快賊日記「funnyface」

2002年10月07日(月) 灼熱の38度

その国はとても寒い国だという。
地図を見ればそれは分かる。
目線をやや左上に移せばその国はそこに、ある。
とても近くてとても遠い国だという。
そしてとても不思議な国だ。
同じ顔をして同じ言葉を持ち同じ大地の上に生きている。
しかし別の国名を持ち独立した国を有するという。
長い長い長すぎる断絶の歴史がその国を切り離す。
決して後戻りの出来ないその道は、永遠とも思える程の
悲しみを引きずって未来へと続いてる。
悲しみの終わらない未来へと続いてる。
たとえば何がきっかけになるだろう?
その涙を止める術は皆が知ってるものなのに。
最近度々耳にする問題も、その一つの国の過酷な
体質しか伝わらない。元を正さなければ決して解決できる
問題ではなく。その元とはやはり38度線の消えない熱だろう。
その国はとても寒い国だという。
確かにそうだろう。この国より上に位置し、
冬は凍りそうな空気が街を支配するのだろう。
寒いはずの38度線はしかし熱く、いつだって人々の心を
焼いてしまう。燃え落ちて消えてしまうその前に、
伸ばしたその手を振り払わないで。
国は人と共に前へ進めるはずだから。


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