的資金による資本注入に踏み切る。
 大手米銀の資産査定は、ガイトナー米財務長官が10日に発表した包括的な金融安定化策の柱の1つ。条件や運用を見直した新しい公的資金注入の枠組みも同時に始動。米金融安定化はオバマ新政権の下で新たな段階に入った。

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2、米金融当局:大手銀の厳格な資産査定へ 新資金注入を検討
                      2009年2月26日 毎日
 【ワシントン斉藤信宏】米財務省や米連邦準備制度理事会(FRB)など米金融監督当局は25日、大手金融機関を対象にした厳格な資産査定を開始すると発表した。査定の結果、資本増強が必要と判明すれば、新たな公的資金の資本注入を検討する。
 米財務省によると、資産査定の対象となるのは、シティグループやバンク・オブ・アメリカなど資産規模が1000億ドル(約9兆7000億円)超の計19金融機関。米景気の一層の悪化にも耐えられる十分な資本を確保しているかについて、09年の失業率を8.9%、10年を10.3%との想定で審査する。オバマ米政権は4月末までのこの査定を通じて金融機関の経営、財務内容の透明性を高め、追加の資本注入への国民の理解を得たい考えだ。
 また、バーナンキFRB議長は25日、米下院金融サービス委員会の公聴会で証言し、シティに対する国有化懸念が市場に広がっていることについて「国有化の計画はない」と改めて明確に否定した。その上で「国が銀行の普通株を持つとしても過半数を保有することはないだろう」と述べ、普通株取得の可能性はあるとの見方を示した。シティについては、米政府が最大40%の普通株を取得する方向で詰めの協議が続いている。
 バーナンキ議長は「銀行の国有化は望んでいないし、その必要もない」と述べて、市場で広がっている銀行国有化の不安を「的外れな議論」と否定した。その一方で「資本注入することで銀行の貸し出し余力が増加し、貸し渋りなどを防げる」と資本注入の効果を強調。「国民全体を守るためには銀行を守らなければならない」と銀行支援への理解を求めた。

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3、米で金融機関にストレス・テスト、経済深刻化へ耐久力検証
                  2009年2月26日11時17分 読売新聞

 【ワシントン=矢田俊彦】米財務省や米連邦準備制度理事会(FRB)などは25日、大手金融機関に対し、経済がさらに悪化した場合に財務がどこまで耐えられるかを調べる検査(ストレス・テスト)を開始したと発表した。

 厳しい資産査定の結果、資本不足となった金融機関には、市場からの資本調達を促すが、できない場合は、政府が資本を注入する。注入は、普通株に転換可能な優先株の形態で行い、経営への政府の関与を強める。
 検査は、資産規模が1000億ドル超の大手金融機関19行を対象に実施する。国内総生産(GDP)の実質伸び率を2009年がマイナス3・3%、10年がプラス0・5%、失業率が09年8・9%、10年が10・3%になると想定し、厳しい経済情勢でも、十分な融資が出来る水準の自己資本を求める。
 検査は4月末までに終了し、資本不足となった金融機関には、6か月の自力での資本調達の期間を与えるが、資本不足が解消されない場合は、公的資金を注入する。
 オバマ大統領は24日の施政方針演説で、「(金融安定化の)計画には、かなりの政府資金が必要で、恐らくすでに確保した予算を上回る額となる」と述べ、公的資金を大規模に活用する意向を示している。

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4、米シティ:18年ぶり株価1ドル台 国有化を懸念
                    毎日新聞 2009年2月21日 
 【ワシントン斉藤信宏】20日のニューヨーク株式市場で米金融大手シティグループの株価が急落し、一時、前日終値比36%安の1.61ドルまで値下がりした。シティ株が1ドル台をつけたのは91年1月以来約18年ぶり。終値でも22%安の1.95ドルとなり、07年2月の50ドル台半ばの水準から約96%の下落となった。バンク・オブ・アメリカも、一時2ドル台まで値を下げた。
 20日の米株価は、大手銀行国有化への懸念が強まったことなどから金融株が主導する形で急落、ダウ工業株30種平均は、一時、216.48ドル安の7249.47ドルまで下落した。
 銀行国有化の観測は、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長が19日、「いくつかの銀行を一時的に国有化する必要が出てくるかもしれない」と述べたと伝えられたことや上院のドッド銀行住宅都市委員長の「(国有化)せざるを得ない可能性を懸念している」との発言が20日、報道されたことから、市場を駆け巡った。
 事態を重く見たホワイトハウスのギブス報道官は「オバマ政権は民間による銀行経営を正しい方法だと強く信じている」と述べ、国有化観測を否定。発言を受けてダウ平均は下げ幅を縮小し、終値は100.28ドル安の7365.67ドルとなり、バンカメも4%安の3・79ドルまで回復して取引を終えた。ただ、シティ株の戻りは鈍く、金融システム不安がくすぶる中、国有化への市場の懸念が根強いことをうかがわせた。シティにはこれまでに、公的資本450億ドル(約4兆2000億円)が注入されており、追加注入を受ければ、国有化に追い込まれる可能性が出てくるためだ。
 【ことば】シティグループ 米ニューヨーク市に本社を置く世界最大級の総合金融グループ。98年にシティコープ(銀行)とトラベラーズ・グループ(証券・保険)の統合で誕生。中核銀行のシティバンクを筆頭にカード、証券などの事業を100カ国以上で展開してきたが、相乗効果は十分上がらず、05年に旧トラベラーズの生命保険部門を売却。今回の金融危機による巨額の損失で経営危機に直面している。
毎日新聞 2009年2月21日 11時21分(最終更新 2月21日 13時06分)



2009年02月27日(金) オバマ米大統領の支持率急落


報道
1、オバマ米大統領:議会演説 「福祉重視」鮮明に
                 毎日新聞 2009年2月26日 東京朝刊
2、米国:オバマ大統領支持率、60%割れ 経済状況反映か
                 毎日新聞 2009年2月25日 19時39分
3、オバマ大統領:議会演説…厳しい現実、理想と落差大きく 
                 毎日新聞 2009年2月25日 15時13分
4、社説:オバマ演説 言葉に続く行動に期待する
                 毎日新聞 2009年2月26日 0時10分


 オバマ米大統領の演説には「国民の理解を求め説得に努める指導者の姿」(報道4から)がある。そして「自信と希望を共有しよう」という励ます言葉がある。更に「絶望的な状況下にあっても、米国民は乗り越える力を持っていると強調」している。「私たちは立て直し、回復し、より強いアメリカ合衆国となってよみがえるのです」と。

 しかし、理想と現実の落差は大きい。その第1がオバマ大統領の支持率が報道2の通り59%と急落している。不支持率も就任直後の13%から25%に上昇。大統領の経済政策に反対する共和党支持層が離反しているのである。

 目前には450億ドル(4兆5000億円)の資本注入を受けた金融大手シティグループとバンク・オブ・アメリカは、不良資産の処理が進まず経営危機が再燃している。また、経営危機に瀕(ひん)して政府支援でかろうじて存続している米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの判断は難しい問題だ。

 オバマ大統領は「自動車産業を一新して競争できる、勝てる産業にすることは大切だ。数百万人の雇用と数多くの地域社会がこの産業に依存しているからだ」としているが政府主導で民間会社が蘇生し例を知らない。GMとクライスラーの追加支援には米世論の風当たりが強く、大統領の支持率急落の原因になると思う。

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1、オバマ米大統領:議会演説 「福祉重視」鮮明に
毎日新聞 2009年2月26日 東京朝刊

 ◇共和党、強く反発
 【ワシントン及川正也、大治朋子】オバマ米大統領の24日の初の議会向け演説は、経済危機に直面する米国の再生を目指す「国家再建シナリオ」を明確に示し、国民に自信と活力を吹き込む狙いがあった。エネルギー、医療、教育が3本柱だが、透けて見えるのは連邦政府主導の福祉重視国家だ。これに対する共和党の反発は強く、新たな党派的亀裂も広がるなど、オバマ流の国家像をめぐる論争は今後も拡大しそうだ。
 ◇「米国は社会主義国家になる」
 オバマ大統領は演説で26日に議会に提出する予算教書が「アメリカのビジョン、将来の青写真になる」と明言。「決定的に重要」な政策としてエネルギー、医療、教育の三つを挙げ、国際的競争力の向上に意欲を示した。
 しかし、演説に対する共和党側の対抗演説で、次期大統領選の有力候補とされるジンダル・ルイジアナ州知事は「米国の強さは政府ではなく、市民の温情深い心と起業家精神にこそある」と真っ向から反発した。
 共和党には医療や教育は民間や州政府の仕事との考えが根強い。オバマ氏の医療保険改革には750億ドル(約約7兆2600億円)の巨費がかかるとの試算もあり、「米国は社会主義国家になる」(ギングリッチ元下院議長)と危惧(きぐ)する声も出ている。
 演説でも「これ以上、医療保険改革を先延ばしにすることはできない」とオバマ大統領が訴えると、民主党議員が総立ちで拍手を送ったが、共和党議員の大半は座席に身を沈めたままで、対立の根深さを見せ付けた。
 「分断」イメージを回避しようと、オバマ氏は市民ら22人を議場に招いた。経営する銀行を売却した資金を社員らに分け与えた男性。老朽校舎の改修を求めて地元議員に手紙を書いた女子中学生……。演説では、苦境下で希望と信念を持って生きる市民の姿に触れながら「すべての米国人がこの国を愛している。我々(政治家)に合意点を見いだしてほしいと期待している」と団結を呼びかけた。
 演説後のCNNテレビの緊急世論調査では、オバマ演説を「肯定的」に受け止めたのは92%と世論の期待は高い。AP通信によると、共和党のレーガン元大統領も議会対策で「非凡なことをした平凡な市民」を動員。その愛国心に訴えて団結を促した。同通信は、オバマ大統領も「その装置を借り出した」と指摘している。

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2、米国:オバマ大統領支持率、60%割れ 経済状況反映か
毎日新聞 2009年2月25日 19時39分

 米ギャラップ社が24日発表した世論調査によると、オバマ大統領の支持率が先月の就任以来、初めて60%を割り込み、59%になった。
 依然高支持率とはいえ、同社調査で就任直後の69%から下落傾向が続いている。改善の兆しの見えない経済状況を反映したとみられる。不支持率も就任直後の13%から25%に上昇。大統領の経済政策に反対する共和党支持層の離反が目立つ。
 調査は21日から23日にかけ全米有権者約1600人を対象に行われた。

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3、オバマ大統領:議会演説…厳しい現実、理想と落差大きく 
毎日新聞 2009年2月25日 15時13分

 【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は24日、就任後初の議会演説で「我々は立ち直り、米国はこれまでより強くなる」と訴え、経済危機を乗り越えるために改めて国民に団結と奮起を促した。ただ、米国経済の現実は厳しさを増している。当初目指した超党派の結束が崩れつつある中、大統領は今まで以上に難しい判断を迫られることが増えそうだ。
 オバマ政権の誕生から約1カ月間でダウ平均は1割超も下落し、大手金融機関は経営不振から国有化の危機がささやかれている。「目下の危機の重さでわが国の運命は決まらない」と強調したが、多くの難題が待ち構えている。
 経済危機に直面したオバマ大統領は、就任後の1カ月間で総額7872億ドル(約75兆円)の大型景気対策法案を成立させたほか、金融安定化策、総合住宅対策と矢継ぎ早に景気浮揚策を打ち出してきた。迅速な対応が奏功すれば「今年中にも景気悪化が止まり、10年には回復基調に向かう可能性もある」(米連邦準備制度理事会のバーナンキ議長)と見られており、依然として米国民の期待値は高い。
 しかし、景気回復の鍵を握る金融安定化への道のりは険しい。既に公的資金による450億ドルの資本注入を受けた金融大手シティグループとバンク・オブ・アメリカは不良資産の処理が進まず経営危機が再燃。20日にはシティの株価が1ドル台、バンカメも2ドル台まで下落した。
 また、経営危機に瀕(ひん)して政府支援でかろうじて存続している米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの再建も判断の難しい問題だ。追加支援には米世論の風当たりが強く、オバマ大統領は「自動車大手のあしき慣習を守るべきではないが、自動車産業を一新して競争できる、勝てる産業にすることは大切だ。数百万人の雇用と数多くの地域社会がこの産業に依存しているからだ」と理解を求めた。
 景気対策法案の審議過程で、民主、共和両党の対立が顕在化するなど、オバマ大統領の掲げた理想と足元の現実には大きな落差が生じ始めており、しばらくは苦しい政権のかじ取りが続きそうだ。
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4、社説:オバマ演説 言葉に続く行動に期待する
毎日新聞 2009年2月26日 0時10分

 国民の理解を求め説得に努める指導者の姿があった。自信と希望を共有しようと励ます言葉があった。
 就任から36日目のオバマ米大統領が24日行った52分の演説である。経済から安全保障まで米国が直面する課題について、政権の方針を打ち出す議会向けの演説だが、火曜の夜にテレビで見ている全米の一般の人々に直接語りかける演説でもあった。
 「経済が危機にあることは、統計を見るまでもありません。日々、みなさんはその中で生活しているわけですから」。“You”という二人称を用い、苦難を国民と分かち合う大統領であることを印象付けた。
 そして、絶望的な状況下にあっても、米国民は乗り越える力を持っていると強調し、鼓舞した。「私たちは立て直し、回復し、より強いアメリカ合衆国となってよみがえるのです」
 メッセージは届いたようだ。演説直後にCNNテレビが行った全米視聴者調査では、オバマ大統領の言葉を聞き、国の将来に「楽観的になった」と回答した人が85%に達し、「悲観的になった」の11%を大幅に上回った。
 対岸の国はうらやましい限りだが、大統領が直面する現実は極めて厳しい。
 米国を再び強くするため、「環境・エネルギー」「医療」「教育」に長期投資を行っていくと力強く表明したことは評価できる。だがそれには、一刻も早く金融システムを安定化させねばならない。経済の出血が続いていては、筋力増強どころではないからだ。
 その金融安定化には追加的な公的資金の投入が避けられない。大統領も演説の中で正直に認めた。しかし、議会の支持を得ることは容易ではない。目指した超党派の結束は実現しておらず、民主党内からも反発の声が上がるのは必至だ。
 大統領が国民に向けて熱く訴えたのは、まさにこのためだ。「救うのは銀行ではなく国民」と強調し、怒りに負けて銀行救済を躊躇(ちゅうちょ)していては、危機が10年も続くと述べたが、議会を説得するうえで世論を味方に付けることが不可欠だと考えるからだろう。
 就任から1カ月足らずで、72兆円規模の景気対策法を成立させたことは、異例のスピードといえる。しかし、急激に悪化する経済状況と株価下落など市場の動揺は、矢継ぎ早の大胆な対策を催促している。
 大統領演説は海外の目も意識したものだった。米国と世界が相互に依存し合う「新時代が始まった」とし、単独主義が目立ったブッシュ時代からの決別を鮮明にした。経済危機克服に、財政的、政治的資源を集中させねばならない現実がある。もはや単独では世界を主導できないと限界を認め、協力を呼びかけたものだ。
 大統領のメッセージは私たちにも伝わった。続く行動に期待したい。


















2009年02月26日(木) バーナンキFRB議長の証言をどこまで信用できる


1、バーナンキFRB議長の議会証言要旨
2009年 02月 25日 08:18 JST
2、FRBの資産残高は2 兆3100億ドルに増加
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200812200070a.nwc


 FRBの直近の資産残高は分からない。報道2によると、2008年12月18日資産残高は2兆3100ドル(231兆円)である。過去1年間で1兆4000億ドル(140兆円)増加した。金融危機以降ドル札を140兆円印刷して、民間の証券(融資を含む)を買い取ったのである。

 2009年02月24日、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、半期に一度の金融政策・経済報告に関する証言を行っている。証言の項目は以下の通りであるが、どこまで信用できるのか・・・という視点で読まなければならないと思う。

1、銀行はゾンビではない
2、銀行に対するストレス試験
3、FRBによる米国債買い入れの可能性
4、米国債の需要
5、銀行資本・ストレス試験
6、銀行のリスク・資本水準
7、経済見通し
8、インフレと金利

バーナンキ議長の経済見通しは次の通り抽象的だ。
「政府や議会、FRBの措置により金融安定がある程度回復すれば、その場合のみ現在の景気後退が2009年に終了し、10年は回復の年となるとの合理的な見通しが成り立つと考える」


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1、バーナンキFRB議長の議会証言要旨
2009年 02月 25日 08:18 JST

[ワシントン 24日 ロイター] バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が24日、上院銀行委員会で行った半期に一度の金融政策・経済報告に関する証言内容は以下の通り。

1、 <銀行はゾンビではない>
 どの銀行についてもゾンビという表現は適切ではない。すべての銀行が重要なフランチャイズバリューを有していると考える。貸し出しを行い、活動し、国際的な業務を行っている。(ゾンビというのは)正確な表現だとは思わない。わたしが指摘したいのは、こうした銀行に資本注入しても、傍観して好きなようにさせるつもりはないということだ。リスクを取ったり非効率なやり方を続けたりすることを許さない。銀行が収益性を回復するために必要な思い切った措置を取るよう、民間の株主と共に厳しく対処していく。それが最終的に民間投資家にプラスになる。

2、 <銀行に対するストレス試験>
 ストレス試験の結果は合格か失格かではない。国内のクレジット需要を満たすために銀行に必要な資本の規模だ。銀行と共同で取り組む上で、われわれは銀行の過半数を保有する必要はない。非常に強固な監督制度が存在する。リストラに向けて必要なことは何でも行うよう促す場合も、不良資産を分離し収益性を高めるためにあらゆる措置を取るよう求める場合も、銀行と共に取り組むことが可能だ。管理下に置く必要はない。

3、 <FRBによる米国債買い入れの可能性>
 われわれの目的は、あらゆる目的のための借り入れが可能となるように民間のクレジット市場の機能を改善することだ。民間市場の機能改善や金利引き下げに最適だと判断すれば、米国債を買い入れる用意があり、この選択肢をオープンにしておきたい。現在、ほかにいくつかのプログラムが進行している。ひとつは政府系住宅金融機関(GSE)が発行・保証する住宅ローン担保証券(MBS)や機関債の買い入れであり、もうひとつは予定されているターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)の拡充だ。われわれはこの(国債買い入れの)選択肢も引き続きオープンにしておくが、民間市場の問題に対処する上でこれ以外の方法に注目している。

4、 <米国債の需要>
 少なくとも今のところはドルも米国債も依然として世界中で魅力があるようだ。米国債には多大な需要がある。しかしながら、われわれは数兆ドルの負債を永久に抱えていくことはできない。この危機から抜け出し回復局面に入った時点で、財政状況を管理し赤字を持続可能な水準へ引き下げることが極めて重要になる。今のところは米国債に対する外国の需要はおう盛だ。しかし(財政状況を)管理できなければ、いずれ信頼を失うことになる。

