今、家の周りに生息している猫は、
全部シロさんの子供か孫。
もう何歳かわからないので「さんづけ」。
けれど、ポンポンと子供を産むので、今年になって
やっと避妊手術に連れて行くことができたけれど、
オスは去勢すると喧嘩が弱くなるんですってね。
メスも避妊手術すると喧嘩とか弱くなるのかしら。
ランダムに現れては怪我が酷くなっているような。
ていうか、左耳なんかもう、無いし。
稀にアスファルトの舗装の上でコロコロしている時に
お腹が見えるんだけど、なんか、避妊の後のお腹から
血種のようなものも見えるし。
で、近所の住人さんたちから、「病気じゃないの?」とか、
「気持ち悪い猫がうちの犬に近づくんだよ!」とか、
「土に菌がついて伝染するんじゃないでしょうね!?」とか、
餌付けしたのは向かいのK野さんなのに、うちに苦情殺到。
K野さんはすっかり第三者のつもりらしいので、
「はよう獣医に見せなあかんわ〜。」とかなんとか。
「餌付けはK野さんがしたんだから病院代折半ですよね!」
「なんのことかわからんわ〜。」
「この私の車の下に毎日置いてある発泡スチロールのお皿は?」
「・・・。(←視線が泳ぐ。)」
「じゃあ、捕まえるのだけ協力してください。」
「え!いいの!?」
「良くないけどいいです!病院に連れて行って
治療を受けて戻って来たら家の子にしますから。」
「あんさん物好きやな〜。」
「まあ、元はと言えば最初にシロさんを強引にでも 避妊手術に連れていけていればこんな大事には至らなかったですから。
それを誰かさんが餌付けして。」
「おねえちゃん、餌付けにこだわるなぁ。」
「その一回の餌付けで私の家は。」
「わかった、わかった。」
交渉成立。
「ちょっと待っとって。
とらまえてくるわ(←つかまえてくるわ。)」
五分経過。
「つーかーまーえーたー!」
K野さんの咆哮。
そんな簡単に捕まるもんなの?
半信半疑でK野さんの家に。
ケージに入れられ、「フ〜ッ!!!」と威嚇するシロさん。
籠の中のなんとかって慣用句であったよね。
なんかそんな感じ。
急いでK野さん行きつけの獣医さんへ電話。
「例の猫、捕まりました!今から連れて行っていいですか!?」
「捕まった!?捕まらん猫じゃなかったっけ?」
「例の餌付けした・・・。」
「あ、ああ、ああ。その人な。」
「とにかく、今から行ってもいいですか?」
「ああ、急いで持っといで。」
「はい!」
「こんな感じなんですけど・・・。」
ケージに被せた布を剥ぐと、満身創痍の白猫の姿が。
「とにかく、耳とお腹を診るとして、
他にもなんか無いとええがなぁ・・・。」
「シャーッ!」←シロさん元気。
「ごはんは?」「バクバク食べます。」「ふーん。」
「ほんなら一週間入院コースやな。」
「一週間・・・野良猫コースだとおいくらでしょう。」
「うーん、手術する部位が大きいのがふたつもあるしなぁ。」
「そこをなんとか!」
「なんとか。(←計算機のディスプレイを見せる。)」
「う〜ん、ポチポチっと。」(←計算機をいじる。)
「そこまで引くか〜。」
「お願いします!うち、あわやなまぽの低所得家庭なんです!」
「猫貧乏家庭か。仕方ないな〜。」
「いいんですか!?」「あんたの言い値やで!?」
「わ〜、ありがたいです!シロさん、痛いのも今日限りだかんね!」
「シャーッ!(←イマイチ事態を飲み込めていない本人。)」
・・・というのが一週間前のことなんで。
明日、シロさんを迎えに行ってきます。
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