★ 夏海の日記 ★
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セミの声も、もうなくなって、暑さが続いたのに、彼岸花はちゃんとお彼岸に咲くんですね。今年は近所の竹藪に群生しているのを見付けて、どうして去年まで気が付かなかったんだろうって不思議でした。
蝉の声を聞いた夏の始め、この蝉は、7年前に生まれて、土の下で暮らしていた蝉で、7年前、私は何をしていたんだろうって思ったの。 この蝉が生まれた時、うちの裏はまだ林や畑でした。 その後、そこの土地の持ち主が、欲と息子への偏った愛情の為に、息子の為にアパートを建てようと画策(その土地は息子と娘の共同名義だったので、娘の許可なしでは触れないはずだった)し、狡猾なヤクザに土地を取られ、事情をしらない人に売られ、今何件かの家が建っています。 その経緯を知っていて、土地の持ち主だった独り暮らしのばあちゃんの家に黒塗りの車が何度も来ていたのも知っていて、土地を盗られ、その後、ばあちゃんはお正月に独りぼっちで亡くなり、翌日になって発見されたこととか色んなことを思い出して その蝉の声を聞いていました。 この蝉は、まさか成虫になった時に、止まる木が無くなっているなんて思いもしなかっただろう。家の下やアスファルトの下で埋まったまま、死んでしまった仲間がいっぱい いるのかもしれない。
時が流れるのは残酷なことで、でも私たちは生きていかなくちゃいけません。 今年生まれた蝉が成虫になって鳴く頃、戦争も内戦も飢餓もない世の中になっていれば良いなぁって思います。憎むべきテロがあった。でも戦争にならずに平和的な解決ができ、テロがこの世からなくなった記念すべき年だったと懐古できれば。
子供の頃から、秋は嫌いです。 もしかしたら、夏休みの間中、母の実家やパパママの家でずーっと過ごして、自分の家に帰らなくてはいけないのが嫌だったのかもしれないし、夏が好きなので、夏が終わるのが嫌だったのかもしれません。(宿題ができていないプレッシャーが原因なのかも ^^;)
弟を事故で亡くしたのも秋でした。
奇跡的に回復しつつあった伯父が、(起こしていては看護婦さんの手が掛かるから?)再び睡眠薬で眠らされるようになったそうです。 もう「手の尽くしようがない」っていうのがその理由だそうですが、納得できない。 もし、介護できる看護婦さんを自分で雇える程の財力があったなら、伯父は眠らされずに回復しているかもしれない。私は伯父より遠くにして、直接看護してくれている看護婦さんではないので、文句の言いようがないのですが、納得できないでいます。
もうすぐ弟が死んだ10月がきます。 夏を乗り切った伯父が、この世からいなくなりそうで...。
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