5、 <銀行資本・ストレス試験>
 大手金融機関はすべて現行の規制水準を満たしており、資本は十分にある。ストレス試験を実施する目的は、向こう1年間で見込まれる弱い経済状況の下だけでなく、今後状態が予想以上に悪化した場合でも、資本が十分であることを確実することにある。さらに、資本の質も良好であるべきで、ほかならぬ普通株が資本の十分な部分を占めることが望まれる。
 ストレス試験の目的とは、現在の予想以上に経済状況が悪化した場合でも、金融機関が貸し出しを行い経済を支援するために、追加資本がどの程度必要になるのか、またどのような種類の資本が必要になるのかを判断することである。

6、 <銀行のリスク・資本水準>
 われわれは、リスクが何であるかを判別するのに一段と積極的であるべき。そのためにストレス試験を実施し、個別資産への資本割り当てには慎重となる必要がある。資本割り当て時にリスク特性で不足が認められる資産は確実に存在した。バランスシート外のエクスポージャーなど他の事柄も査定する必要がある。
7、 <経済見通し>
 経済活動の見通しには大幅な不透明性が存在し、全般的には下振れリスクが上振れリスクをおそらく上回ると考える。(見通しに影響する)ひとつのリスクは世界的な景気鈍化から生じる。これは米輸出や金融状況に予想以上の悪影響を及ぼす可能性がある。もうひとつのリスクは、経済と金融の状況の弱まりが相互に影響を及ぼす、いわゆる負の連鎖がもたらす破壊的な力から生じる。この負の連鎖を絶つには、金融機関や金融市場の安定化に向けた政府の強力な措置で財政出動による刺激策を引き続き補完することが不可欠だ。政府や議会、FRBの措置により金融安定がある程度回復すれば、その場合のみ現在の景気後退が2009年に終了し、10年は回復の年となるとの合理的な見通しが成り立つと考える。

8、 <インフレと金利>
 前回の金融政策報告を提出した時点では、FRBはインフレの高進と失業率の上昇の双方に直面していた。しかしその後、インフレ圧力は大幅に和らいだ一方、失業率の上昇は加速し金融状況は悪化した。
 こうした動向を踏まえ、FRBは経済活動をてこ入れし、金融市場の機能を改善するため、あらゆる利用可能な手段を用いることを約束する。当面異例に低い水準のフェデラルファンド(FF)金利が経済状況により正当化される可能性が高いと、連邦公開市場委員会(FOMC)は予想する。
原文参照番号[nN23260113](3000Xtraをご利用の場合、配信後24時間以上経過した記事でも380日以内であれば[ID:nN23260113]でご覧になれます。なお、契約の内容によっては、原文がご覧いただけない場合もあります)


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2、米連銀貸し出しは1日平均1432.1億ドルに減少、FRB資産残高も減少=FRB
2009年 02月 13日 07:20 JST
 [ニューヨーク 12日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が12日発表したデータによると、11日までの1週間の連銀貸し出しは1日平均1432億1000万ドルで、前週の1536億9000万ドルから減少した。
 FRBの資産残高は11日時点で1兆8270億ドルで、4日時点の1兆8340億ドルから減少した。
 商業銀行向けのプライマリー貸し出しは1日平均645億7000万ドル。前週の674億3000万ドルから減少した。
 CPFF(コマーシャルペーパー・ファンディング・ファシリティー)によるポートフォリオ保有は、ネットで2512億1000万ドルだった。4日時点の2586億6000万ドルから減少した。
 
原文参照番号[nNYE000505](3000Xtraをご利用の場合、配信後24時間以上経過した記事でも380日以内であれば[ID:nNYE000505]でご覧になれます。なお、契約の内容によっては、原文がご覧いただけない場合もあります)
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3、FRBの資産残高は2兆3100億ドルと増加
2008/12/20

http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200812200070a.nwc


 FRB(米連邦準備制度理事会)の資産が17日終了週に490億ドル(約4兆3683億円)増加したことが、FRBが18日公表した週間の貸借対照表報告で分かった。FRBの資産残高は2兆3100億ドルと、過去1年間で1兆4000億ドル増加した。FOMC(米連邦公開市場委員会)は今週、金融政策の軸足を金利からバランシスートに移す方針を示す。





















































2009年02月25日(水) GM、クライスラーの破綻処理を検討 米紙報道

報道
1、米GM・クライスラ ー:破綻処理3.7兆円以上 再建を本格検討
          2009年2月24日 ウォールストリート・ジャーナル
2、GM、クライスラーの破綻処理を検討 米紙報道
             2009年2月24日1時52分 朝日新聞

 経営危機に陥っている自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、米政府が「破綻(はたん)処理をしたうえで再建を目指す手法の具体的な検討に入った」という。破たん処理は理解が届くが、政府主導での再建などは出来ないと思う。両社の破綻処理には少なくとも、過去最高となる400億ドル(約3兆8千億円)の費用が必要だという。

 政府が民間の企業活動に手を出すから400億ドル(約3兆8千億円)の税金をつぎ込む必要があるのだ。AIG・シテイなどに10兆円以上の支援を行うなどは、本来自由主義社会ではありえないことなのである。米国流自由主義社会の崩壊を予言している書籍があるが、それが現実化するように思えてならない。

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2、米GM・クライスラー:破綻処理3.7兆円以上 米政府、再建を本格検討
           2009年2月24日 ウォールストリート・ジャーナル
【ワシントン斉藤信宏】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は23日、経営危機に陥っている米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの再建について、米政府が破綻(はたん)処理を視野に入れ金融機関などと具体策の検討に入った、と報じた。日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条に基づく破産手続きを進めることを想定、最低400億ドル(約3兆7000億円)の過去最大規模の破綻処理費用を見込んでいる。
 報道によると、政府関係者は「すべての選択肢を検討している」と破綻処理の可能性を認めた。GM、クライスラーの主要取引銀行のシティグループやJPモルガン・チェースと破綻処理に必要な費用について協議を始めており、銀行融資に政府保証をつける方向で交渉している。ただ、金融機関側は新たな融資に慎重な姿勢を崩していないという。
 オバマ米大統領は「自動車業界で今以上の大量失業を発生させることは望ましくない」と語るなど破綻処理に消極的だが、ガイトナー米財務長官らを中心とした特別作業部会は破綻処理を真剣に検討しているという。
 GMとクライスラーは米政府に17日提出した再建計画で、計5万人の人員削減など大規模なリストラ策を表明するとともに、米政府に計216億ドルの追加支援を要請していた。

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2、GM、クライスラーの破綻処理を検討 米紙報道
                 2009年2月24日1時52分 朝日新聞
 【ニューヨーク=山川一基】経営危機に陥っている自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに対し、米政府が破綻(はたん)処理をしたうえで再建を目指す手法の具体的な検討に入った、と23日の米紙が報じた。両社の破綻処理には少なくとも、過去最高となる400億ドル(約3兆8千億円)の費用が必要だという。
 米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)の報道によると、米オバマ政権は、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条で両社を破綻処理することを「選択肢として真剣に検討している」(政権関係者)といい、シティグループやJPモルガン・チェースなどの大口債権者と協議を進めている。
 英ロイター通信も23日、米財務省の外部専門家が両社の処理に絡む危機対応融資の検討を始めた、と報じた。
 破産法11条を適用すると、債務関係を整理して財務体質を改善できるうえ、労務費も削減しやすくなる。
 報道によると、破綻処理後に金融機関に再建資金を出資させ、それを政府が保証する。資金の一部は、政府がすでに両社に融資した174億ドルの返済に回したい考えだが、金融機関は難色を示しているという。
 米政府の検討の背景には、両社が17日にこれまでの融資を上回る216億ドルの追加融資を要請し、これ以上の融資に対し焦げ付きの懸念が高まっていることがある。
 一方、GMとクライスラーは17日の再建計画で、破綻処理した場合は政府に計1250億ドルの負担が生じるとしていた。ただ、破綻処理の専門家はそれほどかからないとみている。
 



2009年02月24日(火) 米AIG6兆円の損失計上へ、政府との交渉決裂なら破たんも


報道
1、米AIGが多額の損失計上へ、政府との交渉決裂なら破たんも=報道
                   2009年 02月 24日 06:50 JST
2、商業用不動産の問題、回復の足かせとなる可能性=米地区連銀総裁
                    2009年 02月 24日 07:41 JST

 報道2の通り米国経済は、住宅バブル崩壊の次は商業用不動産の下落による巨大損失が内在しているようだ。世界に衝撃を与えるような問題が、米国から噴出すると考えなければ成らない。

米保険大手AIGは、商業用不動産をはじめとする資産の評価損が響き、600億ドル(6兆円)近い損失を計上するという。 ロイターが関係筋から入手した情報によると、同社は追加の公的資金注入の可能性をめぐり米政府と協議している。政府との交渉決裂なら破たんの可能性もあるのだ。
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米AIGが多額の損失計上へ、政府との交渉決裂なら破たんも=報道
                     2009年 02月 24日 06:50 JST
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 [ニューヨーク 23日 ロイター] 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)は、商業用不動産をはじめとする資産の評価損が響き、600億ドル近い損失を計上する見込み。関係筋の情報としてCNBCが23日報じた。
 ロイターが関係筋から入手した情報によると、同社は追加の公的資金注入の可能性をめぐり米政府と協議している。米政府とは債務の株式交換なども話し合われているという。
 同筋は、状況は流動的で他の選択肢も協議されており、どのような結論に至るかは不透明だとした。
 CNBCによると、AIGの取締役会は3月1日に会合を開き、政府との合意に向け話し合う。交渉決裂に備え、法律事務所ワイル・ゴットシャル&マンジェスの弁護士が経営破たんの準備をしているという。
 AIGはコメントを控えている

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2、商業用不動産の問題、回復の足かせとなる可能性=米地区連銀総裁
2009年 02月 24日 07:41 JST
 [オーランド(米フロリダ州) 23日 ロイター] 米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は23日、商業用不動産に関連した問題が年内の景気回復にとって足かせとなる可能性があるとの認識を示した。
 「多くの銀行には商業用不動産へのかなり大幅なエクスポージャーがある。証券化市場の大きな部分を占めてもいる。商業用不動産は懸念事項だ」と述べた。
 「2007―08年は悪い意味で住宅不動産の年だったが、09年は商業用不動産の年になる可能性がある。わたしの安眠を妨げている国内要因の1つだ」と述べた。
 総裁は米当局による大胆な措置は09年下半期の成長回復につながるとの見方を示し、連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向け政策金利を引き上げる可能性があると強調した。
 質問への回答として「ハイパーインフレ、深刻なインフレのリスクはほとんどないと考えている。どちらかと言えば、その逆を懸念している」と述べた。その上で「予見可能な将来に必要となることの1つは、景気回復とともに一段と伝統的な政策に戻り、FRBのバランスシートを縮小することだ。利上げも考えられる。長期のインフレを確実に回避するため、適切な時期を見極めなければならない」と述べた。
 講演原稿で総裁は、FRBは景気をてこ入れするため利用可能なすべての手段を用いてきたと指摘。金融機関のバランスシート改善に向けた政府の対策を支持するとし「金融機関への資本注入により米財務省は金融機関のバランスシートをこれまでに強化してきたが、これからもさらに強化するだろう」と述べた。
 経済については、リセッション(景気後退)の開始時と終了時を判断することは非常に困難とした上で、「経済見通しは景気後退入りには過剰に楽観的になり、景気後退を脱し経済が拡大し始める時期には過剰に悲観的になるきらいがある。そのことを慰めとすべきかもしれない」と述べた。
 自身の見通しについて、商業用不動産や州・地方政府の財政状況などで一部大きなリスクが見られると指摘した。
 「日本経済の動向にも注視している。2008年10─12月期の国内総生産(GDP)がマイナス13%となり、デフレ圧力が加速している」とも述べた。
 中国が急速に内需を拡大する可能性についての質問には、中国政府が発表した景気刺激策の迅速な効果は期待していないとした。「短期的にそれが可能となるかは疑問の余地がある。高水準の貯蓄・低水準の消費から比較的低水準の貯蓄・比較的高水準の消費への短期間のシフトは簡単にできることではない」と述べた。






2009年02月23日(月) 日米 マイナス成長率の比較



報 道
1、米成長率、マイナス5%予測 1―3月期、エコノミスト協
                     2009年2月23日  日経
2、米、マイナス5%成長に=第1四半期−エコノミスト予測
                     2009年2月23日 時事通信
                     
3、米、マイナス3.8%成長 実質GDP、10―12月年率
                 2009年02月02日 米国発金融危機情報
                         
4、 GDPが121兆円(560兆円―439兆円)も縮小する情勢
                  2009年2月17日 日々の映像から

       10−12月      1−3月
日本    12.7%マイナス    10%マイナス(エコノミストの見通し)
米国     3.8%マイナス    5%マイナス(エコノミスト協会の見通し)

 金融危機の発生国が、3.8%〜5%マイナスなのに、日本が歴史上例を見ない2期連続2桁のマイナス(1−3月は予測)なのである。この減少規模を2月17日に書いたが、再度ここに引用したい。
7−9月GDP     560兆円
10−12月GDP   489兆円 (560兆円−71兆円)前期比12.7%マイナス
1−3月GDP    439兆円  (489兆円―50兆円) 前期比10%マイナス

 上記の通り日本のGDP12,7%〜10%、金額で表わせば121兆円(560兆円―439兆円)も縮小する趨勢なのである。それに対して、米国のマイナス成長は3.8%〜5%マイナスでしかない。金融危機で最も打撃を受けるのは日本のようだ。

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1、米成長率、マイナス5%予測 1―3月期、エコノミスト協
                     2009年2月23日  日経
 【ワシントン=米山雄介】全米企業エコノミスト協会(NABE)は23日、最新の米経済見通しを発表した。2009年1―3月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比の年率換算でマイナス5.0%成長に落ち込むと予測。昨年11月予測(マイナス1.3%)を大幅に下方修正した。米景気はマイナス3.8%成長(速報値)を記録した昨年10―12月期から一段と悪化し、回復は今年後半以降とのシナリオを示した。
 調査は米有力企業エコノミスト47人を対象に1月下旬から2月中旬にかけて実施。予想の中央値を公表した。
 米成長率見通しでは、昨年11月予測でプラス0.5%と見込んでいた09年4―6月期もマイナス1.7%成長に落ち込むと予想。年後半の2.四半期は1.0%、2.1%のプラス成長を見込むが、09年通年ではマイナス1.9%成長にとどまると予測した。(15:19)

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2、米、マイナス5%成長に=第1四半期−エコノミスト予測
                     2009年2月23日 時事通信
 【ワシントン23日時事】全米企業エコノミスト協会(NABE)は23日、2009年第1・四半期の米実質GDP(国内総生産)がマイナス5.0%に落ち込むとの予測を発表した。昨年11月時点の予測(マイナス1.3%)から大幅下方修正した。住宅や株価の下落、信用逼迫(ひっぱく)で消費者が支出を手控えているためで、09年通年ではマイナス1.9%を見込む。失業率は下半期に景気回復が始まってからも上昇を続け、第4・四半期には9%に到達する見通しだ。(2009/02/23-14:15)

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3、、米、マイナス3.8%成長 実質GDP、10―12月年率
                         米国発金融危機情報
報道
1、米、マイナス3.8%成長 実質GDP、10―12月年率
                      2009年3月11日 日経
2、米GDP:年率換算、成長率3.8%減 27年ぶり−−10〜12月
                     毎日新聞 2009年1月31日 


 商務省が30日発表した昨年10―12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期の昨年7―9月期(0.5%減)に比べ年率換算(季節調整済み)で3.8%減少した。¥
 2期連続のマイナス成長。個人消費など内需が総崩れとなったうえ世界経済の失速で輸出もマイナスに転じた。内需の悪化が明らかになったのは2008年11月からであった。それで、万明日3.8%マイナスであるので、1−3は更に悪化すると思う。米国の景気後退は戦後最長になることは必至だろう。
 オバマ大統領は30日の演説で「景気後退は深刻になっている」と発言、議会で審議中の景気対策の早期成立を訴えた。米国の輸出が19・7%減。自動車や家電などの耐久消費財が22・4%減などの傾向は、日本の姿と同じである。底の見えない大不況・・なんとも不気味な社会の映像である。

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4、GDPが121兆円(560兆円―439兆円)も縮小する情勢
                   2009年2月17日日々の映像から
•報道
1─3月期GDP、前例ない2四半期連続2けたマイナスか
                 2009年 02月 16日 16:43 JST

リーマン破たんの報道は2008年 09月 16日であった。
http://ameblo.jp/syougai3/entry-10194217782.html
米国の金融機関への信用の崩壊で大変なことになると認識、9月18日から「米国発 金融危機関連情報」と題して、1日休むことなく記述を続けてきた。最近になった金融危機の巨大な負の津波が明らかになってきている。

 昨日は10−12の実質GDPのことを書いた。報道によれば1−3月のGDPは10%減となるようだ。分かりやすく説明すると次のようになるとの予想なのだ。
7−9月 GDP 560兆円
10−12月GDP 489兆円 (560兆円−71兆円)前期比12.7%マイナス
1−3月 GDP 439兆円 (489兆円―50兆円) 前期比10%マイナス

 上記の通りGDPの規模が121兆円(560兆円―439兆円)も縮小するのである。金融危機が発生してから5ヵ月も経ってから、「戦後最大の経済危機」(与謝野馨経済財政担当相)などというコメントを見ると笑止千万である。戦後経験してことにない大恐慌に突入しているのだ。未だに僅かの補正予算が成立していないのだからどうにもならない。
 
 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20090218
 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20090217





2009年02月22日(日) NY株、連日の安値 ダウ工業株価7365ドル


1、NY株、連日の安値 銀行国有化懸念が消えず
                2009年2月22日  日経
2、NY株100ドル安 シティ、GMは1ドル台
                2009年2月21日9時30分  朝日
3、NYダウ7365ドル…6年ぶり安値
                2009年2月21日10時39分 読売新聞

 2008年5月2日ダウ工業株平均は13058ドルであった。ここで記述するまでもなく、08年11月に急落その後上昇の機会がなく、20日は100ドル28セント安の7365ドル67セントと年初来安値を連日で更新した。この株安の原因は銀行株なのである。

  5月20日は有力上院議員が「短期的な銀行国有化が避けられないかもしれない」と発言。同じくグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「米銀行のいくつかは、一時国有化もやむを得ない」と述べたと伝えられ、市場全体に金融システムへの不安感がくすぶっている。まだ、何が飛び出してくるか分からないのである。

