商店街で八百屋に呼び止められました。
「ねえ奥さん!今からこのほうれん草、2束で150円にしとくよ!」
見ればまあまあの葉っぱぶりのほうれん草であります。 全部で8束。 突き刺してある段ボールの切れっ端には一束150円とあります。
そういえば最近ほうれん草を買ってないし 夫は血液検査で多少鉄分低めだし 買ってってもいいかと思い、立ち止まって八百屋おやじと対面です。
「いいの?150円にしちゃって」と私。
「いいよー、もういいんだよ。このまんま売れ残っても意味ないし。八百屋なんてホントわりにあわない商売だよ。仕入れ値ばっかあがって、店にだしても売れないし。ホント、もうやってらんないよ」
・・・首でもつりそうな勢いです。
仕方がないので母の家の分も追加して4束買いました。
「ほんとにねえ、もうイヤな商売だよ八百屋なんて。やめたいよ」
おやじの嘆きは300円を受け取ってもまだ続きます。
「災害続きで野菜の仕入れ値もすごくて、やってらんないよ。高くて売れないからこーやって赤字覚悟の値段だよ。はああ」
あまりに嘆き続ける八百屋おやじに対して ついに私も口を開きました。
「おいちゃんさー、ここに書いてる札の値段、一束300円にしとけば?それを一束150円!って言えば飛びつくんじゃないの?おばちゃん心理としては。それで振り向いたところでヨシ!だったら一束100円でいいよ!負けとくよ!って言えばもー客わんさかだったりしない?」
別にそれを実行しろとはいいませんが これでオヤジが一緒に笑ってくれて少しでも楽観的になってくれれば 私も一人首つり予備軍を救った気分にでもなるんですが 八百屋おやじは言いましたね。
「・・・したいけどさあ・・・やっぱできないよー」
もー私が一番苦手なタイプだわ。二度と買うもんか。はよ店閉めれ。年金で細々生きとけ!
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