moonshine  エミ




2004年01月02日(金)  私だってあなたから離れない

 正月二日、実家に持ち帰っていた本も読み終わってしまい、
 テレビにもいいかげん飽きた。
 雨が上がったので、家近くの公園を走る。5.2キロ。

 薬院に戻る準備をする。例によって、実家からいろいろもらいものをする。
 荷物をまとめる横で母親がいろいろ訓戒を垂れている。
「お願いやけん、親に黙って会社を辞めて、
 ふらっとミハラくんに着いてって愛知で暮らし始めたりせんでよ」
 と懇願されたのには笑った。
 無鉄砲なところがあるのを、やはり親というのは分かっているのか。
 しん氏もその手の心配をたまにしているふしがある。
 大丈夫、そんなことしませんって。
 結婚式をするかどうかは分からんけど、ちゃんと挨拶くらい来ますけん。

「とにかく健康がいちばん、若いけんって、無理しなさんな」
「何かあったら一人で悩まんで、親にも相談しなさい」
「野菜を、ようけ(=たくさん、の意)食べなさい」
「一人暮らしやけんて、だらしない格好で外に出らんとよ。
 アイロンかけたり、靴磨いたり、清潔にせないかんよ」
「酒にだけは気ィつけんと、おおごとするよ(=大変なことになるよ)」
「紙袋は溜め込まずに、ほどほどで捨てなさいよ」
 そう、紙袋。
 いつか使えるかも・・・と思って、ついつい増えていくんです。貧乏症。

 私が化粧をしている間に母親、持って帰る紙袋のいちばん上に、
 そっとクッキーを乗せていた。いらん、と言いよるのに。
 親心かねえ。もらっておこう。
  
 それにしても、よく食べた。とかく実家は食物が豊富。始終むしゃむしゃ。
 私は甘いものにメがない、というほどのスイート好きではなく、
 お菓子の類など、食べないときは、ずっと食べなくても平気なのだが。
 ないならないでも不自由しない、しかし始めると止まらない、てこと。
 お菓子然り、煙草や酒然り、セックス、買い物、夜遊び、何にでもいえる。 
 とことんまで無茶をする、という甘美な愚かさも時にはかけがえないけれど、
 やはり大体において、美しいのは節度という言葉だろう。

 ゆうべも藤沢周平の時代物をいくつか読んでいて、
 やっぱり短編っていいよなあ、自分にも書けないかなあ、と思い、
 実家を出て帰るまでの道みち、つらつらと考えてみた。正月にまつわる短編を。
 思いついたのは何だか暗い話だった。性格か。

 今日は年賀状の配達がない日だよなあ、と思いつつポストをあけると、
 封書が一通、入っていた。これまた意外な手紙。
 おもいきり、おもはゆい。
 でもうれしかった。
 照れくさくなったので、ひとりで酒を飲んだ。飲みつつ、日記の過去ログを読み返す。
 と、がしゃんとグラスを倒して、真っ赤な酒が床にじゅうたんに飛び散った。
 ばかばかばかー!
 悔しかったので、さらに飲む。
 正月から何やってんだか。。。

 もうそろそろ、しんちゃんが長崎から帰ってくる。
 今夜は何を食べましょうか。





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