株価をメモ。
米大手銀行シティグループの株価  1ドル95セント、
バンク・オブ・アメリカの株価   3ドル79セント
GMの株価            1.ドル77セント         
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1、NY株、連日の安値 銀行国有化懸念が消えず
                      2009年2月22日  日経
 【ニューヨーク=山下茂行】20日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が続落し、前日比100ドル28セント安の7365ドル67セントと年初来安値を連日で更新し、約6年4カ月ぶりの安値水準で取引を終了した。大手銀行の国有化懸念が消えないためで、今週1週間でダウ平均は合計484ドル安と大幅に下落。オバマ政権は大規模な景気対策や住宅ローン対策を相次いで打ち出しているが、金融安定化策の詳細を詰めきっておらず、市場の不安心理を沈静化できないでいる。
 ダウ平均はこの日、一時7249ドル47セントと216ドル安まで下落幅を拡大した。米政府が金融安定化の一環として一部の銀行の国有化に踏み切るのではないかとの見方が浮上。国有化に伴う銀行株の株主価値低下への懸念が強まった。
 その後、ギブズ米大統領報道官が銀行の国有化を否定したため一時、買い戻しの動きもみられたが、再び売りが出てダウ平均は大幅安で終わった。主要金融株の下げが目立ち、米大手銀行シティグループの株価は1ドル95セント、バンク・オブ・アメリカは3ドル79セントに落ち込んだ。(12:01)
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2、NY株100ドル安 シティ、GMは1ドル台
2009年2月21日9時30分  朝日
 【ニューヨーク=山川一基】20日のニューヨーク株式市場は金融不安の高まりで続落した。大企業で構成するダウ工業株平均は前日比100.28ドル安の7365.67ドルで取引を終了。終値としては、02年10月以来、約6年4カ月ぶりの安値水準となった。
 取引時間中には一時、前日比216.48ドル安の7249.47ドルをつけた。
 金融危機が長引くなか、国有化が取りざたされているシティグループは一時、前日比36%安の1.61ドルに急落した。シティ株が1ドル台をつけたのは91年1月以来約18年ぶりで、終値も1.95ドルにとどまった。バンク・オブ・アメリカは一時36%安になってから反発するなど乱高下した。
 20日は有力上院議員が「短期的な銀行国有化が避けられないかもしれない」と発言したことが報じられた。
 また、傘下のスウェーデン自動車メーカー、サーブが実質倒産したゼネラル・モーターズ(GM)は約12%安の1.77ドルで取引を終えた。GMが1ドル台をつけたのは昨年11月20日以来3カ月ぶり。
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3、NYダウ7365ドル…6年ぶり安値
2009年2月21日10時39分 読売新聞

 【ニューヨーク=山本正実】20日のニューヨーク株式市場は、米金融大手の国有化観測が広がるなど金融不安への懸念から、ダウ平均株価(30種)は一時、前日比216・48ドル安の7249・47ドルまで値下がりした。
 その後、下げ幅を縮小し、前日比100・28ドル安の7365・67ドルと続落して取引を終えた。いずれも、2002年10月以来、約6年4か月ぶりの安値だ。終値は、2月20日までの1週間で6%下落した。
 ハイテク銘柄が中心のナスダック店頭市場の総合指数は、同1・59ポイント低い1441・23で取引を終えた。
 前日、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「米銀行のいくつかは、一時国有化もやむを得ない」と述べたと伝えられ、市場全体に金融システムへの不安感がくすぶっている。大統領報道官がこうした国有化観測を否定すると、下げ幅はやや縮小したが、株価を押し上げるまでには至らなかった。〈関連記事2面〉
(2009年2月21日10時39分 読売新聞)







2009年02月21日(土) スウェーデンGM傘下のサーブ経営破綻

報道
1、スウェーデンのサーブ、事実上の経営破綻
                     2009年2月20日  日経
2、GM、ブランド再編本格化 オペル分離浮上・サーブ破綻も
                     2009年2月19日  日経
3、社説1 混迷続く米ビッグスリーの再建
2009年23月19日  日経

 私はサラリーマン重役であったが43歳から20年間新潟の中堅企業(製造業)の役員をしていた。これらの経験を踏まえるとGMの再建は不可能という前提に立って記述している。GMに対する関心は、どのような崩れ方をするかの一点である。今回は子会社のサーブが崩れた。

 年間で150万台余りを供給して来たスウェーデンのGM傘下のサーブが経営破綻した。08年に150万台の販売実績があるオペルは、GMの欧州事業の主力ブランドであった。GMはスウェーデン政府に対し、サーブ救済のため約5億7000万ドル(約520億円)の金融支援を要請していたが、支援が得られなかったのである。

 金融危機以後、経営破綻した欧米の大手自動車メーカー1号である。国が手を出さなければ、半年余りで世界の自動車の需給バランスは取れるのである。この点スウェーデン政府が金融支援をしなかったのは正解中の正解である

 18日に記述したが、米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは米政府に新たな再建計画を提出し、両社合計で216億ドル(約2兆円)の追加支援を要請した。部品メーカーも負けてはいない。米自動車部品工業会は破綻回避のために最大255億ドル(2兆3000億円)の支援を政府に要請した。米政府は自由経済システムを破壊するこれらの動きに、きっぱりと縁を切るべきだ。

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1、スウェーデンのサーブ、事実上の経営破綻
                     2009年2月20日  日経
 【ロンドン=清水泰雅】スウェーデンの自動車大手で、米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のサーブが20日、事実上経営破綻した。金融危機をきっかけにした世界的な新車販売の低迷で、業績が悪化。GMはスウェーデン政府に求めていたサーブへの金融支援も得られなかったため、法的管理下で再建を目指す。金融危機以後、経営破綻した欧米の大手自動車メーカーははじめてで、自動車業界で破綻が相次ぐ可能性がある。(19:00)
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1、GM、ブランド再編本格化 オペル分離浮上・サーブ破綻も
           2009年2月19日 日経(破綻発表前の報道)
 米ゼネラル・モーターズ(GM)が経営再建へ向け傘下に抱えるブランドの再編を本格化する。再建計画で発表した米国の8ブランドの半減とは別に、独オペルの分離・売却案が浮上。スウェーデン「サーブ」は月内に再建へ向けた法的整理を申請する可能性も出てきた。こうしたブランド統廃合が実現すると、2008年に836万台だった世界販売が600万台強まで減る可能性もある。
 欧米メディアは19日までに、欧州GM首脳がオペルの保有株売却や他社との提携を模索する意向を示したと報じた。欧州GMの労働組合などは、オペルをGM本体から分離・独立させることを求めているという。08年に150万台の販売実績があるオペルは、GMの欧州事業の主力ブランド。
 一方、GMはスウェーデン政府に対し、サーブ救済のため約5億7000万ドル(約520億円)の金融支援を要請。GMは同政府から支援が得られない場合、サーブは「月内にも再建へ向けた法的整理を申請する可能性がある」とした。同政府は支援に難色を示しているという。(ニューヨーク=小高航)(14:02)
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3、社説1 混迷続く米ビッグスリーの再建
2009年23月19日  日経
 
米ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは米政府に新たな再建計画を提出し、両社合計で216億ドル(約2兆円)の追加支援を要請した。米自動車市場の落ちこみは止まらず、公的支援はさらに膨らむ恐れがある。発足早々のオバマ政権は難しい判断を迫られる。

 GMとクライスラーは昨年末の政府決定で計174億ドルの公的融資を受けた。ところが、その後も資金流出に歯止めがかからず、追加支援を要請せざるを得なくなった。GMなどは人員削減やブランドの整理を進めると表明したが、それで収支が均衡するかどうか微妙だ。

 再建の具体策をめぐって、関係者間の調整が難航していることも前途の多難さを示している。退職者向けの医療保険基金への拠出について、GMは負担軽減を要求しているが、全米自動車労組(UAW)は譲らず、着地点は見えていない。

 債権者に対しては「債権の株式化」を求めているが、こちらも先行き不透明だ。債権を株式化できれば貸借対照表の強化につながり、金利負担も軽減されるが、債権者の合意を取り付けられなかった。

 米自動車危機はGMなどの大手3社(ビッグスリー)にとどまらず、部品会社にも広がっている。米自動車部品工業会は破綻回避のために最大255億ドル(2兆3000億円)の支援を政府に要請した。部品会社が破綻すれば、そこから部品を購入する日系企業にも支障が出る。

 米政府としても多数の雇用を抱える自動車産業の先行きに無関心ではいられず、ガイトナー財務長官らが率いる特別チームをつくって、追加支援の是非などを検討する。

 GMが倒産した場合の世界経済に与える衝撃を考えれば、追加支援もやむを得まい。だが、公的支援は緊急避難のための一時的な措置で、そこから先は企業独自の力で経営を立て直す必要がある。そのためにはUAWなどの関係者も痛みを分かち合う覚悟が不可欠だ。

 いま世界的に自国企業優先主義の風潮が高まっているが、その出発点は米政府によるビッグスリーの救済問題だった。近く訪米する麻生太郎首相も、オバマ大統領に対して、自国企業の保護が行き過ぎないようしっかりクギをさしてほしい。

 民間企業は自由競争による優勝劣敗が原則であり、政府支援はあくまで例外措置だ。これが常態化すれば、競争条件はゆがみ、産業構造の転換も進まない。自由競争の原則に立ち戻るためにも、ビッグスリーの一日も早い経営再建が望まれる。



2009年02月20日(金) 米大統領、借り手救済へ7兆円

 報 道
1、住宅対策を正式発表 米大統領、借り手救済へ7兆円
                       2009年2月19日  日経
2、米国:住宅ローン、公的資金で元本削減 借り手救済7兆円
              毎日新聞 2009年2月19日 東京朝刊
3、米住宅対策:識者はこうみる
                    2009年 02月 19日 04:50 JST
4、米政府が住宅対策発表、900万件の差し押さえ回避狙い
                    2009年 02月 19日 03:16 JST

 昨日「米国の過剰消費文化の崩壊」と題して書いた。今日のニュースは米国民の借金1430兆円の一部の救済である。この政策が果たしてよいのかどうか、歴史の審判によるしかない。消費バブルを作った国民に対して、低金利での支援は理解できるが、元本7兆円もカットしてやるような政策は賛成できない。何もしないで、900万件の差し押さえを容認、生活文化の転換を迫る事もひとつの政策ではないかと思う。

 今回の政策の骨子は次の通りである。
「米政府は18日、住宅ローンの焦げ付きで急増している住宅差し押さえを抑制するため、最大900万世帯の住宅ローンの借り手を対象に、低利子ローンへの借り換えを支援したり公的資金によってローンの元本を条件付きで削減することなどを柱とする総合住宅対策」(資料2から)

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1、住宅対策を正式発表 米大統領、借り手救済へ7兆円
                       2009年2月19日  日経
 【ワシントン=米山雄介】オバマ米大統領は18日、アリゾナ州で演説し「住宅ローンの危機がもたらす負の連鎖に歯止めをかけるため、大胆かつ迅速に行動すれば、1人ひとりの米国民が恩恵を受ける」と述べ、ローンの借り手救済に750億ドル(約7兆円)の公的資金を活用することなどを柱とする包括的な住宅対策を正式に発表した。
 大統領は、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を通じて住宅ローンを借り入れている400万―500万世帯を対象に「低利ローンへの借り換えを可能にする」と表明。
 債務不履行や住宅差し押さえに直面している借り手を対象に「ローンの返済条件を見直すための新たな奨励策を設ける」と述べた。

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2、米国:住宅ローン、公的資金で元本削減 借り手救済7兆円−−米政府対策  毎日新聞 2009年2月19日 東京朝刊
 【ワシントン斉藤信宏】米政府は18日、住宅ローンの焦げ付きで急増している住宅差し押さえを抑制するため、最大900万世帯の住宅ローンの借り手を対象に、低利子ローンへの借り換えを支援したり公的資金によってローンの元本を条件付きで削減することなどを柱とする総合住宅対策を発表した。オバマ米大統領は、住宅市場対策を大型景気対策や金融安定化策と並ぶ経済再生プランの柱と位置づけており、今回の借り手救済策をきっかけに低迷の続く住宅市場のテコ入れに本格的に取り組む方針だ。
 新たな対策は、住宅ローンの返済額が月収の4〜5割に達し、返済に窮している最大400万世帯に対し、総額750億ドル(約6兆9000億円)の公的資金でローンの元本を削減するなどの支援を実施する。
 また、政府系住宅金融2社に対する公的資金による資本注入枠を現状の2倍の各2000億ドルに拡大し、低利住宅ローンの供給を後押しする。
 米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が米国型量的緩和政策の一環として、政府系住宅金融2社の保証する住宅ローン担保証券(MBS)の買い取りを進めている。その効果もあり、返済期間30年の住宅ローン金利は史上最低の水準で推移している。

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3、米住宅対策:識者はこうみる
2009年 02月 19日 04:50 JST

 [ニューヨーク 18日 ロイター] オバマ米政権は18日、最大2750億ドル規模の住宅市場安定化策を公表した。最大900万世帯の差し押さえ回避に向け、公的資金により住宅ローンの組み換えや借り換えを支援する。市場関係者のコメントは以下の通り。
●ありきたりの対策では効果薄
 <ディシジョン・エコノミクス(ニューヨーク)のシニア・エコノミスト、ピエール・エリス氏>
 この日発表された1月の住宅着工件数が需要低迷でさえない結果となったことからも分かるように、住宅市場が抱える問題はとてつもなく大きく、ありきたりの対策では手に負えない。住宅建設は非常に低調となるなか、現在は在庫調整が進ちょくしており、将来的には市場の持ち直しも見込まれる。しかし、回復に欠かせない需要サイドの動向については、今後も通常と比較してかなり弱いだろう。
●大きな助け、GSEへの資金供給は有効
 <LPBキャピタルの最高投資責任者アンドリュー・ベコフ氏>
 住宅対策は大きな助けになる。政府の措置と連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.P: 株価, 企業情報, レポート)および連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.P: 株価, 企業情報, レポート)への追加資金供給により、数百万人が家を失わずに済むだろう。毎月の住宅ローン返済を減額するのは適切な第一歩だ。
 ただ、納税者の負担を軽減したり、住宅市場が回復した際に政府に損失の埋め合わせや利益の共有が可能になるような規定が必要だ。
●効果は疑問、悪用招く恐れも
 <AIGサンアメリカ・アセットマネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー、マイケル・チア氏>
 住宅支援計画は評価できるが、必要以上に複雑だ。いかなる努力も支援につながるが、効果については疑問だ。システムの悪用といったような意図せぬ結果を招く可能性もある。
 米連邦準備理事会(FRB)はモーゲージ担保証券(MBS)買い取りを拡大すべきだ。住宅ローン金利を十分に低下させることができれば、住宅ローンの借り換えを再び活発化させることができる。買い取りの実施が遅れれば、住宅ローン市場は一段と混迷し、借り換えによる恩恵は限定的となるだろう。

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4、米政府が住宅対策発表、900万件の差し押さえ回避狙い
2009年 02月 19日 03:16 JST

 [ワシントン 18日 ロイター] オバマ米政権は18日、最大2750億ドル規模の住宅市場安定化策を公表した。最大900万世帯の差し押さえ回避に向け、公的資金により住宅ローンの組み換えや借り換えを支援する。
 政府高官によると、政府資金のうち500億ドルは、不良資産救済プログラム(TARP)から拠出する。
 大統領は支援計画について演説のための原稿で「ルールに基づき責任ある行為によって借り入れを行ってきた世帯を支援することが狙い」と説明した。
 最大500万人の住宅保有者を対象に、住宅ローンの借り換え資金の提供する。さらに、サブプライム(信用度の低い借り手向け)住宅ローンの返済難に陥っている300─400万人の住宅保有者の返済支援に向け750億ドル拠出する。
 財務省は、住宅市場の支援に向けて連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の役割を強化するため、2社の優先株取得額をそれぞれ1000億ドルから2000億ドルに拡大する。
 また、両社のモーゲージポートフォリオの上限をそれぞれ500億ドル引き上げ9000億ドルとする。



2009年02月19日(木) 米国の過剰消費文化の崩壊

報道
1、米景気対策法が成立、史上最大規模の7870億ドル
                 2月18日8時32分配信 読売新聞
2、米景気対策法成立 オバマ大統領署名 
                 2月18日21時11分配信 産経新聞
3、アメリカの家庭内借金事情をグラフ化してみる
          http://www.garbagenews.net/archives/276478.html


資料3のアメリカの家庭内借金の概要は以下である。
(ここでは1ドル100円とする)
住宅ローン       約  10.5兆ドル
クレッジットカードローン約  2.5兆ドル
その他         約  1.3兆ドル
 合計          14.3兆ドル (1430兆円)

上記の家庭内借金はこの10年間で2.3倍以上になったのである。1999年は
620兆円の借金しかなかったのである。ここ10年間の米国のGDPの上昇は庶民の借金810兆円(1430兆円―620兆円)による消費に支えられて来たのである。この悪しき消費バブルが崩壊したのだから、日本同様GDPが大幅に落ち込むことだろう。

 よって、オバマ米大統領が就任早々纏め上げた7870億ドル(約72兆円)の景気対策法で、米国の消費バブルの崩壊を防ぐことは出来ないと思う。オバマ大統領は署名式で、「景気回復に向けた最初の一歩だ。しかし、回復への道は一筋縄ではいかない」と述べ、景気回復には時間がかかるという点を強調している。

今回成立した法案の中身は次の通りだ。
全体の36%の26兆円が減税。
全体の64%の46兆円が高速道路網整備以来の規模というインフラ投資、代替エネルギー・環境エネルギー投資、低所得者向け公的医療保険の助成拡充、過去最大の教育関連投資など歳出が占める。

 米国民が抱えている1430兆円の借金からみれば、46兆円の公共投資はさほど大きな数字ではないと思う。それより今回の26兆円の減税によって、米国の財政赤字更に増加することになる。世界経済の関心のある人は、FRBの資産残高(ドル札発行残高)と国債の発行残高の推移に注目していかなければならない。
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1、米景気対策法が成立、史上最大規模の7870億ドル
2月18日8時32分配信 読売新聞

 【ワシントン=岡田章裕】オバマ米大統領は17日、西部コロラド州のデンバーで、7870億ドル(約72兆円)の景気対策法に署名し、同法が成立した。

 公共投資と減税を柱とし、2年間で350万人の雇用創出を目指す米国史上で最大規模の景気対策となる。オバマ大統領は、目標通りに就任1か月で法案成立にこぎつけたことで、景気回復に向けた今後の政策運営も加速させたい考えだ。

 オバマ大統領は署名式で、「景気回復に向けた最初の一歩だ。しかし、回復への道は一筋縄ではいかない」と述べ、景気回復には時間がかかるという点を強調した。

 9月末までに1850億ドル、2010財政年度(09年10月〜10年9月)に3990億ドルと約1年半で4分の3を支出する予定で効果が出るには、時間がかかるとみられるためだ。

 署名式では、太陽光発電の経営者がスピーチして全米規模での雇用創出効果やグリーン・ニューディールをたたえる演出も行った。

 また、オバマ大統領は17日、カナダ放送協会のインタビューで、景気対策法に盛り込まれた「バイ・アメリカン(アメリカ製品を買う)」条項について「(自国の景気回復を優先して)近隣の国を窮乏させるような政策には頼らないと確約する」と述べ、保護主義に走らない考えを強調した。

最終更新:2月18日11時10分

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2、米景気対策法成立 オバマ大統領署名 
2月18日21時11分配信 産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】オバマ大統領は17日、遊説先のデンバー(コロラド州)で総額7870億ドルの景気対策法案に署名、同法案は成立した。勤労世帯向け減税からインフラ整備、教育、医療、環境エネルギー投資まで広範囲な支出を盛り込んだ過去最大規模の景気対策で、350万人の雇用創出を目指す。

