数年ぶりに路線バスに乗った。 最寄りのバス停で待っていると、よちよち歩きの幼児がママと来た。 幼児は楽しそうにずっと何か言っている。 覚えたばかりの単語をひたすら繰り返しているのかと、微笑ましくて彼を見た。
「はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー」
女々しくてでもせいぜい3回だというのに、この「はやくして」はとどまるところを知らない。
「はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー? はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー、はやくしてー」
たまに疑問形をはさみつつひたすら続く。
ふとジグザグの「顔が好き」を思い出し脳内でメロディーをあててみる。
(だけどはやくしてーはやくしてーはやくしてーはやくしてーはやくしてー? はやくしてーはやくしてーはやくーしてなの〜♪)
命様の声に変換すると延々聞いていられる不思議。
しかしながら、 幼児は保育園か家で年がら年中「はやくしてー」と言われ続けているのだろうか。 それともその響きが面白くて、覚えたてのその言葉をリピートして楽しんでいるのだろうか。
知るよしもないが、まあ幼児が楽しそうだったからそれでいい。
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