白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2003年02月28日(金) ネコ

 虎を先祖とする猫は「如虎」で「ニョコ」と呼ばれていた。
 「字面は『如虎』と勇ましいが、音は弱虫だ。ニョコじゃ鼠にだってばかにされてしまう。そこでいつのころからかニョコがネコになった」(井上ひさし『百年戦争』)



2003年02月27日(木) テポドン2

 24日のミサイル発射につづいて北朝鮮はテポドン2の発射を行う準備をしているらしい。防衛庁の研究員が日本記者クラブの講演(2月7日)で発表して記者団に衝撃を与えた。週刊ポスト(3月7日号)が伝えたがポストの予測記事はいままであまり実現していないからこれも北朝鮮の脅しにのっかった記事かも知れない。



2003年02月26日(水) IT調査

 総務省がまとめた02年度のITに関する家計消費状況調査。
インターネットを利用したことのある世帯………………… 37%
インターネットができる機器を持つ世帯…………………… 48%
インターネットで通販を利用した世帯……………………… 11%
ネット利用のできる機器を保有する年収200万未満の世帯…19%
ネット利用できる年収1500万円以上の世帯………………… 81%
 県別の統計も知りたいものだ。(朝日新聞/25日)



2003年02月24日(月) クラシック

 朝日の土曜付録「Be」(22日)に興味深い統計があった。「好きな音楽ジャンル」のランキング。950人の回答者のトップが邦楽ロック・ポップスだったのは当然としてクラシック音楽が洋楽ロック・ポップス(3位),演歌・民謡(9位)を抑えて2位にランクされたこと。CDが1万枚売れれば大ヒットと言われるジャンルにかかわらず潜在的な愛好者が多いことを証明している。きのうのNHK-FMも昼からウィーン・フィルの定演をはさんで夜中までクラシック・リクエストを延々と放送した。



2003年02月23日(日) 家族に乾杯

 夫は過ぐる大戦で戦死、二人の間にできた一粒種の息子の嫁は若くして二人の子を残して病死、孫たちが独立したあと息子と二人で細々と農業をしながら孫二人の大成を願いながらひっそりとけなげに生きていることを語る。ふと行きずりに出会った農婦からそんなドラマを聞き出し、しみじみとした感動を呼ぶのが鶴瓶の「家族に乾杯」(NHK)。殺伐な世の中だが日本人のくらしにはこういうやさしさがまだ生きている。



2003年02月21日(金) 頬かむり

 きのうの衆院予算委「政治とカネ」をめぐる集中審議。小泉さんをはじめとする閣僚たちのカネをめぐる疑惑がゾロゾロと出てきた。確かな証拠をつきつけられても「知らなかった」「そんなことはない」「妻名義のもちもの」などとぬけぬけとシラをきる大臣たち。とりわけ小泉弟の疑惑について首相は民主党のつきつける証拠を無視して全面否定。「疑惑をもたれたら説明する責任がある」という持論も自分については頬かむりというのはあまりにも勝手だ。



2003年02月19日(水) 石原慎太郎二題

 「ババァは死ね」の問題発言の撤回を求めて女性団体からバレンタインに抗議のチョコレートを贈られた石原さん、何を考えたかチョコレートをつき返した。送料に都税を使ったと女性たちはまたカンカン。
 拉致被害者家族から北朝鮮に万景峰号の寄港を禁止するなど何らかの制裁をと要望されて「制裁はいかがなものか」と消極姿勢。武力で取り返せという勇ましい発言をした人とは思われない。



2003年02月17日(月) 洞ヶ峠

 14日の最終報告を見て態度を決めるといったのにきょうになってもまだ「武力行使についての賛否をきめるのは適切な時期ではない」(衆院予算委における川口外相の答弁)と洞ヶ峠を決め込んでいる日本。先進諸国が態度をはっきりさせているのにわが国の優柔不断な姿勢は世界の物笑いになっている。



2003年02月16日(日) ラブレター

 「かわいくてやさしくてでんしゃごっこのすきなあなたがすきです」。5歳の孫娘がはじめて書いたラブレター。長男からのメール。いまどき幼稚園ではこんなこともさせるんですね。



2003年02月15日(土) 芥川賞

 「結果としては受賞とはなったが、少なくとも私は何の感動も衝撃もかんじなかった」(石原慎太郎)。「受賞作はわたしの元気を奪った。テーマやストーリーが原因ではない。小説として単につまらないからだ」(村上龍)。大物選考委員には辛口の評が多かった「しょっぱいドライブ」が今期の芥川賞。六十男と三十四歳の女性との淡々としたつきあい(セックスつき)が不思議な語り口で語られるヘンな小説。文芸春秋3月号で読める。



