| moonshine エミ |
| 2004年06月19日(土) 羽織るは絢爛たる打掛 | ||||
| 11時起床。あらーサマータイムは?というところですが、休日の私としてはそれほど遅い時間ではありません。蒸した部屋で洗濯機など回してみたり。昨夜はどかんと焼肉を食らったので、食事はちょっと控えめに。キャベツともやしをゆでて、だいこん、じゃこを乗せてごまだれで和えたサラダ。トマト半分。 今日はちょっとだけきれいな格好をして外へ出たい。とクローゼットを物色しているとしん氏より電話。 「これこれこういうわけでねえ、何を着てこうか迷っとるんよ」 するとしん氏、 「あのスカートは? 壁みたいな」 か、壁・・・。それはスカートに対する形容詞でしょうか。 「あ、でもあれは冬物か。ほら、おばあちゃんちの壁みたいなやつ」 いや、何を指しているかはばっちりわかるんですけど。あれ、けっこういいものなんですけれど・・・。 そして出かける。時間に間に合いそうになかったので、久しぶりにタクシーをつかまえて颯爽と告げる。「オークラまで!」そう、今日の待ち合わせはホテルオークラのロビーなのである。正面玄関まで乗りつけると、ホテルのボーイさんがさっと車のドアを開けてくれた。やー、今日のあたしはセレブよ!(なんて言いつつ、ワンメーター+1区間しか乗ってません) なぜオークラかというと、隣接する博多座にて、今日はザ・ジャパーニーズ・歌舞伎を見るのです。六月博多座大歌舞伎。中村松江改め二代目魁春の襲名披露公演。ブラボー! ハラショー! お連れの方が行けなくなったからと、誘ってもらったのです。チケット(の価格)を見てびびりあがりました。な、なんたる贅沢! お礼の言葉もございません。 舞台はすばらしかった。このたび襲名した魅春さんの『八重垣姫』は、どこからどう見てもお姫さま。楚々として、かつ、情熱的。歌舞伎十八番に名を連ねる、かの有名な『勧進帳』は松本幸四郎の弁慶が喜怒哀楽を華々しく演じ、最後の『其小唄夢廓』は、もっとも普通のお芝居に近くて見やすく、暗転したあと、パッと花の吉原の場面に変わるところなど、目をみはった。今回、私が一番すてきだなーと思ったのは、『勧進帳』で安宅の関守、富樫を演じ、『其小唄夢廓』で辻斬の権八を演じた中村梅玉さん(高砂屋)。そうそう、舞台中に決まったところで、客席から「加賀屋!」「高麗屋!」「萬屋!」なんて声もかかってて、わくわくしたなあ。 とにかく役者さんたちのすごいこと。くるりと回るにしろ、袂で口を覆うにしろ、ひとつひとつの動作がぱしっと決まる。ひとたび動作を止めたら、次の自分の動きまでかなりの間があっても、微動だにしない。動かない時間がかなり長い謙信や義経など、オペラグラスでじっと見てしまった。本当に動かないのだもんー! オペラグラスで見た感じ、着物も糊がきいたようにぱりっとしてた。あんなに動くのに、舞台は毎日あるのに、どうやってあの美しさを保つのだ・・・? そしてなぜ、着崩れない?! 粋な男、一本気な男、さわやかな男、高貴の女、ろうたけた女、いろんな役があるんだけど、総じて男は男らしく。女は女らしく。その気持ちよさを感じた。伝統芸能、なんていうけど、いきいきとした世界だった、歌舞伎。また見たい。 幕あいに食べるお弁当もおいしかった。しん氏に「これから歌舞伎を見にいくんだよ」というと、間髪入れずに「へえ、じゃあ、幕の内とか食べるんだ」と言われたけど、よく知ってますね。そう、これが本当の幕の内弁当。料亭の仕出弁当だけあって、見た目は華やか、お味は細やか。いろんなおかずが入って、ごはんは赤飯と紫蘇を散らしたものの2種類で、けっこうボリュームがあるのにぱくぱくと15分くらいで食べられるのもすばらしい。せっかくの機会なので、おみやげにおせんべいも買いました。 たっぷり4時間半を劇場で過ごした後、蒸しているけどそれが何だか心地よいような、わくわくする夏の夜道を歩いて中洲の真ん中へ。40年以上もやっている老舗のバーで、ネグローニ、カサブランカ、そしてニッカウヰスキー余市を飲む。贅沢に贅沢を重ねた、麗しの一日でございました。 |
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