★ 夏海の日記 ★

目次前の日次の日


2006年06月09日(金) 上司について

前前から私の話しにでて来る上司。
彼について お話をしましょう ^^

上司は、頑固で我が儘で、自分中心で、個人主義。
人に指図されるのが大嫌いで、
自分がこうと決めたら、絶対に曲げない。
その代わり、納得できたら素直にごめんなさいって言える人です。

小さい頃、喘息の発作で 何度も呼吸困難になり、何度も死ぬ思いをして、何度も殺してくれって思ったらしい。
父親が町道場で柔道を教えていた関係で、小さい頃から柔道をしていて、
でも、父親の方針で進級試験は受けなかったらしい。(だから強いんだけど白帯で)
中学時代は野球部。
だから、強いんだけど、その世界では無名だったのが、中学3年になって、
「そろそろ試験を受けてみろ」と言われて受けたら注目を浴び、高校にスカウトされて特待生デビューをしたのだそうな。
全教科+全辞書を重り替わりに自転車に乗せて、毎日向かい風(伊吹降ろしっつう凄い風が吹くんだよな~これが)に はむかいながら通学し、
自転車のタイヤはすぐにボロボロになり、何とギアまで磨り減ってしまって買い換えた のだそうな。
自転車屋さんは、「こんなに乗って貰って、自転車も本望だっただろう」って感激していたんだそうな。

怪我をして特待生でなくなるのでは?という恐怖と3年間向き合い、闘い
国体や全国大会で優勝するとかしないとかのレベルまで行き、
それだけの高いレベルの人は、自分がオリンピックに行けるレベルかどうかの判断を自分でつけることができ、
大学や社会人での誘いもあったのだけれど、断ったのだそうです。
もう 体がボロボロだったから。


上司は子供の頃から頑固で、「やれ!」と言われたこと全てを拒絶していたと言う。
納得がいかないことは やらない。
だから、宿題はしないし、提出物は出さない、先生の言う事は聞かない。
人の好き嫌いは激しく、尖がっていて、毎日ファイティングポーズをとっていたらしく、
殴り合いの喧嘩は日常茶飯時だったと言う。

厳しい父親のしつけで、曲がったこと、人を傷つけることをやらかすと、
中学までは 顔の形が判らなくなるまで殴られ、
一人で生活できるように、自分の面倒は自分で見られるようにと、
家事一般は自分のことは全部自分でできるようにという方針だったらしい。
(だから、料理は手際良くて上手だよ〜!)
その厳しいしつけ方を「良いのか 悪いのか だよな」って言うので、
「少なくとも 大人として一人で生きて行けるんだから、
 子供のまま大人になるよりは よっぽど良いんじゃないの?」って言ったら
そうか。そうだよなって納得していました。

確かそれは nobyの話をしていた時だったかな。
nobyの父親も暴力的、威圧的な人で、自分の親もそうだったと言う話になったんだと思う。

nobyの父親は、ただの暴力で、上司の父親は、しつけ だったんだと思う。
人間として きちんと丁寧に育てられ、
柔道が、世界の狭い学校だけのものではなく、
町の道場へ通っていたお陰で、年上の人に可愛がられ、年下への指導で忍耐を学び、人を育てていくことを学んだ。

上司いわく、自分的には理不尽に殴られていたと思っていたけれど、
私と話しているうちに、「人に迷惑をかけるな」「感謝はするもので、されるものじゃない」との教えを家訓としていたことに気が付いて
そう言えば、高校生になった途端に、少しぐらい無茶なことをしても(喧嘩など)見守られていたって言ってました。
相手に怪我をさせたら、シャレにならないくらい 怒られたけど、もう大人だからって結構自由にやらせて貰ったって。
高校を卒業したら、もう大人なんだからって、一切怒られなくなったって。

小学校、中学校で 人間としてどうすべきか を徹底的に叩き込まれ、
高校生になったら じっと黙って見ている。
何て 素敵な親に育てられたんだろうって思います。
殴られたって話は、聞いてて怖いくらいだけど、上司は大人になるように きちんと育てられた。
親がいなくなっても まっとうな道を自分の力(&周りに可愛がられ、愛されながら)で生きて行けるように。


上司は、自分が『構って欲しくない』から、人へも言われるまで手を出さない。
分かりません。参りました。と降参するまで、
もしくは答えが出るまで 中途半端に手を出したりせず、いつまでも黙ってじっと見ている。
それは それは とても気が長い。
とても厳しく その静けさがマジに怖いです。
うぇ〜ん 怖いよーー! って何度もビビリながら教えを請い、
何度も聞き返したり 反発するたびに 説明する声が大きくなる。
昔の私だったら、それだけで ビビって 小さくなっていただろうけど、
今の私は、上司の声が大きくなるくらいで負けたりはしない。
なぜなら一番最初に
「私はパニックで、発作が起きた時には建物の外に出たり、トイレに駆け込んだりするけど、適当にあしらって下さい」とカミングアウトしていたお陰で
その時、仕事がヒマだったお陰もあって、上司と腹を割った話ができたし、
仕事以外に食事に出掛けたり、釣りに行ったりして『仕事以外の顔』を知っていたお陰で、
怖い人じゃない(いや かなり怖いんだけど 笑)ってことが解かっているから。

