★ 夏海の日記 ★

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2001年10月04日(木) 体験ダイビング − 2本目 −

体験ダイビングの続きです。

お昼休憩が入って、次は3時に集合だと言われた。時間は12時過ぎ...。友達と2人でお昼ご飯に出掛けた。ロビーで水着のまま入れるレストランを聞いて、そこに入った。
「臭うものを食べると、潜った時にクサイよ」との友達のアドバイスで、2人ともサンドイッチをチョイスし、食べながら朝のダイビングに付いて話をした。
C級のライセンスを持っている友達は、ダイバーウォッチを持参していて、それを見ながら、「魚にエサをやった場所が水深3m」とか、「一番潜った時は、水深5m」とか、「全部で30分間潜っていた」とか説明してくれた。《 これが、まず頭にインプットされた 》
「魚、凄かったね〜あんなに集まらなくても良かったのにね」なんて笑い話もした。そして、潜るアドバイスももらった。
潜っているとき、インストラクターは、私の上の位置にいて、私を掴んでいたそうだ。彼女曰く、私を『重り』にしていたそうだ。だから、私は何も考えず、インストラクターに全てを預け、海の中を楽しむだけで良いのだと言った。でも、そう言いながら、「流れがあったのに気が付いた?」って聞かれて、「少しぐらいは、フィンを動かして貰わないと、インストラクターも自分の重さと夏海の重さ2人分が掛かって大変だから...。」とも言われた。《 流れがある&フィンを動かすと言うことがインプットされた 》
そして核心を突いてきた。「上に上がったけど、どうしたの?」
上手く説明できるハズもなく、「口から吐き出した酸素が耳に入ってきたのと、口にくわえたのが外れそうだったので、焦った」って答えた。「また言ってる〜(笑)そんなこと言う人、初めて聞いたよ〜!ダメなのかもしれないね。夏海はダイビングに合わないのかも」って笑いながら言われた。《 ダイビングに合わないのかも、ダメなタイプなのかもとインプットされた 》
初めてパラオの海で潜った時の感動が忘れられなくて、ライセンスを取った彼女が、美しい沖縄の海をちょっと自慢げに「海の中はどうだった?綺麗だった?また潜りたいと思った?」と聞いた。私が思ったより綺麗ではなかったと思ったが、ちゃんとプログラムをこなせたことに自信が涌いたので、「お昼からも潜りたいと思った」と答えた。ただ、記憶が定かじゃなくて、見た魚を覚えていないと伝えたら、「酸素が少ないせいか、どんどん忘れていくみたいだよ〜」と教えられ、ちょっとホッとした。
お昼からのダイビングにはまだ1時間ほど時間が空いたので、ビーチで昼寝をした。(有料のパラソルとイスを、タダで貸してくれたインストのお兄さん、どうもありがとう♪)

さて時間がきた。友達曰く、体験ダイビングで、あんなに泳ぐことはないと思う。たぶんマンツーマンだったから、特別だったんだよ〜!って言っていたので、てっきり同じ場所に潜るのだとばかり思っていた。同じ場所でもう一度、今度は落ち着いて潜りたいと思っていた。が、船はどんどん沖に進み、船が錨を下ろした処は、海の真ん中。友達が、「この海の色は、深いよ〜!」って歓声を上げた。《 ここは深いんだとインプットされた 》その声を聞いて、私は緊張し始めた。

