★ 夏海の日記 ★

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2001年08月29日(水) 自分の頭で考えるということ

愛する甥っ子と2人だけで、昨日と今日連チャンでプールに行って来ました。
私は母の実家や伯母の家(漁師町です)で育てられたので、海で泳ぐのが大好きなのです。でも妹は運動が苦手なのと、外出嫌い&太っているので水着姿をさらしたくないからか、泳ぎに連れて行かないまま 甥っ子は小学校に上がってしまったんです。
あんなに喜ぶなら、もっと早く連れて行ってあげれば良かったと思いました。

そして、2日間長い時間2人だけでずーっと一緒にいたので、甥っ子に対して感じていた『違和感』の原因が、何となく判りました。

違和感...甥っ子は、物を覚えるということをしません。何でも「忘れた」で片づけます。また、急に思いつくと、誰にも何も言わずに 夢遊病の様にその方へ真っしぐらに向かって行きます。話を聞く集中力がありません。また、耳に入らないことも しばしばです。
これは、子供にありがちなことなので、気に止めないようにしていました。でも『違和感』がいっぱい。病気じゃないかと思った程です。(まぁ、私が神経質過ぎるのかもしれませんが)

で、判ったことは、甥っ子は、妹が生まれるまで『多 対 1人』だったってことです。大人の目が全部自分に向いていて、過剰に指図され、表現する言葉を先に言われ、欲望を先取りされて育ちました。
外出しない妹のせいで、甥っ子は公園デビューどころか、散歩もしないでずーっと家の中でTVやビデオが遊び相手でした。同じ年頃の友達と遊ばないでバス通園の幼稚園に通い、幼なじみのいないまま小学校へ上がったんです。

大人だらけの中で育った・・・子供同士で工夫して遊んだり、ケンカしたり、ケンカのルールを覚えたり、仲直りしたり、擦れてしまった大人とは違う発想や、想像力を育んだり、大人相手と違う『対等な関係』を築いたり...。そういうものを得るチャンスを与えられないで育ってしまったようだ。

つまり、『自分の頭で考える』『自分の言葉で表現する』ことをしないでも、周りの大人が『やるべきこと』を指図してくれる、『やって欲しいこと』を酌んでくれる、不快にならないように排除したり、気を配ばってくれる。全て先回りして、自分のすべきこと、考えるべきことを大人が代わりにやってくれる。
甥っ子は、自分の妹が生まれるまでの6年間、『自分の人生』を生きていなかった...?
そして妹が生まれた途端、急に『自分で!』と放り出されてしまった。

私の妹に相談されました。『どうすれば、発想力が育つの?』
大人相手に考えることをせず、TV相手に知識を増やした甥っ子に、そういう育て方をした妹が 想像力、発想力を欲しがるなんて!

私と一緒に泳ぎに出掛けたのに、『一緒にいる集中力』(変な表現ですが)がなく、急に私のことを忘れて走り出します。これも、絶えず大人の目が自分にある安心感と言えば聞こえは良いですが、自己防衛本能が足りないのではないかと思うんですけど...。「私と一緒に遊びに来ているのだから、どこかへ行くときには そう言ってくれないと、見失うから...」って説明して、でもすぐ忘れて走り出して(私はそれを知っていてワザと知らん顔しました)「あ!」って思い出して報告に帰って来るのを見て、覚る能力はあるんだと、ちょっとホッとしました。
水遊びは、溺れるなど生命の危険にさらされるので、自分の居場所を私に教えるという初歩的なことを教えたんですが、たった1日だけでは習慣にならないので、すぐ忘れられてしまうんでしょうね。命に関わる事故や怪我がないように、祈るしかないんでしょうか...。

妹一家は外食が多いにも関わらず、お店で落ち着きがないのは...。これもまた変な習慣ですが、甥っ子は1人で食事をし、大人が周りで見ていて、ご飯をもっと食べなさいとか、行儀が悪いとかの指図をするんです。イチニのサンで「頂きます」をしないで、食事を楽しまないで育った甥っ子は、自分の食べるペースを人に合わせたり、会話を楽しみながら食事をしたり、そういう『普通』の食卓を習慣としないで育ったんです。
みんなが食べ終わるまで待つ習慣がないので、食べ終わると間が持たない。自分が食べている間、誰も食事をしないで、バタバタと動いているので、またTVを見ていたりして食事に集中できない。いくら言っても家族で食卓を囲む努力を妹はしようとはしません。
母性本能満タンで、世話好きで、子供が大好きな妹なのに、なぜ『小学生のペット』のような可愛がり方しかできないんでしょうか...?

実母と同居の妹は、子供のままで母に甘えていて、専業主婦なのに、部屋の掃除も お風呂掃除も 夕ご飯の支度も その全部を5時まで働いている母任せです。母が怒っても馬耳東風で、なぁなぁで済んでしまいます。夕飯の買い出しに行けないのは、夕飯を作れないのは、去年生まれた娘のせいだと言っています。(甥っ子が生まれた時にも そう言い訳していました)還暦を過ぎた母が仕事からズタボロになって帰って来ると、姪っ子を預けてやっと料理にかかるんです。甥っ子が食事を始めるのは、8時過ぎです。そして疲れた母がお風呂掃除をしないと何日も、お風呂も入らせずにオヤスミの時間です。

私は母以外に祖父母や伯父伯母の家で育てられたので、そういう習慣が信じられないんですけど、そして育った実家でも そんな『いい加減な』習慣は なかったと思うんですけど...。

自分が可愛がられている、大切にされていると信じている甥っ子が、実はこの家は変だと気が付き、『自分の為』に食事やお風呂の用意がされていない事実に気が付いた時のショックを思うと胸が痛いです。その時に甥っ子はどう思い、どうするんでしょうか?気が付くのも不幸。気が付かないのも不幸。
かと言ってうちに預かるわけにもいかないし...。


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