ようやく少しずつ暖かく感じられるように なって来ました。 寒い寒いというのが口癖になっていて。 夜の帰り道に少しきつすぎる程の甘い匂いに 当たりを見回せば、春を教える花が咲き始めて いました。 そうやって肌で感じるより先に、香りで季節の 変わり目を知る事がよくあります。 人間の五感というのは自分が思うより敏感だし 物覚えもいいようです。 帰り道を急いでいると、少しだけ開けられた窓から 食器を洗う音が聞こえる。 テレビの音や子供がはしゃいでいる声。 その声に重なるように聞こえるお父さんらしき人の 優しい声。それから卵の甘い匂い。 目や耳や鼻で家族の存在を感じる。 全然知らない家庭の音が、何だか幸せな音に感じて、 少し心が温かくなる。締め切ったドアからは 決して聞こえてこない音や姿。 春がやって来たんだなと、そう思う今日この頃です。
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