帰国後二週間。
前半一週間は調子がよろしかったのですが後半はぐだぐだもいいところで、ずっと寝てました。眠ってもいましたし、起き上がれなくもありました。記事の更新間隔が大きかったので「そんなことだろうと思っていた」という人も多いかもしれません。
さて、ずっと寝て過ごさざるを得なかったのは何故かと言う話をすると、また薬の御話になってしまって一部の薬物好きの人(私含ム)を除いたみなさんにはつまらないでしょうから、それは一ト先ず置いといて。
とにかく私が寝込んでいる間に、私の住居の裏にあった食堂が建物ごとなくなって、きれいな駐車場ができていました。隔世の間眠り続けていたような気がします。
さて、よろしかった調子が何故よろしくなくなってきたかをお話しするには、一ト先ず置いといた薬の御話をしなければなりません。
私はそもそも鬱病持ちで、かれこれ一五年くらい抗鬱剤だの精神安定剤だのを服み続けています。薬に頼らなくてはどうにもならない身体なのですが、これも持病の性同一性障碍の治療のための手術を海外の病院で受けるためには、術前二週間は一切の薬物の摂取をやめなくてはならないのです。
薬を服まなくなった私はふらふらのよれよれのぐだぐだです。大変しんどい状態なので、渡航先の病院で抗鬱剤を処方して貰いました。それが「EFFEXOR」という薬で、その薬の御陰で帰国日前後はそこそこ調子がよろしかったのです。
しかし、EFFEXOR(「エフェクサー」と発音するのがスタンダードのようです)は日本では認可されていない薬なのです。何でもハッピードラッグのような使われ方をすることが多いからなかなか認可されないのだとかで。
だから、帰国後は別の薬を処方して貰うことになります。
帰国直ぐ、つまりいまから二週間前に主治医に受診したときは、これまでしたことのないまったく新しい処方をして貰っていたのですが、これがなかなか効いてくれないので、今日の受診ではEFFEXORに似た働きをする薬に切り替えることで早く復調させようという方針の処方に切り替わりました。
トレドミンを投入します。
EFFEXORもトレドミンもSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:Serotonin & Norepinephrine Reuptake Inhibitors)という種類の薬なのですが、効き方はそれぞれ全然違って、欧米ではEFFEXORが主流でトレドミンはほとんど使われていないそうです。EFFEXORの方がずっとよく効くということです。私の身体にもよく合っていたようです。副作用もほとんど出ませんでしたし。
さて、服薬内容が切り替わったところで私の体調も切り替わってくれたらいいのですが、トレドミンは立ち上がり(効きはじめ)が遅いらしいです。
薬というのは最初はちょっとずつ服用して身体に慣らし、それから量を増やして困った症状を抑えることができる量に近付けていきます。いきなり症状を抑えてしまえる量を処方すると身体が吃驚して副作用がいきなり強く出たりするので、これはいけません。先に述べた「立ち上がり」には、「ちょっとずつ」から「適量」に移行する期間も含まれます。症状がひどくても少量からはじめましょう、ということです。
こうやって二転三転のドラッグコントロールをしている間にあっという間に次の断薬期(もう一回、性同一性障碍治療の手術が必要なので)がきて、薬を服まない期間をつくらなくてはならなくなって、しんどくなりながら渡航して、帰国後また新たに処方をして貰ってドラッグコントロールをして……という一連の流れが容易に予想されて既に気分はぐったりです。
薬に助けて貰わなくては無事でいられない生活は、大変です。健康なみなさんはその健康をぜひ大切にしてください。
あまり景気のいい話ではありませんでしたので、末尾ながら愉快なドイツの人をお愉しみください。よく判らないけれど愉しそうでよろしいです。