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「PLUTO 5」浦沢直樹×手塚治虫
2007年11月30日(金)
今回の私的見所は、後半の天馬博士とアトムのやりとり(回想)ですね。
亡くなった自分の息子に似せて作ったアトムと、親子の会話を交わす天馬博士の悲哀と葛藤が。
似て非なる存在というのは、特別な存在はなにによって特別たり得たのか、という疑問を浮かび上がらせます。それは私の好きなテーマなんですね。

ゲジヒトが、憎悪がどうのと言ってますが、どうも彼はすべてがあまりにも人間らしく描かれすぎていて、憎悪くらいあるのは当たり前のような気がしてしまって(笑) イマイチ読んでいて染みこんできませんね。
子どもを亡くした夫婦(子どもも夫婦もロボット)はよかったけど。

しかし、今回はちょっと地味な気がしました。
今まで、おお〜と思えるシーンが盛り込まれていただけに。
読者って贅沢ですね。
「ちいさなおはなし」新井素子
2007年11月28日(水)
ショートショートが15編収録されています。
かわいいお話ばかりですね。語り口調がほんとに彼女らしくて、ほのぼの読みました。

祖父から受け継いだ見えないクレヨンのお話、「ごっとはんど」が好きです。
「君に届け 5」椎名軽穂
2007年11月25日(日)
くるみとの関係が一段落。ともだちではないけど、新たな関係に。
そして5人での楽しい休日。
一方、千鶴の恋の相手とは…?

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かわいいかわいい。今回もほんとにかわいかったです。くるみちゃんもかわいかった。
あと、爽子の反応がいいですよねー。読むたびに心温まります。
なかなか進展しない風早くんとの仲だけど、のんびりいってもらいたいなと思います。
新登場の彼は、またまたさわやかくんですか?(笑)
「天涯の砦」小川一水
2007年11月24日(土)
地球と月を中継する軌道ステーション<望天>で事故は起きた。
第四セクターと月往還船<わかたけ>が合体した残骸は、虚空へと吹き飛ばされ、無数の死体とともに漂流を開始した。中に取り残された生存者数名は、空気ダクトでつながれたお互いの声だけを頼りに、生存への道を探り始める。

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アクション大作でした。
状況だけでも大変なのに、さらに人的な仕掛けもあるところがニクイ。第一部の終わり方にはにやりとしました。
パニックものとしては非常によくできてると思います。

ただ、登場人物があまり魅力的ではないんですよねー…。そのために、イマイチハラハラが足りないというか。いえ、贅沢ですけどね。
おもしろいんだけど、物足りないという感じです。
キャラ萌えばかり求めてすみません(笑)
★★★
「フィッシュストーリー」伊坂幸太郎
2007年11月23日(金)
4編収録の短編集。

「動物のエンジン」
毎夜、動物園で寝泊りする元職員。消えたシンリンオオカミの謎。

だいぶ前に雑誌で読みましたが、淡々とした雰囲気がいいですね。
夜のなんとか(教室とか病院とか動物園とか)、というのはどうしてこう独特の雰囲気があって素敵なのでしょうね。


「サクリファイス」
空き巣の黒澤が活躍する1編。
副業である探偵の仕事で、人探しのために訪れた山奥の村。そこには、村の平穏を保つために洞窟に人を閉じ込めるという儀式がまだ続いていた。

こういった題材の割には、イマイチ雰囲気作りが足りなかったかなという気はします。
この人の小説は、あれですね、年数の重さというのが度々テーマになってるんですね。「サクリファイス」のほんとの意味、かあ…。


「フィッシュストーリー」
曲の途中で空白部分があるレコード。正義の味方になるべく育った青年。それらが絡み合うストーリー。
なんかこう、心温まるお話しでした。


「ポテチ」
空き巣の今村と付き合う大西。一緒に彼の仕事場(?)へ出かけたはいいが、その野球選手の部屋で、今村は妙な電話を聞いてしまう。女性が、男に付きまとわれているから助けてくれというのだが…。

これにも黒澤が登場。こちらの方が彼らしいですね。
ポテチのシーン、あとで読み返すとぐっときて泣けてしまいます。
人物同士のやり取りも軽快で、私はこれが4編の中でいちばん好きですね。

★★★
「GANTZ 22」奥浩哉
2007年11月22日(木)
相変わらず気持ち悪いですなー。
あの鬼面のキャラはいいですね。

東京チームはほとんど活躍せず。加藤のみ。相変わらず大阪チームが暴れてます。
「春の魔法のおすそわけ」西澤保彦
2007年11月21日(水)
小夜子は作家。44歳独身。
ある朝、地下鉄の改札をふらふら歩いてるところを、はっと我に返った。ひどい二日酔いで昨夜からの記憶が無い。手には、自分のバッグはなく、見知らぬバッグを持っている。中には二千万もの札束が!
ヤケになっていた小夜子は、その二千万の使い道を考え始めた。そして目に留まった美青年に小夜子は声をかけた。「いくら? きみ」