 オバマ大統領は「今日は米国の経済的苦境の終わりを印すものではないが、終わりの始まりを印すものだ」と述べ、景気対策が経済危機克服の唯一の処方箋(せん)ではないと強調。住宅対策や金融安定化、過去最悪の財政赤字など山積する課題に取り組む考えを改めて強調した。

 景気後退が始まった2007年12月以降、約360万人の雇用が失われた厳しい経済環境の中、対策は雇用の創出・維持を狙うとともに、中長期的な成長基盤の整備を目指す。

 全体の36%が減税措置で、全勤労世帯の95%が税還付を受ける。残りは1950年代の高速道路網整備以来の規模というインフラ投資、代替エネルギー生産を3年間で倍増させる環境エネルギー投資、低所得者向け公的医療保険の助成拡充、過去最大の教育関連投資など歳出が占める。

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3、アメリカの家庭内借金事情をグラフ化してみる
http://www.garbagenews.net/archives/276478.html

住宅ローン         10.5兆ドル
クレッジットカードローン  2,5兆ドル
その他           1.3兆ドル
 合計           14.3兆ドル (1430兆円)



2009年02月18日(水) GMとクライスラー最大3.5兆円の要請

 報道
1、2社で5万人削減 最大3.5兆円要請 GMとクライスラー再建計画提出 
                   2月18日16時25分配信 産経新聞
2、政府支援後も危機的状況続く米ビッグスリーの“泥船”
                  ダイヤモンド2月10日(火) 経済

報道2に一部を引用しよう

「『ビッグスリーが本当に再生できると信じている米国人は、いないのではないか』昨年末、資金繰りに窮したゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーに対し、こんな辛らつな発言をしたのは、日本人ではない。米国系サプライヤーの米国人幹部。実際、政府による緊急融資が決定した際、現地メディアのインターネットの書き込みには「ブッシュは戦後最大の社会主義者だ」「GMにとってよいことは、米国にとって最悪なこと」など、手厳しいコメントが並んだ。

 上記の報道が正しいと思う。
経営危機に陥り政府融資を受けたゼネラル・モーターズ(GM)は支援総額を合計で最大300億ドル(約2兆7000億円)に拡大して要請した。クライスラーも総額90億ドル(約8000億円)の金融支援を要請した。さらなる公的支援は世論が上記のとおり厳しく、オバマ政権は3月末に設定された計画承認期限を前に、難しい判断を迫られる。オバマ政権は泥船と縁を切るべきでないかと思う

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1、2社で5万人削減 最大3・5兆円要請 GMとクライスラー再建計画提出 
2月18日16時25分配信 産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】経営危機に陥り政府融資を受けたゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは17日、米政府に経営再建計画を提出した。すでに134億ドルの金融支援を受けたGMは支援総額を合計で最大300億ドル(約2兆7000億円)に拡大して要請した。クライスラーも総額90億ドル(約8000億円)の金融支援を要請したが、再建計画の実現性が確認されなければ、融資の即時返済が求められて経営破綻(はたん)が現実味を増す。さらなる公的支援に米国世論の反応は厳しく、オバマ政権は3月末に設定された計画承認期限を前に、難しい判断を迫られる。

 GMは、必要な支援額について標準シナリオで総額225億ドル、業績が下振れした場合は最大300億ドルが2011年までに必要となると表明した。すでに融資を受けた134億ドルを除けば最大166億ドルを追加要請したことになる。

 リストラ計画でGMは全世界で従業員4万7000人を削減する方針を表明。現在の8ブランドを「シボレー」「キャデラック」「GMC」「ビュイック」の中核ブランドに集約。大型SUV(スポーツ用多目的車)の「ハマー」とスウェーデンの「サーブ」は売却を検討。製造工場(現在47拠点)を12年までに14拠点削減するとした。

 外国メーカー並みの人件費に削減するための全米自動車労組(UAW)との交渉は進展を見せて暫定的な合意に達した。しかし、債務株式化による債務圧縮に向けた債権者との交渉は合意に達しておらず、3月末までの合意を目指すとしている。

 一方、クライスラーはすでに融資を受けた40億ドルを含めて70億ドルの金融支援を当初要請していたが、計画で20億ドルを上乗せして総額90億ドルへの拡大を求めた。

 リストラ計画では08年までに3万2000人の従業員削減と31億ドルの固定費削減を実施したとしたうえで、従業員3000人削減、固定費7億ドルを追加削減し、3億ドルの資産売却を表明した。イタリア自動車大手フィアットとの戦略提携で低燃費小型車の投入を強化するとしている。

 破産法適用申請の選択肢について、GMのワゴナー会長は「破産法の下での再建はリスクが大きく、時間もかかる。最後の選択肢であるべきだ」と述べて、破産法の適用申請を避けたい考えを示した。クライスラーは、追加支援を受けられない場合、破産法適用申請の可能性を示している。

2、政府支援後も危機的状況続く米ビッグスリーの“泥船”
ダイヤモンド・オンライン2月10日(火) 経済 - 経済総合

「ビッグスリーが本当に再生できると信じている米国人は、いないのではないか」

 昨年末、資金繰りに窮したゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーに対し、こんな辛らつな発言をしたのは、日本人ではない。米国系サプライヤーの米国人幹部。

 実際、政府による緊急融資が決定した際、現地メディアのインターネットの書き込みには「ブッシュは戦後最大の社会主義者だ」「GMにとってよいことは、米国にとって最悪なこと」など、手厳しいコメントが並んだ。

 実際、それを裏づけるような結果が出た。1月の米新車販売台数は、GMが前年同月比49%減、クライスラーは同55%減といずれも半減したのだ。

 唯一、つなぎ融資を受けなかったフォード・モーターも同39%減。同社の2008年決算は145億7100万ドル(約1.3兆円)の最終赤字であり、「このまま販売台数が減れば、米政府への支援要請を余儀なくされる可能性もある」(外資系証券アナリスト)。

 1月のオバマ政権発足以降、新政権がグリーンニューディール政策で、環境対策車の開発支援を前面に打ち出すなど、ビッグスリーには“追い風”となる報道も多く、業界内でも安堵感が漂っていた。

 だが、実態は違った。1月の米新車販売台数は、年換算で1000万台を下回り、中国に抜かれるという27年ぶりの低水準。米国市場とビッグスリーを取り巻く環境の厳しさをあらためて実感させる格好となった。

 米国市場の回復は「過去の景気循環から見ても、3〜4年はかかる」(寺澤聡子・みずほ証券シニアクレジットアナリスト)、「GMの環境技術の成果が出るのは早くても3年後」(業界関係者)。

 環境技術と財務内容で遙かに優勢なトヨタ自動車でさえも、1月の米国販売が同32%減と苦戦するなか、ビッグスリーには明るさが見えない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 山本猛嗣)



2009年02月17日(火) GDPが121兆円(560兆円―439兆円)も縮小する情勢

   日々の映像から
•報道
1─3月期GDP、前例ない2四半期連続2けたマイナスか
                 2009年 02月 16日 16:43 JST


リーマン破たんの報道は2008年 09月 16日であった。
http://ameblo.jp/syougai3/entry-10194217782.html
米国の金融機関への信用の崩壊で大変なことになると認識、9月18日から「米国発 金融危機関連情報」と題して、1日休むことなく記述を続けてきた。最近になった金融危機の巨大な負の津波が明らかになってきている。

 昨日は10−12の実質GDPのことを書いた。報道によれば1−3月のGDPは10%減となるようだ。分かりやすく説明すると次のようになるとの予想なのだ。
 7−9月GDP  560兆円
10−12月GDP 489兆円 (560兆円−71兆円)前期比12.7%マイナス
1−3月  GDP 439兆円 (489兆円―50兆円) 前期比10%マイナス

 上記の通りGDPの規模が121兆円(560兆円―439兆円)も縮小するのである。金融危機が発生してから5ヵ月も経ってから、「戦後最大の経済危機」(与謝野馨経済財政担当相)などというコメントを見ると笑止千万である。戦後経験してことにない大恐慌に突入しているのだ。未だに僅かの補正予算が成立していないのだからどうにもならない。

 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20090218

 http://www.enpitu.ne.jp/usr2/bin/day?id=22831&pg=20090217



2009年02月16日(月) 米GM:「破産法も視野」−−米紙報道


報 道
1、GM、破産法も選択肢 再建計画、米紙報道
                  2009年2月15日  日経
2、米GM:「破産法も視野」−−米紙報道
毎日新聞 2009年2月15日

物事にはさまざまの認識がる。私見を述べさせてもらえば、GMに限らず政府に救済求める企業が立ち直ることはないと思う。よって、GMのXデーがあると思っている一人である。新車販売の激減などで再建計画をまとめられないのではないか。

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1、GM、破産法も選択肢 再建計画、米紙報道
                      2009年2月15日  日経
 【ニューヨーク=小高航】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は14日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が政府に提出する経営再建計画の中で、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を選択肢の1つに盛り込む見通しだと報じた。破産法に基づく再建で必要な金融支援を政府に求めるとしている。一方、複数の米メディアはGMの計画提出が17日の締め切りに間に合わない可能性を指摘した。
 ウォール紙はGMが再建計画の中で、追加の政府支援による再建という従来の方針に加え、破産法の適用を申請する際の資金援助という新たな選択肢を盛り込むと報じた。GMはこれまで一貫して破産法の申請を否定。ただ、米新車販売の激減など再建を巡る経営環境は悪化しており、GMのワゴナー会長らも態度を軟化させているという。
 再建計画には、北米で10以上の工場閉鎖を含む大規模なリストラ策が含まれる見通し。GMは債権者や全米自動車労組(UAW)との交渉を続けているが、債務の株式化の比率を巡り債権者の反発が続いている。

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2、米GM:「破産法も視野」−−米紙報道
毎日新聞 2009年2月15日
 【ワシントン斉藤信宏】経営危機に陥っている米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が、17日までに米政府に提出する経営再建計画の中で、運転資金などの追加の資金支援か連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の申請に向けた資金支援のどちらかを求める二つの計画を提示する方針を固めたと、米紙ウォールストリート・ジャーナルが14日、報じた。
 GMは、公的資金134億ドル(約1兆2000億円)の支援を受けることが決まっており、すでにこのうち94億ドルを受け取っている。しかし、年明け後も販売不振に歯止めがかからず、少なくとも50億ドルの追加支援を確保しない限り経営存続が難しくなっているという。破産法申請については、GMのワゴナー会長ら現経営陣の大半が否定的だったが、経営陣の中でも「やむをえない」との認識が広がっているという。



2009年02月15日(日) アリコなどAIG系3社の赤字4489億円


1、生命保険:AIG系3社が赤字
                   毎日新聞 2009年2月13日 19時32分
2、米AIG、傘下の自動車保険会社の売却交渉 スイス大手と
                   2009年2月13日  日経
3、AIG、東京・丸の内のビル売却へ 資産売却の一環
                   2009年2月13日  日経


米保険大手AIGの生命保険子会社のアリコジャパンなど3社は13日、08年4〜12月期決算を発表した。AIGの経営危機で3社が保有するAIG株が下落し、多額の減損処理を迫られたことなどが響き、最終(当期)損益は3社とも以下の赤字に陥った。

アリコ          30555億円
AIGエジソン生命保険   984億円
AIGスター生命保険    450億円 

この赤字でソルベンシーマージン比率(アリコが792.7%、エジソンが770%、スターが871.6%だった)が大幅に落ちることになる。

AIGは米政府などから融資を含む約1500億ドル(約13兆5000)金融支援を受けており、返済に向けた資産売却を進めているというが、売却が成功したという報道は1件もない。

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生命保険:AIG系3社が赤字
毎日新聞 2009年2月13日 19時32分

 米保険大手AIGの生命保険子会社で、売却交渉中のアリコジャパンなど3社は13日、08年4〜12月期決算を発表した。AIGの経営危機で3社が保有するAIG株が下落し、多額の減損処理を迫られたことなどが響き、最終(当期)損益は3社とも赤字に陥った。
 最終赤字額はアリコが3055億円、AIGエジソン生命保険が984億円、AIGスター生命保険が450億円。ソルベンシーマージン比率はアリコが792.7%、エジソンが770.0%、スターが871.6%だった。
 また、AIGは東京・丸の内に保有するオフィスビルを売却する方針を決めた。AIGは米政府などから融資を含む約1500億ドル(約13兆5000億円)の金融支援を受けており、返済に向けた資産売却を進めている。【辻本貴洋】
毎日新聞 2009年2月13日 19時32分

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2、米AIG、傘下の自動車保険会社の売却交渉 スイス大手と
                   2009年2月13日  日経
 【ニューヨーク=財満大介】米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が傘下の自動車保険会社の売却で、スイスの保険大手チューリヒ・フィナンシャル・サービシズと交渉していることが11日分かった。米ウォールストリート・ジャーナルなどが報じた。売却額は20億ドル(約1800億円)とみられる。
 交渉は途中段階で、成立しない可能性も残る。AIGは米政府から融資や資本注入など計1500億ドルの金融支援を受けており、資産を売却して返済を進める。4日時点の融資残高は386億ドル。
 チューリヒは米国で大手の自動車保険会社を既に保有しており、シェア拡大を狙う

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3、AIG、東京・丸の内のビル売却へ 資産売却の一環
                     2009年2月13日  日経
 米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が東京・丸の内に保有するオフィスビルの売却交渉に入ったことが13日、分かった。AIGは米政府・連邦準備理事会から融資を含む約1500億ドル(13兆6500億円)の金融支援を受けており、融資の返済に向けた資産売却を進めている。
 AIGが丸の内に保有する「AIGビル」は傘下生保のアリコジャパンのほか、二十数社のテナントも入居している。AIGは売却価格を明らかにしていないが、皇居に近い一等地のため、一定の引き合いが見込めるとの指摘もある。AIGはビル売却のためのアドバイザーに米証券大手のメリルリンチを指定したという。 (12:21)



2009年02月14日(土) 米「底なしの危機」金融機関の不良債権400兆円超か

1、再燃・金融危機/ 進まぬ「バッドバンク」 「コスト4兆ドル」尻込み
                        2009年2月11日 毎日
2、巨額損失発表の直前、メリルリンチが賞与100万ドル超
2009年2月12日21時12分 読売新聞

 以前「米金融機関が米国を潰す」とい報道を引用したが、最近の米国発の金融危機情報に接していると「さもありなん」と思うことがある。

 その一例が米金融大手メリルリンチ支給総額は36億ドル(約3200億円)
のボーナスである。それも巨額損失を発表する直前の昨年12 月に支給しているのだ。その主な内訳は
幹部社員696人に1人あたり   100万ドル(約9000万円)
上位の幹部4人には      1億2100万ドル(約109億円)
が支払われた。

通常なら1月に支給される時期を「ひそかに繰り上げて」(同州のクオモ司法長官)支払っている。州当局は、損失公表前にボーナス支給を強行した疑いがあるとみて調査を進めるという。これはもはや、犯罪に近い行為ではないかと思う。その後1兆5000億円の赤字決算を発表し、最終的に米政府は30兆円近い不良資産の9割を肩代わりする保証制度を適用している。

 一体米国の金融機関の不良債権はいくらあるのだ。「不良資産の買い取りコストは1〜2兆円」金融機関の不良資産を米政府が買い取る「バッドバンク」構想が浮上した。しかし、直後の1月末、米ゴールドマン・サックスのリポートは米国内総生産(GDP)の約3分の1(450兆円)に達する費用が必要との試算を示して市場が震え上がたという。当然この構想は進んでいない。イギリスもこの構想を持ったのであるが、巨額資金が必要でたち切れになっている。

「不良資産の実態を、洗いざらいさらけだして処理を終えないと危機は収束しない」(国際金融筋)という見方は当然である。しかし、米側から明確な方針を決められないでいるのが現実なのである。

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1、世界不況:再燃・金融危機/ 進まぬ「バッドバンク」 「コスト4兆ドル」尻込み
                        2009年2月11日 毎日
「不良資産の買い取りコストは4兆ドル(約360兆円)」。金融機関の不良資産を米政府が買い取る「バッドバンク」構想が浮上した直後の1月末、米ゴールドマン・サックスのリポートが市場を震え上がらせた。リポートは、米国内総生産(GDP)の約3分の1に達する費用が必要との試算を示していた。
 ブッシュ政権は昨年10月、米金融大手9社に総額1250億ドルの公的資金を資本注入した。
 だが、実体経済の悪化で不良資産の劣化が進み、シティグループとバンク・オブ・アメリカは年明け、巨額の赤字決算を発表。両社株は歴史的な安値に急落し「存亡の瀬戸際」(米アナリスト)に立たされた。オバマ新政権は、突き動かされるようにバッドバンクの検討に入った。
 バッドバンクは金融機関から不良資産を切り離すため、市場は「抜本的な解決策」と好感した。だが、米メディアが当局筋の話として「買い取りには1兆〜2兆ドルかかる」と報道。そこにゴールドマンの試算が流れ、オバマ政権を支える米民主党も「とてつもない額」(シューマー上院議員)と尻込みした。
 昨年10月に米金融安定化法が設けた公的資金枠は7000億ドル。難産の末に成立にこぎつけたが、これをはるかにしのぐ規模。再び世論の反発を招くのも避けられそうになく、政権内の調整も難航が伝えられた。 「(災いを閉じこめた)パンドラの箱を開け、十分な資金を用意すべきではないか」。2月1日まで2日間、イタリアのミラノ郊外で開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の次官級非公式会合で、ある出席者が米側に迫った。
 ローマで13、14日に開催されるG7は、オバマ政権の新たな金融安定化策が焦点。「資本注入という応急措置で封印していた不良資産の実態を、洗いざらいさらけだして処理を終えないと危機は収束しない」(国際金融筋)。だが、米側から明確な答えはなかった。
    *
 苦しい事情は欧州も似通っている。英政府は年明け、バッドバンクの検討に入った。昨年10月に資産規模で世界最大級のロイヤル・バンク・オブ・スコットランドなどに370億ポンド(約4・9兆円)の公的資金を投入したが、業績悪化に歯止めがかからないためだ。
 だが、1月19日に発表された第2次対策は、金融機関の不良資産に将来損失が発生した場合、公的資金で9割を肩代わりする保証制度。バッドバンクは見送られた。「即座に巨額の財政資金が必要になる」(英エコノミスト)ためとみられる。
 ドイツでも、最大手ドイツ銀行が、08年12月期決算で第二次世界大戦後初の赤字に転落し、政府は追加策を検討している。だが、バッドバンクは「納税者に不良資産の重荷を背負わせられない。銀行が自分で解決すべきだ」(メルケル首相)など慎重論が根強い。
   ■□■
 金融危機の荒波が再び世界を襲っている。昨年9月のリーマン・ショック後、米欧金融機関に対する公的資金の投入で小康状態を保っていたが、震源地の米国で再燃。欧州を揺さぶり、日本の金融機関も直撃した。米政府は10日、新たな金融安定化策を発表するが、事態は打開できるのか。危機の第2波を報告する。
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 ■ことば
 ◇バッドバンク(Bad Bank)
 米国で1980年代後半、貯蓄貸付組合(S&L)の破綻(はたん)急増に伴い設立された整理信託公社(RTC)がモデル。不良資産を買い取り、財政資金で損失を埋めた。金融機関が、証券化商品などを保有したままだと損失が膨らむ恐れが大きい。完全に切り離せば、追加損失が発生しないので融資拡大が見込める。日本では、銀行の不良債権を買い取る整理回収機構が相当する。

