2007年09月01日(土) ちょっと、ぼくにとって、多分彼奴にとっても。
ぼくが使っている卓上日めくりカレンダーでは今日は八月三二日ですが、全国的には九月一日です。今日は、ちょっと特別な日です。
三年も前となるともう忘れていてもいいことなのですが、ぼくは当時初めての連載小説を書いていました。ここのところよくこの頁に書いている別名義の作品ではなく、衛澤名義作です。書きはじめたのは更に前年の秋頃なのですが、その物語のはじまりは、いつかの八月三〇日のことで、その物語に登場する一人の誕生日がいつかの今日、九月一日なのでした。
その物語は丁度いま頃の時期から肌寒くなる頃までの季節の、大都会でもなければ笑っちゃうほど田舎でもない、ちょっと大きめの街が舞台です。
月刊連載だったので結末まで一気に書き上げてしまう訳にもいかず、一年かけて完結させた物語なので、ぼくがこれまで書いたものの中でも最も付き合いが長く、それ故一ト際愛着が強い作品なのですが、ぼくが書いたものの中で最も読まれていない作品でもあるでしょう。
それだけに残念でなおさら忘れ難く、いま頃の季節になるとその物語や物語に登場した彼奴やそいつのことをよく思い出すのです。季節柄のセンチメンタリズムでしょうか。
そういえば、いつかの大型連休に彼奴の前を横切った黒い仔猫は、今年の大型連休にぼくの前に現れて、いま、ぼくと一緒に住んでいます。鈴が付いた首輪も着けています。
こんな話をしても、判る人はきっとぼくの片手で数えられるくらいしかいないのだとは判っているつもりではありますが、それでも、ちょっと話してみたかったのです。
【今日の甘味】
お腹がくちくなると甘いものがほしくなりますよね。季節はマンゴーから栗ですか。