| 2023年08月07日(月) |
楽しんでくれて何よりです。 |
母との同居は12年ぶり。 どこからどう見ても順調に老いた85歳なので、多少同じ話を繰り返すとか新しいことを覚えられない等々はあるものの、元々彼女は若い頃からちょいとおとぼけで面倒くさがりで方向音痴なので、さほど気にならない。 また昔から好き嫌いが激しくこだわりも強い「私コレじゃないとダメなの〜」系女子だったので、未だにヒールのある靴じゃないとイヤだとかババくさい服はイヤだとか、挙げ句の果てには「私そんなにおばあさんじゃな〜い」などとケタケタ笑いながら言うので、もう吉本新喜劇レベルの定番ギャグとして聞くのも慣れた今では、毎日飽きない日々を送っている。
日々観察していると、いろいろ現状がわかってくる。 膝が痛いだの腰が痛いだのと言うことはない。 足下がおぼつかない等もない。 風呂、着替え、排泄、食事に介助は必要ない。 食事も問題ない。 頭痛も以前ほどは起きないらしく鎮痛剤を必要としない。
転居したことでしばらくは混乱するかと思ったが、2日で慣れた。 トイレの水洗ボタン等はわかりやすいようシールを貼った。 自宅に高齢者用のワンタッチダイヤル付き固定電話を設置したら、大変喜ばれた。 お風呂の使い方はすぐ理解した。 買い換えたバッグや服や財布を自分のものと理解するまで2日。 てことは、だいたい2日で受け入れるということだ。
猫の存在はとても喜んでいるが、彼の名前がヤマトであることだけは覚えない。 頑なに「ミーちゃん」と呼び続けるのでこれはもう諦めた。 仕方が無いので現在私は、ヤマトとミーちゃんの頭󠄀をとって「ヤミー」と呼んでいる。 猫は猫で私がヤミーと呼べば振り向いて「ニャ?」と返事をするので、まあ順応性が高いように感じる。 猫じゃらしの使い方を教えたら、楽しそうに遊んでくれる。母も猫も。
まあ、一週間でここまで慣れてくれれば上出来なんじゃない? と、仏壇の旦那とその横に新たに並んだ父の位牌に線香をあげつつひとりごつ。 そして並ぶ位牌の二人は仲良く享年79歳。 ふふと笑む。
楽しんで生きるよ、私も。
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