同僚の女の子は、『男』である上司が怖くて苦手で避けていたんだけど、「こんなにお茶目なんだよ」って話をしていたら、
私も含めて色々一緒に話をするようになって、
面倒見が良い上司が毎日気に掛けて話し掛けているせいもあって、今では結構世間話をするようになりました。

で、どうしてこんな話をしているかって言うと、
noby。

先週病院へ出掛け、『うつ』と診断されたそうです。
昨日出社する気でいたんだけど、吐き気が酷くて会社に来ることができず、また病院へ出掛けたのだそうです。

会社に出て来れないのは 仕方がない。
でも、社会人として、やるべきことは やっておかないといけない。
nobyに任された仕事はあり、
nobyが会社に来ることを前提に予定が組まれる。

休むのは仕方がないし、休んで心を落ち着かせないと治らない。

そしてそれは、欠勤ではなく、診断書を提出して休職に扱いにしないと、対会社的にnobyが不利であり、
その為には会社に説明に行かなければならない。
でも、会社に来れない以上、では どうしたら良いかを考えないといけない。
どうしたら良いのかを考える余裕がないのだとしたら、誰かに助けを求めないといけない。
自分が考える替わりに、誰か冷静に対処できる人に考えて貰うこと。
その『誰か』は、nobyの上司でもある私の上司で、
そして、上司は 自分勝手には 絶対動かないことを私は知っている。

診断書には、火曜日まで休みなさいと書いてあったそうだ。
土日を挟んで。
会社の休日が間に挟まっていたのはnobyにとって幸運で、
なぜなら、仕事を休んでまで、もしくは仕事を終わった夜に 上司は動けないから。(助けてと言えば来てくれるでしょうが)

診断書を貰っても、提出しないと それは受理されたものではなく、会社が許可した休みではない。
成人式を済ませて 何年も経っている大人としては、一般常識として知っていて然るべきだと思う。

上司は怖い。
でも、とても頼りになる。
ただし、助けを呼ばない限り、nobyにとって、上司はただの『怖い』だけの存在であり、
こんな状態の自分に「早く出て来い」と無理を言う存在だと思っている。

私は上司の性格がわかっているし、上司がそんな無理を言うはずはないと思い、聞いてみたら、
案の定「仕事に来れないのなら、来れないで仕方がないが、それをみんなに説明に来なさい」という意味でした。

nobyには、上司が病院へ一緒に行ってくれるよって伝えてあり、上司も心配してるんだよって言ってあったんだけど、
『怖い』としてしか思っていない上司に nobyは上手に頼ることができない。

会社に行こうとすると吐き気がする。= 会社に説明に来れないってことだよね?
説明に来れないのであれば、誰かに来て貰うしかなく、
その人に会社に説明して貰うしかない。
だから、上司に助けを求めなさいと 昨日何度もメールで伝えた。
土日にnobyの家に来て、一緒に病院へ行って、お医者さんの説明を聞いて、診断書を会社に提出して、説明をして下さいとお願いしなさいと。
自分で考えることができないのなら、考えることができる人に考えて貰うしかない。
自分でどうしたら良いのか判断できないのであれば、判断し指示し、的確に動いてくれる人、大人に頼るしかない。

nobyは自分がお山のてっぺんにいられるように、後輩としか付き合わず、大人と交わらなかった。
耳の痛いことを言う人を避けて来た結果、
自分の味方になってくれる人と そうでない人の区別が付かないでここまで来てしまった。
『指導』や『苦言』や『叱り』と 『怒られる』ことの区別がつかないで、ここまで来てしまった。
(これは、暴力的な父親のせいが多大にありますが)

こうメールのやり取りをしていたら、「会社のことを考えたら気分が悪くなりました」とのメールを最後にメールのやり取りが終わりました。

メールのやり取りを上司に言ったところ、「俺はやつが言わない限り、絶対に行かないからな」って言ってました。(やっぱりね)
だろうと思ってって。
それが正しい。なぜなら、相手は大人だから。
成人式を終えて、何年も経った イイ大人なんだから。
そして私はやはり見ているしかない。

nobyが上司のように、色んな年代の人と付き合い、可愛がられ、育てられて来ていたら。
会社だけの付き合いだけじゃなくて、もっと人間な付き合いや、個人的な付き合いができていたら。
その機会を 自分の経験から大切だと思い、釣りやらバーベキューやら食事会やらのイベントを何度も企画して、上司は与えていたんだけどね。
(って言うか、インドアな仕事なので、アウトドアの体を動かす趣味を増やして、心を壊さないように健康的に仕事しようぜっていう提案だったんだけどね。)


上司がどれだけ nobyのことを 会社から守っているか を nobyは知らない。
上司が nobyが成長できるようにと どれだけ気長に付き合ってあげているかを nobyは知らない。
上司に心を閉ざしているnobyには、『怖い』だけの存在である。

上司が どれだけ頼もしい相手であることか。
そのことに気が付いてくれたら。
そして、人生の先輩として、会社以外で付き合い、相談する相手として付き合うようになれば。

努力しても できないことがある。
一人では できないことがある。
そのことを知っていて、
そして結果だけじゃなくて、その過程をちゃんと見てくれる
nobyが早く気が付いてくれたら nobyの人生は きっとその瞬間から変わっていくと思うんだけどな。


夏海@夏海のお部屋 |★お手紙★夏海のお部屋★

My追加