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2、巨額損失発表の直前、メリルリンチが賞与100万ドル超
2009年2月12日21時12分 読売新聞
 【ニューヨーク=山本正実】米金融大手メリルリンチが巨額損失を発表する直前の昨年12月、幹部社員696人に1人あたり100万ドル(約9000万円)を超すボーナスを支給していたことが11日、ニューヨーク州の司法当局の調査で明らかになった。
 支給総額は36億ドル(約3200億円)にのぼり、上位の幹部4人には計1億2100万ドル(約109億円)が支払われた。通常なら1月に支給される時期を「ひそかに繰り上げて」(同州のクオモ司法長官)支払ったとみられる。州当局は、損失公表前にボーナス支給を強行した疑いがあるとみて調査を進める。
 メリルは1月中旬、昨年10〜12月期決算の純利益が153億ドルの赤字に陥ったと発表している。メリルと、メリルを買収した米金融大手バンク・オブ・アメリカには巨額の公的資金が注入されており、不透明なボーナス支給は強い批判を浴びている。
(2009年2月12日21時12分 読売新聞)




2009年02月13日(金) 米景気対策法案「両院が一本化で合意」 

報道
1、米景気対策法案「両院が一本化で合意」 72兆円に圧縮
                     2009年2月12日 日経
2、米景気対策法案、成立へ バイ・アメリカン条項は維持  
                     2009/02/12時事通信
3、米国:上下両院、予算規模71兆円で合意 景気対策法案
                    2009年2月12日毎日


総額を8000億ドル弱(約72兆円)に圧縮し、早期成立の可能性が大きくなった。この内訳は
減税    33・3%  24兆円
公共投資  66.4%   48兆円・・・2年で実行

1年で24兆円規模の公共投資は、日本でバブル崩壊後かなりの年数で実行した。しかし公共投資で劇的に雇用が増えることはないと思う。日本の場合はGDP500兆円を維持するために行ったようなものである。そのため、バブル崩壊後500兆円前後の借金を増やしている。

米国の公共投資にも、測量・設計・積算という手順があり、法律が成立しても効果が出てくるのは半年後である。残念ながらそれまで失業者は増え続けることは必死である。オバマ大統領にとっては、誠に厳しい船出といわねばならない。

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米景気対策法案「両院が一本化で合意」 72兆円に圧縮
                     2009年2月12日   日経
 【ワシントン=丸谷浩史】オバマ米政権が最重要課題に掲げる景気対策法案について、上院民主党幹部は11日、異なる法案を可決した下院との一本化で基本合意に達したと発表した。民主党のリード上院院内総務が記者団に「上院案と下院案の違いは乗り越えた」と表明した。総額を8000億ドル弱(約72兆円)に圧縮し、約3分の1を減税に充てる。上下両院は細部の詰めを急いでおり、早期成立の可能性が大きくなった。
 リード総務は「数日のうち、早ければ12日にも採決できる」と語り、両院協議会での最終調整を経て週内成立の環境が整ったとの認識を示した。景気法案は上院が8380億ドル、下院が8190億ドルの法案をそれぞれ可決し、10日夜から一本化調整が本格化した。(10:17)

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2、米景気対策法案、成立へ=71兆円規模で議会合意−バイ・アメリカン条項は維持                      2009/02/12時事通信
 【ワシントン11日時事】米上下両院の議会指導部は11日、景気対策法案の一本化をめぐる調整で合意に達した。週内に上下両院で再可決、オバマ大統領の署名で成立する見通し。リード上院民主党院内総務が発表した。院内総務のスポークスマンによると、規模は7890億ドル(約71兆円)で、上下両院がそれぞれ可決した8000億ドル(約72兆円)超から減額された。
 また、公共事業で米国製品の調達を義務付けるバイ・アメリカン条項の扱いについては、「ほぼ上院案に沿って修正された」(ホイヤー下院民主党院内総務)。下院案では鉄鋼製品だけが明記されていたが、上院案は全工業製品に対象を拡大している。ただ米国内外から保護貿易主義的だとの批判を受け、世界貿易機関(WTO)ルールに反しない形で適用するとの文言が追加されている。
 当面の最大の政策課題に位置付けてきた景気対策法案の早期成立にめどが立ったことで、オバマ大統領は就任以来最初の大きな試練を乗り越えることになる。
 院内総務によると、合意された修正案は、約350万人の雇用創出を見込む。全体の3分の1を減税が占める。このほか、歳出拡大には道路や橋などのインフラ整備が含まれる。
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3、米国:上下両院、予算規模71兆円で合意 景気対策法案
                    2009年2月12日毎日


 【ワシントン斉藤信宏】米議会の上下両院指導部は11日、前日までに上下院でそれぞれ可決した景気対策法案の一本化をめぐる調整を行い、最終的な予算規模を7890億ドル(約71兆円)とすることで基本合意した。週内にも上下両院で再可決した上で、オバマ米大統領の署名を経て成立する見通し。オバマ大統領にとっては就任後、最初の大きなハードルをクリアした形で、今後は対策が景気てこ入れにどの程度の効果があるかが問われることになりそうだ。
 修正法案は、全体の約35%を所得税などの減税分が占める。勤労者世帯への1人500ドル、夫婦で1000ドルの所得税還付による減税や、投資促進に向けた企業減税などが含まれている。
 また、今後2年間で約350万人の雇用創出を目標に公共投資などの歳出増を盛り込んだ。太陽光や風力など代替エネルギー分野への投資に加え、橋や道路などインフラ整備や学校の近代化などに重点的に投資するほか、各州財政への補助も含まれている。米メディアによると、修正案では州政府への財政支援のうち医療保険分野を減額し、代わりにオバマ大統領が重視する教育分野への歳出を増やしたという。
 オバマ大統領は「早期に行動しなければ、経済危機は米国民にとって大惨事になる」と米景気の現状への危機感を繰り返し表明、議会に法案の早期成立を求めてきた。11日もバージニア州の高速道路建設現場を視察し「効率性を重視して最大の効果をあげたい」と大型公共事業を強力に推進する考えを強調。改めて雇用創出への意欲を示していた。
 景気対策法案をめぐっては、下院が8190億ドル規模の当初案を可決した後、上院での審議が難航。一時は民主党内の要望を加えた結果、総額が9000億ドル超まで膨らんだが、歳出拡大に慎重な共和党との妥協を図るため、規模を約1000億ドル減額し8380億ドルの修正案を可決していた。
■米景気対策法案骨子■
・予算規模は7890億ドル(約71兆円)
・約350万人の雇用を創出
・対策の3分の1は減税
・雇用・失業対策、公共事業、州財政支援などで歳出拡大



2009年02月12日(木) GMが事務系1万人削減と給与カット

報道
1、GMが事務系1万人削減へ、米国内で給与カットも
                 2009年2月11日02時20分 読売新聞
2、「一時帰休中でも給与」制度廃止 UAWと合意
                      2009年1月29日  日経
 
 米GMの事務系1万人削減と米国内で給与カットの決定は遅きに期しているように思うが、その概要をメモしたい。

1、米ゼネラル・モーターズ(GM)は、現在7万3000人の世界の事務系従業員を、1万人削減する

2、このうち、米国では2万9500人から3400人削減し、米国の管理職の給与は10%、その他の従業員の給与は3〜7%それぞれ一時的に引き下げる。

3、(GM)は28日、全米自動車労組(UAW)との間で、レイオフ(一時帰休)中でも給料がもらえる「ジョブズ・バンク」制度の廃止で合意した。
 
 日産自動車は高コスト国の賃金を10〜20%引き下げると発表している。金融危機が導火線となって広い範囲で賃金の引き下げの動きが出るようだ。

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1、GMが事務系1万人削減へ、米国内で給与カットも
                 2009年2月11日02時20分 読売新聞
【ニューヨーク=池松洋】米ゼネラル・モーターズ(GM)は10日、現在7万3000人の世界の事務系従業員を、1万人削減すると発表した。

 このうち、米国では2万9500人から3400人削減し、米国の管理職の給与は10%、その他の従業員の給与は3〜7%それぞれ一時的に引き下げる。
 米政府から、つなぎ融資を受けたGMとクライスラーは2月17日までに米政府に経営再建計画を提出することを義務付けられている。
 GMは世界に約25万人の従業員を抱えているが、販売不振に伴う大規模なリストラに取り組む姿勢をアピールして、米政府・議会から支援継続への理解を得たい考えと見られる。
 人員削減は年内に行い、米国では5月1日までに大半の削減を終える方針だ。給与の引き下げは5月から2009年末まで続ける方針だ。
 GMは6日にも米国内の工場従業員5万2000人を対象に早期退職者の募集を始めており、事務系と工場従業員の双方で大規模な人員削減に踏み切る。
 GMは、今回の人員削減は、昨年12月に米議会に提出した、2012年までに従業員3万1500人を削減するリストラ計画の一環と説明している。
 2008年のGMの世界販売台数は前年比10・8%減と大きく減少、1月の米新車販売台数も前年同月比48・9%減と落ち込みが続いており、GMは「(この施策は)世界的な車の販売不振の中で、GMが長期的に生き延びるために強いられたものだ」と説明している。

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2、米GM「一時帰休中でも給与」制度廃止 UAWと合意
                      2009年1月29日  日経
 【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は28日、全米自動車労組(UAW)との間で、レイオフ(一時帰休)中でも給料がもらえる「ジョブズ・バンク」制度の廃止で合意したことを明らかにした。米政府は再建支援の条件として同制度の廃止を求めており、GMとUAWが協議していた。
 GMは2月2日付で制度を撤廃する。工場労働者を中心に制度を利用していた約1600人が正式に解雇され、公的な失業保険の給付を求めることになる。同制度の下では、工場の減産などでレイオフされ仕事が一切なくても、メーカー側が給与の85%以上を支払っていた。
 米政府は昨年末にGMとクライスラーにつなぎ融資を決めた際、高コスト体質につながる同制度の廃止を要求。クライスラーはすでにUAWと合意し、26日付で撤廃した。今後、政府支援を受けていないフォード・モーターも、UAWとの間で同様の協議を進める見通し。



2009年02月11日(水)  産業支援の自国優先主義が大不況をうむか

報道

社説:産業支援の自国優先主義を断ち切れ(2/10)
                      2009年2月10日  日経


 保護主義という名の伝染病があるようだ。 大型景気対策法案をめぐる米議会の審議は大詰めを迎えた。上下両院の法案一本化を経て近く議会を通過すると期待されている。景気対策の早期実施は、世界が待ち望んでいることではあるが、その内容である。公共事業で米国製品の使用を義務付ける「バイアメリカン条項」は保護主義そのものと言わざるを得ない。

 議会は「世界貿易機関(WTO)の合意に違反さえしなければ保護主義的でない」などと勝手な理屈をつけるようだ。明らかなルール違反でなくとも自由貿易を推進してきた本家の理屈としては情けない。公的資金による自動車メーカーの支援も雇用を守るという名目で行われる保護主義の動きだ。

 自国の企業を優遇する保護主義策は、「雇用を守っている」とアピールしたい政治家に都合がよい。しかし、他国による報復の連鎖を招き、貿易を縮小させて不況を恐慌へと突き落とす危険な行為である。保護主義の伝染はすでに始まっている。自国製品の購入を呼びかけたり、フランスの例に見られるように、国内自動車産業への貸し出しなどの動きが欧州でも広がっている。自由貿易を放棄するようなら、世界はオバマ政権に失望することになる。

 米国の不況は小手先の政策で乗り切れるほど甘いものでない。米国の産業構造・金融システム・生活文化・消費文化そのものの是非が問われているのだと思う。

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社説1 産業支援の自国優先主義を断ち切れ(2/10)
                     2009年2月10日  日経
 金融危機に伴う同時不況が、世界の自由貿易体制を揺るがしている。経営難に陥った特定の企業や業界を優先的に救済する産業支援策を採る国が相次ぎ、その結果として各国の市場で公平な競争条件が損なわれているからだ。

 ある国が自国の企業だけに有利な政策を打ち出せば、貿易相手国は対抗するために同様の保護政策に傾く可能性がある。この悪循環を放置すれば、国内企業と外国企業が対等に競い合うことを重視した世界貿易機関(WTO)の内外無差別の原則が形骸化してしまう恐れがある。

 保護主義は景気後退の局面で台頭しがちだ。差別を伴う保護を求める国内の圧力と戦うのは、先進国の政治指導者の責任である。日米欧主要7カ国(G7)の政府は、今週ローマで開く財務相・中央銀行総裁会議で、保護主義的な政策の横行に歯止めをかける強い意志を示すべきだ。

 気をつけなければならないのは、危機対策や産業支援という大義名分の下で保護主義が正当化されやすいという現実である。関税引き上げ、輸入数量の制限など明白な形で外国製品を差別するのではなく、産業政策に名を借りた保護主義がまかり通る懸念がある。

 米議会で景気対策法案に「バイアメリカン」条項が盛り込まれた例は典型だろう。公共事業で米国製の鉄鋼製品などの調達を義務づける内容は、紛れもなく保護主義政策だ。だが、WTO協定に照らして是非を問うためには、貿易相手国が米国に異議を申し立てなくてはならない。

 苦しいのは米国だけではない。世界的な需要の縮小で、先進国も途上国も同じように国内に業績不振の企業や産業を抱えている。明日は我が身と考えて、対米批判をためらう国があっても不思議ではない。

 ここに保護主義の連鎖が起きる危険が潜んでいる。互いの行動に目をつぶれば、実質的にWTO協定の適用外となる事例が既成事実として積み上がってしまう。WTO協定に抵触する可能性がある政府調達の分野以外にも補助金、技術障壁、検疫、輸入手続きなど、灰色の判断が入り込む余地がある分野は多い。

 自由貿易体制から大きな恩恵を受ける日本は、自国中心主義の批判を受けぬよう注意すべきだ。政府は資金難に陥った企業を公的資金で救済する新制度を導入するが、国内企業だけを優遇するという誤解を招くことがあってはならない。産業支援策は危機が去るまでの一時的な措置とするとともに、内外無差別の原則を貫いた公正な運用が欠かせない。






2009年02月10日(火) 仏政府、ルノーなど自動車3社に7700億円の低利融資

報道
1、仏政府、ルノーなど自動車3社に7700億円の低利融資
                     2009年2月10日 日経
2、フランス:政府支援策、自動車業界に9300億円雇用維持条件に融資
                     2009年2月10日 毎日
3、スイス UBS:最終赤字1兆5400億円 1 〜12月期
毎日新聞 2009年2月10日 

 米国発の金融危機は、民間主導の資本主義社会を崩壊させている。いまや国家が自国の企業を守る国家資本主義経済の様相となってきた。スイス金融最大手のUBS銀行の1〜12月の最終赤字1兆5400億円 であるという。詳しくは報道3のとおりで、世界の金融にご関心のある方は一読を。

 フランスのサルコジ大統領は9日、同国の自動車メーカー、ルノーとプジョーシトロエングループ(PSA)など3社に対し、総額65億ユーロ(約7700億円)の低利融資を実施すると発表した。低利融資といっても年利6%である。企業側が6%の金利を払って、国家から融資を受ける姿勢がわからない。国家とは言い換えれば国家権力である。国家権力に依存する宗教・団体・企業はすべて崩壊するという歴史の事実に対する視点がないのだろうか。

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1、仏政府、ルノーなど自動車3社に7700億円の低利融資
                    2009年2月10日 日経
 【パリ=古谷茂久】フランスのサルコジ大統領は9日、同国の自動車メーカー、ルノーとプジョーシトロエングループ(PSA)など3社に対し、総額65億ユーロ(約7700億円)の低利融資を実施すると発表した。販売不振に直面するメーカーの資金繰りを支えるのがねらい。政府は融資の条件として国内の生産拠点の維持を求めており、今回の支援策は雇用対策の側面も強い。
 ルノーとPSAに対してはそれぞれ30億ユーロを期間5年で貸し付ける。ほかにルノー・トラックに5億ユーロを融資する。これらの枠とは別に、国内の自動車部品メーカーに対しても同様の低利融資を実施する。2008年の新車販売台数は景気の急速な悪化の影響でルノーが前年比4.2%減、PSAが同4.9%減と落ち込んでおり、ルノーなどは政府に支援を求めていた
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2、フランス:政府支援策、自動車業界に9300億円 雇用維持条件に融資
                 毎日新聞 2009年2月10日 東京夕刊
【パリ福井聡】フランスのサルコジ大統領は9日、仏自動車業界に今後5年間で総額78億ユーロ(約9300億円)規模の新たな公的支援を実施すると発表した。年利6%で融資する。融資期間中は国内の工場や、雇用を維持するのが条件。仏自動車業界は歓迎しているが、欧州連合(EU)各国からは「保護主義」の批判も出ている。
 発表によると、ルノーとシトロエン・プジョーの大手2社が各30億ユーロ、両社の財務サービス部門や、ルノー・トラック、部品各社などが融資を受ける。サルコジ大統領は「我々は仏自動車産業を守り、仏国内での生産を維持できるよう望む」と強調した。
 しかし、サルコジ大統領は「仏市場で売るための車をチェコの工場で製造するのは(仏国民の雇用を奪う点で)認められない」とも発言。これに対し、チェコのトポラーネク首相が「モノやサービスの移動の自由はEUの基本原則でチェコへの工場進出は企業の自由意思だ。EU統合を進めるリスボン条約採択を妨げる内容だ」と強く反発している。
 フランスでは、自動車産業や関連産業で働く労働者が、全雇用者の約10%に当たる250万人に達している。

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3、UBS:最終赤字1兆5400億円 1〜12月期
毎日新聞 2009年2月10日 
 【ロンドン藤好陽太郎】スイス金融最大手のUBSが10日発表した08年1〜12月期決算は、不良債権の処理費用がかさんだことから、最終損益が196億9700万スイスフラン(約1兆5400億円)の赤字に転落した。赤字は2年連続で、スイス企業として過去最大の赤字幅。10〜12月期も81億スイスフランの赤字だった。
 UBSは昨年12月、スイス国立銀行(中央銀行)と設立した不良債権買い取りファンドに164億ドルを移管。大幅な損失が発生し、赤字が膨らんだ。今後、さらに227億ドルを移し、391億ドルを処理。投資銀行部門の圧縮をさらに進める。
 UBSからの資金流出は、10〜12月期も続き、中核となる資産運用部門や富裕層部門で計858億スイスフラン(約6兆7000億円)に達した。
 08年10〜12月期の人件費は前期比41%減らしたが、さらに2000人の人員削減に踏み切る。
 UBSは「企業や家計のキャッシュフローは悪化を続けており、市場環境は依然、厳しい」としている。




