人間という動物はとても防衛本能の強い動物らしいです。 人間の知能がその役割を果たすそうで。 例えば悲しい事や辛い事は時という現象により 遠い記憶にいつしか変わり、果ては痛みをも取り除いて くれる。もてあます程の痛みなら記憶そのものを 曖昧に、またはなかった事にさえしてしまう。 それも自分を守る術なのでしょう。 それから耳。人間の耳は都合よく出来ていて、 自分にとって大事だと思う事しか聞き取らないそうです。 もちろん普通に生活していたらそれだけでは済まないけれど。 好きな人の声はすぐ分るとか、特定の事にだけ 反応するっていうのも、よくある話で。 人間というのは知れば知るほど面白い生き物だと思う。 忘れたい程悲しいのに、過去のものにしてしまうのは あまりにも辛い事なんかあって。 この痛みは取り除きたいけど、時と共に忘れてしまうのは なんて悲しくて薄情な事のように思えてしまうんだろう…なんて。 矛盾してるけどそれが本当の事。 生きてる自分はいつだって前に進んでるから、なくしてしまった人や物に 捕らわれる事は出来ない。悲しい思いも辛い矛盾も全部飲み込んで いつか会える日を信じて強くいなければならない。 出来る事はその時の気持ちを忘れない事。 たったそれだけの事がとても大事。前へ進む為、ただそれだけ。
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