午前中と同じく、ゆっくりと耳抜きが出来ているかどうかを聞かれながら、海の中へ潜っていった。沖だけあって、TV通りの綺麗な珊瑚礁&魚たちが見え、感動した。そしてその先には深いブルーが広がっていた。太陽の光がエメラルドグリーンに光っている現在の位置から、少し深くなって光が届きにくくなると、海はマリンブルーより深い蒼い色に変わることを実感した。(私の知っている海は、深い緑色です。透明度の違いなんだね、きっと。)そして、インストラクターは、私の顔を上に向けながら(たぶん深いので、緊張しないように視線を逸らしたのかな)、下へ向かって進み始めた。蒼い海の底に向かって。
朝潜った時には、水深5mだった。海で育った私には、素潜りでもいける距離だったと、お昼ご飯の時に聞いた時にはホッとした。最深5m。今回は、それより深い...。
「30分も潜らなくちゃいけないのか...」ふっと思った瞬間!朝感じたのと同じ緊張がやって来た。うまく息が吐けなくなった。ヤバイ!すぐにインストの人に浮上したいと合図を送った。送った。送ったのに、どんどん深く潜っていく。私は慌てた。でも、冷静な私もいて、今パニックになって呼吸が乱れると、命に関わると真剣に呼吸をすることに集中した。やっと合図に気が付いてくれて、浮上を始めた。向き合って、呼吸のタイミングの指導をしてくれながら無事に海の上に上がれた。
インストラクターに、うまく息が吐けなくなったと訴えた。そして呼吸を整えた。もう絶対ダメだと伝えようと思ったが、朝と同じタイミングで、強引に海の中にまた連れていかれ、浮上した時間のロスを埋める為か、真下を向かされて、どんどん深く潜っていった。あまりの強引さに笑ってしまって、緊張が解けた。後で友達に聞いたら、合図もせずに浮上してしまったので、友達は「あらら〜上がってっちゃった〜!で、私はどうすれば良いの?」って状態だったらしい。
浮上する前と同じ深さまで潜って、インストラクターが鈴で友達に合図を送っていた。位置関係が判らないのだが、離れた場所にいたのかな?なかなか気が付かなくて、ちょっとドキドキが早くなった。落ち着け、落ち着けと心の中で思った。友達も気が付き、再び海の底へと潜っていった。
インストラクターやガイドと一緒に潜る時には、彼らが先頭になって泳ぎ、それより前に行ってはいけない約束事があるのだそうだ。つまり、友達はインストラクターより先に出られない。インストラクターは、私の背中当たりで私を掴んで泳いでいる。だから、私が先頭で泳ぐという格好になっていた。誰もいない海の中。自分の命を他人に預けると言うこと。自分の意志で自由にできないという不安感。自分の命を自分で守れない不安感。流れがあるかもしれない。流されているかもしれない。でも、それが判らない不安感。
余裕が出て、ちょっと周りを見回していると、頭を掴まれて下を向かされる。そして深く潜っていく。私は一体どこに向かっているのか?どういうルートを案内したいのか?潜るのか、浮上するのか?前に進みたいのか、少し曲がりたいのか?強引に行き先をずらされて、体勢が斜めになったりする。その強引さに『人間』を感じて、心に余裕ができて、笑っちゃった。
少し上に向かうと、ああ!浮上できる♪と期待する。(また頭を掴まれて潜り直されるんだけど)海の中は綺麗だった。美味しそうな魚が群をなして、波に身をゆだねていたのも見た。でも浮上することばかり考えていた。タンクの中にある独特のニオイのある空気でなはく、海の上の空気が恋しかった。

やっと海の上にがって船に乗り込んだら、全身が震えていた。やっぱり緊張していたんだ。どれくらい潜っていたんだろう。どれくらい長い間緊張していたんだろう。やっぱり私には、潜るのは まだ早かったんだと思った。
帰る途中で、朝潜ったポイントの側を通った。ホテルが見える距離。本当にすぐのポイントだった。こんな近くの浅いところで、私は緊張して浮上して貰ったんだと思った。次は大丈夫だと妙な自信が涌いた。

陸に上がり、ダイビング機材を持ち込んでいた友達の手伝いを、ちょっとだけした。(だって、何をすれば良いのか判らないんだもーん)塩を抜くのは、なかなか大変だったよ。(ウエットスーツは、家に帰ってから改めて塩抜きするそうです)

こうして、緊張とパニックの連続の体験ダイビングが終わった。インストラクターのお兄さん、どうもありがとう!イライラしただろうに、満点の笑顔で対応してくれて、インストラクターとしては、パーフェクトだったよ!!彼じゃなかったら、最後までこなせなかったと思うの。とっても感謝しています。(ちなみに、10/6の朝の番組でオクマをやってたの見た人いる?フーミンと潜ったうちの1人が、私がお世話になった人だったそうです)


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