2009年02月09日(月) 韓国ソウル中央地裁、双竜自の法定管理開始を決定


報道
1、ソウル中央地裁、双竜自の法定管理開始を決定
                 2月6日11時38分配信 YONHAP NEWS
2、解説:説双竜自が法定管理、破産か存続決定はこれから
                 2月6日14時38分配信 YONHAP NEWS
3、【韓国】倒産危機「双竜自」、経済界が緊張
                 2008年12月26日
    http://minkara.carview.co.jp/userid/171796/blog/11527159/

 昨年の12月の上旬から経営悪化の報道があったが、2月6日双竜自の法定管理開始の決定があった。世界的な金融危機による資金難、市場低迷のという状況で、再建難しいと思う。日本の部品メーカーで被害を受ける先があるのではないかと思う。どちらにせよ、これだけ需要が激減すれば倒れるメーカーが出るのは必然の出来事になる。

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1、ソウル中央地裁、双竜自の法定管理開始を決定
2月6日11時38分配信 YONHAP NEWS

【ソウル6日聯合ニュース】ソウル中央地方裁判所は6日、双竜自動車が提出した企業回生手続き(法定管理)申請を受け入れた。同社の経営を預かる法定管理人には李裕一(イ・ユイル)元現代自動車海外部門社長と朴永台(パク・ヨンテ)双竜自動車常務を共同で任命した。
 裁判所は、双竜自は1月に満期が到来した手形920億ウォン(約60億円)を自社の金で決済できなかった上、現在の保有現金が400億ウォンにすぎず4月に満期となる社債1500億ウォンも返済できない状態だとし、支払不能な破産原因が存在するため再生手続きに取り掛かると明らかにした。

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2、解説:説双竜自が法定管理、破産か存続決定はこれから
2月6日14時38分配信 YONHAP NEWS
拡大写真
双竜自動車平沢工場のようす=(聯合ニュース)
【ソウル6日聯合ニュース】国内完成車メーカーのひとつ、双竜自動車に対し裁判所が6日、会社更生法にあたる企業回生手続き(法定管理)開始を決定した。同社の再生問題は社員の生活だけでなく、自動車産業をはじめ国内経済全般に多大な影響を及ぼすため、その行方が大きな関心を集める。しかし、世界的な金融危機による資金難、国内市場低迷の深刻化という状況で、再生可否の見極めは難しい。破産と事業継続のどちらが望ましいか、同社に対する査定結果と債権団の判断も法定管理の方向を決定する重大変数になるとみられる。
 企業回生手続き申請を審理してきたソウル中央地裁は、手続き開始を決定すると同時に、法廷管理人として朴永台(パク・ヨンテ)双竜自常務と李裕一(イ・ユイル)元現代自動車海外部門社長を内定した。会社内部の事情に精通した朴常務と自動車産業全般にわたり幅広い経験と年輪を重ねた李元社長という人選には、危機状況を突破しようとする裁判所の意志が透けて見える。

 今後は選任された調査委員が企業査定を進め、双竜自の債務など財産状況や再生の可能性などを評価した上で会社存続是非についての見解を報告書にまとめる。万一見込みがないと判断されれば、清算報告書を作成することもあり得る。企業回生手続きの開始決定が下ったとはいえ、清算または再生手続きの継続かはこの先4か月で確定することになり、乗り越えるべきヤマはこれからだ。

 調整委員が回生手続きの継続を提議すれば、管理人は再生計画案を作成する。裁判所はこれに法的な落ちがないか判断した後、債権者ら関係者集会を招集し計画案の可否を決定する。可決されれば、管理人は計画遂行へ移る。進行状況により買収・合併が推進される可能性もあるが、景気停滞と自動車市場不況が深刻化する現時点で、競争力ある中・小型車のラインナップを持たない双竜自の買収に乗り出す企業を期待するのは難しいという見方が優勢だ。裁判所は、計画案の履行が順調に進まない場合は職権で破産申告を下すこともできる。

 双竜自は企業回生手続きの申請と同時に、構造調整案の大枠も公開している。希望退職の施行、交替休職を通じた平均賃金の50%カット、2年間の賃金削減と昇格・採用凍結、福祉支援の暫定中断などを打ち出し、固定費支出を大幅に削減するため労組と協議を進める考えを示した。しかし、同社の業績と不確実な市場見通しなどを考えると、人員削減を含めた大規模な構造調整は不可欠とみられる。

 昨年の国内販売台数は3万9165台、輸出は5万3500台と、2007年に比べ29.6%減少し、今月1月の実績も大幅に落ち込んでいる。これに法定管理というマイナスイメージが重なれば、消費者が顔を背ける可能性は大きく、双竜自としては大規模な人員削減をはじめとする特段の措置を取らざるを得ないというのが専門家の分析だ。

 裁判所は手続き開始決定の一方で、筆頭株主の中国・上海汽車集団の協力なしには双竜自の再生は難しいとの内部的な判断があるとされる。双竜自は生き残りをかけ、国内だけでなく海外でも活路を見出す必要があるが、この場合に上海汽車の助けは必須と分析される。再生手続きの責任を負う裁判所が上海汽車を排除したというイメージが中国に伝わることになれば、中国での販売にも打撃を与えかねない。そのため、裁判所が管理人を通じ上海汽車側とも双竜自再生に向けた協議に乗り出す可能性が大きいと、業界関係者は伝えている。

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3、【韓国】倒産危機「双竜自」、経済界が緊張
2008年12月26日
http://minkara.carview.co.jp/userid/171796/blog/11527159/
双竜自動車の筆頭株主である中国の上海汽車が、人員削減などを含めた事業再編案を双竜自の労働組合が受け入れなかった場合、韓国から撤退する可能性があることが明らかになった。上海汽車が双竜自から手を引き双竜自が倒産すれば、約7,000人の労働者の失業や協力企業の連鎖倒産が予想され、韓国経済界に緊張が走っている。

 双竜自の崔馨鋒社長は23日、「労組が事業再編案を拒否して撤収が決まれば、その時期は来年1月初めか中旬になる」と明らかにした。来月11日には流動性が底をつくとし、上海汽車の支援がなければ、遅くとも来月中旬には不渡りを出すことになるとしている。

 現在、双竜自はすべての銀行から融資を断られており、12月分の社員の給料(約300億ウォン)を支払えない状況だ。双竜自は上海汽車にも出資を求めたが、上海汽車側は拒否したとみられる。17日からは平澤(京畿道)の昌原(慶尚南道)などすべての工場の生産をストップしている。

 ■強硬な労組に疑問視

 上海汽車が撤収の意思を明らかにした背景には、双竜自の労組が今後も経営方針に反発した場合、正常な生産活動が行えないと判断したことがある。

 全国金属労働組合(金属労組)の双竜自支部は、会社側が9月ごろに大規模な減産や配置転換などの構造調整に乗り出すことを決めたことに反発し、今月16日には駐韓中国大使館前で中国経営陣の退陣を求めるデモを行い、22日には緊急の代議員大会を開き、中央労働委員会に争議の調整を申請したほか、今後、全面ストライキなどの手段を取っていくことを宣言している。過去にも2006年に長期ストで1カ月間、工場の稼働をストップさせ、大きな損害を出している。

 一方、双竜自の先月の販売台数(国内・海外)は計3,835台と前年同期比62.6%減と激減。今年の営業赤字は1,000億ウォンを超えている。

 双竜自は1997年に大宇自動車によって買収されたが、大宇グループの経営破綻により、債権団の管理下に置かれた後、05年、上海汽車が双竜自株の49%を 5,900億ウォンで取得して、傘下に収めた。現在の上海汽車の所有株式は51%。だが、双竜自の現在の株価は約1,000ウォンで、買収当時の10分の 1に暴落しており、株価だけで5,000億ウォンの損害が出ていることも上海汽車の撤収を後押ししている。

 上海汽車の幹部は双竜自の経営状況を確認するため、24日、韓国を訪問。双竜自と上海汽車との交渉の行方が注目される。韓国経済新聞など各紙が伝えた。







2009年02月08日(日) オバマ大統領「経済危機は国家的大惨事に」

オバマ大統領「経済危機は国家的大惨事に」
報道
「経済危機は国家的大惨事に」オバマ大統領、演説で訴え
2009年2月7日20時29分 読売新聞)

オバマ米大統領はラジオとインターネットによる定例の演説で「法案を早期に成立させなければ、経済危機は国家的な大惨事になる」と述べ、景気対策法案の早期成立を訴えている。しかし、法案が成立しても現在の危機から立ちあがることは出来ないと思う。

 煽りに煽ってきた消費バブルの崩壊は、深刻なGDPの減少を招くと思う。米国のGDPは1300兆円である。うち70%は国民の消費でカウントされている。
1300兆円×.7=910兆円

自動車の販売台数は30%以上、住宅の新規建設は半分以下の気配である。そして一連の失業者の問題を考えると910兆円の10%以上消費が落ち込むと思う。負の連鎖を如何に断ち切るか、その見通しが限りなくゼロなのである。米国の国家的大惨事は自分たちが引き起こした惨事なのである。しかも世界中の損失をばら撒きながら。



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「経済危機は国家的大惨事に」オバマ大統領、演説で訴え
2009年2月7日20時29分 読売新聞)

 【ワシントン=岡田章裕】オバマ米大統領は7日、ラジオとインターネットによる定例の演説で「法案を早期に成立させなければ、経済危機は国家的な大惨事になる」と述べ、景気対策法案の早期成立を訴えた。

 6日に発表された雇用統計をもとに「1月に60万の雇用が失われ、景気後退(リセッション)が始まってから360万人以上が職を失った」と指摘し、「大恐慌以来の経済危機で、米国民は議会が大きな困難に立ち向かうことを望んでいる」と強調した。
 上院で審議中の景気対策法案を巡っては、民主党と一部共和党議員が6日夜、事業規模を7800億ドル(約72兆円)まで1000億ドル以上圧縮する妥協案で合意し、数日内に可決する見通しとなった。
 法案が可決されれば、8200億ドル規模の下院法案と一本化したうえで16日までの成立を目指すが、調整が難航する可能性もある。
 上院の妥協案は、共和党への配慮から下院案より減税策の割合が高く、最終的な事業規模も流動的だ。公共投資にばらまき事業が多いとの批判に対し、民主党は事業規模を削減し、減税策の割合も高めるなど大幅に歩み寄ったが、残る大半の共和党議員の理解は得られていないのが現状だ。
 このためオバマ大統領は、週明け9日に中西部のインディアナ州、10日に南部のフロリダ州を遊説し、景気対策法案の早期成立を訴える。いずれも失業率が高い地域で、市民と直接、対話する予定だ。
(2009年2月7日20時29分 読売新聞)





2009年02月07日(土) 米国の失業者1250万人〈失業率7.6%〉

報道と資料
1、12月の米失業率7.2% 失業者累計 1152万人   
                   2009年1月12日危険危機情報
2、1月米失業率、7.6%に上昇 雇用59万8000人減、34年ぶり落ち込み                                                                2009年2月6日 日経
3、米雇用減、前月比60万人に迫る 失業率7.6%に悪化
                     2009年2月6日朝日新聞
4、米大統領「景気後退、数年に及ぶ恐れ」 強い危機感表明
                     2009年2月6日 日経


 雇用者数の減少は報道2の通り昨年1月からの合計で約360万人に達している。
2007年12月末の失業者           893万人
2008年1月〜2009年1月までの失業者   360万人
                         1253万人 ・・失業率7.6%
 
 12月は57万7000人が失業、1月が59万8000人である。昨年11月以降、3カ月連続で毎月約60万人のペースで雇用が失われている。今後に注目しなければならない。なぜなら、6ヵ月後は日本も後を追うように、類似した雇用環境になることを覚悟しなければならないからである。

 常に米国社会に何が起こっているかという視点でアンテナを張っておく必要がある。過日のNHKの金融危機の特集で、自動車ローンが払えなくて、1年で180万台引き上げられることが報道されていた。住宅の差し押さえも100万件を超えている。住宅バブルの崩壊・金融危機・消費バブルの崩壊を、70兆円余りの法律で止めることは出来ないと思う。


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1、12月の米失業率7.2% 失業者累計 1152万人   
  2009年1月12日
1、12月の米雇用52万人減 失業率は7.2%に悪化
                     2009年1月9日 朝日
2、12月の米失業率7.2% 08年雇用喪失数は戦後最高     
                      2009年1月10日CNN
3、【図解】米国の失業率
         http://blogs.yahoo.co.jp/sdwkj355/48198557.html

 米国の雇用動向が世界経済に影響を与えることはここで言うまでもない。
米労働省が9日発表した昨年12月の雇用統計によると、就業者数の減少幅は08年の1年間で計258万9千人に達し、第2次世界大戦が終了した1945年(275万人)以来の大幅な落ち込みとなったという。12月の失業率は前月より0.4ポイント悪化し7.2%に上昇、93年1月(7.3%)以来、16年ぶりの水準となった。 このデータを整理して見よう。
2007年12月末の失業者    893万1000人
2008年中の失業者       258万9000人
2008年12月末の失業者   1152万人・・・・・・失業率7、2%
日本の失業率は米国のデータを追いかける趨勢であると認識しなければならない。
http://www.enpitu.ne.jp/usr3/bin/day?id=30290&pg=20090112

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2、1月米失業率、7.6%に上昇 雇用59万8000人減、34年ぶり落ち込み                      2009年2月6日 日経
 【ワシントン=米山雄介】米労働省が6日発表した1月の雇用統計(季節調整済み)によると、失業率(軍人を除く)は前月より0.4ポイント高い7.6%となり、1992年9月以来、16年4カ月ぶりの水準に悪化した。非農業部門の雇用者数は前月から59万8000人減少し、1974年12月(60万2000人減)以来、約34年ぶりの落ち込みとなった。内外需の不振を背景とした企業のリストラ加速で米雇用情勢は急激に悪化している。
 雇用者数の減少は13カ月連続。昨年1月からの合計で約360万人に達した。昨年12月の雇用減も当初発表の52万4000人から57万7000人に悪化方向で修正。昨年11月以降、3カ月連続で毎月約60万人のペースで雇用が失われている。
 2007年12月に始まった景気後退での雇用減の約半分が最近の3カ月に集中しており、金融危機による信用収縮が、実体経済を下押ししたことがあらためて浮き彫りになった。企業のリストラは主要製造業から小売りなどに広がっており、米雇用情勢はさらに悪化する可能性が高い。(22:39)

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3、米雇用減、前月比60万人に迫る 失業率7.6%に悪化
                 2009年2月6日23時10分 朝日新聞
 【ワシントン=西崎香】米労働省が6日発表した1月の雇用統計は一段と悪化した。非農業部門の就業者数は前月比59万8千人減り、第1次石油危機による不況期の74年12月以来、約34年ぶりの激減となった。失業率も同0・4ポイント悪化して7・6%に跳ね上がり、約16年ぶりの高水準。戦後最高に近い9%台も視野に入ってきた。
 今回の景気後退が始まった07年12月からの雇用減は約357万人に達し、大恐慌期の39年以来最悪といわれる。このうち約半分が過去3カ月に集中。経済危機による急転直下の不況の深刻さを示した。
 昨年1年間の雇用減も当初発表より約38万人多い約297万人に修正された。今年の落ち込みは上半期だけで約300万人にのぼるとの予想も浮上している。失業率は1年間で2・7ポイントも上昇しており、第2次石油危機の後遺症に苦しんだ82〜83年に記録した戦後最高水準の9〜10%台に迫る勢いだ。
 人減らしは加速しており、1月も製造や建設、専門サービスなどの業界で減少が目立った。企業は人件費カットで正社員を減らし、パートタイムや派遣、下請けへの依存度を高めている。やむを得ずパート職に就いている人たちは800万人近くにのぼる。

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5、米大統領「景気後退、数年に及ぶ恐れ」 強い危機感表明
               2009年2月6日 日経
 【ワシントン=丸谷浩史】オバマ米大統領は5日付の米紙ワシントン・ポストに「米国民が必要とする行動」と題して寄稿し、米経済の現状に強い危機感を表明するとともに、景気対策法案の早期成立を議会に求めた。現職大統領自ら就任直後に有力紙に寄稿するのは異例。
 大統領は「何も行動しなければ、景気後退は数年に及ぶ恐れがある」と指摘。景気法案の成立が遅れれば「米経済は500万人以上の雇用が失われ、失業率は2ケタに達するだろう」との見通しを示した。景気法案には「短期的なものだけでなく、長期的な成長のための事業」を盛り込んでいるとも強調した。(01:28)




2009年02月06日(金) 米、金融機関経営者の報酬上限4500万円に 大統領発表へ


1、米、金融機関経営者の報酬上限4500万円に 大統領発表へ
                      2009年2月4日 日経
2、オバマ米大統領:公的資金受けた金融経営陣の報酬制限へ
                      毎日新聞 2009年2月4日 

2月1日に田中宇「米金融界が米国をつぶす」という記事を引用した。
米国の金融業界は次々と金融システムを作り、そして暴走し崩壊している。暴走の一例が公的資金の援助を受けているのに役員〈660人〉らの高額賞与である。支給額が推定184億ドル(約1兆7000億円)というから唖然である。ともかく、1人平均で25億円なのである。

 オバマ米大統領とガイトナー財務長官は公的支援を受けている金融機関の経営者の報酬制限について発表した。米ニューヨーク・タイムズ(電子版)は経営者の報酬を50万ドル(約4500万円)までに制限するという。大統領の俸給とほぼ同水準まで制限する形になる。オバマ米大統領の決定は、素晴らしいリーダーシップだ。

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1、米、金融機関経営者の報酬上限4500万円に 大統領発表へ
                 2009年2月4日 日経
 【ワシントン=大隅隆】オバマ米大統領とガイトナー財務長官は4日午前11時(日本時間5日午前1時)、公的支援を受けている金融機関の経営者の報酬制限について発表する。米ニューヨーク・タイムズ(電子版)は経営者の報酬を50万ドル(約4500万円)までに制限すると報じた。大統領の俸給とほぼ同水準まで制限する形になる。
 オバマ大統領は3日、CNNテレビのインタビューで「我々は非常に明確な条件を設けている。(公的支援で)政府が経営権を握るわけではなく民間企業として存続する」と語った。
 オバマ政権は、不良資産処理などを盛り込んだ金融安定化策の全体像の発表に先立ち経営者の報酬制限を発表する。世論の批判の根強い経営者の高額報酬に厳しい制限を設けることで、金融機関への公的資金投入拡大に理解を得ることも狙っているとみられる。(13:31)
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2、オバマ米大統領:公的資金受けた金融経営陣の報酬制限へ
毎日新聞 2009年2月4日 
 【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は4日、公的資金による資本注入を受けた金融機関経営陣の報酬制限などを発表する。米メディアによると、経営者の報酬を大統領の年間給与とほぼ同水準の50万ドル(約4500万円)までに制限する方針。現在検討中の新たな金融対策では、追加的な公的資金の投入が必要になる見通しで、国民を納得させるためにも報酬制限などの厳しい措置が必要と判断したとみられる。
 米大手金融機関では、07年にゴールドマン・サックスがブランクファイン最高経営責任者(CEO)にウォール街史上最高の6850万ドル(約61億円)の報酬を支払ったほか、米大手銀ウェルズ・ファーゴに吸収合併されたワコビアのトンプソン元CEOも07年の報酬は1565万ドルだった。ただ、08年はほとんどのトップが報酬を辞退している。
 金融機関の高額報酬については世論の反発が強く、オバマ大統領も高額ボーナスについて「会社が破綻(はたん)の危機にひんし、国民の税金で救済してもらっている時に(高額ボーナスをもらうのは)あまりに無責任だ」と指摘。「恥ずべき行為だ」と強く批判していた。
 米メディアによると、オバマ政権は金融機関が抱える不良資産の買い取りや、追加の資本注入などを柱とした新たな金融対策を検討している。ブッシュ前政権は昨年秋、最大7000億ドルの公的資金枠を設定したが、新たな対策を実施するには追加的な公的資金の投入が不可欠との見方が強い。





