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2003年04月15日(火) ツクババリバリ伝説 6

『旅立つ君に、花束を』


タイトルの『ツクババリバリ伝説』は、明和電気の同名の楽曲から勝手に拝借してんだけど。

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…いうほど、『バリバリ』も仕事してないかも…と思った、午後の葉桜(苦笑)。

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いま、筑波宇宙センターではJEM(国際宇宙ステーション、日本担当部分)の出荷準備が着々と、しかしわりとのんびりと進んでいる。

明日は機体がコンテナに入れられ、あとは出荷を待つだけとなる。

そんなに深く関わったわけではないが、やはり出荷となるとそれなりに感慨深い。
あまり表には出ないJEMだけど、実はかなりの年月をかけた国家的大プロジェクトなのだ(そうだ)。

僕が初めてJEMに関わったのは5年前。
入社してすぐ、いまとさほど変わらない状況(「工数が少ないからヨソへ応援に行って」という上からの強い要望)で、JEMの組立作業にまわされた。
そのときは
「ホントにこんなんで人間乗っけて宇宙に浮かんでいられるのか」
と思ったもんだけど、
それがいま、いよいよ『旅立』とうとしている。

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でも、ホントに大丈夫なのか?という疑念は未だに拭えない。

『スペース・デブリ』という言葉がある。
宇宙を漂う、大小さまざまな『ゴミ』のこと。
隕石だったり、ロケットの部品だったり、使命を全うした衛星のカケラだったり。
それらが音速の100倍近いスピードで飛び交っている。
ヘタなミサイルより強力な破壊力を持つ。
スペースシャトルや現役の人工衛星がそれらにぶつかる確率は、宝くじの1等に当選するより低い。

…けど『ゼロ』ではない。

宇宙ステーションくらいの規模になると、その確率も高くなる。

まあ、ある程度の大きさのデブリは地上で監視してるので避けることができるのだそうだ。
でも、『ある程度』以下のデブリは発見が難しい。

なので、当たっても(多少は)大丈夫な装甲が施されている。

44マグナムで至近距離から撃っても、穴は開かないらしい。

…ホンマかいな?

そう思ってしまうほど、JEMの装甲は頼りない。
まあ、僕なんか及びもしないほど頭のいい人たちが考えたものなので
そんな心配はまさに『シロウト考え』なのだろう。

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でも。

厚さ数ミリのアルミ合金と断熱材の向こうは、真空で満ちた(?)危険な海。

頼まれても、僕は乗りたくないや(頼まんて)。


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