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通りすがりの男の子を買う、という話です。
んなアホな、と言いたくなるような話であり、結末であるのですが、いや楽しかったです。なにがよかったかというと、買われることになる男の子、優弥がものすごく私のツボだったのです!
23歳くらいで、話し口調はとても丁寧で、態度も物静かで優しくて…。か、かわいい…じゃないですか。最近大好きなYくんを思い出してしまって、もうダメです、メロメロです(笑) 現実的なところがちゃんとあるのも素敵でした。

というわけで、非常に楽しく読みました。
きっと女性作家が書いたら、願望充足小説とか言われるんだろうなーと思うような話でしたが。
終わり方がビターなのは、そこらへんのバランスなのかな。
年下の男の子にもときめいてしまう人ならきっと楽しめるんじゃないかと。
桜の季節に読みたい1冊です。
★★★★
「黒い夢 白い夢 君の夢 やさしい悪魔の物語」川口まどか
2007年11月18日(日)
撮影中の事故で、マキエ・ユーリアは首から下が不随となってしまった。彼女は毎夜夢の中で自殺を続ける。現実の世界では明るく笑いながら。
そんな彼女の夢の中に、悪魔・ベンベラは住み着いていた。そこなら、不治の病から逃れることができたからだ。
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完結した「やさしい悪魔の物語」の番外編。
だけど、読み始めてあれっと思ったのが、やさしい悪魔の物語10巻(完結)のまるまる続きだったことですね。これでほんとにあの話が終わった、という感じです。まあ、主人公がやさしい悪魔じゃなくてベンベラだったから本編ではないということなのでしょうが…。

いやあ、おもしろかったです。あの終わり方には納得がいかなかったけど、これなら…いや、最後のコマはちょっと不自然だったけど(笑) それに、なんでそうしなくちゃいけないのかがイマイチわからなかったけど(笑)
でもシチュエーション(と展開)としてはよかった。ベンベラが初めて素敵に見えました。
「どんな形になろうがおまえのことはわかるんだ」って殺し文句ですねー。
「BAROQUE 2」小川彌生
2007年11月17日(土)
王家に生まれた双子の兄と妹。妹は忌むべきものとして監禁され…そして今は敵となった身。
なんて、非常に王道な展開になってきたこの漫画。
展開は王道…なはずなんだけど、でもやっぱりなんかヘン。なんだかおもしろくなってきました。
「キス&ネバークライ 3」小川彌生
2007年11月16日(金)
みちる・晶ペアの成長ぶりとともに、みちるのトラウマの行方(?)も気になるこの作品。

新登場のドミニク(男性)、アンジェラ・アキそっくりですね(笑) 料理がうまくて雰囲気柔らかくて素敵です。
「ゆめのつるぎ 少年源頼朝の巻」若木未生
2007年11月15日(木)
平治の乱。十三歳の頼朝は後白河院に対面する。そして、頼朝にしか見えぬ、あきつと名乗る不思議な子供の存在。

…軽いノリの歴史物です。
なぜいきなり源氏? 頼朝?と思いながら、一応好きな作家の新刊は買ってしまう私ですが、2年半も寝かせてしまいました…。
読み終わっても、なぜ頼朝?という気持ちは消えませんでしたが。
雰囲気は、非常に彼女らしいかと。私は普段歴史物まったく読まないんですが、歴史物っぽくないですからね(笑)

まあ、書きたいものを書くといいと思いますよ。
嫌味ではなくね。
「鏡の国の戦士 グイン・サーガ外伝21」栗本薫
2007年11月08日(木)
久しぶりにグインが活躍する外伝です。本編よりもちょっと未来のお話。グインが出会う一夜の悪夢といった感じの冒険譚が3本。
そして驚くべきことが1点。なななんと、グインの愛妾なる人が出てくるんですよ!
元踊り子らしいんだけど、グインは小柄でひ弱な保護欲掻き立てられるタイプが好みなんじゃなかったのか…?(なんかそういう描写ありましたよね)

冒険の内容自体はともかく、そういうオプションにわくわくを掻き立てられた1冊でした。
思えば、私はこのグイン・サーガのどこが好きって、壮大な未来を感じさせるところなんですよね。そして、それが実際に実現されていく過程を、時間をかけて味わうことができるところ。
今でも、バイトの休憩中に、リンダが(不吉な)未来を予言したシーンを読んで、うわーっと思ったことを憶えています。

ちゃんと、最終巻まで書き続けてくれること、読み続けていられることを願う作品です。
「ピアノと平均律の謎」アニタ・T・サリヴァン
2007年11月02日(金)
最近、音楽の理論的なことをもうちょっと知りたいと思うようになっていて、読んでみた本です。
ピアノの調律師の方が書いた本だそうですが、とても詩的で哲学的な文章でした。
余計にわからなくなりました(笑)
奥が深いですよね、音楽って。


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