2009年02月05日(木)  米:驚く保護主義の動き

報道
1、社説:バイ・アメリカン―保護主義の誘惑を断て
                      2009年3月15日 朝日
2、社説:バイ・アメリカン、保護貿易主義は許されぬ 
                     2009年2月5日 読売新聞
 
 米国の国会議員は、住宅バブル・金融システム・消費バブルの崩壊などの混乱の渦の中で冷静な判断が出来なくなって来ているように思う。戦後の自由貿易体制の中心となってきた米国が、公共事業から輸入製品を締め出す法案が審議されている。公共事業で米国製の鉄鋼の使用を義務づける内容で、下院が先週可決した。賛成の中心となったのはオバマ大統領の与党、民主党なのである。上院では義務づけの対象品目を工業製品全体へ広げた法案を審議中というから驚きだ。

 今回のバイ・アメリカン条項で米国が外国製品を排除すれば、同じように他の国で米国製品が排除される恐れがあるからだ。そうなると米国の輸出企業も打撃を受ける。報復が報復を呼ぶ貿易戦争になれば、世界貿易はますます縮小し、共倒れになるのは必至である。米国の議員には経済危機の震源地となって不況を世界中へ及ぼした責任感がないのだろうか。これがあれば世界経済が壊滅に進む保護貿易主義の動きは取らないと思う。経済の混乱はまだ序の口ナノかも知れない。

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1、社説:バイ・アメリカン―保護主義の誘惑を断て
                          2009年3月15日 朝日
 世界同時不況を受けて、輸入関税の引き上げや自国産業への補助金のような保護主義的な動きが、各国に出ている。そこへ、よりによって戦後の自由貿易体制の中心となってきた米国で、公共事業から輸入製品を締め出すような法案が審議されている。
 問題の「バイ・アメリカン(米国製品を買う)」条項は、8千億ドル(約72兆円)を超える景気対策法案に議員修正で盛り込まれた。公共事業で米国製の鉄鋼の使用を義務づける内容で、下院が先週可決した。賛成の中心となったのはオバマ大統領の与党、民主党だ。上院では義務づけの対象品目を工業製品全体へ広げた法案を審議中だ。
 これには各国から批判の声が高まっている。欧州委員会は「可決されれば看過できない」と警告。日本も二階経済産業相が先週末の世界貿易機関(WTO)の非公式閣僚会合で「昨年11月の金融サミットで保護主義防止を誓った首脳宣言の趣旨とまったく違う」と指摘し、見直しを求めた。
 オバマ大統領は今週、テレビのインタビューでこれについて「貿易が世界規模で落ち込んでいる時に、米国が世界貿易より国益ばかり考えているというメッセージを送るのは誤り」「貿易戦争を引き起こさないという保障が必要だ」と述べた。もっともである。
 ただ今後、上下両院の調整を経て、もしこの条項が景気対策法案に含まれたまま議会を通れば、オバマ氏も難しい立場に置かれる。拒否権を行使すれば景気対策の財政出動や減税まで遅れるし、いきなり議会と対立するのは新政権として避けたいところだろう。
 そこは、世界の期待を背負って登場したオバマ氏である。いまから議会を説得し、保護主義を寄せつけない姿を世界に見せてほしい。上院は考え直して条項を削除すべきだ。
 米国は大恐慌下の1933年にもバイ・アメリカン法をつくり、世界経済の保護主義化に拍車をかけた。それが誤りだったことは、その後、世界不況が長期化し世界大戦へとつながった歴史がはっきりと示している。
 今回のバイ・アメリカン条項には、米国の産業界の中にさえ反対論が強い。米国が外国製品を排除すれば、同じように他の国で米国製品が排除される恐れがあるからだ。そうなると米国の輸出企業も打撃を受ける。
 報復が報復を呼べば、世界貿易はますます縮小し、どの国の経済も共倒れになってしまう。
 4月に開かれる2回目の金融サミットでは、この保護主義が焦点の一つとなるだろう。そのときオバマ大統領が首脳たちへ「自由貿易の堅持」を訴えられるよう、自国の保護主義を排除しておく。経済危機の震源地となり不況を世界中へ及ぼした米国には、そのように行動する責任がある。

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2、バイ・アメリカン、保護貿易主義は許されぬ(2月5日付・読売社説)
2009年2月5日01時43分 読売新聞
 世界不況が続く中、米国が保護貿易に走れば、景気回復にも悪影響を与える。かつての大恐慌を深刻化させた教訓を忘れてはいけない。
 オバマ米大統領は、保護貿易の封じ込めへ、強い決意で臨む必要がある。
 米議会下院が1月末に可決した8000億ドル超(約74兆円)の景気対策法案に、「バイ・アメリカン条項」が盛り込まれた。
 米国政府が発注する道路や橋などを建設・改修する公共事業で、米国製の鉄鋼を優先的に購入するよう政府に義務づける内容だ。
 景気悪化で住宅と自動車市場が冷え込み、米鉄鋼各社の業績は急速に悪化した。米国製の鉄鋼を公共事業に優先的に使用させ、業界を支援する狙いだろう。
 上院が近く採決する法案は、鉄鋼だけでなく、政府が調達する一般工業製品も、バイ・アメリカン条項の対象に加えている。外国製品を締め出すもので、露骨な保護主義といえよう。
 米国は戦前の大恐慌の際、バイ・アメリカン法を制定した。各国が対抗したことで、ブロック経済化が進み、貿易が縮小して危機が拡大した。
 これを反省し、戦後は貿易自由化が重視された。こうした流れの中で米国は、世界貿易機関(WTO)の政府調達協定で、日欧などに対しては、バイ・アメリカン法を適用せず、内外無差別とすることを約束した。
 バイ・アメリカン条項はこの協定に違反している可能性が大きい。「今後1年は新たな貿易障壁を設けない」という昨年11月の金融サミット合意も反古(ほご)になる。
 日本や欧州が、米国に懸念を表明したのは当然だ。全米商工会議所なども反発している。
 オバマ大統領は3日、「貿易戦争の引き金を引くような条項が法案に盛り込まれないようにすべきだ」と述べた。各国の批判などを踏まえた発言とみられる。
 上院で法案が可決された後、下院との調整を経て、大統領が署名し、法律が発効する。大統領は、問題の条項を削除するように議会を説得すべきだ。
 金融危機が広がった昨秋以降、ロシアが自動車、インドが鉄鋼の関税を引き上げるなど、保護主義的な動きが相次いだ。
 米国で保護主義圧力が高まれば、こうした傾向に一段と拍車をかける恐れが大きい。世界不況も長期化させかねない。
 自由貿易を推進してきた米政権の姿勢が問われている。





2009年02月04日(水)  ビッグスリーの再建ができるのか

報道
1、ビッグスリーの将来に新たな疑問、1月販売台数の落ち込みで
                  2009年3月15日  日経
2、米新車販売:急落に歯止めかからず ビッグ3再建に暗雲
                  2009年3月15日 毎日

 現役のときは製造業の役員20年勤めたので、ビッグスリーの大幅減産は信じられないほど生産コストを上昇させるのである。作れば作るほど赤字が出る形になっている。政府の救済資金は、数ヶ月で無くなってしまうだろう。わたしの体験的な感触で言えば、ビッグスリーの内3社は破綻するのではないかと思う。

1月の販売台数は次の通りだ。
クライスラー前年同月比   55%減の6万2157台
ゼネラル・モーターズ同  49%減の12万8198台
フォード・モーター同    40%減の9万3041台

 GMは販売減に対応するため、工場の操業停止など生産調整を強化。1月の北米生産を前年比78%減の6万5000台まで減らし、1〜3月期でも57%減の38万台まで絞り込む。クライスラーも昨年12月下旬から1カ月間、北米の全工場の操業を止めている。事実上破綻しているような姿である。

1月の新車販売の数字は、米議会でビッグスリーの将来についての議論を呼び起こすことは必至だ。米政府によるビッグスリー救済に反対したリチャード・シェルビー上院議員同議員は、「奇跡でも起こらない限り、うまくいくとは思えない」と指摘している。

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1、ビッグスリーの将来に新たな疑問、1月販売台数の落ち込みで
                  2009年3月15日  日経
 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)ビッグスリー(米3大自動車メーカー)の1月の新車販売台数は数十年ぶりの低水準に落ち込み、3社の先行きと、政府の救済策の実行可能性に対する新たな疑問が浮上している。
 クライスラーの1月の新車販売台数は前年同月比55%減の6万2157台となった。ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)は同49%減の12万8198台、フォード・モーター(NYSE:F)も40%減の9万3041台となった。
 落ち込み幅は事前の予想を上回った。背景には、個人消費があらゆる商品で低迷していることがある。自動車メーカーは今回の販売減少の理由として、レンタカー会社などの業者による自動車購入の落ち込みや、多くの消費者が自動車ローンを獲得できないことなどを挙げた。
 米調査会社オートデータが3日発表した統計によると、1月の業界全体の乗用車および軽トラックの販売台数は65万6976台で、前年同月比37%の減少となった。これは1981年12月以来の低水準で、初めて中国の販売台数を下回った。GMによると、中国の1月の新車販売台数はおよそ79万台だった。
 季節調整済み・年率換算では957万台となり、1982年6月以来の低水準となった。
 現金が底を突きそうな危機的状況にあったGMとクライスラーは2008年12月、174億ドルの緊急融資が米議会に認められた。融資条件の下で、両社は政府に対し、2月17日までに経営再建計画を提出しなければならない。しかし1月の新車販売台数が厳しい数字となったことが、再建計画の作成を難しくする可能性がある。
 ビッグスリーの中で最小のクライスラーは、最も危険な状況にあると考えられている。先行き不安を払しょくするため、同社はイタリア自動車メーカー、フィアット(F.MI)との提携を目指している。フィアットの広報担当グアルベルト・ラニエーリ氏は、クライスラーの1月の新車販売台数は、フィアットがクライスラーの株式35%を取得する計画とは何ら関係ない、と述べた。
 1月の新車販売の数字は、米議会でビッグスリーの将来についての議論を再び呼び起こしている。リチャード・シェルビー上院議員(共和党、アラバマ州)は、クライスラーのビジネスモデルが「機能していない」と指摘。米政府によるビッグスリー救済に反対した同議員は、「奇跡でも起こらない限り、うまくいくとは思えない」と述べた。

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2、米新車販売:急落に歯止めかからず ビッグ3再建に暗雲
              2009年3月15日 毎日
 米新車販売台数の急落に歯止めがかからない。1月は前年同月に比べ4割近くも減少し、深刻な経営難に陥っている米自動車大手3社(ビッグ3)の落ち込みが特に激しい。米政府からの緊急融資で足元の運転資金をつないでいるゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーの資金繰りは厳しさを増しており、再建計画の練り直しは必至だ。一方、日本メーカーの苦境も続いており、生産体制の一段の縮小は避けられそうにない。【宮島寛、ワシントン斉藤信宏】
 ◇計画練り直し必至
 米自動車最大手GMの1月の新車販売は前年比でほぼ半減、クライスラーは54.8%減と下落率が5割を超えた。両社は昨年末、政府に支援を求め、計174億ドル(約1兆5500億円)の緊急融資を受けることが決まった。このうち134億ドルはすでに実施されており、両社とも「政府からの融資でようやく年越しの運転資金を工面した」(米金融関係者)というのが実情だ。
 GMは販売減に対応するため、工場の操業停止など生産調整を強化。1月の北米生産を前年比78%減の6万5000台まで減らし、1〜3月期でも57%減の38万台まで絞り込む。クライスラーも昨年12月下旬から1カ月間、北米の全工場の操業を止めるなど運転資金の節約に努めてきた。
 しかし、両社とも販売の減少は止まらず、資金流出も続いている。販売不振で在庫が増大し、その分、工場の稼働を抑制せざるを得ないという悪循環を断ち切れなくなっており、再建に向けた展望は開けていない。GMは米国内の工場を対象に追加の人員削減を実施すると発表し、クライスラーも人員削減に踏み切る見通しだが、「抜本的な再建にはつながらない」(米自動車アナリスト)との見方が大勢だ。
 今月17日には政府による追加支援の前提となる経営再建計画を両社が提出する予定だが、再建計画が十分ではないと判断されて追加支援を得られなければ、経営破綻(はたん)に直結する公算が大きい。両社とも昨年末に続き、再び存続に向けた正念場を迎えることになりそうだ。
 一方、政府支援を受けなかったフォード・モーターも、08年決算で純損失が145億7100万ドルと3年連続の赤字になった。赤字幅は前年の27億2300万ドルから大幅に拡大。特に金融危機の影響を受けた08年10〜12月期の落ち込みが激しく、3カ月間で手元資金が約55億ドル流出しており、GM、クライスラーと同様に経営危機に直面する恐れが強まっている。
 ◇日本勢も悪化の一途
 日本メーカーの1月の米新車販売は、米ビッグ3ほどではなかったものの、いずれも約3割の大幅減となった。各社は、既存工場の閉鎖をできるだけ避けながら、操業を一時休止するなどの手法で生産調整を進めている。だが、国内外の市場回復のめどが一向に立たない中、「工場の統廃合も必要」(アナリスト)と、一段のリストラの必要性を指摘する声も出始めた。
 「年が明ければ市場が多少は持ち直す、という淡い期待は砕かれた」と、中堅メーカー役員は嘆く。各社とも大型車の販売減が続いているうえ、昨年夏まではガソリン高で好調だった小型車の販売も減少している。大型車が主力の米ビッグ3に比べれば落ち込みはまだ小さいものの、日本メーカーにとって世界販売の約4割を占める米国での販売減少の影響は大きく、業績予想の下方修正が相次いでいる。
 国内各社は「市場縮小は当面続く」と見ており、トヨタ自動車は北米8工場を4月初旬までの約3カ月で最大30日間休止し、国内でも2〜4月の1日当たりの生産計画を前年比で半減させる。日産自動車やホンダなども減産を強化しており、国内メーカー主要12社の今年度の減産規模は280万台を超える見通しだ。
 各社の工場稼働率は、黒字確保に最低限必要とされる7割を下回り始め、売り上げがないまま工場の維持費が重くのしかかりつつある。このため、一部メーカーは既存工場の生産ライン縮小など生産体制の抜本見直しの検討も始めている。【宮島寛】
【関連記事】
米新車販売:GM、クライスラー半減…1月前年比
トヨタ:グループ9社が経常減益 08年4〜12月期
トヨタ:中部空港・稲葉社長の復帰検討、北米テコ入れ狙う
1月新車販売:27%減 落ち込み過去最大
トヨタ:連結販売台数、また下方修正 10万台以上減へ
毎日新聞 2009年2月4日 21時22分






2009年02月03日(火)  輸出企業は円の独歩高で危機に

参考報道
1、自動車:国内生産25%減 過去最大の減少率−−12月前年比
                   毎日新聞 2009年1月31日
2、ドル、ポンド、下落「底なし」 日本の輸出企業は絶滅寸前だ
                   2009年1月29日J-CASTニュース
3、米FRB、国債購入の用意=ゼロ金利は継続
                    2009/01/29  時事通信

 金融危機の深刻化で需要が世界中で縮小し、輸出産業は重大な段階に来ている。米FRBは金融危機以来市場の債権を買い取る形で、200兆円近いドル札を印刷して市場にばら撒いている。日銀は対抗すべきだ。円札を大量に印刷してドル売り円買い対抗すべきではないか。

 2008年12月の自動車国内生産実績は、前年同月比25.2%減の72万5552台で、統計がある67年1月以来で最大の減少率になった。輸出実績も33.6%減の42万2077台で、減少率は統計のある73年1月以降で最大となる。新車需要が世界中で縮小し、各社が減産規模を急拡大している。

 日本の輸出企業は円の独歩高で危機に追い込まれている。日々の映像に書いたが、日立は戦後60年間で蓄積した内部留保2兆円の内7000億円が1年で吹っ飛んだ。日本の輸出関連企業は、景気回復まで内部留保が空っぽになるかもしれない重大な危機に追い込まれている。

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自動車:国内生産25%減 過去最大の減少率−−12月前年比
                       毎日新聞 2009年1月31日
 日本自動車工業会(自工会)が30日発表した08年12月の自動車国内生産実績は、前年同月比25・2%減の72万5552台で、統計がある67年1月以来で最大の減少率だった。輸出実績も33・6%減の42万2077台で、減少率は統計のある73年1月以降で最大だった。金融危機の深刻化で新車需要が世界中で縮小し、各社が減産規模を急拡大させた。
 国内生産の前年割れは3カ月連続。台数も12月では76年以来の低水準だった。車種別は、普通乗用車(3ナンバー車)が41・6%減の大幅減、トラックも27・8%減。一方、軽乗用車は13・4%増で、低価格車は根強い人気を維持した。輸出は米国で36・1%減、欧州で47%減と、すべての主要地域向けで前年割れ。特にアジアが36・2%減、中東も16・3%減と新興国の落ち込みが目立った。
 08年通年でも、国内生産は前年比0・3%減の1156万3629台で、7年ぶりに前年割れ。輸出は2・7%増の672万7091台で7年連続のプラスだった。【宮島寛】

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2、ドル、ポンド、下落「底なし」 日本の輸出企業は絶滅寸前だ
                 1月29日18時36分配信 J-CASTニュース

 景気回復か、内部留保空っぽが先か――日本の輸出企業が崖っぷちに追い込まれている。世界的な金融危機で米ドルばかりか英ポンドも急落、日本円の独歩高が続いていて一向に収まりそうにない。オバマ政権の発足で「ドルが多少でも上向くのではないか」といった期待は裏切られ、円高は1ドル70円台、60円台も見えてきそうな気配が漂う。日本の輸出企業は絶滅寸前で、その姿は世界を席巻した「恐竜」の最後を思わせる。

■「80円台の為替水準が続けば、経営はさらに厳しくなる」

 米国の著名な投資家、ジム・ロジャーズ氏に「終わった通貨」と揶揄された英ポンドは、この1年間で対ドルや対ユーロで3分の1下がった。2007年7月には1ポンド215円に達していたものが、09年1月23日には史上最安値の118円台にまで下落したのだから、そう言われても仕方がない。

 ロジャーズ氏によれば、「英国には売る資産もなくなった。ポンドは売り圧力にさらされる」とみている。さらに最近は英ポンドの急落でユーロも連れて下げていて、円は「独歩高」が際立ってきた。

