相撲を見ているとビールが飲みたくなる。 相撲を見ていると焼鳥が食べたくなる。
それはもう登山家が山を見たら登りたくなるような、船に乗った昭和の漁師が鳥羽一郎を歌いたくなるような条件反射的なものだから抗いようがない。
というわけでこれまでさんざん相撲視聴時には焼鳥屋のテイクアウトとか国技館焼鳥の通販とかコンビニのレジ横とか試してきましたが、先の9月場所ではなぜか無性に自分で作ってみたくなり、品揃えの良いスーパーで地鶏のモモ肉と白ネギ、そして市販の「やきとりのたれ」を買ってみたのです。
え?職人さんのように一本一本竹串にさしたあげく備長炭で焼き上げたりとかしませんよ?私は自分のためにそこまでこだわるタイプではありません。一年待ちで入手した錦見鋳造のフライパン(←現在3年待ち)で地鶏とネギをこんがり焼いたところに市販のたれをからめてはい完成。
そして食べた感想→「なんかコレじゃない感半端ない...」
いやあ、焼鳥はやはり買ってきたものに限りますな!
さて、潔く自作を諦めたのはいいが残ったのは250cc程の市販のやきとりのたれですよ。 先月からずーっと冷蔵庫の左ドアポケット中段に佇んでいらっしゃる。 それが目に入るたびに私はなんかこう、あーこれどうしよう的な気分になる。
旦那が買いすぎた柚子胡椒はぬか床に混ぜ込んで有効利用できたものの、さすがにこれをぬか床に混ぜ込むことなどできない。 そして自分が買っておきながら処遇に困るものがあるのも、これまたなんともスッキリしない。
というわけで、 この問題を解決すべく、このたれのラベルをじーっと見ていたらふとひらめきました。鶏のたれっちゃけん鶏に使えばいいやん、と。 さっそく圧力鍋に手羽元と大根、そしてやきとりのたれと酒、酢、おろしにんにく等々適当に投入。圧が抜けたところでゆで卵も入れてしばし煮含めはいできあがり。そしてことの顛末を知らぬ旦那に出したところ「うまーい♡」と喜ばれ、めでたしめでたしと言いたいところですが、あまりにうまいを連呼されたあげく「いつものより優しい味で俺はこっちが好いとー。また作って!同じやつ」とニッコニコ顔で言われてしまいました。
さて私は今後もやきとりのたれを手羽元煮専用調味料として、なんかちょっと本末転倒気味に買い続けることになるのだろうかどうだろうか。
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