春はあけぼの。澄んだ空気と風の凪。 鈴なりの花々に気持ちも踊る。 すべての緑が芽吹く時、人の夢も心に咲き乱れてる。 春は優しい誰かの笑顔を思い出す。 夏は夜。逃げ水追えば飛んでく麦わら。 月に乾杯してなお酔えば、闇に蛍の光が見えて 遠い故郷が瞼に浮かぶ。夏はいつでもセピアの思い出。 秋は夕暮れ。長く伸びた影にふと顔を上げれば、 幼い手を引く大きな手。少し肌寒い半そでに 風が虫の声を届けてくれる。 秋の夜長は大好きな人の誕生を祝う、幸せな時。 冬はつとめて。張り詰めた空気と静寂と。 朝露が滴る様は氷の音色。高く見上げた空に雪が降りれば いと白き姿にまた笑顔が一つ。冬はまた、明日へと繋がる。 日、出ずる国。この国で、果てしのないこの旅を 地図も持たずに続けてる。いつしかたどり着くこの旅は 日、沈む彼方へと続いてる。 四季をいくつも繰り返し、まだこの旅路は続いてく…。
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