moonshine  エミ




2003年03月19日(水)  福岡にて最後の贈り物をもらう

 本日は晴天なり。
 本日は有休なり。
 相方しん氏が、5年と5ヶ月ほどの付き合いの中で、初めて我が実家にやってきた。

 というのも、もうすぐ新天地の愛知へ向かうしんちゃんが引越しに際し、今の家に置いているプリンタを私にくれるというから、持ってきてもらったのだ。
 ん?
 先週、既に記念品をもらったはずじゃないかって?
 あー、それはそれ。
 だいぶ前、ふとした拍子に
「プリンタ、いる?」
 と言ったしんちゃんの言葉を、しっかり脳内メモリに登録してたからね。
「くれるって、言ったよね? 言ったよ、ね。ね。ね」
 ということで。
 
 きちんと買ったときの箱に詰めて、買ったときの発泡スチロールで固めて、紐でしばって、紐に取っ手までちゃーんとつけて、
 電車に乗ってしんちゃんはやってきた。

 相方との付き合いも、もういい加減長いんだけど、私の家族はしんちゃんという存在をほとんど知らない。
 私は家族のこと、そりゃー悲しくなるくらいに大事に思ってるんだけど、自分の日常についてあんまり家族に話さないのだ。自分が読んでる本のことも、聞いてる音楽のことも、仕事のつらいことや楽しいことも、友だちのことも、いわんや恋人のことも。
 それは、親と仲が悪いとか、そういうんじゃなくて。
 なんというかね、この辺わたし、けっこう男の子っぽいのかも。
 というか、私はそれが普通と思ってきたんだけど、会社に入ってから、「へー、女の子って、(特に母)親と、友だちみたいに仲が良くて、何でもしゃべるものなんだ〜」
 と感心したものだ。

 先週、お友だちのゆうきちゃんがやってきたときも、それほど部屋を念入りに片付けたりはしなかったのだけれど、本日のしんちゃんの訪問に際してはさらに全く片付けず。
 なんせ、約二年間、行ったり来たりしながら一緒に暮らしてきた人だ。今さら何を繕う必要があろうか。
 私の部屋は、箱崎のマンションの頃と基本的に変わらない。実家だから、本の数(と、つまりは本棚)が多いだけで。

 私のギターをしんちゃんに弾かせたり、私が弾いて一言アドバイスをもらったりして、その後ササッとプリンタをセッティング。先日買ったばかりの軽快なスライ&ファミリーストーンや、エロく絡みつくファンカデリックのCDを聞きながら。
 しん氏がこのプリンタを買ったとき、
「ったくー、たいして使うこともなかろうに、無駄遣いしちゃってー」
 と言わんばかりの反応をした私だが、プリンタはヒューレッド・パッカードの、予想外にしっかりしたものだった。
 いやー、いいもの買ってたんだね! (ゲンキン。)
 デジカメで撮った写真を、初めてプリントアウトした。
 感激! きれいに印刷できるやん! ありがとー!!!

 定時で退社する人々が行きかう頃に博多駅まで出て、ヨドバシカメラをうろうろする。
 携帯やプリンタのインクジェットやヘッドホンや作曲用ソフトやアンプやホームシアターセットや、とにかくいろんなものをゆるりと見て廻って、
 焼き鳥屋さんで夜ご飯を食べた。
 おいしい串を食べておいしい焼酎を飲んで、お店の人もとてもいい人で、
「一人の職人さんと一人のエンターテイナーがいて、それだけで、すごくいい感じだねえ。適材適所だねえ。」といいながら、ゆっくり長居した。
 それでも私達にしては短いほうだったかもしれないが。
 帰り際、
「ありがとうございました〜!! また二人で、仲良く〜〜!」
 と、大きな声で送ってくれるお店の人。
 私たちは、「もう来れないんだよなぁ・・・」と小さく言葉をかわして、店を出た。

 家に戻り、お風呂上りにリビングに寄って牛乳を飲んでいると、
 もう今年還暦を迎える母親が、
「優しそうで感じのいい、なかなかいい顔をした青年じゃない。
エミちゃんとちょっと、(顔が)似てるんやない? 似てるって言われるっちゃない?」
 なんて言う。
「似てるわけないやん!」
 と言いながら、部屋に戻ると、どうにも泣けた。





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