快賊日記「funnyface」

2002年11月06日(水) 立派な人

立派な人になりたい。子供の頃から思ってた。
本当は今だって思ってる。いまさらながらでも、思ってる。
立派な人。社会的地位の高い職業についてる人はとても立派。
お金持ちだって人から見たら立派な家に住み羨ましいもんだ。
生活水準の高い人はやっぱり立派に見える。
それでも思い出すのは大きくて力強くて凛とした背中。
いつだって家族を守るため自分を犠牲にして頑張る。
自分の仕事に誇りを持って自分の信念を最後まで貫き通す。
年を重ねる度苦労も増えるのに心はさらに強靭になっていく。
いくつになったって向上心は忘れず勉強に励む。
たとえ無駄と分かっても人のために涙を流す。
たとえ報われなくても不器用なまま生きて行く。
たくさんたくさん背負い込んでそれでも飽き足らず、
またゼロからスタートだと笑って言える。
その笑顔を見るとその背中を思い出すと涙が止まらない。
もしなれるなら。もし淀んだ世界を難無く受け入れてしまった
自身でも。暗く沈んだ水の底を写してしまったこの瞳でも。
洗っても落ちない泥をそれでも掻き毟るようなこの両手でも。
そんな自分でも許されるなら…。
もしなれるならそんな人になりたい。そんな立派な人になりたい。
それはよく知ってる父の背中にも似て。
だからやっぱり涙が止まらなくて。一生懸命その姿を
ずっとずっと追い求めて生きて行くんだ。
そのあまりにも立派なその姿を嬉しそうに思い出しながら。


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