 オバマ大統領の就任に沸く米国、ニュージャージー州在住のあるエコノミストは、「1ドル60円」の可能性を示唆する。米ドルに英ポンド、ユーロも下落して、円が暴騰する「条件」が整っているからだ。

 円高の影響は深刻さを増している。北米市場を中心に「世界」でもうけてきたトヨタ自動車やソニーなどの日本の輸出企業は、円が上昇するたびに収益をはき出して経営を維持しているようなもの。たとえば、トヨタは1円の円高で400億円、ホンダは200億円、ソニーも1900億円もの営業利益が目減りする。「80円台の為替水準が続けば、経営はさらに厳しくなる」(ホンダ)。

 円高の進展は、企業の赤字幅が膨らんでいくことを意味する。トヨタのように12兆円もの内部留保があったとしても、それを取り崩して生き延びるしかない経営状況が続けば、そう遠くない時期に危機に陥る。

■トヨタやソニーの赤字幅は広がる一方

 世界中の、どの国も景気悪化が著しい。だからからといって、内需に目を向けても人員削減や賃下げの不安で消費者の購買意欲は上がらない。モノが売れなければ、企業の利益は上がらない。値下げが消費に結びつかなくなって、内需拡大どころか、今のままではデフレスパイラルが懸念される。

 過去の円高局面で日本企業が行ったのは、商品の高付加価値化。自動車でいえば最新のエンジンの研究・開発だが、収益の低下でここまで資金が回らなくなっている。これでは消費を刺激することすら儘ならない。

 もう一つは、海外進出。ホンダは現在も北米の販売台数の約8割を現地生産しているが、「従来から、できるだけ需要のあるところで生産する方針でやってきた。この局面で方針を変更する予定はない」(広報部)という。輸出ではなく、現地生産を強める企業はここ数年来増えているが、第一生命経済研究所の主席エコノミスト・嶌峰義清氏は、「いまの為替水準が続くようだと、さらに海外進出が増える可能性がある」と指摘する。

 しかし、いまの景気悪化は世界中で起こっている。傷が浅そうな新興国への進出を強めようとしても、今度は他社との競争が激しくなって、これまでのような儲けは見込めない。国内はもっと深刻だ。工場の海外移転がさらに進み、雇用機会が失われることで、国内消費はますます悪化。これでは八方ふさがりだ。
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3、米FRB、国債購入の用意=ゼロ金利は継続
                     2009/01/29-10:48 時事通信
【ワシントン28日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は、27、28の両日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、現在0〜0.25%に設定しているフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを据え置くとともに、政府機関債、住宅ローン担保証券の大量購入を継続することを決めた。28日のFOMC終了後に発表した声明は、信用市場の改善に有効なら「長めの期間の米国債の購入に踏み込む用意がある」と言明。金融危機や深刻化する景気後退に対応し、「採用可能な方策を総動員」すると強調した。(2009/01/29-10:48)





2009年02月02日(月)  米、マイナス3.8%成長

報道
1、米、マイナス3.8%成長 実質GDP、10―12月年率
                      2009年3月11日 日経
2、米GDP:年率換算、成長率3.8%減 27年ぶり−−10〜12月
毎日新聞 2009年1月31日 


 商務省が30日発表した昨年10―12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期の昨年7―9月期(0.5%減)に比べ年率換算(季節調整済み)で3.8%減少した。

 2期連続のマイナス成長。個人消費など内需が総崩れとなったうえ世界経済の失速で輸出もマイナスに転じた。内需の悪化が明らかになったのは2008年11月からであった。それで、万明日3.8%マイナスであるので、1−3は更に悪化すると思う。米国の景気後退は戦後最長になることは必至だろう。

 オバマ大統領は30日の演説で「景気後退は深刻になっている」と発言、議会で審議中の景気対策の早期成立を訴えた。米国の輸出が19・7%減。自動車や家電などの耐久消費財が22・4%減などの傾向は、日本の姿と同じである。底の見えない大不況・・なんとも不気味な社会の映像である。

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1、米、マイナス3.8%成長 実質GDP、10―12月年率
                        2009年3月11日 日経
 【ワシントン=大隅隆】米商務省が30日発表した昨年10―12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期の昨年7―9月期(0.5%減)に比べ年率換算(季節調整済み)で3.8%減少した。2期連続のマイナス成長。個人消費など内需が総崩れとなったうえ世界経済の失速で輸出もマイナスに転じた。経済情勢悪化は年明け以降も続いており、米国の景気後退は戦後最長になる可能性が高まってきた。
 オバマ大統領は30日の演説で「景気後退は深刻になっている」と発言、議会で審議中の景気対策の早期成立を訴えた。また、バイデン副大統領をトップとする中間層支援のための特別チームの設置を正式発表した。(01:39)

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2、米GDP:年率換算、成長率3.8%減 27年ぶり−−10〜12月
毎日新聞 2009年1月31日 

 【ワシントン斉藤信宏】米商務省が30日発表した08年10〜12月期の米国内総生産(GDP)の実質成長率(季節調整済み・速報値)は、年率換算で前期(08年7〜9月期)比3・8%減となり、2四半期連続のマイナス成長となった。減少幅は82年1〜3月期以来、約27年ぶりの大きさ。ただ、市場予想(5%減)に比べるとマイナス幅は小さかった。個人消費をはじめとする民間部門の落ち込みが激しく、米景気の悪化が一段と深刻になっていることを裏付けた。
 08年通年の実質成長率は1・3%増だった。4年連続で前年を下回り、01年以来7年ぶりの低水準となった。10〜12月期は、9月の「リーマン・ショック」以降に深刻化した金融危機の影響で、前期の0・5%減から急降下した。世界規模の景気悪化で、輸出が19・7%減(前期3・0%増)と落ち込んだことに加えて、年末商戦などの消費の不振が響いた。
 GDPの約7割を占める個人消費が3・5%減(3・8%減)と引き続き低迷し、特に自動車や家電などの耐久消費財が22・4%減(14・8%減)、衣料など非耐久財も7・1%減(7・1%減)と落ち込んだ。
毎日新聞 2009年1月31日 東京朝刊





2009年02月01日(日) オバマ氏激怒、金融界けしからん 役員らの高額賞与に

報道
1、オバマ氏激怒、金融界けしからん 役員らの高額賞与に
                       2009年1月30日  共同通信
2、オバマ大統領、巨額ボーナス「無責任の極み」と激怒
                     2009.1.30 10:23 産経新聞
3、就任9日目でオバマ大統領初怒り!金融界高額ボーナスに                        2009年1月31日06時02分 スポーツ報知
 
4、米金融界が米国をつぶす
               田中宇の国際ニュース解説 2008年11月28日
 
 
 以前も書いたが米国社会は「自由という名の宗教」の暴走がある。次々と金融システムを作り、そして暴走し崩壊している。オバマ大統領が強力な指導力を発揮しても、容易にこの危機を脱することは出来ないと思う。

 暴走の一例が公的資金の援助を受けているのに役員〈660人〉らの高額賞与である。支給額が推定184億ドル(約1兆7000億円)というから驚く。このことに対するオバマ大統領の怒りの内容を報道3で引用して起きたい。ともかく1人平均で25億円なのだ。

・・・世界的な金融危機の発端となったにもかかわらず、依然として経営陣に高額ボーナスが支払われているという事実に、オバマ氏はがくぜん。ガイトナー財務長官らとの会談後、記者団の前で怒りを爆発させた。
 「新聞で読んだのだが…」と、自らこの記事について切り出すと「無責任の極み」「恥ずべきこと」と一喝。「破綻(はたん)寸前で納税者に助けを求めたウォール街の住人は、多少なりとも節度や規律、責任感を示すべきだ」と指摘した。左右のカメラに目線を向け、一語一語に力を込めながらの激しい批判。「経営者たちがボーナスを受け取ることも、いつかできるだろう。しかし、今はその時ではない」とその“強欲”さを厳しく戒めた。・・・・

 追って明らかになると思うが、田中宇の国際ニュース解説の通り米金融界が米国をつぶす構図が明らかになって来ている。今まで35兆円の公的資金が投入されたが、不良の保証などを含めると空前の負担を米政府が肩代わりしている。

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1、オバマ氏激怒、金融界けしからん 役員らの高額賞与に
                       2009年1月30日  共同通信
 【ワシントン29日共同】オバマ米大統領は29日、米金融機関が巨額の公的資金による救済を受けたにもかかわらず、役員らが昨年も高額のボーナスをもらっていたとして「無責任の極みだ。けしからん」と怒りをあらわにした。ガイトナー財務長官らとの会談後、記者団に語った。
 同日付のニューヨーク・タイムズ紙によると、ニューヨークの金融機関が昨年支払ったボーナスの総額は推定184億ドル(約1兆7000億円)。前年比で44%減少したが、過去6番目の依然高い水準だった。
 大統領はこの記事を取り上げ、大半の金融機関が破綻の危機に揺らぎ納税者に助けを求めているのに、高額のボーナスを支払っているのは容認できないと強調。「彼らがボーナスを得られる時もいつか来るだろう。しかし今はその時ではない」と戒めた。
 さらに経営陣に対し「経済再生にともに取り組むのであれば、もっと責任ある行動を取るべきだ」として「慎み、自制、責任感」を示すよう今後も金融機関に声高に訴えていくと宣言した。
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2、金融界はけしからん! オバマ大統領、巨額ボーナス「無責任の極み」と激怒                      2009.1.30 10:23 産経新聞
 【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領は29日、公的資金による資本注入が進むウォール街の金融機関で、経営陣に昨年支給されたボーナスが推計総額184億ドル(約1兆6600億円)に達したとの報道に触れて、「恥ずべきことだ」と非難した。ホワイトハウスでガイトナー財務長官と会談した席で、記者団に語った。
 オバマ大統領は「支援を求めているウォール街の人々には、抑制や自戒、責任といった感覚を少しはみせてほしい」と指摘。
 国民の税金で経営再建に取り組みながら、世間の相場とかけ離れた高額の賞与を受け取る感覚を「無責任のきわみだ」と酷評した。
 この日の会談は、議会で審議中の景気対策法案に加えて、金融改革などを織り込んだ包括的な経済対策を協議するため行われた。
 大統領は、2004年とほぼ同じ賞与水準を手にする経営感覚に疑問を示した形だが、金融機関をやり玉に挙げる批判方法を「ことを単純化し過ぎだ」(米CNBCテレビ)と懸念する声も出ている。
オバマ大統領は、当選直後の昨年11月にも、金融機関の経営陣に賞与の辞退を求める考えを表明。
 「人員削減に取り組まざるを得ないのなら、せめて自らも犠牲を払うことを言明すべきだ。それが責任だ」と述べていた。
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3、就任9日目でオバマ大統領初怒り!金融界高額ボーナスに「恥ずべきこと」              2009年1月31日06時02分 スポーツ報知
 
「恥を知れ」―。オバマ米大統領(47)が29日、ウォール街の幹部らを一喝した。巨額の公的資金を注入されながら、金融機関の役員らが高額なボーナスを受け取っていたという同日付のニューヨーク・タイムズの報道に触れ、「無責任の極み。恥ずべきこと」と厳しく批判。「100年に一度」と言われる経済危機の発端となった米金融界の野放図ぶりに、冷静で知られるオバマ氏もブチ切れてしまったようだ。
 就任9日目。新大統領が初めて怒った。怒りの発端となったのは、29日付の米ニューヨーク・タイムズ紙。同紙はニューヨークの金融機関が支払ったボーナスの総額を推定184億ドル(約1兆7000億円)とし、前年より減少したものの、過去6番目の高い水準だったと報じた。
 世界的な金融危機の発端となったにもかかわらず、依然として経営陣に高額ボーナスが支払われているという事実に、オバマ氏はがくぜん。ガイトナー財務長官らとの会談後、記者団の前で怒りを爆発させた。
 「新聞で読んだのだが…」と、自らこの記事について切り出すと「無責任の極み」「恥ずべきこと」と一喝。「破綻(はたん)寸前で納税者に助けを求めたウォール街の住人は、多少なりとも節度や規律、責任感を示すべきだ」と指摘した。左右のカメラに目線を向け、一語一語に力を込めながらの激しい批判。「経営者たちがボーナスを受け取ることも、いつかできるだろう。しかし、今はその時ではない」とその“強欲”さを厳しく戒めた。
 破格のボーナスをめぐっては、大手証券のメリルリンチが救済合併直前に支給を決め、当局の捜査対象になっている。また、金融大手のシティグループが5000万ドル(約45億円)で、専用ジェット機の購入を計画していたことが発覚。その後、購入を中止しているが、公的資金を受けた金融機関の相次ぐ“モラルハザード”も、この日の発言に影響を与えたようだ。
 緊急経済安定化法に基づく公的資金枠7000億ドルのうち、すでに支出された3500億ドルの大半が金融機関向けで、残る3500億ドルの活用策は近く決められる。選挙戦中には、共和党陣営から「銃所持禁止を支持している」などと中傷するネガティブ広告が飛び交ったが、冷静にかわしていたオバマ氏。クールさをかなぐり捨て声を荒らげた背景には、難しいかじ取りの中で、金融機関を“甘やかさない”姿勢を国民に示す狙いがあったようだ。


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3、田中宇の国際ニュース解説 2008年11月28日 http://tanakanews.com/

●「田中宇の国際ニュース解説」が『まぐまぐ大賞2008』のノミネートされました。
大賞・各賞は、読者からの投票で決定されます。以下のサイトから、ぜひご投票を
お願いいたします。【ニュース・情報源部門】の一番下です。
http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/

●12月12日(金)に講演します。
http://www.business-cafe.com/weblog/

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★米金融界が米国をつぶす
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 世界最大の金融機関だったシティグループが破綻に瀕したが、米政府がシテ
ィに対し、3060億ドルの不良債権に債務保証を与えるとともに、270億
ドルの資本注入を行うと決めたことで、シティはとりあえず破綻を免れた。
http://www.ft.com/cms/s/0/447938ee-b9f0-11dd-8c07-0000779fd18c.html

 米政府のシティ救済策は、シティにとって素晴らしい内容である半面、米国
民には巨大な負担となる。米国民(政府)が、3000億ドル以上の与信枠を
与えた見返りに、シティから得たものは、年間8%の利回りをもらえるとはい
え、270億ドル分の優先株式だけである。シティは、とりあえず破綻を免れ
ているが、いずれ再び危機的な状況に陥ってつぶれるかもしれない。最悪の場
合、米政府(米国民)は3000億ドル前後の損失を被る。
http://georgewashington2.blogspot.com/2008/11/citi-deal-is-lousy-for-america.html

 米国では今、失業の増加と、株価や住宅価格の続落の影響で、クレジットカ
ードのローン破産が増えている。昨年まで5%前後で推移していたカード債務
返済の延滞率は、倍増して10%に近づいている。日本の感覚からすると驚く
べきことだが、米国のカード保有者の10人に一人は、ローンを予定どおり返
せなくなっている。
http://www.time.com/time/business/article/0,8599,1859224,00.html

 シティグループは米国を中心に、1億8500万枚のクレジットカードを世
界で発行している。これらの発行済みカードが生んだローン債権の中の不良債
権(90日以上の延滞債権)は、1年間に67%の急増となっている。米金融
界全体に共通することだが、シティグループの不良債権は今後さらに増えるこ
とが確実だ。
http://meltdown101.livejournal.com/17389.html

 米政府は、シティ救済の直後には、フレディマックとファニーメイという政
府系住宅金融機関2社の救済などのために、新たに8000億ドルの救済枠を
作ることを決めた。シティ救済前に約7兆4千億ドルだった政府の金融救済枠
の総額は、1週間ほどの間に8兆5千億ドルにまで急増した。いずれ米政府は
財政破綻し、ドルの価値が下がって、米国はハイパーインフレになると予測さ
れている。
http://www.ft.com/cms/s/0/e7411216-bafb-11dd-bc6c-0000779fd18c.html
http://www.prisonplanet.com/cost-of-bailout-hits-85-trillion.html
http://bloomberg.com/apps/news?pid=20601109&sid=arEE1iClqDrk

▼金融機関の共食いを容認する米当局

 これだけの話でも、すでに米政府は十分に自滅的だが、11月25日のウォ
ールストリート・ジャーナル(WSJ)には、もっと破壊的な話が載った。そ
もそもシティグループの株価が急落して破綻しかけたのは、同業他社の金融機
関がよってたかってシティのCDS(債権の保険)の料率をつり上げて見かけ
上の倒産確率を引き上げ、その上でシティの株を空売りするという、シティを
潰して儲けようとする行為を行ったからだと、記事は指摘している。

 WSJの記事が直接検証したのは、シティより2カ月前に同様の手口で潰さ
れかけたモルガンスタンレーのケースである。WSJが「Anatomy of the Morgan
Stanley Panic」(モルガンスタンレー危機の解析)という記事で報じたとこ
ろによると、08年9月15日のリーマン破綻の2日後、リーマンと同業の投
資銀行であるモルガンスタンレーの株価が急落し、倒産確率を示すCDSの保
険料も高騰し「次はモルガンスタンレーが破綻しそうだ」という状況が市場で
醸成されたが、これは投機的な策略の結果だった。
http://online.wsj.com/article_email/SB122748970896452051-lMyQjAxMDI4MjI3NDQyODQ5Wj.html

 メリルリンチ、シティグループ、ドイツ銀行、UBS(スイス)、カナダ・
ロイヤル銀行など、米欧のいくつかの銀行やヘッジファンドは、モルガンスタ
ンレーのCDSを意図的に高い価格で売買して料率をつり上げて、倒産確率が
上がっているように見せかけるとともに、モルガンスタンレー株を空売りして
おき、株の急落で儲けたと、記事は指摘している。モルガンスタンレーのCDS料率の上昇を見た多くの投資家が、同行の株を投げ売りしたが、破綻には至らなかった。

 そしてWSJの記事によると、同じ手口はベアースターンズ(今年3月)や、
リーマンブラザーズが破綻する直前にも行われ、2行を破綻に至らしめた。そ
して最近では、シティグループに対しても同様の手口が行われたと、記事は書
いている。シティは、モルガンスタンレーの時には加害者だったが、2カ月後
には被害者となった。

 この記事を読んで私が考えたのは、こうした金融機関どうしの共食い状態に、
米当局はどう対処したのかということだ。財務省や連銀、証券取引委員会など
が、この事態を知らなかったはずはない。日本なら、ある金融機関が他社の株
を空売りして、他社を潰してでも儲けようとしたら、すぐに当局がその動きを
察知してやめさせるはずだ。

 かりに、08年3月のベアースターンズ破綻時に、米当局がCDSつり上げ
と株空売りの策略に気づかなかったとしても、その後の調査では気づくはずで、
9月のリーマン破綻やモルガンスタンレー危機が繰り返されるのは全く奇妙だ。
私が考えざるを得なかったことは「米当局は、ベアスターンズやリーマンが金
融機関の共食いによって潰されることを容認した」という見方である。

  −−−以下省略―――



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石田ふたみ [MAIL]

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