「硝子の月」
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| 2002年06月18日(火) |
<首都へ> 黒乃、朔也 |
しかし、乗り込む方法はどうあれ、ルウファの選択は正しかったと言える。 馬車の歩みは、やはり速いのだ。 午後の強い日差しを避けるようにフードを目深にして歩く旅人達、それをどこ吹 く風と追い越して、威風堂々と闊歩して行く。 小一時間ほどの間に、窓から見える景色はだいぶ変化していた。そして、窓の内 側の人間模様も。 「あの…。冷たい水でもお持ちしましょうか?」 「え?」 声に顔を上げると、深青色
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