| moonshine エミ |
| 2003年06月23日(月) 夢とチューイングガム | ||||
| 最近の月曜日は、少し気が重いけれど、少し楽しみなのである。 帰り道なんか、大声で歌いながら歩けそう。 しかし、浮かれる私に異変が突きつけられた。 るるるー♪とハナ歌いながらウォークマンのEjectボタンを押すと、どうもすっきりしない音、そしてMDが出てこないのである。 出てこない、というか、つっかえてる感じ。 もう一度閉じようとしても、ウシャッ、という心地よい感触がない。 もう一度出そうとしても、出てこない。 もう一度閉じようとしても・・・(以下リピート) なだめてもすかしても、怒鳴りつけても叩いても、エンピツの先でほじくってもダメ。 いや、正確には、ほじくったら一度出てきたのだが、もう一度入れると、明らかに入れ触りが違う。 いったい何を拗ねているのであろう。 私が何の意地悪をしたというのであろうか。 このMDウォークマンは、去年の夏、どろ酔っ払った際に忽然と姿を消した先代に代わって新しく買ったもので、まだ一年と経っていないのだ。 「ううううう壊れたーMDウォークマンごぁでだー ほじくっても叩いても出てこんーーーー なんか触りよったら、いろんなとこが曲がった気がするーーー もうやだ、明日、新しいやつ買うーーー録再のやつ買っちゃうーーー」 キーーーッとなった私に電話口でわあわあ訴えられたしん氏は、 「新しいの買うなんて、もったいない。おれなら買わんよ。 さわらんと。それ以上、さわっちゃいかんよ。 余計わるくなる。保証期間内やけん、そのまま店に持っていきなさい。 さわらんとよ。いいね。 自分で適当に触ったら、“壊れた”んじゃなくて“壊した”とみなされて、金とられるよ。 ていうかもう自分で触ったっちゃろ? それ以上ぜったい触らんがいい。 ま、ぜんぶ分解してバラバラにして、『へーウォークマンてこげん作りになっとうっちゃねー』て楽しめるってんなら、止めんけど」 と、冷静に、辛抱強く、なだめたりすかしたり、私を責めてみたり脅したり。 しん氏、自作のパソコンをこれまで何度も壊しては再構築してきた経験からか、いやに落ち着いている。 「ぐぐぐ・・・わかった、わかったよう。触らんけりゃ、いいっちゃろ。明日ビックカメラに持ってくよう。」 ようやく私が思いとどまると、 「一件落着」 とささやかに桜吹雪を降らせ(←自分で言っていた)、 「もう寝るよ」 とおっしゃる。まだ22時である。 仕事で疲れているらしい。 「○▼※(←なんのことやらよく分からず。)やってー仕様変えてーソフトを動かしてー書類つくってー・・・間に合わんよー」 なんだか忙しそうだ。 「が、がんばって・・・」 電話を切って、少しの時間、しみじみとする。 仕事してんだなー、しんちゃん。 どんな建物のどんな部屋で仕事してんだろう。 どんなカッコで仕事にいってんだろう(←Tシャツとチノパンらしいが、いまいち想像つかず。) どんな雰囲気の会社なんだろう。 寮ってどんな感じなんだろう。 愛知、工業の町なんて住んだことないもんなあ。 なんか、不思議だなあ。 がんばってんだなあ、しんちゃん。 その後ほどなく、思い立って同期に電話する。 「使っていないポータブルプレーヤーがないか」 と厳しく尋問。 カセットのウォークマンを明日会社に持ってきてくれるとのこと。 ありがたやー。持つべきものは友だちです。 部屋の中を捜索。カセットテープを探す。 テープ類は2年近く前に、大幅に処分してしまっていたのだが・・・。 あった、あった。 ラブ・タンバリンズと、久しぶりの「オールナイト・ニッポン第二部」 6年前に、小沢健二とスチャダラパーがパーソナリティをしていたのを、毎週、ダビングしていたのだ(熱中性質大発揮)。 それも大部分は捨ててしまっていたが、5本、残っていた。 間違いなく洋楽('60-'70ソウルとか)オタクである小沢くんが、いい曲をいっぱい流していた番組だ。 高校生の頃より、いま聞いたほうが絶対、良さがわかるはず。 何年ぶりに聞くだろう、あのテープ。 わくわく、明るい気持ちになってきた。 なので、お風呂の中で、きのうテレビで見たひばりの歌を口ずさんだ。 「右の ポッケにゃ 夢がある 左の ポッケにゃ チューイングガム・・・」 |
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