| moonshine エミ |
| 2003年07月29日(火) まなざし | ||||
| 人の日記を読んで、 「みんな、淡々と過ごしているなあ」と嬉しくなる毎日。 もちろん、それぞれ浮き沈みを繰り返しているんだろう。 だけど日記という文章を通せば、それもまた、寄せては返す波。 いろんな日があっても、その人の目線が急に変わることはない。 その目線は、人それぞれ。 あの人は、山の向こうがわを思い描き この人は、ひらひら舞いの蝶を目で追って かの人は、今はしんと瞑想している。 私の目にはそんなふうに見える、ということだ。 人をじっと見つめたり、目が合ったりするときも、ある。 □■□ 有休明け、会社の机の上には、 月末近くの伝票や未開封の郵便物もそれなりに溜まっていたけれど、 それ以上にお土産の山が。 ディズニーランドのお土産、ディズニーシーのお土産、 お台場のお土産、麻布のお土産、名古屋のお土産。 山を崩す楽しさよ。 ・・・呼子で、私も何か買ってくればよかったかなあ、とちょっと思った。 (でも、それもなんか、ねえ。) この夏、二本目の日傘を買った。一本目と色違いのやつ。 大学時代の友人ダンノ氏にお誕生日おめでとうメールを送ったら、 なんと2ヶ月遅れだった。 だって獅子座っていうイメージがあったんだもん。 心やさしいダンさんは、25歳になって2ヶ月、という今の心境を丁寧に返信してくれたうえ、 私の誕生日を(少なくとも月は)正しく覚えていてくれたのだった。ありがと。 『大奥』の、見事なまでに視聴者の心に寄り添った番組づくりよ・・・。 赤い内掛の安達祐実ちゃんと、青い着物の葛山信吾くんが、 一対のお雛様のように美しい将軍夫婦ぶりだった。 夏の夜、空に上がるは花火。地上に降るは死体。 忍び寄るは崩壊の足音。 しんちゃんのことは、静かな気持ちでばかりは見つめられなくて、 あんまりにも忙しそうな彼を見るにつけ(いや見てないけど・・・) いくつもの心配が頭をもたげる。 まあ、でも。 どんなに近くにいるつもりでも、(いやむしろ800キロ離れているけど・・・) 彼は彼の人生を生きていて、私は、時々の伴走者。 私は私で過ごしています。 ■今日の本 天神、丸善にて 『風立ちぬ・美しい村』 (堀辰雄 新潮文庫) 昭和9年、11年に書かれた作品二編。 純文学の名作といわれるものは、少しずつでも読んでいきたいと思っているのです。 いや、できれば、できるだけ若いうちにたくさん読んでおきたいのですが、 こりゃま、なかなかね。私にとって読書は娯楽ですから、お勉強気分になるものは、やっぱりちょっと遠い。 とはいえ純文な気分になる日もあるのです。 この本を選んだ決め手は、 “堀辰雄は、近代日本の作家が、芥川以外は全く無視していたと言っていい、 わが王朝文学を現代の中に甦らせた” という趣旨の文。巻末の解説にあった。 芥川は好きな作家の一人。王朝に憧れる子供でした。 |
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