2003年02月14日(金) 耳栓

 我が家のとなりは島津の殿様(島津久厚前学習院院長)がオーナーの製材所だ。平日は1日中モーターがうなっているのでやかましい。近所に民家も多いのですこし考えて欲しいと申し入れをしたこともあるが騒音は受忍限度だと市の環境課にもまるめこまれてしまった。しかたがないので耳栓を購入して自衛しているがこの耳栓がまるで役にたたなかった。NASAが使っているというのもダメだったし、スエーデン製というのもダメだった。ところがこんど買ったものはなかなかのできばえで50%ぐらいまで外音をカットしてくれる。モーター音ばかりかこうるさいカミさんのがなり声まで耳にやわらかくしてくれるすぐれものだ。



2003年02月13日(木) 最後通告

 大言壮語のパフォーマンスだけあって無策の小泉さんに文芸春秋の最新号がナベツネさんをたてて最後通告を発した(「小泉総理に友情をもって直言す」)。

 テレビなど見ていますと、小泉さんの語調、声や大きな身振りなどにどうしても惑わされる。本当にこの人は何が言いたいのだろうと、活字になった発言を追いかけてみると、何も考えていない人だということがはっきりしてきたんです。
 以上は「小泉純一郎最も危険な宰相」と題された同誌の対談における高村薫女史の痛烈なパンチ。



2003年02月12日(水) 追悼演奏

 今夜のN響定演の冒頭はモーツァルトの24番。先日なくなったブロムシュテット夫人にブロムシュテット自らがささげる追悼演奏。演奏旅行中の身で葬儀に参加できなかった運命のいたづらに耐えて振った悲しみの指揮。N響もその思いを汲んでこの小交響曲を美しく演奏した。



2003年02月09日(日) 微熱

 このところ37度前後の微熱がずっと続いている。しかしカゼ特有の頭が重かったり節々が痛んだりするような倦怠感はなく気分はすっきりしているので医者も「何でしょうな」と首をかしげるような病状である。ただ気力がなくなった。おかげで10年来続けてきた朝のラジオ体操の記録が途絶えてしまった。連続出場2215試合の記録が途絶えてしまった衣笠幸雄選手の心境だ。



2003年02月08日(土) 国会論戦

 国会の論戦をテレビで見た。民主党の論客たちと小泉さんの丁々発止の戦いであきさせなかった。朝日は今朝の社説で「面白くなった」と民主党のがんばりをたたえていたが小泉内閣の失政を攻撃していればすむというわけにはいかない。失業やリストラの雇用不安、株安や不良債権をめぐる金融不安、自殺者の増加など挙党体制で解決しなければならない喫緊の課題が山積しているのに与野党が水と油の政策論争に明け暮れている姿を国民は「面白」がってはいられない苛立ちを覚えている。



2003年02月06日(木) カゼ気味

 「50過ぎてカゼを引くのはバカ」とカゼには絶対自信を持っていたがきのうは朝から6度5分の熱。平熱が5度前後だからわたしにとっては高熱である。インフルエンザ流行の昨今心配だから医者に行ったら抗生物質を投薬された。節々も痛むので早いうちからフトンに入ってじっとしていたので平成6年にはじめたパソコンライフではじめてまる1日パソコンに火をいれなかった。おかげできょうのメールは20通も。しかしみんなCMばかりだから一括削除。



2003年02月04日(火) 閑古鳥

 わがふるさと宮崎をキャンプ地にする巨人軍は松井選手が去った後人気がガタ落ち。キャンプが始まったのに初日(1日 土 雨)100人、2日(日 晴れ)1万人、3日(月 晴れ)500人。5百人はいくら何でもと広報は一桁まちがっていたとして5千人と発表したという。以上のソースはZAKZAK。我が家からキャンプが行われているサンマリンスタジアムまではちと遠いが一日見に行ってやろう。



2003年02月03日(月) 訂正

 ボケかかったせいか、ウロ覚えの知識で書いたり取材不足の情報で書いたりして結果的に誤ったことをこのところしきりに書いている。このままでは「ウソツキ白月」といわれかねないので、最近のまちがいをまとめて訂正してお詫びする次第。

 1月 5日(誤)エンリオ・モリコーネ→(正)エンニオ・モリコーネ
 1月31日(誤)シン・ジョラン → (正)シン・ジョンラン
 2月 2日(誤)中継なし → (正)中継あり



2003年02月02日(日) アジア大会

 冬季アジア大会は北朝鮮の参加で注目を集めているがマスコミの露出度がいまいち。きのうの開会式もテレビ中継なし。わずかにBSが夜録画でダイジェスト版を放送しただけ。開会宣言の皇太子も雅子妃を同道せずひとり、日本対北朝鮮のアイスホッケーも見られずじまいでないないづくしの青森2003だ。



2003年02月01日(土) 東条の抵抗

 東京裁判がはじまる前の検察側の取調べ段階で、キーナンが,東条に向かって,一歩ビルの屋上に足を進めてみろ、焼け跡ばかりだ、と戦争責任を追及すると,東条はすかさず、一度(ひとたび)飛行機から見下ろし給え、広島と長崎には原子爆弾の爪跡があると応えたという。(山崎豊子著「二つの祖国」)


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