月と散歩   )   
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2003年11月28日(金) コのココロ


そういや、しばらく仕事の話をしてなかったや。

―――

いつか書いたように、いまはロケットの仕事を離れて 戦闘機の整備をしている。

ロケットも、仕事がないわけじゃないんだけど
ひとをたくさん置いておくことができなくて、他所の職場に『応援』しているわけです。
ウチの会社ではよくある話で。

―――

なかでも僕は『応援』に出されることが多い。


他所の職場が長いと、ロケットの仕事を覚える機会が少なくなる。
他所へ行っている間は、自分の課の評判を下げないように と一生懸命になる。
自然と、応援先で僕個人の評価が上がる。へへん。
でもそうすると、自分の職場であまりいい顔をされなくなる。ぬう。
応援から戻っても、後輩に仕事を教えてもらう始末。

「あいつは『使えない』」

そう言われないように、がんばって遅れた分 取り戻す。
…その暇もなく、仕事の谷間がくる。
…と、他所からお声が掛かる。

「あいつは『使える』から」

…悪循環…。


すんません。愚痴ですね。贅沢な。

評価されたいところで認めてもらえず、
思いがけないところで評価される。


いくら、ヨソのお宅で
「あの子はいい子ねー」
と言われても、
自分の家で
「おまえはダメな子だ」
と言われてしまっては、悲しくなる。空しくなる。
…やるせない。

他人から見れば、きっと贅沢な悩みだ。
でも、結局は当人の価値観。

となりの芝は青いのです。いつだって。


…愚痴ですね。ウツですね。こりゃ。

―――

そんなわけで(?)、僕はいまだに戦闘機の整備をやっている。

当初の予定では9月いっぱいで、ロケットのほうに戻れる話だった。

…そして予想通り、応援期間は延ばされた。
理由はいろいろある。
9月に打ち上げが予定されていたロケットが、様々なトラブルで11月末に延長になった。
あらゆる面で 不安定な職場だ。

でも、どうやら僕の応援延長は初めから予定されたモノだったらしい。

少なくとも今年度いっぱい(3月末まで)、ロケットには戻れない。

驚きはなかったけど、落胆は大きかった。

―――

応援に出て、早 半年が過ぎようとしている。

作業もだいぶ覚えた。
僕が来てからエンジンを積んだ機体ももう10機を越える。

いまはエンジンを積んだ後の、スロットルの調整が主な僕の担当だ。
もちろん、すべてを任されている訳じゃないけど。

スロットルというのは、車で言うところの『アクセル』にあたる。
これでエンジンの出力を調整する。
飛行機は車と違って三次元の動きをする。
つまり『高さ』があるわけで。
車は、もしエンストしてもその場で停まるだけだけど
飛行機は エンスト=墜落 だ。

そうならないように、試験と調整をするんだけど
責任は重大。

やりがいもある。
…応援者の僕がやってていいのか?って疑問もあるけど(苦笑)。



けど。

なにか、満たされない。

―――

『子供』は、ほかでなにを言われても
ちょっとでいいから『親』が頭を撫でてくれれば
それでいいのです。


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