★ 夏海の日記 ★

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2002年02月01日(金) 一日中かかった お葬式

朝8時
お坊さんが 家に来て、お経が始まりました。
8時半
出棺です。そのまま火葬場へ
火葬場でお経を読んだ後、炉の点火ボタンを押すのは、喪主の役目なので、一つ年下のイトコが押しました。これも辛い習慣だよね。私は今でも覚えてるよ。弟の棺があの空間に入っていく瞬間。扉が閉じられる瞬間。まだ死を受け入れられなくて、生き返るんじゃないかって思って、そんな弟に火を着けるなんて。

1時間40分後、火葬場の係りの人が、骨をひとかけらも残さずに拾って、専用のテーブルに並べてくれました。弟の時には、陶器の骨壺に入れるだけの骨しか拾って貰えなかったんだけど、ここでは 全部の骨を、白木の箱に詰めて帰ることができます。これらは、どこどこの骨だという説明、病気をすると、こういう色になるといった、骨に関する説明を受け、みんなで 何度も入れ替わり立ち替わって骨を箱の中に入れました。

2時 家で お葬式の始まりです。お経を詠んでもらった後、お寺に行列を組んででかけ、本堂でお経を。その後、お墓に骨を箱ごと埋めに行きました。(お墓を掘り返して、箱を埋めるのです)そして、お墓の前で お経を。

5時 今度は家で お経が始まります。
それが済むと、和尚さんをおもてなしする宴会が始まります。(それは、家族の役目です)

やっと1日の行事を終え、ホテルへ帰れました。(前日とは違う『保養所』で宿泊しました)
鳥羽の観光地にある、海に面した部屋へ入り、夕日のように赤い月が昇るのを、ずーっと見ていました。
食堂でも夕食後、私以外は 伯叔父伯叔母だったので話の輪に加わらず、1人で部屋へ帰って、1人で夜の海を見ていました。

船の明かりがゆーっくりと動いていく様を見ていたら、急に寂しくなって、泣きました。叔父は、もうこの世にいないんだって思ったら、寂しくて、寂しくて。
声もださないで、静かに泣いていたら、急に思い出しました。今は、誰か傍に居てくれる。でも、帰ったら1人で家にいないといけない。この悲しさや、寂しさを全部ここで吐き出してしまわないと!家まで引きずって帰ってしまわないようにしないと!そう思ったら、開き直って、もう泣くことに決めました。
もう、わーわー泣きました。泣いて、泣いて、泣いて...
ふと上を見上げたら、綺麗な満月が出ていました。
しばらく、ぼーっと月を見ていたら、本当に、何も考えず、ただ月を見ていたら、やっと現実を受け入れることができる気がしました。

前の夜にね、いとこの1人が、「9ヶ月の間、いつ病院から連絡があるか、ドキドキしていた。父ちゃんが、もう苦しまなくて良いんだから、悲しくないんだ。」って言ってたの。だから、泣いてるのは、私1人だったかもしれない。確かに、長い間、時間をかけて サヨナラしていたんだもんね。

叔父に会えないのは寂しい。でも、叔父は心の中にちゃんと生きていて、私を見ていてくれるし、きっとあちらの世界で落ち着いたら、夢にでも会いに来てくれるでしょう。そう思ったら、やっと涙が止まりました。


これで、お葬式が終わったと思うでしょ?
それがね〜 田舎の お葬式は、まだまだ続くのよ...
また 明日ね 


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